※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! 給料日を前にワクワクが止まらないグレン×グレンでっす!

 さて、給料日ぐらいはもうちょっと豪勢なものを自炊しようかなぁとか思ってたりはします。……とりあえず、牛肉か魚を食べたい所。自炊をすると金の問題からどうしても鳥か豚が中心になるもので……。

 では本編!


第五話 罪には裁きを、善には許しを

《Other》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 小笠原一族。それは、異能を保有する日本の術者集団。

 

 古くから異能と関りが深い、武家の流れをくむ集団。だが同時に、五大宗家に比べれば明確に格下で、遠く離れた太平洋に浮かぶ島を一つ所有し、それを表の世界には関われないよう結界に包みながら過ごしていた。

 

 本島にも住まう者がいるほど数は多く、実力も決して低くはない。だが五大宗家に比べれば規模で劣り、過程が見合っていたことから日本政府と繋がりを持つのはリスクも大きい存在だ。

 

 それが大きく変わったのは、神代晃星の誕生以降。

 

 神代晃星から漏れ出る星辰体の影響は、日欧の基本性能の向上や新生児の才人多発に始まり、異能の覚醒や増殖にも広がる。

 

 そして質において著しいのは、新しい神滅具の誕生である。

 

 それらの多くは本来別の神器だったものが特殊な進化を遂げるというケースが多く、小笠原一族に宿るそれもまた同様だった。

 

 たまたま島に住まう小笠原一族の物が持っていた準神滅具、鉄槌要塞(バンカー・バンカー)が、島で滅びた下級の神性の残滓、島に住まう一族達の繋がり、そして島の霊脈に、島を覆う一族の結界。これらと呼応して変質した、島に宿る一族と繋がる神滅具。

 

 それこそが、新規神滅具の一角である神威なる曙光機構(デウス・エクス・マキナ・サンライズ)。極めて特殊な性質により、大別すると三つの異能を持ち、それらを端末といえる一族の物が限定的な形で行使する神滅具である。

 

 能力は大きく分け、本来の鉄槌要塞に連なる「鋼の巨神の使役」たる独立具現型、島の結界に呼応する「島に掛けられた結界の再現」たる結界型、そして一族の術者達の影響と地脈に端を発する「地脈によって増幅された生命力」たる属性型。これらを端末たる一族の者の相性に伴い劣化再現し、いくつかの条件を揃えることで本来の力を振るうこともできるというものだ。

 

 この神滅具の影響により小笠原一族の発言力や注目度は一気に向上。更に虚蝉機関の暴走に伴う日本政府の五大宗家に対する不信感の増大により、対抗馬として作られた側面を持つ祓魔庁の長官として、小笠原一族は優先的に配属されることとなる。

 

 桃山警護事務所に美子が所属できたのも、決してただのコネではない。小笠原一族の神滅具をかなり強い部類で振るえることもまた、彼女が配属される大きな理由となっている。

 

 そしてそれは裏を返せば、「小笠原一族の者を敵に回すことは神滅具を敵に回すことと同義」であるという点。この一点をもって、五大宗家の一つ一つにすら大きく劣る小笠原一族は、日本政府にとって五大宗家すら超える価値を持つ一族へと変貌した。

 

 そしてこれらの情報はかなり統制がされており、五大宗家ですら詳細を知る者は少ない。当然、半グレ如きに知る道理があるわけもない。

 

 ゆえにこそ、この戦いにおける勝利は必定である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《兵藤一誠》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 すっげぇええええええええ!!

 

 なんか凄い結界を長官さん張ってるぅ!? っていうか、一族と島に宿る神滅具ってありぃ!?

 

『末恐ろしいな。この場合は神代晃星が恐ろしいのだが、かなり厄介なそれになっているといえるだろうさ』

 

 ドライグがここまで言うレベルかよ、やばいなオイ。

 

「……神滅具が個人でなく一族に宿るだなんて……っ」

 

「それも、土地と繋がった状態……凄い……っ」

 

 霞城さんも安城さんもびっくりしてるけど、確かになぁ。

 

「な、舐めんじゃねえ! お前ら、そろそろ暴れろ!!」

 

「「う、うっす!」」

 

 って、相手も復帰しやがった。

 

 ……ただ、あっさりやられそうだけど。

 

「隙だらけだぞ?」

 

 ほら、何時の間にか樹下が回り込んでるし。

 

 素早く一人に魔剣を大量に叩き込んだうえで、星辰光でもう片方に切りかかる。

 

 それを慌てた片方は魔力で強引に受けるし、もう片方もズタボロになってるけどそのまま樹下に突進してきた。

 

 ただまぁ、俺が出る幕はないよなぁ。

 

「……なるほど。どっちも準神滅具……を持ってるだけか」

 

 樹下は攻撃を回避しながら魔剣の雨あられと黒刃の蹴りを放って、そのまま二人をズタボロにしてぶっ倒した。

 

 強さとしてはディオドラよりは弱いな。あれで準神滅具持ちなのかって思うぐらい拍子抜けだ。

 

「嘘だろ……よ、用心棒なんだぞそいつらは!?」

 

 そう言いながら黒須とかいうのは大量の銃を持った連中を並べて、慌てて一斉砲撃を放つ。

 

 だけどその砲撃は、小笠原さんが張った結界であっさり封じられた。

 

「至っている可能性も考慮しましたが、どうやら特殊能力特化の様で。なら、結界系でも神滅具級ならどうとでもなりますねぇ。……殲滅の突撃大隊(アサルト・カンパニー)は面の制圧力で戦うタイプですから相性もいい」

 

「く……この、舐めるな!」

 

 切れた黒野は小銃を手に持ってこっちに襲い掛かるけど、素早く樹下が後ろから蹴りかかる。

 

 それを交わして黒野は抵抗するけど、そこに左右から霞城さんと安城さんが切りかかった。

 

「ちょ、この……しつこいんだよ!」

 

「こっちのセリフだ、手古摺らせるな。死にたいのかもしれないが、お前には話してもらわないと困るんだよ」

 

「子供達に手は出させない!」

 

 抵抗する黒須に樹下と霞城さんがバッサリと切るけど、さて、俺もそろそろ……よし。

 

「この、会長ってばいい加減しつこい―」

 

「―お前がしつこい」

 

 ぽん、と。俺は眼鏡女の比企野とかいうやつの肩に手を置いた。

 

洋服崩壊(ドレス・ブレイク)

 

「へ……きゃぁああああああっ!?」

 

 一瞬で全裸にされ、比企野は慌てて大絶叫。

 

 その一瞬で、俺はボディブローをついでに叩き込んで失神させる。

 

 はらわたが煮えくり返るようなことばかり言っているけど、スタイルはいい美女なのが残念だぜ。ま、眼福とだけ思っておくか。

 

「うわぁ……瞬殺……っ」

 

 安城さんが戦慄しているけど、俺って大概強い扱いされてるのか?

 

 あ、黒野の奴も大概追い込まれてるな。

 

「ぐ……この……っ!」

 

「しぶといな。維持性と発動値特化型か。……基本性能が高いとこういう時面倒だ」

 

 樹下がぼやくけど、只余裕は消えてない。

 

 樹下の場合、余裕があるといざという時にとっておくからな。不意打ちでやられることはまずねえだろ。犯罪組織で何年も反撃の為に耐えてきたのは伊達じゃねえ。

 

 それに、そろそろこっちの勝ちが確定だってのは俺でも分かるからな。不意打ち喰らわないように気を付けつつ、孤児院を庇える様にするだけでいいだろう。

 

 なんたって―

 

「おい、なんだよこの敵意……!?」

 

 ―あいつの顔が真っ青になるぐらい、もうそこかしこを増援が囲んでいるからなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《樹下誠二》

 

 

 

 

 

 

 

 

 ひと悶着あったが、半グレ集団「ブラック・クロス」は壊滅した。

 

 構成員の90%以上が逮捕され、幹部は全員拘束完了。組織としての復帰は絶望的だろう。

 

 これで日本の風通しも更に良くなったと思いたい。あと人身売買のルートを未然に潰せたのも大きいだろう。

 

 そう思いながら、俺達は霞城と安城を見送ることにする。

 

 本来なら捕縛することが正しいのだろうが、小笠原長官の判断もあった。

 

 ただし見逃す代金の一つとして、書状を届けるように言付かっているそうだが。

 

「……ま、そういうわけで安全確認はしていいので上層部に届けておいてくれ。……どう考えても破格の取引だからな、これ?」

 

「樹下、ちょっと言いすぎじゃね?」

 

 イッセーはそういうが、敵対勢力であることを考えると厳しいぐらいでちょうどいいんだがな。

 

 ま、今回は色々あってこっちの都合に振り回したところもあるからな。この辺でいいだろうということにしておくか。

 

 それに、強引に何とかしようとしてもイッセー辺りが止めるだろうし。

 

「今回は本当に感謝しているわ。貴方達がいなければ、私達だけでは比企野達を止めることなんてできなかった。……それに、あれに報いを与えることもできたわけだしね」

 

 と、霞城は苦笑交じりで礼を言ってくる。

 

「えっと、なんか微妙に嬉しくなさそうだけど? 色々された奴なんだし、一発かましたってばちは当たらないんじゃ?」

 

 イッセーは首を傾げるが、そういうわけでは断じてない。

 

 それを安城も分かっているから、こっちも苦笑していた。

 

「罪に対して裁きを下すは主の所業だから。社会的秩序や代行であることを踏まえた裁きならともかく、私怨で裁きを下すのは問題かな。ほら、この言葉ぐらいは聞いたことがない? 復讐するは我にありって」

 

「あれ聖書の神様の言葉だったんですか!?」

 

 ま、そういうわけだ。

 

 本質的において、聖書の教えは人が人を裁くことにすら割と厳しい。

 

 罪を犯したことのない者だけが罪人に石を投げよと、神の子は宣言していたはずだしな。罪を裁くのは主に許されたことであり、大なり小なり罪を犯す人は、罰を下す側ではないともとれる。

 

 もっともそれでは社会が回らないからこそ、そればっかりでもないわけだが。だからこそ、復讐という私怨での行動は基本的に認めてないところがある。……まぁ、解釈の余地は多いし聖書の神様が既に死んでいるから、どうとでも取れるわけだが。

 

 とはいえ、だからまぁ悩むこともあるわけだが。

 

 ただし―

 

「……ま、いいんじゃないですか?」

 

 ―そういうのを深く気にしない馬鹿が此処にいるわけだったりする。

 

「流石にあんな悪党を野放しにして、たくさんの人が不幸になったりするのは聖書の神様だってどうかって思うでしょ? 直接動ける人が動いて、その時偶々意趣返しってのができるってだけなんですし、そこまで悪く言ったりしたりはしないんじゃないですかね?」

 

 聖書の神に対しては思うところがあるイッセーだが、こういうところは素直に美徳だろう。

 

 その言葉に霞城も安城も、若干呆気に取られていたけど肩の荷は少し降りたようだ。

 

「……ありがとう。戦いの場では容赦できないけど、貴方には心から感謝するわ」

 

「少し、気が晴れたかな。……できれば、敵対しないことを願ってるよ」

 

 その光景を見ながら、俺はふと思った。

 

 人のことはあまり悪く言えないが、このスケコマシは色々やらかしすぎじゃないだろうかと。

 

 ……帰ったら秀華達に甘えよう。リアス部長達に告げ口しないだけ感謝してもらいたいぐらいだが……な。

 




 短編なのでまぁあっさりといえばあっさりです。

 ちなみに黒野の星辰光は共感覚型で敵となるものを視認する星辰光。比企野は広範囲に半減を展開する亜種発現として白龍皇の光翼を再現する感じです。どっちも優秀ではあるのですが、至っても鍛えてもいない準神滅具保有者を釣れている程度では勝てるメンツではなかったのです。ナムナム……。

 次回からは放課後のラグナロク編です。本作ではロキはハーデスと共にアイアンローズの後ろ盾となっているので、いろいろと規模がでかい大暴れになる予定!
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