※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! お盆休みですが天候もあって外出の機会があまりないグレン×グレンでっす!

 夏休み前には職場でコロナ感染もあったので、そういう意味では幸先が悪い。たまには外に出ないと体がどんどんなまるような年だし気を付けないとなぁ……。

 それはそれとして本編!


第十六話 黄昏、開幕

《樹下誠二》

 

 

 

 

 

 

 

 

 時間も差し迫っているな。

 

 まったく。魔王の末裔やらと何度も戦う羽目になったと思ったら、今度は神か。それもメジャーどころといえる北欧の悪神ロキとはな。

 

 フェンリルまでセットで来ている以上、今までで一番の難敵だろう。

 

 呼吸を整え、意識を切り替える。

 

 するとそこに、コガネさんが近づいてきた。

 

 ……やはりかなりの緊張感だな。当然だろう。

 

 元信徒である彼女にとって、現ローマ教皇は恐れ多すぎるはずだ。更にアースガルズ主神オーディンや、日本神話の名だたる神も出てくるのだから当然だ。

 

「……申し訳ありません、誠二さん。私は、ロキとの戦いでお役に立てないようで」

 

「逆だ。ある意味で最も重要なところの警戒に、貴女が適任だから選ばれたんだ」

 

 コガネさんはロキとの戦いに参加しない。

 

 会談の場に参加しての警護の一人だ。これは、彼女の来歴が深く関わる。

 

 英国一地方のキリスト教圏における、危険因子の排除を担当する断罪の聖女。その名を襲名したことのある彼女は、暗殺のプロフェッショナルである。逆説的に、暗殺を試みる相手の欲する者がどのような位置やタイミングを狙うのかを悟りやすい。

 

 ゆえにこその、会談現地の警備。この状況下だからこそ盲点になりやすい、会談中での暗殺を阻止する為の一手こそがコガネさんの役割だ。

 

 だからそこを凹む必要はないので、俺は励ます為にも言葉を考える。

 

「俺がロキなら、自分とフェンリルをデコイにした暗殺の二の太刀を考える。こっちはこっちで手いっぱいだから、後顧の憂いを立てる人は本当に欲しい……いや、本当にコガネさんがいてくれて助かる」

 

「……途中から私のフォローではなく真剣な不安になってませんか?」

 

 かなり真顔になっていた所為で、逆にコガネさんに心配された。

 

 だが実際、嘘偽りなくそこが重要だからなコレ。

 

 要人警護で暗殺は警戒の最重要ポイントだ。真正面からの攻撃より、死角からの奇襲だ。

 

 これを避けるのがある意味で一番大変だ。何より、別の意味で警戒必須の脅威があるなら尚更だ。

 

 どうしてもそっちに意識を向けないといけないからな。そっちでどうにかなりかねないのならなおのこと。

 

 リソースに限界があるのなら、割くリソースの最適化ぐらいしかすることがない。必然、オーディン神達の警護には最適な人材をあてがう必要性がある。

 

 だから―

 

「こっちはこっちで何とかやってみる。だから、そっちもそっちで何とかやってみてくれ。後で笑い話にできるぐらいに、な?」

 

 ―自然と、そんな言葉が口を突いて出てくる。

 

 俺もコガネさんも、色々違いはあれど酷い過去を持っている。

 

 だけどまぁ、その所為で残りの人生までどん底にされる筋合いはない。

 

 だから、酒の席で笑い飛ばせるようになれるような生き方をしてみたい。

 

 それに秀華の命令でもあるからな。業を清算し、いつか必ず幸せになると。

 

「勝つぜ、コガネさん。勝利の報酬はデートがいいか?」

 

「誠二さん、それは死亡フラグでは?」

 

 なんでそんなこと知ってるんだ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《兵藤一誠》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺達は時間が迫ったことで、ビルの屋上に集まっていた。

 

 結構な人達が集まっているけれど、この面子は全員じゃない。

 

 既にサリアローズさん達が集めた人達を、戦いの為に用意した場所に先に集めている。

 

 被害を減らす為、ロキ達が来たらまとめて転移する予定だ。

 

 そして俺達には、頼れる人達がたくさん来てくれた!

 

『さて、そろそろロキも仕掛けてくる頃だろう』

 

「その通りですな。だが、勝つのは我々です」

 

 タンニーンのおっさんとサイラオーグさん!

 

 最高の増援だ。この二人が来てくれるなら、きっと勝てる!!

 

 っていうか、サリアローズさんもサイラオーグさんに増援を頼む当たり本気だな。

 

 それで来てくれるサイラオーグさんにも感謝だ。本当にありがとうございます!

 

 だからこそ、ここで必ず俺達が勝つ……!

 

 そう思った時、俺の視界に朱乃さんが映る。

 

 朱乃さんはチラチラと、バラキエルさんの方を向いていた。

 

 事情は大体聞いたけど、朱乃さんも大変な過去を持っているってことはよく分かった。その所為で、色々引きずっているんだろう。

 

 でも、朱乃さんは改めて向き直ろうとしている。

 

 なら、それができるようにする為にも頑張らねえとな!!

 

 そう俺が気合を入れた時だ。

 

「……イッセー。戦闘準備だ」

 

 樹下が声をかけてくると、離れたところにいるバラキエルさんも顔を上げる。

 

「……気づくのが早いな。流石は雷光といったところか」

 

 そんな声と共に、空間が歪みロキとフェンリルが姿を……いや、違う。

 

 なんだありゃ。空飛ぶ船の……艦隊!?

 

「配下の者達を動かすのも一苦労だ。安心しろ、我が一派のみで挑ませてもらう……っ」

 

 そうかい。安心していいのか、それ?

 

「これが、神の本気……っ」

 

「流石に……インフレ極まってるわね」

 

 小猫ちゃんや雨宮さんが戦慄しているけど、俺でも分かるぐらいの強い奴ってことは分かる。

 

 そして、となるとあいつも―

 

「……へぇ。より取り見取りとはこのことかな?」

 

 ―来るよな、そりゃぁ!!

 

 反対側を振り返れば、ヴァーリチームが勢揃い。

 

 それどころか、他にも結構な奴らがゴロゴロと出て来てやがる……っ!!

 

 これは大変な大騒ぎになりそうだけど、バラキエルさんやタンニーンのおっさんは落ち着いていた。

 

「いい感じに釣れたようだな」

 

「ああ、始めてくれ」

 

 二人の落ち着いた声が響いた途端、転移が俺達全員を包み込んで発生する。

 

 ……転移先は石切り場……か?

 

 特撮の決戦みたいな感じだな。特撮番組のヒーローやってる以上、これは負けられな―

 

 

 

 

 

 

 

 

『待っていたぞ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―その時、上から更に転移の光が浮かび上がった。

 

 何重もの転移魔方陣から、舞い降りてくるのは戦闘服に身を包んだ信徒達……信徒達!?

 

「報告しろ。何があった?」

 

 サリアローズさんが凄い速さで通信を繋ぐと、魔方陣から騒がしい音が響いてくる。

 

『外周及び各地より、転移で教会式の戦闘員が多数出現!! 純潔十字連盟と思われます!?』

 

 なんかあっちはあっちで大混乱だな。

 

 っていうか、ここで純潔十字連盟まで!?

 

「……流石にロマンも困難が勝るな。ここまで敵が多いとは……っ」

 

 雲川さんまで流石に眉をしかめるけど、ヴァーリはとても楽しそうな雰囲気を見せている。

 

「……良いじゃないか。祭りは派手な方が楽しめる……っ」

 

 すっげぇ嬉しそうなヴァーリだけど、勘弁してくれよ。

 

 これ、一体どうなるんだ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

《樹下誠二》

 

 

 

 

 

 

 

 頭の痛い展開になってきやがった。

 

 禍の団はともかく、純潔十字連盟がここで来るか!

 

 ロザリオ聖教国に集った教会の離反者達が結成した、反和平組織。

 

 更なる和平の加速に繋がる会談に不満はあるだろうが、どこからかぎつけてきやがった……!

 

「かまわないわ! 私達以外はすべて敵……まとめて返り討ちにすればいいだけよ!!」

 

 リアス部長は闘志を燃やしてくれて助かるよ。

 

 そして、ロキも余裕は見せているが想定外ではあるようだ。

 

 若干様子見の体勢になっているが、このチャンスは逃さない。

 

「一気に仕掛けろ! 魔法班はグレイプニルを展開!!」

 

 サリアローズ殿の指示に従った者達が、即座にグレイプニルを展開。

 

 それは功を奏し、ロキが反応するより早くフェンリルの動きを封じている。

 

 対策を取られている可能性があったが、更にその対策を事前に取ったかいがあったな。情報提供者のミドガルズオルムには感謝の捧げものでもするべきか。

 

「ほう? フェンリルにはグレイプニルの対策を取っていたのだが、更に上を行ったか……が」

 

 感心するほどの余裕をロキは見せている。

 

 どうやらまだまだ隠し玉があるようだと思っていると、ロキはマントをありえない範囲で広げ、そこから転移の魔方陣を展開。

 

 問題は、そこから大挙して現れた存在達だ。

 

 大量に現れたのは、巨大な龍。

 

 蛇のようなタイプの龍は東洋のそれかとも思ったが、どちらかと言えばワーム系統だろう。かなりデカい。

 

 続けて現れたのは30mぐらいの巨人。全身を炎で包まれたそれは、そのオーラがロキに匹敵するレベル。

 

 更に最後に現れたのは、一対のフェンリルそっくりの狼だ。

 

 ……大盤振る舞い、といったところか。

 

『ミドガルズオルムの量産型といったところか……っ』

 

 タンニーン殿が戦慄しているが、その近くにいたリアス部長の動揺も大きい。

 

「更にフェンリルが二匹……いえ、あの巨人は……スルトに連なるというの!?」

 

「その通り。こちらも札はいくつも持っているのでな」

 

 不敵な笑みすら浮かべるロキは、この大盤振る舞いに警戒の色を浮かべている俺達含めた全員を見渡して告げる。

 

「フェンリルの子であるスコルとハティ。そして星辰体技術を利用して生まれた新たなるスルト……スルト・サード。さて、どう動く?」

 

 勘弁してほしい非常事態だ。

 

 だがまぁいい。誰だって戦うからには勝ちたいだろうし、備えるのは当然。

 

 こちらも同じことだ。その点においてだけはフェアと言っていいだろう。

 

 そういうわけで覚悟は決めた。

 

「さっさと本丸を片付ける……っ!!」

 




 ロキ側も、アイアンローズという大規模組織の支援を受けているためかなりのパワーアップです。そしてまだまだこんなもんじゃないという悪夢。

 さらに多方面から他勢力が現れて大乱戦となっております!
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