シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚 作:グレン×グレン
悩んでいた部分がだいぶできたので、こっから進めていくぜー!!
《空本麗夜》
あれから数日。教皇猊下は日本の大教会に移動し、俺達はオーディン殿の警護を持ち回りで行っている。
まぁ、中々に面倒なところがあるけどね。
やれキャバクラだのクラブだのにばかり行っているね。主神となるとやることや責任も多いから羽目を外したいのかもしれないけれど、学生を引き連れていることをわきまえた場所を選定してほしい。
……たまに文句を言うとぼけ老人の振りをして逃げるのには流石にちょっと……ねぇ? 俺が若かったら神殺しの研究をガチで推し進めているかもしれない。
「流石にもうちょっと、TPOを配慮してほしいかなぁ」
「同感です。その、ちょっと流石に恥ずかしくなるっていうか……」
俺は今回、持ち回りでリーナちゃんと一緒に、ショーパブの外で待機している。
別に入ってみても俺は問題ないだろうけれど、リーナちゃん達のことを考えるとね。
「流石にちょっとセクハラが過ぎません? もうちょっとこう……それっぽい所に行くとかしたほうがいいと思います! はっちゃけすぎじゃ!?」
結構憤慨気味だけどまぁ、それはねぇ?
ただまぁ、ちょっとぐらいはフォローを入れた方がいいか。
「なんとなく気になって、俺が担当した時の場所を調べたりはしてみたんだよ。……実は隠された共通点があるけど、何だと思う?」
俺があえて質問する形にすると、リーナちゃんはちょっとの間首を傾げる。
「……実は異形のお偉いさんが裏についているとか?」
お、惜しい。
「正解は、日本神話と繋がりがある場所だよ。趣味も半分あるだろうけれど、同時に会談についても真面目に取り組んでいるところがあるんだろうね」
割合的にどっちが多いか、そしてどれぐらい多いかは分からないけれどね。
まぁ、それが分かっているから……そして分かる為にちょっとは調べるようになっているからこそ神殺しに取り組んでないんだけれど。
愚者を演じる賢人なのか、それとも頭がいい馬鹿なのかは分からない。
ただ、主神というだけあって相応の見識を持ち、多少なりとも責任感をきちんと持っていることはよく分かった。
……もうちょっとこう、真面目に日本観光になるようなところを選出できなかったのかは思うけどね。
「少なくとも、会談そのものにはそれなり以上に本気みたいだね。それならそれなり以上に護衛もやる気になれるんじゃないかな?」
「……そうですね。ならまぁ、頑張りがいはあるかな?」
ふふ。リーナちゃんもちょっとやる気を取り戻してくれてよかったよかった。
ま、それはともかく。
「流石にちょっとぐらいチップをせびってももいいかもね? 海外ではチップが当たり前なんだし、「アースガルズの主神はけち臭いなぁ」とか露骨に文句言うぐらいなら流してくれるかもよ?」
「あ、納得です! アザゼル総督とかツッコミ待ちでわざとしそうっす!」
だよねぇ~。
ま、緊張感や不満の和らいだしもうちょっと頑張るかな?
《兵藤一誠》
今夜は空本さん達が警備を担当してくれているけど、後でお礼した方がいいんだろうか?
そう思いながら、俺はちょっと困っていた。
「……イッセー……」
最近、朱乃さんがやたらと迫ってくる。
多分バラキエルさんのことで困っているんだろう。以前聞いたけど、朱乃さんは堕天使の血が流れていることそのものが不満なぐらいだし。堕天使に思うところがあるんだろうな。
ただ、そんな発散でSEXするってのは悲しいだけだと思うんだよ。
とりあえず最近は添い寝はしているけど、それを続けているだけってのもなぁ。
俺は親子仲は悪いわけじゃないから、その辺りはちょっと理解が追いついてないところもあるからな。
アザゼル先生から前に聞いたけど、バラキエルさんは半ば友達に近い上下関係らしい。コカビエルみたいにやばいところがあるなら流石に伝えているだろうし、そんなやばい人ってこともないだろうし。
う~ん。やっぱり聞いた方がいいよなぁ。あとでアザゼル先生辺りに聞いた方がいいんだろうか。朱乃さんに直接聞くのは逆に失礼な気もするし。
ただ、バラキエルさんは多分朱乃さんと仲が悪いままでいいとは思ってないだろう。
俺と朱乃さんがラブホから出てきた時、相当ショック受けてたからな。
あれはかなり親バカだ。俺は殺されるんじゃないかと真剣に考えそうになる。
ま、それはともかく。バラキエルさんはそう悪い人じゃないし、朱乃さんのことも愛しているだろう。
なら、仲良くなれる方がいいと思うんだけど。
ただ、朱乃さんがここまで距離を置いているってことは色々あったんだろうってことも分かるしなぁ……。
う~ん。馬鹿だからいいアイディアがさっぱり浮かばねえ。
よし、こうなったらあれだ!!
《樹下誠二》
―樹下、朱乃さんの事情って知ってる?―
いきなりそんなことを言われても困るんだが。
まぁ、ある程度客観的な事情は知っている。
五大宗家の老人連中は排他的で鎖国的だ。必然的に、海外の異能に抵抗を持つ者も多く異形となると更にヤバくなる。
資料として渡された限りは、五大宗家の一角である姫島で才媛だった姫島朱璃と、堕天使最高幹部のバラキエル殿の娘。
もうこの時点である程度事情通なら嫌な予感を覚えるだろう。
そしてその後、和平が結ばれる前に悪魔の眷属となる。この時点で相当の波乱万丈な人生を送ってきたことは分かるだろう。
もっとも、五大宗家の老人連中とは折り合いがつかない祓魔省では得られる情報にも限度はある。俺達が最も知っているのは、表向きの活動理由だった監視の最大理由である範囲内だ。
まぁ、現ルシファーを輩出したグレモリー本家の娘が、堕天使最高幹部の娘を眷属にしているわけだからな。詳しい事情を知らないのなら「悪魔と堕天使が手を組んだ!?」案件だ。和平を一気に広めるレベルの情報がなければ、絶対に警戒する。
さて、返信するのが本気で困るんだがどうしたものか。
と、いうのもだ。
「……どうしたのよ。こっちが余韻に浸ってる時にメールとかタイミング悪いわね……」
と、俺は今麗奈さんと一戦交えていた直後だったからだ。
何となく時間確認も兼ねてスマホを見たらこれだ。割と反応に困る。
もう色々とシュールタイムだ。我ら性的倒錯者な桃山警護事務所特務社員とは言え、これをさらりとできるのだから色々と普通からズレている。
「どうしたの? なんか考え込んで?」
「いや、俺らも大概
俺が返すと、麗奈さんは納得顔だった。
「ま、私はちょっと自覚的にやってるところもあるけど……これはこれで逆に落ち着くわね。で、どうかした?」
麗奈さんがそう聞いてきたので、俺は素直にスマホの内容を見せる。
と、麗奈さんはなんか納得顔だった。
「……ま、問答無用で拒絶してないだけましよ」
事情を相当に知っているみたいだな。
「イッセーには私から後で説明するわ。親しき中にも礼儀ありだし、あまりうかつに深入りさせることでもないしね」
なるほど。
俺はその旨をイッセーに送りつつ、ふと思う。
世の中は本当に色々とある。俺もそうだが、イッセー達だって色々な経験をしてきている。
そんな中、少なくとも親の一人が愛してくれているのは中々に幸いだろう。
できれば、最低限の折り合いぐらいはつけた方がいいとは思うんだがな。
そう思っていると、なんか麗奈さんがこっちに抱き着いてきた。
「……ま、親子関係ってのは複雑よね。アンタはアンタで、逆にきついでしょうけど」
それは確かに。
父親の顔は知らないし、母親とも死別している。この年でそれっていうのも、中々に気苦労がある側だろう。
俺の場合そっから後の方が大変すぎる上、今はこうして秀華と一緒に頑張ってるからな。そうい意味では騒がしく楽しい生活を現状遅れているが、日本における普通の定義からは確実にずれているだろう。
実際、それを考えると寂しいかもな。
何となく抱きしめられたままになる。ちょっとありがたいところもあるしな。
「麗夜さんや麗華さん、リーナが貴方のことを大好きなのが分かる気がしますよ」
「ま、それを取り戻すまでに色々やっているわけだけどね」
ちょっと自虐している麗奈さんだが、俺の頭を器用に撫でてくれる。
「ま、こうしていろいろアレだけれど、私もだいぶ安定してるわ。……資格獲りまくるって発想の勝利もあるのかしらね」
「……具体的にいくつ取ってるんですか? 速記と簿記は知ってますが」
何となく気になったので聞いてみたが、なんか急に麗奈さんが黙ったな。
というか、指折り数え始めてるぞ?
「……第一種の大型と大型二輪と特殊と牽引。船舶2級と特殊。自家用操縦士の固定と回転。あと危険物取り扱いの乙種4級ね。とりあえず当面の目標は船舶と危険物取扱、それに速記と簿記を一段上げることね。新規獲得は当分後に回すわ」
……この人普通に優秀すぎないか?
陸海空全てコンプリートしているだろうが。あと危険物取扱とかもう仕事に困らなくないか?
「むしろ二人がコンプレックス感じそうなレベルで優秀じゃねえか」
思わず素で言ってしまったよ。
ただ、麗奈さんは苦笑いをしているが。
「あいつらはあいつらで長所がずば抜けてるのよ。それに各種持ってるって言ってもずば抜けてるわけじゃないからね。諦めがついたっていうか全方位対応の価値を再認識したっていうか」
なるほどな。
ま、若い頃ってのは特化型に憧れやすいところはあるだろう。分かりやすいしな。
また全方位対応って言っても、一つ一つはずば抜けてはないだろうしな。普通に持っていれば自慢になるレベルの物をいくつも持っているが、超人的って例えにはならないだろうし。
そういう意味だと、何かしらでずば抜けているのがあの二人ってことになるだろう。
まぁ、当時の麗夜さんはあまり努力家ってわけでもない男子高校生あるあるメンタルらししな。それで パルクールの市内大会で優勝したなんて話を聞いたことがある。
「確か麗夜さんは市内大会で優勝たっけ?」
「よく知ってるわね。そ、あいつ当時めっちゃ自慢してたし、おかげで一時期めっちゃモテたわ。……センスいいから喧嘩も強い方だけど、地があれだから自発的にケンカ売ったりはしないのもポイント高かったわね」
そういう意味だと当時の段階でも良物件よりだな。
「もっとも結構馬鹿なガキだったけどね。昔はもっと弱虫だったというか、色々あって虐められたりもしてたんだけど」
苦笑いしながらそう話す麗奈さんに対して、俺はちょっと思ったことがあるので軽く振り返りながらベッドに柔らかく押し倒す。
「……お? ちょっとジェラシー? まぁ目の前でヤってた女が他の男の話は―」
「自虐的なことを考えている方がアレだけどね」
俺が指摘すると、麗奈さんはとても図星を突かれた表情になった。
やっぱりか。
あまり人のことは言えないかもだが。絶対にこの人、照らし合わせた自分の情けなさを考えてたな。
まぁ色々あるのがウチのメンバーだし、仕方ないところもあるんだろうが。
「……もうちょっと前向きなこと考えてほしいな。具体的には、俺との夜の一線でどう優位を取りながら楽しむかとか?」
若干挑発的に言うと、麗奈さんも乗ったらしい。
「言ったわねガキンチョ。これでも私、ハニートラップ専門部隊で講習受けてるんですけど?」
お、いうねぇ。
「じゃ、若干とっちらけ多分第二ラウンドということで」
「オーケー、じゃぁ勝負しましょう……か♥」
まぁお互いに色々あるだろう。俺達に至っては大概あれだし。
だがその上で、普通に寄り添いながら頑張ることは忘れない。
それが俺達の、守るべき一線って奴だから……な