シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚 作:グレン×グレン
基本としては作り置き主体ですので、日曜日はいっぱい作りました! 五品ぐらい作ってそれとは別に晩飯朝飯なので、本当にたくさん作ったぜー!
それはそれとして本編!
第一話 大揺れの冥界
《樹下誠二》
「……樹下、おっぱいドラゴンって……凄い人気だよなぁ」
「異形や異能は、人間社会から一線を引いているのがよく分かるというべきだろうか」
ちょっとお互いに呆れながら、俺はイッセーとぼやいていた。
乳龍帝おっぱいドラゴンが大人気過ぎる。一周回って戦慄を覚えるほどに人気過ぎる。
ま、悪いことではないんだろうがな。
ただまぁ、歌が完全に子供のお遊戯タイプで、歌詞の内容もあれだからなぁ。
で、それもあっての相談な結果、ここにはもう一人来ているわけだ。
「で、私に依頼ってこと?」
「はい! アザゼル先生達に頼んでも、絶対方向性が変わらないと思うんです!!」
イッセーが素早く頭を下げる対象は海砂さんだ。
吹本海砂。元インディーズアイドルで、メジャーデビュー前に波柴の一斉摘発もあり職を失っている。
とはいえ芸能界経験者なこともあり、イッセーはおっぱいドラゴン関係でそこそこ力を借りている。
具体的にはダンス振り付けの時にアドバイスをもらったり、練習について教わったりしていた感じだ。その為、近しい関係者だった俺も含めて相談をもらっていたことからちょっと早く知っている。
「なんかもうちょっとかっこいいテーマソングが欲しいです! いや本当にマジで!!」
「言いたいことは分かるし、まぁ作曲はともかく作詞は挑戦したこともあるけど」
思った以上に海砂さんは色々やっていたらしい。普通アイドルの歌って、作詞作曲ダンス振り付けに至るまで基本は別の人が作ってるだろうに。
ただまぁ、俺も気にはなる。ただし、乗ってくれるかは別問題だ。
「……でもいいの? 私はほら、大規模枕営業に関わっているわけだし」
「……それを言うなら俺、覗きやりまくってましたよ?」
……妙なところで類似性が見えてきやがったし。
ただまぁツッコミを入れるべきなんだろうがどうしたものかと思ってると、ドアがノックされた。
「お茶とお菓子を持ってきたわよ。で、話は終わってるのかしら?」
「まだかかりそうだけど、聞いてもいい話かな?」
アルトリーネさんと流花さんがお茶の準備を終えてきてくれたようだ。
ま、細かい話はまた後程になるだろうしな。これでいいだろう。
それにまぁ、俺も色々と確認した方がいいこともあるしな。
「……そういえば、ディオドラの件で色々とあったな。禍の団が今後動く前に、色々と備えた方がいいかもな」
ちょっと気分転換というのもあれだが、こういう形を利用して相談を促すのもありだろう。
色々と考えて動くの、きっとありなんだろうな。
ま、こんな日々ばかりではないのがほぼ確定なのが涙出てきそうだけど。
《Other》
「……ぁ……~。じわるぅ~」
そう、湯気で包まれた空間で雨宮麗奈は誰に聞かせるでもなしに呟いた。
「まったくですねぇ、麗奈お姉様……。サウナ……適度な時間が楽しいかも……」
「お姉様も美子ちゃんも……楽しんでますねぇ……」
そして小笠原美子とリーナ・スターレインもまた、厚さを堪能しながら待ったりしている。
今彼女達は、四人でサウナを堪能している。
そしてそのサウナの持ち主こそ―
「そうであろうそうであろう。もっと堪能するがよいぞ!」
―雲川麗華である。
「しかしまぁ、アンタ結構な高給取りだったのね。……まさかそこそこの大きさな家を買って、サウナまで用意するなんてさ」
「くっくっく。これでも一応、神の子を見張る者では手練れのエージェントなのでな。それに現魔王のお歴々に頼まれて、私もまたルシファーの末裔として上級悪魔となっておるからな」
麗奈に対して胸を張る麗華は、にやりと笑いながらサウナを見渡す。
と、少ししてからサウナに備え付けた特別製のインターフォンを鳴らした。
『どうかしたしましたか、麗華さま』
「ああ、そろそろ一旦体を冷ますので、ドリンクの用意を頼む」
短く言葉を交わしてから、麗華はちらりと時計を確認。
既にサウナに入って9分ほど経過。我慢比べでないのなら、ここで体を冷ましたうえで外気浴を踏まえたセットを数度繰り返す。それが整いという感覚をもたらすのである。
それを可能とするだけの構成になっている麗華の私邸。当然だが、使用人がいなければ麗華一人では立ち回れない。
そしてその人員のことを想い、リーナは小さく微笑んだ。
「でも麗華さんも豪胆ですね! ディオドラ・アスタロトが囲っていた女性達から、態々スカウトしてハウスキーパーにしてるんですよね?」
「それだけではないがな。警備の者なども踏まえ、まぁ臣下としてはぐれた者を囲わせてもらっただけだ」
そう返す麗華の言う通り、この私邸を管理する者達は、今の冥界政府である種の宙ぶらりんになっている者達だ。
ディオドラに囲われた者達や、主を失った眷属悪魔。そういう立場の者達から見繕い、自らの私邸の管理を命じている。
むろん福利厚生や給料もしっかり払っており、法的には何の問題もない。私邸を作る段階で最初から使用人用の居住設備も用意しており、それができるだけの利権があるからこその物だろう。
「……お姉ちゃんとの対立派閥に位置するのは残念だが、文を送っても返事がなくてな。……お姉ちゃんなら、多分こういうこともすると思うのだがなぁ」
「ま、あっちも色々あったでしょうからね」
凹み始めた麗華の肩を、麗奈はポンポンと叩く。
元の原因に多分に自分が関わっているから強く励ませないながらも、それでも彼女は彼女なりに麗華をきちんと気遣っている。気遣えるように、なっている。
それをある程度の事情を知る美子は少しほっとした様子で微笑んでいた。
「どしたの、美子ちゃん?」
それに気づいて首を傾げるリーナに、美子は笑みを深くする。
「ダーリンが大好きな人達が、大好きだった頃を残しているから。それって、すっごい素敵なことじゃない?」
「……そっか。そうだね」
リーナもまた、二人の様子を見てから小さく微笑む。
「私がお姉様に会ったのは、お姉様が後悔した後だから。それまでのお姉様は知らないけど……でも、きっとその頃よりも立派になってると思うかな?」
そのリーナの言葉に美子も頷いた。
ただ美子は、リーナが少し苦笑していることにも気が付いた。
「……ただ、美子ちゃんはその……お姉様達のこと、いいの?」
「え? むしろダーリンの大好きな人達と大好きになれるって、素敵じゃない?」
真顔で返され、リーナは一瞬真顔になった。
「むしろ三人がかりでダーリンにご奉仕して……ぇへへ……」
あ、これ真性だ。リーナは本気で確信する。
レヴィアタンとなった社員達は、総じて何らかの後天的理由もあって性的に倒錯気味だ。だが美子だけはそういったところがほぼない。にも関わらず、下手をすると一番倒錯している。
お姉様と麗夜さん、頑張って。
リーナは心からそう思ってしまった。
《アザゼル》
俺は今、オカ研の部室でリアスやソーナを呼んで話し合いをしている。
ディオドラの件の事後処理も大体片付いて、他の話もできるようになってるからな。
「……まずはこちらから報告しますが、英雄派で捕縛できた者達について無視できないことが判明しました」
と、教会側からイリナと一緒に出席した雨宮司教がげんなりとした様子でそう言い出した。
また色々とあるみたいだな……ま、内容は知ってるが。
「諜報活動を行っていた部署が掴んだ情報に基づき、神の子を見張る者で保護していた捕縛された者を調査した結果です。アザゼル総督はもう聞いておられるでしょうが、オーフィスの蛇を神器内部に仕込んで過剰な刺激を与えられていました。……処置ができなければもれなく死んでいたでしょう。今現在は場所が分かっているので、
まったくえげつない内容だぜ。
英雄派による連続のテロだが、乱暴なうえに問題ありすぎる方法で禁手に到達方法を探っていたようだ。
神器そのものにオーフィスの蛇を与えて過剰に刺激や負荷を与えつつ、命がけの環境に送り込んで禁手に至らせる為に精神的過負荷まで与える。あとは死人まで出るような心身に過酷な状況で何人か至れば、そこから採取したデータを基に至り方の概要を作り、そこから仕立て直して確立させるって寸法だろうな。
えげつない手段にもほどがある。確かにこの方法なら遅かれ早かれ人工的に至りやすくする程度のことは簡単で、異能を併用することで至る可能性を大幅に上げられるだろう。
だが同時に非人道的にもほどがある。倫理観が無さ過ぎて、俺達神の子を見張る者がそんなことをやれば全勢力から非難され場合によっては軍事介入だ。もちろん多方面から恨まれる以上、ほぼほぼ負けるだろうさ。
だが禍の団はまごうことなくテロ組織で、表立った勢力をほぼすべて敵に回している。今更恨まれても問題ないとして、こういう手段を行ったようだな。
「それとこれも諜報班からの報告ですが、教会といがみ合っていた小規模な組織の神器保有者に禁手到達者が確認されるケースが増えています。……おそらく、英雄派が意図的に成果を流しているかと」
「そうらしいですね、先生。でも、なんでそんなことをするのかしら……全人類の為なんて考えじゃないでしょうに」
イリナが雨宮司教の言葉に頷きながら首を傾げるが、まぁその辺はなんとなく分かるさ。
「おそらく、俺達を引っ掻き回すのが目的だろう。禁手という爆発的な強化をしたのならそれをもって暴れる奴は少なからずいるさ。「したくてもできない」奴は「できるけどやらない」なんて選択肢は取らないからな」
神器によって人生を狂わされる奴は数多い。
大王派に多いが、神器持ちの人間を強引に眷属悪魔にして不遇な扱いをしている上級悪魔は数多い。サーゼクス達からすれば不本意だが、貴族社会で有力者が多いから手を付けづらいのが難しい問題だ。
また、神器という異能を持ったがゆえに周囲から排斥される奴なんて珍しくもない。神器を生み出したのは聖書の神様で俺が認められる唯一のことだが、被害者からすれば逆になるだろう。
まぁ俺達神の子を見張る者も、神器保有者は割と強引に囲ってるしな。最近は色々と自由度を上げれたが、それでも危険な神器保有者を殺すことはまだある。
そういう連中に手段を与えて暴れさせることで、こっちのリソースを削るのが狙いだろう。マジで厄介な話だぜ。
「そういう者達にそれなりの報いがあるのはいいことかもしれないけれど、かといってこういう手段で解決させられるとこちらも罰さざるを得ない者ね。やってくれるわね、英雄派は……っ」
「となると、逆に情報を漏らした可能性もありますね。助けられた側が義憤でこちらにつく可能性もありますが、これによって得られた技術で内部で暴走する者を増やせる可能性を狙っているかもしれません」
リアスもソーナもそれぞれ推察するが、そこまで間違っちゃいないだろうさ。
……さて、それはともかくこっちも話を進めるか。
「なら今度は別口だな。ロザリオ聖教国側だが、こっちも動きが進んでやがる」
あいつらもアイツらでどんどん準備が整ってるってことだろうしな。
ロザリオ聖教国が中々に厄介な立ち位置だから、国連を経由する形で交渉するのも一苦労だ。流石にあれだけの規模の連中に、聖書の神が死んでる事実を教えるのも無理があるしな。
「奴らは今現在、純潔十字同盟を名乗って和平に正式な抗議文を送っている。これに伴い教会関係の各勢力から賛同者や離反者も出てきており、無視は到底不可能なレベルだ」
「頭の痛くなる話ね。……悪魔側もそれほどではないけど不満を持っている層はいるから、他人事にはならないわ」
「更に受け皿となるアイアンローズもいまだ健在。……最近内部で粛正が起きたとのことだが、その割には異能方面は動揺が少ないらしい」
リアスも雨宮司教もため息をつくが、確かにな。
どうもアイアンローズの中枢側が一気に入れ替わったらしいが、表のPMC側はともかく裏の異能側はさほど動揺していない。
……思想に基づいて行動している組織は、それを広める中核に問題が発覚すれば揺らぐことは多いんだがな。どうやら「思想をもたらす個人」ではなく「思想そのもの」を中核としている準宗教組織化しているようだ。
こりゃトップをこき下ろしたところで何も変わらねえな。ロキやハーデスが苦労するだろうが、上手く利用できればやばい戦力になるだろうさ。
まったく。旧魔王派が自滅してくれたからだいぶ楽になると思いたいが、ぴんぴんしている奴も多いからな。
……頭が痛くなりそうな話だぜ。勘弁してほしいってのはこのことだな、おい。
あと、もう一つ言っておくことがあるな。
「それとこれは後から伝えられるだろうが一つ言っとく。……あとひと月ぐらいでローマ教皇とオーディンの爺が来日する。日本神話との会合が目的だ」
「……流石は総督殿。私達にもまだ話が届いていないのですがね」
雨宮司教が若干呆れ気味だな。
その様子にソーナはちょっと違和感を覚えているようだ。
ま、教皇の活動内容を、堕天使側が先に知ってるってのはもうちょっと驚いてもいいだろうからな。
「雨宮先生。もう少し動揺成されてもいいのでは?」
「それは仕方ないわ、会長。今の教皇猊下は色々とフットワークが軽いの……その所為で、私達がローラー作戦まですることになったけど」
と、イリナが少しげんなりしていた。
「……紫藤さん。教皇猊下の為に悪魔祓いがローラー作戦って何?」
「今代の教皇猊下、方向音痴な上に行動的だから……たまに行方不明になるの。そんなの一般信徒には教えられないから、私達が捜索に駆り出されたわ。……最近は捜索専門部隊が結成されたけれど」
俺も知った時は驚いたぜ。
奴さん、なにやってんだろうな。
と、そこでリアスとソーナの耳元に通信の魔方陣が届く。
その通信を聞いていた二人だが、二人は揃って目を見開いた。
「どうした? 非常事態か?」
「……いえ、少なくとも動乱が起きたわけではありません」
俺が聞くとソーナはそう答えるが、それでも明らかに表情が強張っている。
そして、リアスは唖然とした顔を向けた。
「……つい先ほど、サリアローズがサイラオーグにバアル次期当主の座をかけた決闘を挑んだそうよ。……現魔王派まで見届け人にした決闘にサリアローズが勝利。……今は、集中治療室に送られていると、混乱しながらの報告が来たわ……!」
……思った以上に派手に動いたな、サリアローズ。
このタイミングでこれとは、荒れるんじゃねえか……?
このタイミングでついに動くサリアローズ!
奴の出番は増えていくぜぇ……っ!