シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚 作:グレン×グレン
……どうしても卵がちょっと固まる……難しい……っ!
では本編!
《兵藤一誠》
……ふぅ。
俺は一息をつくと、けだるさと同時に体調がよくなっているのを感じていた。
「……ありがとうございます、イッセー先輩……♥」
そう答える小猫ちゃんは、頬を赤らめながら微笑んでくれるけど、ガチでエロい……っ!
ここまで言ってくれれば分かると思うけれど、俺は今、小猫ちゃんとエッチをした後だ。
……ただしゴムはつけて!
言いたいことは分かる。エロエロに厳しかった小猫ちゃんが、一気にここまでくるなんて俺だって想定外だ。
ただ、これにはちょっとした事情がある。
俺はシャルバ・ベルゼブブを
ただ、反動がめっちゃ酷い。理性は吹っ飛ぶし寿命も削るから、まともな方法じゃないってアザゼル先生も言ってたし。ヴァーリは才能がありすぎて一瞬だけ使うとかしているけど、あれはヴァーリだからできることだ。
しかも俺の場合はへっぽこ。その所為で、調べてもらった時寿命が100年まで減ってた。人間基準だと長生きだけど、悪魔基準だと短命にもほどがあるらしい。十歳まで生きられないとかそういうことかね?
で、その回復の為に小猫ちゃんの仙術を使うことになった。そして小猫ちゃんも色々調べて、房中術っていうのを使うことになったけど……それがSEXを利用するらしい。
色々揉めたけど、最終的に「避妊をきちんとするなら」ってことでこんな感じになったよ。
ただまぁ、それでめっちゃ苦労している人が二人ほどいるわけで―
《空本麗夜》
「お疲れ様です、星斗さん。おごりますので呑んでください」
「すいませーん。一番高いワインを瓶で、あとこの野菜チーズグラタンお願いします」
「お前ら、俺のこと忘れてないか?」
俺と麗奈が店員さんに注文していると。アザゼル総督がぼやいてきた。
そんな総督の肩を、麗華がポンポンと叩く。
「まぁまぁ総督。二人にとって星斗さんは一段上なのは仕方あるまい? ほら、お酌をするからコップを」
と、麗華がフォローに回るほどの事態だ。実際、星斗さんは頭痛を堪える表情で軽く俯いている。
まぁ、お二人揃っておいたわしいというかなんというか。特に星斗さんは信徒的にあれな気がしないでもないことを頼まれたわけだし。
端的に言うと、イッセー君が小猫ちゃんと房中術をする為に、仙術を問題なく行えるような避妊具の開発をしていた。
短期間で完成させるその手腕は見事すぎるし、多分これ……特許取ったら一儲けできそうな気がしないでもない。それはそれとして、頭痛案件以外の何物でもないだろうね。
「まぁいいじゃねえか。仙術じゃなけりゃイッセーの寿命は回復しねえし、それができるレベルで使えるのは小猫だけで青蘭じゃ無理だ。小猫にしてもまだ体ができてねえから妊娠はさせられねえし、これで三大勢力の英雄様が早死にする可能性は減ったろうさ」
アザゼル総督はそう言うけど、信徒的には首を傾げたくなる展開な気がする。
と、持ち直した星斗さんはお通しのきんぴらごぼうを一口食べてから、ため息をついた。
「……それなのですが、実はこの功績を基にミカエル様から依頼されたことがありまして」
めでたいことではないだろうか。
仮にも大司教についたことがある聖職者にとって、天使長から直々のご指名で開発を依頼されるというのはどう考えても名誉ではないだろうか?
ただ、星斗さんはもの凄く困惑している。
一体何事だというのか。
「簡潔にまとめますと、天使が悪魔と性交しても問題ないようにする為の設備開発です」
……あ、なるほどー
「そういえば、最近イリナ先輩ってイッセー先輩に対して好感度上がってますね」
と、ドリンクバーに行っていた美子ちゃんがそんなことを言ってきた。
リーネちゃんも感心している感じだったりするしね。
「おぉ~。あの人、本当にモテるんだ。……で、だからそれを推し進めたいって感じですか?」
まぁ確かに、それは良いことかもしれない。
和平の立役者の一人が、三大勢力の各種人員と婚約する。ハーレムが肯定されている冥界にとっては問題がなさすぎる美談だろうね。
ただまぁ、星斗さん的にはやはり苦笑ぐらいにはなるだろうレベルだろうね。
とはいえ、だ。
「総督。これは我々
麗華がそんなことを総督に言うけれど、流石にそれはね。
「やめときなよ、麗華。流石にイッセー君が大変だよ」
いや本当に、それはやめた方がいいだろう。
少なくともそういう形でするのはまずい。
「そもそもイッセー君を調べに来たレイナーレとかいう奴が色々やっていてね。イッセー君相手にそういうメリット重視で迫ってくる堕天使の女とか、イッセー君にとってトラウマの一つや二つえぐってくるからね?」
本当に大変だったからね。
あのレイナーレが特別屑側だったとは思うけれど、告白してきて初デートでそれを明かしてから殺害とか悪趣味すぎる。
普通にトラウマものだろう。一歩間違えれば堕天使アンチで和平に絶対反対とかあったし、そうでなくても女性恐怖症どころか憎悪するようなレベルになっても納得できる。
だからまぁ、立場狙いの堕天使のすりよりはまずい。イッセー君も流石にきついだろう。
「やるんだったら、純粋にイッセー君へ好意を向けれる人を厳選してくださいね、総督? ほら、お酒は飲んでいいですから」
釘を刺しておいてから、俺はアザゼル総督のからのグラスにビールを注ぐ。
そのあとちょっと飲みたくなったので一気飲みにしてグラスを空にすると、美子ちゃんが何時の間にか隣で継ぎ足してくれた。
「ありがとう、美子ちゃん?」
「どういたしまして♪」
「あ、お姉様も飲んでください。継ぎます!」
「ま、そうしようかしらね。……この後兄さんの愚痴を聞きまくる方がいいでしょうし」
「そうだな……本当に、たまには愚痴の一つでも吐いた方がいいだろう」
「う~む、これは中々な飲み会になりそうな予感がしますな総督」
「分かってんなら、お前は俺の愚痴を聞いてくれや麗華」
さて、それなりに飲み会になるだろうけれど……これもまた日常かな?
《樹下誠二》
さて、と。
俺達はお茶の準備を終えてから駄弁り始める。
と、言うよりだ。
「そろそろこっちにも情報提供してくれないか? ……肩ぐらいかさせてほしいんだが」
「「……はい」」
と、俺が少し真面目になると流花さんも海砂さんも項垂れた。
ディオドラの一件から始まった旧魔王派との大立ち回り。アイアンローズだけでなくロザリオ聖教国までもが動く大きすぎる争いになっていた。
で、そこで二人と関係のある人物がいたらしい。俺は別動隊だったのでその辺りがさっぱりだったが、ここに至るまで話が入ってないのはどうなんだろうか。
言い方は悪いが、二人が対応するにしてもしないにしてもある程度話を通しておかないとサポートも難しいからな。そこはきちんと対応するべきだろう。
「……間違いない。顔が見れたから分かったけど、木曽義仲は鏡夜君だった」
まず流花さんがそう言うけど、旗本鏡夜のことか。
俺が知っているのは旗本流本家の一人息子だということ。ただし体が弱く気も弱かった為武人には点で向いておらず、それもあって跡取りとして不適格ではないかと当主から考えられていたようだ。
その為、旗本流は本家に近しい分家の流花さんを養子に取り、分家の若手で最も優秀な男と婚姻して当主にするという、微妙に前時代的なことを画策。ただ流花さんはその鏡夜という男のことを想っており、当主も流石に乱暴であるとは思っていた為、次善策としてキープに留まる。で、荒療治として当主の旧友が設立してその子供が運営している学園で鍛え直しつつ、男子校だったそこに流花さんが性別を偽って入って補佐する形が取られていた。
……そして重圧で腐っていたうえに波柴一族の手が伸びていたその理事長及び、そういう所なので少なからずいた更生するふりすら面倒くさがっている屑共に目を付けられ、流花さんは一度堕ちた。
波柴一斉摘発も絡んでそれがばれるが、堕ちた流花さんに耐えられなくなったのか失踪。このありさまに旗本一族は流花さんを見限ったらしく破門されており、当時の当主は「もはや我が家に旗本流を導く資格なし」として、分家同士の合議で当主を決めるように言い残してこれまた行方知れずとか。
「顔を隠してたとは言え、何も分からなかった……。そりゃ、あんな戦いなんてできる人じゃなかったけど、辰人さんが分かって……私は分からないのは、ね」
かなり凹んでいるな。まぁ無理もない。
例えるならコカビエルの一件の時、俺がコナユキや信子さんに気づかなかった時の更なる上と言っていい方だろう。実感や共感はともかく、知識として理解することも想像することもできる。
そして辰人さんね。
「旗本と呼ばれていたらしいし、分家の人か?」
俺は一応確認すると、流花さんは頷いた。
「うん。凄く優秀な人だった。……破門されてから会ってなかったけどね」
「そっちもそっちで大変ね。……お互い、本当に頭が痛くなるわ」
と、海砂さんも空を見上げる。
「こっちはこっちで頭が痛いわ。まさか
海砂さんに至っては二人も関係者か。
というより、音成ってのは禍の団側で突っかかってきたやつのことだろうな。
仮に頭が痛くなる展開だが、実際海砂さんはかなり思い出して頭痛を覚えているようだ。
「塩谷は遠縁の親戚ね。あいつの家族は転勤族だったから、一時期近くに越した時に関わりがあったぐらい。……問題は、音成の方よ」
そう返す海砂さんは、ため息をついた。
「……音成
その顔色は、言葉に対してとても悪い。
それだけでなんとなく分かる。おそらく、海砂さんがアイドルだった頃の関係者だ。
だからこそ、俺はあえて無言で促す。
ここで下手に気を遣うのは、返って悪手になるかもしれない。あえてちゃんと聞いたうえで、その上でフォローを入れるべきだ。
俺のそんな気持ちを悟ったのか、海砂さんは少ししてから気を入れ直したらしい。
「音成
俺はそっと隣に座り、その肩を抱き寄せる。
流花さんも、そっと海砂さんの手を取って握る。
その肩も手も、僅かにだが震えている。
「……私は、まだ向き合えていなかったみたいね。自分の、業に……っ」
まったく。本当に俺達はくそったれな目に巻き込まれまくりだよ。
俺は少し強めに海砂さんを抱き寄せると、その上であえて苦笑する。
「言い出しっぺの秀華も、責任を取る俺もいるのは忘れるなよ? いざって時は力を貸すから、無理して勝手に終わらないように」
「そうだよ。私も、信子さんやコナユキちゃん、もちろん所長たちだって力を貸してくれるはずだもの」
「……そうね。ええ、少しは頑張らないとね」
俺と流花さんの言葉に、海砂さんは少し気を取り直したのか少し笑う。
そしてその上で、少し真顔になった。
「多分、イッセーのデートで色々忙しいでしょうしね」
「「……確かに」」
これは真顔にならざるを得ない状況だな。
それぞれの安らぎつつも真面目に取り組むべきことが見えてくる話でした。
……あと小猫のエロイラスト、修正がほぼ必要ないので入れたけどちょっと胸の部分がでかくなる……!