シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚 作:グレン×グレン
おかげで今日は執筆も調子がよかったです! エロ作品の方も更新したので是非ご覧下さいませ!!
《兵藤一誠》
ラブホテルを出て、俺は……ほぅっと息をついた。
俺は今、朱乃さんの処女までも貰ったんだ。なんて、なんて俺は成長している男なんだ……。
俺は戦慄すら覚えている。こんな、こんなレベルで俺はハーレム王の階段を上っていいのだろうか?
そんな気分にすらなる俺の手を、そっと朱乃さんが握ってくれる。
無言だったけど、それでいい。
今は言葉はいらない。俺達は、お互いに視線を合わせて微笑みすら浮かべる。
ああ、こんな日が来るなんて思ってもいなかった……っ!
「ほほぉう? こんなところで赤龍帝を見かけるとはのぉ? あいびきとは健康的で結構結構」
ん?
なんか急に声を掛けられて、俺はちょっとびっくりしながら振り返った。
そこにはなんか、アロハシャツを着た爺さんがスーツを着たお姉さんを連れてこっちをしげしげを見つめている。
……誰?
「貴方は……オーディン様!?」
朱乃さんが声を上げるけど、オーディンって……あ、アースガルズの主神だ!
「なんで主神様がこんなところにいるんだよ!?」
「その件については完全に同意です。オーディン様、花街にいきなり繰り出すなんてエロ爺が過ぎますよ!!」
俺の驚きにスーツ姿のお姉さんが同意を示してくれるけど、そのあとくるりとこっちを向いた。
「そしてあなた達、学生でしょう!? 学業を本分とするものがこんなところにいていいのですか!」
矛先がこっち向いた!?
ま、真面目な人なのかな? 多分秀華さんたちと合わせたらいけないような類の人ではなかろうか!?
あ、オーディンのじいさんがちょっとあきれてる。
「若者の逢瀬に口出しするでない。そんなだからいまだに婿の貰い手もおらぬのじゃ」
え、この人そんな行き遅れなの? めっちゃ美人だけど!?
と思っていたら、急にお姉さんが崩れ落ちた。
「それは関係ないわよエロ爺ぃいいいいいい! だれが、誰が好きで彼氏いない歴年齢なんてしてるとでも思ってんのぉおおおおお!?」
情緒不安定では!? いきなりめっちゃ泣き出してるけど!?
え、これどういう状況!? 俺さっぱりわからないよぉおおおおおお!?
と思った時、急に俺たちの近くで誰かが崩れ落ちる音が聞こえた。
……ん?
「……ば、かな……!? 朱乃が、男と……ホテルであいびき……!?」
なんかごつい男の人がすっごい絶望している!?
というより、朱乃さんのこと呼び捨てしている。これは昔の知り合いとかそんな所だったりするのか。
あと朱乃さんがものすごく複雑な表情だ。いやこれどういう展開?
「許さんぞ……許さんぞ……朱乃をたぶらかしおってぇええええええ!!」
なんか稲光をバチバチさせながらこっちに因縁をつけてきたのですが!?
後根本的なところとして、この稲光悪魔にめっちゃ痛いのですが!?
あれ、もしかして俺って大ピンチー
「待つのだぁあああああ!」
―と思ったら雲川さんが割って入ってきた!?
「落ち着くのですバラキエル殿! 絶対、確実、間違いなく! ホテルに誘ったのは朱乃の方だ!!」
「確かにそうですがいきなりなんですの!?」
朱乃さんが全力ツッコミ入れるようなこと言ってきたよ。
いやまぁ確かにそうだけど。チケットとか渡されたのは朱乃さんだし。強いて言うなら用意した秀華さんが最大の元凶かもしれないけど。
あ、また男の人が崩れ落ちた。
「そ、そんな………っ」
そういえばバラキエルって言ってたけど、どっかで聞いたような……?
朱乃さんは朱乃さんで、めっちゃ複雑そうな表情だし。もうどういう展開なんだよ。
俺が困惑していると、雲川さんが苦笑いをしながらこっちを向いた。
「紹介しよう。我らが神の子を見張る者最高幹部の一人であるバラキエル殿だ。……ちなみに朱乃の父君でもある」
………。
「マジですかぁあああああ!?」
もうどういう状況ぅうううううう!?
《木場祐斗》
なんというか、凄い展開になってきたよ。
北欧の神話、アースガルズの主神オーディン様。そんな人物が、アロハシャツを着てイッセー君の家に来ている。
旧魔王派との決戦においても僕達を助けに来てくれたけど、もうどこから突っ込んだらいいのか分からない。フットワークが軽すぎるよ。
アザゼル先生と同じ匂いがする。多分、下手をすると僕たちの胃が爆発する流れだね。
「ほっほっほ。美人どころが多いとウハウハじゃのぉ」
とてもスケベな視線を女性陣に向けていると、メイド服で来ていた秀華さんは滑り込むように隣に座った。
そして胸がそっと当たるようにしなだれかかっている。
「あらお上手? よければしっぽりいたしイタタタタ!?」
そしてアイアンクローが鋭く叩き込まれて引き離された。
「うちの爛れた環境に主神を巻き込むな馬鹿所長」
樹下君の鋭いツッコミが光るね。
「所長、レヴィアタンが主神に色仕掛けとか国際問題になるんでジョークでもやめてください」
「……前から思ってましたけど、所長のそのボケは胃に悪いのでやめてください。天然なら病院に向かってください」
雨宮さんとアルトリーネさんも鋭くツッコミを入れている。
「それでオーディン様。申し訳ないのですがもう少しこぅ……事前の連絡とかそういうのを入れてもらえないものでしょうか? こちらとしてももてなしや警備や心の準備という物がありますので」
「アイアンクローを決めながら言うことジャジャジャジャー!?」
器用に後ろ手で秀華さんにアイアンクローを決めながら、樹下君が苦言を呈す。
「ほっほっほ。神を相手にそういったものを期待せぬ方がよいぞ? いい経験になったと思うがの?」
「………」
あっさり笑顔で返されて、樹下君は一瞬天を仰いだ。
「つっても俺が聞いてた話じゃもっと後の話だろうが。日本神話との会合は流石に準備期間がいるから、早く来ても早まらねえぞ?」
あ、アザゼル先生クラスには話は通っていたのか。
ただ、それなら何でこんな急に来日したのだろうかとも思うね。
「ちょっと懸念事項があっての。待っておくより先に来た方がよいと思っての」
「……もしかして、ロキ神に動きが?」
リアス部長がオーディン様の言葉に反応するけど、オーディン様はあごひげを撫でつけながらうんうんと頷いていた。
ロキ神。アースガルズにおいて主神のオーディン様に匹敵するだろう知名度を持つ神だ。
そして、アイアンローズの後援者となることを堂々と表明している反三大勢力派だ。
そういう意味では警戒するのは当然だろう。ロキはすなわち、主神に弓引いている存在なのだから。
ただ、それ以外にも懸念点は多いようだ。
「それに最近、禁手の到達者がバンバン増えておるようじゃしの。あれは希少なケースのはずじゃが、すでにわしらの側だけでも数十件は確認されておる」
……っ!
禁手到達者が、アースガルズの勢力圏内だけでも僅かな期間に数十件?
禁手とは、人が寿命を尽きるその時まで鍛えてなお到達できないことの方が多い領域だ。僕達より遥かに長く生きている転生悪魔の中に、一体どれだけ至っていない神器保有者がいることか。そういう領域の、一握りの物だけが到達できる領域の力のはず。
それが、短期間に一部勢力が察知できるだけで数十件も確認されている。なら、当然確認されてないケースを踏まえれば更に多くなる。
寒気を覚えていると、アザゼル先生はため息をついた。
「やっぱりな。いや、それにしたって早すぎるが」
「アザゼル、何か気づいているの?」
リアス部長が問うと、アザゼル先生は再びため息をついた。
「つい少し前の、桃山警護事務所連中が箔付けにやった仕事の時を思い出せ。突っかかってきた英雄派の連中で、禁手に到達したと思われる奴が出てきただろう?」
そういえば、そんなことがあったはずだ。
確かブラック・クロスという半グレ組織との一件だったね。
空本さんもそれに気づき眉を潜めている。
「まさかとは思っていましたけれど、やはり無理やり至らせる為に死地に送り込んだと?」
「だろうな。手当たり次第に保有者を拉致して洗脳して死地に放り込む。そういう環境下なら至る奴も少しは出るだろうから、それを即確保して解析し、メソッドを確立させるってところなんだろうさ」
……ろくでもない方法だ。
そこに至るまでにどれだけの死者が出るか分かったものではない。
間違いなく外道の手段だ。真っ当な神経なら普通はしないし、できないだろう。
「テロリストだからこそできる手法だな。こんなやり方、まともな組織がやれば他の全部敵に回すだろう。……しかもそれにしたって数が少なすぎるだろうし、技術もやばい」
「神の子を見張る者でも分かってない方法を確立させるのに、十数人やそこらでできるわけがいじゃろうしのぅ。もう一手や二手はあると考えるべきじゃて」
うんうんと頷いているアザゼル総督とオーディン様だけど、まだまだ余裕がありそうだ。
これが、神話の時代から生きる組織の長達の胆力か。追いつける気がしないね。
「……なら、俺達も一杯鍛えて備えないとっすね! これが終わったら走り込み行ってきます!」
「走り込みでどうにかなる進歩でもないがな。戦術から一度見直した方がいいかもな」
イッセー君と樹下君も、胆力があるよね。
こういう時、それぞれ別の意味で頼りになるよ。
「じゃ、その辺りも踏まえてスケジュール調整って感じだね。専務、専務補佐、スケジュール調整よろしく!」
「承知しました所長。ただ、切り詰める時間が少しずついるのでそこは御覚悟を」
「最近飲まなきゃやってられないけど、そうも言ってられないってことかしらね……了解です所長」
秀華さんが青蘭さんや雨宮さんに対応の指示を出していると、そこでアザゼル先生がゴホンと咳を鳴らした。
「ま、それはそうなんだが別の仕事もある。このジジイが会合に出るまでの間、俺達が持ち回りで護衛をすることになった。アイアンローズやロザリオの件もあって、人材をあまり用意できてないのが難点でな。……全員でやる必要はねえが、適度な人数は割けるようにしてくれ」
主神の護衛を僕達が、か。
本来なら最上級悪魔が数人選ばれるような仕事だけど、役不足というべきか役者不足というべきか。
……いや、それができる可能性もあるからこその人選だろう。気負うぐらいでちょうどいいかもね。
「ちなみにおっぱいが多い所に今日は行ってみたいのじゃが、心当たりはあるか、アザゼル」
「安心しな糞ジジイ。俺がその手の店をリストアップしてないわけがねえだろう?」
……厄介者を押し付けられただけでないことを祈りたいかな!?
と思った時、部屋のドアがこんこんとノックされた。
『ゼノヴィアちゃんとイリナちゃん、いるかしら?』
イッセー君のお母さんだね、一体なんだろう。
「なんだよ母さん。来客中なんだけど、何でゼノヴィアとイリナなんだ?」
イッセー君が問いかけるけど、お母さんの方も困惑しているようだ。
『それが、「道に迷った時にたまたま見つけたんです」って迷っている小父さんがインターフォンを鳴らしたのよ。「紫藤イリナさんとゼノヴィアさんをホームステイさせている兵藤さんですか?」って』
……なんだろう、その展開?
何故そこでゼノヴィアとイリナさんが出てくるんだ?
あと、ゼノヴィア達だけでなく雨宮兄妹も額に汗を流し始めている。
え、心当たりが?
「その、小母さん? その人って名乗ってたかしら……?」
イリナさんがそう言うと、お母さんも心当たりがあるようだ。
『フォースロウさんって言っていたわね。どこかで聞いたことがあるけれど……どこだったかしら?』
その途端、四人が揃って天を仰いだ。
「「「「……教皇猊下……っ!?」」」」
え、教皇猊下? ってローマ教皇!?
どういうことなんだい!?
ついに登場、教皇猊下。
……今後の展開考えると、これやっぱり大丈夫なのかなぁ……?