シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚 作:グレン×グレン
少しづつでも話を進めるけど、今回はちょっと短め!!
《樹下誠二》
イッセーが朱乃さんとデートをする日となった。
まぁ色々あるが、秀華がまた主導で色々やったということになる。
……もうちょっとそちらできちんと順番を決めるとかできないのだろうか?
俺がそう思うのも仕方ないぐらい、露骨に動いているし。
「……秀華。そっちの予想通りに動いてるぞ、リアス部長達」
『オッケー。張り倒しに行くから見張っといてー』
通信すると、秀華も軽くげんなりしていた。
いやもう、本当にもう。
色々ツッコミたいというか、根本的に隠れる気がないだろうあれ。
帽子をかぶってサングラスを掛けようと、そもそもの紅髪や金髪が隠せてない。あと紙袋や覆面をかぶれば目立って当然だ。
もう今から強襲を仕掛けてやろうかとすら思うが、これも微笑ましい日常を考えるべきなんだろうか。
……俺も、とりあえず一人ずつでいいからデートをした方がいいような気がしないでもないな。
ふとそんなことを思ってると、通信が繋がった。
『あ、誠二? とりあえずこっちは張り倒す準備終ったから、ちょっと追加命令あるんだけどー?』
「追加命令?」
なんだなんだ……?
―――マジか
《兵藤一誠》
朱乃さんとデート……朱乃さんとデート!
俺はもう、降ってわいたような幸運にどうしたらいいのかさっぱりだよ!!
「えへへ……どうかしら、イッセー?」
そして朱乃さんが、朱乃さんが普通の女の子ぉおおおおお!!
ヤバイ、マジでやばい!
……そう思った時、俺の背中に一瞬寒気が走った。
だけど一瞬で消えた。気の所為だったのか?
そんなことを思いながら、俺はちらりと振り返ると、だ。
―馬鹿はこっちでとっちめるので気にしないでね♪―
そんなうさ耳のついた看板に、足を掴んで角に引きずり込まれる紙袋を被った姿が。
……よし、気にしないでおこう!
《空本麗夜》
「何考えてるのかな? 考えてるのかな?」
と、リアス嬢達を正座させた秀華所長が説教タイムに入っていた。
まぁ、デートをこっそり覗くのは思春期だとして、あれはいただけないよね。
人数が多すぎるし変装のつもりか目立ってるし、あれじゃぁデートする側の気が散るだろう。
「お疲れ様。言うべき所とは言っておいた方がいいよ?」
「すいません。もう全員ついていく気が満々だったもので」
と、俺は祐斗くんと苦笑を交わするけど、まぁ若さってものだよねぇ。
「俺よりはましだけど、ほどほどにしないと関係断絶級のことしちゃうよ? 気を付けよっか」
「そうそう。私らみたいな反面教師がいるとはいえ、訳の分からないラッキーつかんでるところは参考にしちゃ駄目よ?」
俺も麗奈もそう言うけど、なんか急に周辺の気温が下がった気がする。
あれ、地雷踏んだ?
「……ダーリンに麗奈お姉様。ことがことだから、事情知っている人達相手でもそれはブラックジョークですよ?」
あ、そうなんだ美子ちゃん。
と、秀華所長がゴホンと咳払いした。
「まぁ、実際そういうことする暇があるのならプラスを与えることでどうにかした方がいいんじゃないかな~?」
なんか嫌な予感。
「というわけで! もういっそのこと色々私が教えちゃ―」
「前から思ってましたけど、所長もそろそろいい加減にした方がいいのでは?」
あ、アルトリーネが遂にツッコんだ。
「まぁ確かに。
と、続けざまに麗奈から鋭いツッコミ!
悪魔の駒の方が正統性があるという理由で、正社員から特務社員へと切り替わった俺達を代表しての麗奈からの追撃ツッコミに、流石に所長のたじろぎ気味だ。
と、更に所長のスマホに着信が。
それを確認した所長は崩れ落ちた。
「て、天才的タイミング……っ」
そんなことをうめく所長の後ろから様子を見ると、誠二からのメッセージだった。
―あまりあほなことするなよ―
ど、ド正論だ。しかもタイミングばっちり。
完膚なきまでに的確なツッコミだった。
アルトリーネもなんか基本は鋭いツッコミを入れるタイプなようだし、これは桃山警護事務所のツッコミ担当は三人で分担になりそうだ。
「とりあえず所長も落ち着きましょう。さ、まずはお茶でも飲んで皆気を静めて?」
とりあえずフォローに回りながら、俺は今日の誠二のことを考える。
これからも大変だろうし、立場として正確に所長補佐になったりもしている。だけど彼はまだ高校生で、俺達の中でもトップクラスで大変な人生を歩んでいる子だ。
これぐらいは気を休められるといいんだけど、ね。
《樹下誠二》
俺は一体どうすればいいんだと思うことがあるんだが。思うんだが。
と、言うかだな?
「秀華……三人同時にデートしろとか、阿保なのか……!」
「……なんていうか、所長ってやっぱりぶっ飛んでるよね……」
俺が天を仰ぐと、信子さんも苦笑いをしている。
「で、映画上映までどうする?」
「ちょうどいいからここでお茶しない? たまには他のお店で呑める紅茶やコーヒーにも慣れておかないと」
と、先行している海砂さんと流花さんが喫茶店を確認している。
……三人同時にデートの相手とか、それはそれでどうなんだオイ。
軽くツッコミを入れたいが、まぁ秀華の考えも分からなくはない。
ここ最近、三人に試練が襲い掛かっている気がするしな。乗り越えるにしても避けるにしても、とりあえずリフレッシュできる方がいいだろう。
そしてその要として俺が選ばれている辺り、まぁ自惚れとかそういうわけでもないんだろうさ。
となると気合入れないといけない。
いけないわけだが、それで映画館とはな。
……そういえば、映画館で映画を見るにしてもどうするんだ?
チケットは貰っているが、四人で行動すると誰か一人は俺の隣にはいられない。これは問題ではないだろうか?
「拝見させていただきました。では、こちらへどうぞ」
その疑問は、時間を潰してきた映画館であっさり解決した。
具体的には、VIPルームだった。個室だった。
それもどこで用意していたのか、マジックミラーを利用した風呂だった。
……とりあえず秀華は後で張り倒そう。絶対に張り倒そう。
「じゃ、誰が誠二の前に座る形になるか決めましょう。上映開始まで20分しかないわよ」
海砂さん。適応速度が速いぞ。
「あ、これ面白い趣向だね。自費制作の短編映画コンテストの優秀賞を連続上映するんだって。所長が出資したイベントらしいよ?」
「へぇ。所長ってそういったことにもお金を回してたのね」
そしてちょっと距離を取らないでくれ、流花さんに信子さん。
いや、これはもうしないといけないわけなんだけど。
ま、それはともかく俺もまぁ、一応どんな映画があるのかは確認しよう。
……とりあえず短編なこともあって、コメディやちょっとしたロマンチックな展開が多そうだな。
となると、気分転換も兼ねてどんな映像作品になるかの話でも―
「……………え……?」
―おい。なんで信子さんが顔真っ青にしている。
またか、またなのか!? どれだけ試練がつるべ打ちできているんだ!?
デート中にハプニングは創作のつきもの!!