シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚 作:グレン×グレン
この調子で痩せたいですねー。いろいろとうるさく言われていたので、これを逃さず痩せたいですねー。
それは置いといて本編!
《樹下誠二》
「単刀直入に言う。ここにいるイッセーはセクハラの権化じみた方法でアンタらが何の為に来たのかを探ることができるので、信徒らしく虚偽なく素直に白状しろ。こっちのあんな頭の痛くなるセクハラを使う機会がないならそれに越したことはないから」
「「……?」」
目が点になっている女性騎士二人に対し、俺はどうやって繋げればいいんだろうかと思った。
「畜生! なんでだ、なんで皆俺の
「例え特訓で精神的に幻覚幻聴が見えるほど追い詰められたとしても、並の変態はおっぱいと対話する為に悟りを開くレベルの修行を同時進行でするなんて発想に出ることはまずないと断言できるからだ!!」
今でも時々信じられないからな。
どっから突っ込んだらいいんだ案件だぞ。それで助かったところがあるから本当に頭が痛くなる。
ほれ、目の前の女騎士二人が揃ってイッセーからそれとなく距離を取っているし。
というかどうしたものか。
「……分かったわ。どちらにしても、話を聞いてくれるのならその恩義には報いなければいけないわね」
と、年長者の方が納得したようだ。
「目的から言うわ。……孤児院に義援金を届けに来たのよ。当分行かないことを前提に、相当額をね」
そう言いながらカバンを開くと、札束がぎっしり。
明らかに数千万はあるな。相当ごっそり持ってきたようだ。
さて、それでどうするかだ。
これ、流石に上層部に伝えないとまずいだろう。独断で動けることでもないしな。
「とりあえず、お金置いたら帰るっていうならそれでいいんじゃないか?」
「いや、勝手に決めるな。それで片付けていいことじゃないから、マジないから」
独断でこれやったら怒られるじゃすまないから。
下手をしなくても俺達の立場だと、絶対に秀華やリアス部長に迷惑かかるから。落ち着け下級悪魔。
「とりあえず、話が分かりそうな上役に相談するからちょっと待て。最悪でも金は届けられると思うが―」
「―中々大変なことになってますねぇ」
俺の言葉を遮って、久々に生で聞いた声が飛んでくる。
振り返るとそこにいたのは小笠原長官。あとSPや秘書もいた。
「……すいません。報告のタイミングを誤りました」
「それはお構いなく。貴方がこの手のことで報告をしないということはまずないでしょう。今どき見ないほど責任感の申し子な若者ですからねぇ」
はっはっはと笑いながら、小笠原長官は二人の女騎士をちらりと見る。
「第七愛欲騎士団の中でも指折りとされる方々ですね。
「……流石は腐っても先進国。諜報においても入れどころが分かれば早いようで」
小笠原長官に嫌味じみた返しをしたのが霞城真那月。年長者側。
で、ちょっとおろおろしている年下の側が安城伊緒だ。それは資料で見ている。
ただ優先順位が低い副次資料だったうえに結構いきなり決まったところがあるので、補足説明の類などを見るのが遅れたのは反省だ。一応必須事項及び優先順位が高い部類は一から銃まで目を通してはいたのだがな。
そして、その補足事項においては俺も無関係ではいられない。
そしてそれを把握しているのだろう。小笠原長官はまず二人に頭を下げ、秘書もそれに続いた。
「まずはお詫びを。我々日本国の治安維持と規律維持に大きな隙があった所為で、お二人を含めた多くの者達に苦痛を強いてしまいました。現状、猛省し改善を進めておりますが……それでお許しくださいとは言えませんね」
それ、なんだよな。
彼女達は元々緩いクリスチャンだったが、本格的になったのは四年前。そして、それは俺にとっても無関係ではない。
「……私は不信感はあるけれど、真面目にやっている政治家にまで大義無い加害行為を働く気はないですよ。そもそも悪いのは波柴一族ですし」
と、霞城真那月が答える。
そしてイッセーも大概悟ったのだろう。こっちに視線を向けてきた。
「……あいつらどこにでも沸いてるんだな。しかもこれ、政治家にいた内通者とかそういうやつが出てくる案件」
「そのようだな。後で資料を渡すが、流石に本人の前で声に出して説明するのは避けたい内容だ」
俺は缶コーヒーを飲んで気を落ち着けながら、内心でため息をつく。
本っ当にあいつらは毎度毎度クソの権化のようなことをする。マジで滅びろ……大体滅びてたな。
かといって、生き残っている奴の大半は矢城なんて運9割の三下ではないだろうしその辺は厄介だ。
いやもう本当に……本当に……っ
「樹下、ちょっと落ち着こうな?」
「まぁ別方面の被害者筆頭ですからねぇ。思うところは盛大にあることでしょう」
イッセーにも小笠原長官にも同情されたよ。
「……貴方もなの?」
と、安城の方に言われたけど頷くしかない。
「というより、別の意味で大変でしたよ。
と、小笠原長官がそれとなく説明。
まぁ真実だし変な誤魔化しもないな。前半の細かい内容はぼかしている辺り気遣いもある。
それにまぁ、これも一種の交渉術だろう。
同じ怨敵を持ち、更にその怨敵を壊滅させた功労者となると、だ。
「「本当に……ありがとうございます!!」」
感謝してしまうのが人情だ。
涙目で勢い良く頭を下げられるとちょっと引くところもあるだろうが、あの連中に被害を受けていたというのならば納得でもある。
納得させれるほどの業の深さが怖いよ。あいつらは本当にだ。
「多分半日ぐらい奴らの対する恨み言で話せる気はしますね。……酒が飲めるようになったらやばいことになりそうだとは思ってます」
ほぼ確実に二日酔いを経験するだろう。そのレベルで呑んでしまう気が満載だ。
あいつらに対する恨み節なら山ほどある。小学生の頃から四年前後も奴らのところでろくでもない教育を受けているんだからな……っ!
あ、ちょっと負の感情漏れた。
正直警戒させるかと思ったが、霞城も安城もうんうんと頷いていた。
「ろくでもないに決まっている。私も三年近く……っ!」
「本当に酷かったもの。その、大変だったよね……っ」
二人揃って涙ぐむほどに同情してくれている。
ああ、この二人も大概だったな。資料を流し読みしているだけで大体わかる。
敵同士でなければ、敵同士でなければ本当に波柴への愚痴で盛り上がりたいっ。
だが迂闊な発言はできない。その気遣いは必要だ……!
「……その、小笠原長官? あの二人ってどんだけ酷いことされてるんですか? いや、吹本さんや旗本さんとか、大概なのは聞かされてますけど」
「あの二人も大概ではあるのですが、ある意味でそこのお二人は数段上を言ってますからねぇ。ただ、これをうかつに語るのはアレなんですが」
なんか小笠原長官までイッセーから視線を逸らしたからな。
まぁ、全部は読んでないがある程度の予想はつくから、俺も正直言いづらいが。
とはいえ、ここまで来たのなら知る必要はあるだろうしな。
相手もそう思っていたのか、顔を見合わせて頷くと俺達……特に、詳しく分かってないイッセーに顔を向ける。
「単刀直入に言うと、あの孤児院には私達の子供がいるの」
「霞城さんは二人で、私の子は一人ね」
「……はぁああああああああっ!?」
まぁ、イッセーが大絶叫するのも当然だろうなぁ。
《空本麗夜》
誠二が第七愛欲騎士団の者達と接触したとかで、待機組だった俺が穴埋めとして派遣されることになった。
イッセー君もいるらしいけど、何がどうしてこうなったのやら。まぁ、こういう予想外の事態は起きて当然ではあるけどね。
しかしそれにしても、最近の俺達はトラブルの引きがいいというかなんというか。運が悪いにもほどがあるというか、正しい意味での悪運が強すぎるというか。
これはかなり真剣に鍛え直さないと駄目だろうね。流石に魔王クラスにまで底上げされた最上級悪魔レベルの化け物なんで禍の団でも希少種側だろうけど、それでもあと三倍ぐらいいてもおかしくない。とどめにこの世界最強の存在である龍神オーフィスまでいるわけだし。
さて、それはそれとして、だね。
「長官が既に合流しておられるのなら、あちらは任せてもいいでしょう。誠二は勿論イッセー君も、間違いなく優秀な戦力ですから」
「そうですね。魔王末裔をそれぞれほぼ一人で追い込んだ猛者ですし、個人戦力であの二人以上の戦力など今回投入されてませんし」
現地の担当の人と言葉を交わして、俺達はそれぞれ分散して一斉摘発の準備に入っている。
超法規的措置といえる異形案件とは言え、相手は人間の犯罪組織。可能な限り表のルールにのっとって逮捕した方がいい。
なので死人は少な目。そして周囲の被害もしっかり配慮。その上で命大事に。
さて、頑張りますか。
《兵藤一誠》
「そうか。十歳前後でいきなり殺しの経験まで。……私も十代の時に娼婦そのものとして働かされる羽目になったが、下には下がいるものだ」
「いえ。年頃の女性にとってそのような扱いを望まずさせられるのはつらいものだとぐらい知っています。不幸の度合いを比べる必要もないでしょう」
「そうだね。絶対、日本じゃ底辺とか言われそうなレベルの目に遭ってるし」
樹下と第七愛欲騎士団の人達が和気あいあいと話している。
だけど内容が不幸すぎて、俺はどうしたらいいんだろう。
と、小笠原長官がポンと肩に手を置いた。
「流しておきましょう。適度にそれができませんと、
「……頑張ります」
多分、俺は苦労するんだろうなぁ。
だってそういうの全然できないもん。絶対、俺って体当たりで解決していく方向になるし。
いや、リアス部長達に迷惑をかけない為にもできるようになった方がいいんだろうか。でもできる気がしないし、体当たりでいいからぶつかっていきたい。
俺って、やり手の政治家にはなれないタイプだろうなぁ。ま、上級悪魔ぐらいでいいけど。
でも、樹下の方が先に中級になるんだろうなぁ。あいつのことだから多分合格するだろうし。
「樹下の中級昇格、多分確定ですよね?」
「試験はきちんと合格すること前提ですけどねぇ。まぁ彼はその辺りそつがないですし、実技の点は間違いなく優秀でしょうから、十中八九できるでしょう」
俺が聞くけど長官も同感だった。
ま、そうだよな。
でも俺の場合、何度か落ちてもおかしくないよなぁ。
なんかまだ資格も取ってないのに凹んでくるけど、そんな俺の肩をポンポンと長官が叩いてくれる。
「そこまで沈むことはありません。至った神滅具の持ち主なら、中級の資格試験を真面目に受けて無様をさらすことはないでしょう」
そ、そうっすかね。
「ぜひとも頑張って受けて合格してください。それなりに繋がりがある貴方が至ってくれれば、祓魔庁にも恩恵があり、ひいては日本の国益にも繋がりますので」
ちゃっかりしてた!
「ろ、露骨に言うことですか!?」
「政治家の発言など本来「国益」と「国民の恩恵」の二つを配慮しての物です。それがなければ自分の利益も入りませんからね」
つ、ツッコんだら身もふたもないことを言ったよ。
「なので、私をあまり信用しすぎないように。この国や民達に対する害が大きいと判断したのなら、私は美子すら切り捨てることを想定していますからね」
……凄いことを言うな。
ちょっと俺はイラってきたけど、それを見て長官はうんうんと頷いていた。
「いいことを教えておきますが、現在の政治家とはそういう素質が重要になるものです。右手で握手をする相手に笑顔を向けながら、左手は常にナイフを取れるようにする。腹芸ができない政治家は人間世界では大きなデメリットを背負う生き物ですからね」
……政治家って怖いなぁ。
「その通りです。むしろ前もって忠告してくれるだけ、小笠原長官は政治家として人が良すぎるぐらいですよ? 質が悪いのはわざと信用させすぎるように立ち回るものですから」
「もっとも、今の我が国は理想家が過ぎるところがあるからなぁ。小笠原長官のような人達が適度にフォローし育てていかないと、大きな失敗のリスクがあるわけで」
秘書やSPの方々がすっごいこと言ってるよ。
政治って怖い。樹下も怒らすと怖いけど、
「イッセー、くだらないダジャレを考えるなよ?」
離れたところから心読むなよ樹下!
現状の日本政府は、波柴一族の暗躍・壊滅・最後っ屁の今後によって理想に燃える若手や骨のある老練な方々だけが残っております。一歩間違えると変な暴走をしかねないですが、とりあえず現状はいい方向に進んでいる感じです。
……いっそのことどっかのタイミングで、リゼヴィムにそそのかされて暴走させてみるか……?