※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! お盆休みで書き溜めが少しずつ溜まってきているグレン×グレンでっす!

 ただ「久しぶりに多重クロスの方書くか~……あれ、ない!?」みたいな感じで、間違ってメモリの中身を整理するときに多重クロスの方を消し飛ばしていることが発覚し、別の意味で凹んでおります。

 元L×L第三部の前に多重クロスを書きたいというのに……! なんとか、なんとか……~~~~~っ!!

 まぁそれはそれとして本編!!


第十五話 集う若き力

《兵藤一誠》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 相手が神か……流石に緊張するぜ。

 

 こっちも色々準備したけど、それでも色々あって上手く行っているわけじゃないからな。

 

 サリアローズさん達大王派が動いてくれたおかげで結構増援も来ているけど、やっぱり緊張している人も多いな。

 

「……やべ。緊張しすぎて吐きそう……」

 

「……俺も。全然食べれてない……」

 

 な、なんかすっごく緊張しすぎている人もいるな。

 

 こ、ここは俺が元気入れるべきか? そういうのもハーレム王には必要かも?

 

「だ、大丈夫っすよ! 俺達も結構色々用意してますから!」

 

「「……げ」」

 

 なんか酷い顔された!?

 

「あれが噂のおっぱいドラゴン……?」

 

「あの白龍皇のルシファーとも才能ないのに渡り合ったっていう……?」

 

 しかもひそひそと周囲が言っているし。どうしろと?

 

 これ失敗したかも。大失敗したかも?

 

 マジでどうする? これ、空気が更に変なことに―

 

「「……ん」」

 

 ―と思ったら、なんか急に突き出された。

 

 あ、ゼリー飲料だ。ウィダー何たらみたいなやつ。

 

 でも誰がと思って振り返ると、俺はもう面食らってしまった。

 

 サイラオーグさんより一回り大きい大男が、仏頂面でゼリーを突き出してる。

 

 というかゴツいなこの人。腕とか足とかの太さに至っちゃ、サイラオーグさんを一回りどころか二回り以上大きいぞ。

 

 もう見ただけでパワーファイターだ。単純な力比べとかでめっちゃ強い奴だ。

 

「……飲め、欠乏する」

 

 どういう意図ですか?

 

 俺は割と困惑ものなんだけど、どういう展開!?

 

「え、え、ええ!?」

 

「その、欠、乏?」

 

 悪魔の人達もビビりながら困惑しているよ!?

 

 そう思ってたら、なんかパンパンと手を鳴らす音が。

 

「エネルギーがすぐ足りなくなるから、戦う前にはしっかり補給しとけって言ってるんだよ。ま、固形物はあれだがな」

 

 貴族服を着た、なんか優男っぽい人がゴツい人に近づくと背中をバンバン叩く。

 

 あ、呆気にとられてると、優男がこっちにニカっと笑ってきた

 

「初めましてだな、赤龍帝。俺はサリアローズ殿に言われて派遣された、パイクル・フールカス。こっちはブレイル・バラムってんだ」

 

「あ、どもっす」

 

 上級悪魔の家名だったな。服も立派なのだし間違いない。

 

 なんで頭は下げとかないとな。樹下も言っていたけど、大王派は特にそういうのを気にする奴が多いみたいだし。

 

 そう思ってると、ブレイルさんがなんか俺にもゼリー飲料を出してきた。

 

「気休めを持て」

 

 何がですか!?

 

 意味不明でいると、パイクルさんは苦笑いをしながら俺の肩を気安くバンバン叩いてくる。

 

「悪いねー、赤龍帝にそっちの下民達も。こいつコミュ障で最低限を下回り気味の語彙で情報伝えてくるのが最大の欠点でな。ま、その分長所がすげえんで大目に見てくれや」

 

 そ、そうなのか。

 

 でも気休めって、ゼリー飲料を持つことでどういう気休め?

 

 俺が首を傾げてると、パイクルさんもちゃっかりゼリー飲料を貰ってる。

 

「長丁場になった時、補給や休息を妨害されるかもしれねえだろ? 最低限の栄養と水分補給はできるように気を使ってんだよ、こいつなりに」

 

「あ、なるほど!」

 

 確かにそうかも。

 

 そういう長丁場になった時に栄養と水分があるのは助かるよな!

 

「でも意外っすね。大王派って俺達のこと……もっと馬鹿にしてくるものかと」

 

 そういう奴らが多いって聞いてたけど、なんか俺の近くの大王派ってそんなイメージがない人が多いな。

 

 サリアローズさんでも結構鷹揚だし。

 

 と、パイクルさんはカラカラと笑う。

 

「下民に貴種と同等の教養と立ち振る舞いができるのを大前提にする気はねえよ。それに道具にしろ作物にしろ家畜にしろ、キチンと手を掛けねえとアレだろ? 下民とは言え同じ悪魔や交渉相手の扱いをわきまえないでどうするんだって叩き込まれてるからな、俺」

 

 お、お~。

 

 めっちゃ言い方あれだけど、堂々と言ったうえでこういう態度だからあんまりむかつかないな。

 

「その、俺達の前で見せつけるように女性とキスしたりもしないってことっすね! ラッキー!」

 

「……え、そんなのいんの? 底意地悪すぎね?」

 

 悪いんですかパイクルさん。

 

 そっか。ライザーは意地が悪いのかぁ。

 

 そっかぁ……おのれあの焼き鳥め!!

 

「……休め、無駄だ」

 

「体力を少しでも無駄にしない為にも、時間ギリギリまで下手に立ってたりするのはよせってよ。神相手に緊張してんのは分かるがもう少し落ち着こうな?」

 

 そしてブレイルさんは本当に通訳必須だな。パイクルさんお疲れ様っす!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《樹下誠二》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、時間も迫っているな。

 

 この非常時に対して、大王派も相応の戦力を送ってくれているのは非常に助かる……が、人員に若手が多いのはどういうことだと言いたい。

 

 魔王派の若手が主体なら大王派の嫌がらせだと思うが、サリアローズ・バアル殿の息がかかった者達が多いのは気になるな。彼女は積極的に戦力を明かしていく方向性がさほどないはずだったんだが。

 

 やはり妾から生まれた子供を本家次期当主にとなると、余計な横やりが入るという事か?

 

「……さて、気を落ち着けるお茶会もこの辺でいいだろう」

 

「そうね。そろそろ最後の準備をした方がいいでしょう」

 

 サリアローズ殿とリアス部長がそう言うと、秀華も最後に紅茶を一口飲んで一息を入れる。

 

「そうだね。……で、そっちの準備は万端なの?」

 

 そう確認する秀華に、サリアローズ殿は不敵な笑みを浮かべて頷いている。

 

「伏せ札が多いが相応の物を揃えている。運がよければ初手で滅ぼせることだろうさ」

 

 自信満々だな。

 

 だが、それほどの手段があるということだろう。一発勝負で決着がつけれるのならそれに越したこともないだろうしな。

 

 そして、それを当てる為の準備も万端ということだ。

 

 ことだが―

 

逆バニー(それ)で隙を作るという発想でしょうか?」

 

 この人真面目な時になんて格好してるんだよ。

 

 この格好で真面目にお茶を飲んでいるのが、なんというかこう……頭痛がする。

 

 そして得意げな顔で立ち上がるなサリアローズ殿。シュールが過ぎるぞ。

 

「その通り、そしてその為の札も確立している」

 

 そう言いながら、今度はフルフェイスヘルメットとボディスーツを着込んで、尻尾のふくらみを隠す為にウエストバッグに加工したカバーをつけている。

 

「これは予備だが、我々の研究の産物でな。このスイッチを押すとだ」

 

 そう言いながらスイッチを押した瞬間、それらが全部粉々に吹っ飛んだ。

 

「こうして自壊するんだ。洋服崩壊がゲームで使用されるような特例が出た時の為に研究させている自壊装備だな。……本来は洋服崩壊が流し込まれた瞬間に壊れることで無力化する上着用術式の試作品だ」

 

「なるほどね。……万が一レーティングゲームをすることになっても、変な言い訳を許さない結果を作り上げる……やるじゃない」

 

 リアス部長。こんな阿保過ぎるアイテムに感心しないでください。

 

「やるじゃん。これ、一発芸や宴会で使えるかも!」

 

 秀華は感心するところが全然違うし。張り倒した方がいいような気がしてきた。

 

 俺は隣で苦笑している木場に視線で謝るが、まぁいいだろう。

 

 良くも悪くも、これは虚を突けるだろう。そしてそんなものを使う以上、サリアローズ殿のいう初手の可能性はそれほどの価値があるということだ。

 

 それに、それだけということでもないのだろう。

 

 俺はちらりと、サリアローズの隣で控える男性に視線を向ける。

 

 なんか見てるだけでワクワクしている少年がいた。

 

「そちらさんは護衛だよね?」

 

「いや、秘書だ。……護衛なら舞台で用意する主義でな」

 

 さらりと秀華に返すサリアローズ殿。

 

 そして視線で挨拶を促され、少年が胸を張った。

 

 もうワクワクしているのが目に見える。

 

「技術研究部門に勤めている眷属、アサヒ・アマツっす! 兵士(ポーン)やってます!」

 

 元気いっぱいなのは良い事なのだろうか?

 

 そう思いたいが、この状況下で目をキラキラさせてるのがもう不安だ。

 

 あと、漫画とかだとグルグル有りとかハイライト皆無とかになりそうな雰囲気も不安だ。

 

 技術研究部門に勤めているのは、サリアローズ殿の戦力に拘らない転生悪魔選定から考えれば納得だ。だがそこからマッドサイエンティストの香りがしてしまう。

 

「ちなみにあなたも戦うのかしら?」

 

 リアス部長がそう尋ねるが、アサヒ・アマツは急に涙を流し始めた。

 

「そんな酷いことはできません……そんな、こんな素晴らしい戦いを、神との戦いを俺みたいな雑魚が汚すなんて……っ」

 

 ………。

 

 俺はちらりとサリアローズを見た。

 

「非常に天才的な開発者の資質を持つが、兵器開発にリソースを集中させたうえでそれが実戦で使われることを心から望んでいてな。今回我慢できずに見学に来たいといったので、情報解析を担当させることにしたのだ」

 

 凄まじい勢いでクセの強い奴を眷属にしているな。

 

「「……大丈夫なの?」」

 

「手綱は握れるから安心したまえ」

 

 秀華とリアス部長のツッコミに即答するサリアローズ殿。だが、若干視線がずれている。

 

 不安だ。何かがもの凄く……不安だ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《空本麗夜》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 色々と準備態勢に入っているけど、こっちはとんでもないことになってないだろうか?

 

「……諸君、神々の黄昏(ラグナロク)を求めるロキなど恐るるに足らず。既にルシファー(明けの明星)に照らされている諸君らは、黄昏どころか夜すら過ぎ去っているのだからな」

 

 なんか胸を張って宣言している麗華に、キラキラした視線を向ける悪魔達がゴロゴロと。

 

 もはやノリが演説になっている。演説になっているよね?

 

「敵は神。だが神滅具を宿す我が仲間がいる限り、神を倒せる準備は整っているのだ! そう、ロキなどロックライブが始まって終わるぐらいの時間で倒して見せる……ロキだけに!」

 

「……それ知っているの絶対少ないわよ?」

 

 ネタに走った麗華に、凛華さんがさらりとツッコミを入れている。

 

 ただ麗華は完全にノっている。だからこそ気にしていない!

 

「否、ハーデスとの共闘すら不本意と嘯くロキなど古典音楽! 時代はJ-PoP……いや、あえて言おう……ロックンロールであると!!」

 

 そういえば好きだったね、その曲。

 

「ゆえに宣言しよう。この戦いに戦死など無用……死ぬんじゃねぇぞお互いに!!」

 

「ロキ縛りやめましょう? ……流さないわよね、あの曲流して戦わないわよね?」

 

 そろそろ凛華さんのメンタルが不安になるので、止めた方がいいだろうか?

 

 そう思っていると、俺の隣で苦笑が聞こえてきた。

 

 振り返ればそこにはマリヤさんが。

 

「……なんかすいません。あとで強く言っておきますので」

 

「気にしなくていいわ。緊張のし過ぎはジョークでほぐすことも多いっていうもの」

 

 マリヤさんが肯定的に受け取ってくれてありがたい。

 

 実際にそういう側面もあるとは思いたい。そういうことができる可能性は知っている。ただそういうの無しのノリで言っている可能性も捨てきれない。

 

「ちなみに生きて勝利をつかんだ者達にはお土産として東京のペナントを人数分注文済みだ!! 記念品として部屋に飾ってくれるともの凄く嬉しい!!」

 

「待って麗華。それ半分ぐらい恐喝だから、もっと実用性のある物にしてあげて?」

 

 ……そろそろ本当に止めた方がいいかもしれない。

 

 めっちゃ不安なんだけどこれ。

 

 あと麗奈はどこ? どこに行ったの!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《木場祐斗》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とりあえず調整はほぼ終了ね。後はぶっつけ本番で行くしかないでしょうね」

 

「そうですね。僕達としては神殺しを用意できなかったのが残念です」

 

 得物の調整を終えた僕達は、だけど不安を隠しきれない。

 

 麗奈さんは新武装をもってしてもロキにかすり傷が限界だった。僕達魔剣創造組も、神殺しの創造には失敗している。

 

 そこに至るまでの準備も糧にはなっているが、やはり不安になるね。

 

 勝てる為の準備はしてきているけど、それは相手も同じこと。

 

 イッセー君と樹下君を一瞬で戦闘不能にしかけたフェンリルもいる。対策を取ったと言っても油断できるわけがない。

 

「……どうした? 戦う前からそんな顔では、勝てる戦いも勝てないぞ?」

 

 その力強い声に、僕はハッとなって振り返った。

 

 見ただけで分かるその強さ。そして、大きな敗北を受けてなお折れない胆力すら透けて見える。

 

 鍛え上げられた肉体を惜しげもなく見せ、そして決意に満ちた顔つきの眷属達を引き連れた、一人の上級悪魔。

 

「俺もいる。そして札を隠す気もない……勝つぞ、この戦いを!」

 

「さ、サイラオーグ様……っ!?」

 

 麗奈さんが戦慄するし、僕だって武者震いをしてしまう。

 

 サリアローズ・バアル。この策を示すとはやってくれるね……!

 

 最強の若手上級悪魔、サイラオーグ・バアル。

 

 この戦いにおいて、最高峰の手札を切ってくれたよ、彼女は!!

 




 サリアローズ配下の者たちの顔見世会となっている感じですね。

 さあ、そろそろ本番ですよ~?

 書き溜めの方もラグナロク編クライマックスが迫っているおり、難産部分もある程度形になって今は詠唱の執筆がほぼ完了したところです。この調子ならラグナロク編までは何とかなるともいますね。

 そういうわけで次回もお楽しみに!!
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