シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚 作:グレン×グレン
もうお盆休みも後半戦なんですが、本当に何時間も寝れてるんですよねぇ。……相当疲れがたまってたのか……?
まぁそれはそれとして、本編!!
《アザゼル》
会談が始まりつつある時に、やばい情報が入ってきやがった。
「……コガネ、警戒度合を引き上げろ」
「どうしましたか総督? まさか壊滅……っ!?」
顔色を真っ青に仕掛けているコガネのわき腹を肘でつついて、俺は詳しい説明を入れる。
「純潔十字連盟が突っかかってきやがった。どの勢力も諜報合戦をしているのは想定済みだが、相当深くに入り込んでるみたいだな」
やってくれるぜ、ロザリオの連中。
スパイ合戦なんてこんな情勢下なら当たり前にしていることだ。だが、このタイミングであそこまで的確に動けるのはまずい。
相当根深い所にスパイがいるんだろうさ。厄介極まりないことになってきたもんだ。
このタイミングでピンポイントに、それもこっちだってそれなりの対策をしている転移をぴったり成功させてやがる。
ロザリオ聖教国に行った連中は衝動的なのが多いと思ってたんだがな。どうやら頭を回して一部だけ向かったやつがいるようだ。
あとでしっかり内部監査を進めておかねえとな。このレベルの作戦で介入されんのは頭がいてえよ。
「……こちらの護衛に紛れ込んでいる可能性は?」
「……俺ら以外には教皇直属しか部屋の内部にはいねえ。外側の警戒は信頼のおける部下に任せてあるから、警戒するべきは卓越した暗殺者による奇襲だ」
すぐに仕事モードを取り戻したコガネと確認を取りつつ、俺達は気合を入れ直す。
こっちは何とかする。だから生き残ってくれよ、イッセー達……!
《樹下誠二》
初手から乱戦になってくれたようで頭が痛い。
というより、禍の団から襲い掛かるのは悪魔の群れだ。
数百を通り越して千を超える悪魔。それも、一割前後は中級以上。
旧魔王派に大打撃を与えてからまだ日が浅いんだがな。
「とにかく凌ぐ! 上手くヴァーリチームとロキをぶつけて共倒れ狙いで行くぞ!」
俺は声を張り上げつつ、周囲に対して魔剣による牽制を行う。
元々この戦い、上手くヴァーリチームを利用する算段だった。
アザゼル先生には悪いが、薄汚い裏切り者が勝手にこっちの敵を狙っているんだ。正直に言って「勝手に潰し合って両方死ね」が本音だ。こっちの損耗も減らせるし目障りな敵も消え去るしで一石二鳥だしな。
とはいえそう簡単にいかないだろう。それに、この大声もある種の陽動だしな。
事実、ロキは一瞬だがヴァーリに視線を向ける。
その瞬間、イッセーが巨大なハンマーを構えて飛び出した。
「その前に、一発かましてからだ!」
あれがオーディン神からレンタルした、今回の切り札。
北欧の雷神トールの持つミョルニル。そのレプリカだ。
イッセーの譲渡で増幅された一撃ならば、その攻撃力はオリジナルと同等以上。初手の直撃で一気に決められれば幸運だろう。
だがしかし、ロキは素早く魔法で迎撃しながら距離を取る。
イッセーはミョルニルでそれを薙ぎ払うが……雷撃が発生しない?
「あれ!? なんでだよ!?」
「間抜けが! 純粋な心の持ち主しか扱えぬのがミョルニルだぞ? 貴殿が煩悩にまみれているのは周知の事実だ!」
困惑するイッセーにロキがあざ笑うが……ちょっと待て。
完全に想定できる欠陥だろうに。オーディン神は前もって伝えてくれないか、それ!?
これは想定外すぎて、苦戦が必須ではないか?
そう思った時、声が響く。
「いや、飛び上がってくれたのならば十分だ……やれ!」
そんな風に声を張り上げながら、サリアローズ殿が後ろ振り向く。
その声に俺もロキも若干気を取られた、その時だ。
―空一面が、ロキごと絶大な魔力に包まれた。
は?
思わず唖然となり書けるが、周囲の警戒を最低限残すことには成功。
ただ、大王派以外のほぼ全員が呆気にとられている。
『あの出力……馬鹿な、封印される前の私達でも出せるかどうか……っ!?』
『なんの冗談だ? 魔王クラスでも複数人いてなお出せないだろ、あの一撃は』
アルビオンとドライグが戦慄を覚える中、サリアローズ殿は胸を張る。
「我らが切り札の一人を舐めるなよ? 彼女の最大火力はサーゼクス様すら圧倒する」
さらりと凄い戦力を用意していることを断言しているんだが、碌でもない切り札を投入しやがったな。
既に空一面が魔力に包まれており、変色している。
空の色を一時的にとはいえ変えるほどの魔力砲撃。末恐ろしいというほかない。
なんだあの火力。どう考えても主神クラスを越えているぞ。
そんな戦力を既に独自に確保しているサリアローズ・バアルとその仲間達。
敵に回したくないと思いつつも、頼りになる味方になってくれていることに安堵するべきだろう。
ただ、あれだとロキが跡形もなく吹き飛んでいる可能性もある。
実際、上に回り込んでいた旧魔王派と思われる禍の団の悪魔達はもれなく消滅している。
最上級悪魔クラスの存在もいたと思うが、まさか一瞬で消し飛ぶとはな。怖い話だ。
さて、ロキがこれで終わっていると好都合ではあるが、跡形もなく吹き飛ぶと世界法則的に微妙に不安なんだが。
息を呑んで警戒した、その時だった。
「……驚いた。だが、運がなかったな」
魔力の残滓を吹き飛ばし、ロキは無傷の姿を見せつける。
おいおい、冗談だろ?
あんな火力が直撃して、無傷? いくら神でもありえない。
『……馬鹿な。あの一撃、不意で食らった以上オーフィスやグレートレッドでも無傷ではすまんぞ……っ』
「素晴らしい。ターゲットにしてよかったというべきだな」
戦慄するアルビオンに、ヴァーリは楽し気な口調で返す。
頭が痛いってのはこういうとか。
どうやら、退屈だけはしないようだな……っ!!
《Other》
ヴァーリ・ルシファーは歓喜に震えていた。
フェンリルがあっさりと封じられ、更にロキが消し飛んだと思った時は残念だった。
だが、ロキは無傷だった。
自分が覇龍を使ってもなお出せないだろう力の奔流を浴び、無傷。
何かの手品だとは確信している。
龍神すら直撃すれば重傷を負うだろう火力。それを一撃で成す絶大な力。それを浴びれば、主神でも致命傷に近い傷を負うはずなのだ。
フェニックスのような不死でも持たないだろう圧倒的火力。それを最高位レベルとは言え、神如きで無傷に終わらせられるはずがない。
間違いなく何かの細工がある。そして、それを越えてみたいという願望が滾る。
ヴァーリは本来の目的を一瞬忘れるほどに、ロキに挑みたいという衝動を抑えきれない。
ゆえに―
「遠慮なく殺しに行こう……創生せよ、天に描いた星辰を―――我らは煌く流れ星!!」
―初手より本気で突貫する。
「ぬかせ、神敵。貴様達に主役を気取る資格はない」
その瞬間、絶対なる光の斬撃がロキごとヴァーリを切り裂かんと襲い掛かる。
瞬時に双方が回避するが、その極光はオーラすら断ち切り、魔力に染め上げられた空に光の一線を刻み込む。
それに対し、ロキもヴァーリも反撃を敢行。
神と魔王の逢瀬に無粋を指した咎を与えんと、放たれる火力は抜き打ちでありながら絶大。最上級悪魔と言えど下位ならば、全身全霊を出してなお届かない威力。
だが、それは無粋には届かない。
「遅い!」
瞬間、その砲撃は拳で砕かれる。
そしてそれを成したのは、仮面で顔を隠した少女。
更にその援護を受け、少年による光の斬撃が放たれる。
「……荷電粒子の斬撃か。レプリカとは言えミョルニルが肩透かしだったところにこれとは、意趣返しか?」
感心するロキの言う通り、極光の正体は荷電粒子による斬撃。
そしてそれを成した者こそ、ロザリオ聖教国の最強戦力。
「ほざけ偽神が。だが、貴様達の相手を成すのはこちらとしても都合がいい」
三度荷電粒子の斬撃もまた、今にも放たれんとするその少年。
その彼に対し、威力だけでなく立ち回りも求めんと、素早く接近したヴァーリの拳が襲い掛かり……割って入った少女に受け止められる。
「教皇猊下に危害を加えたいわけではないもの。となると、不本意だけど三大勢力に対する攻勢は緩めないとね」
「今の拳を、人間が素手で止めるか……っ」
余裕を見せて言葉すら紡ぐ少女に、ヴァーリは警戒の為に距離を取りつつも滾り始める。
ロキもまた、アースガルズの神として思わぬ戦士に興味を向ける。
それに立ち向かうがために、少女と少年は並び立って相対する。
「神の御前だ、名乗るがいい」
傲慢なまでに絶対者として振舞うロキに、ヴァーリは勿論少年少女も怯まない。
こと二人にとって、神とは聖書の神ただ一柱。それ以外など偽りに過ぎず、まして弓引く大罪を成しながら、神擬きに畏れる道理無し。
故に、二人は胸を張って宣言する。
「純潔十字連盟最精鋭、大和聖剣衆が一人……雨宮充二」
「プルガトリオ機関リマ部隊、ロザリー」
常人ならば発狂しかけない気配に対し、二人は一切怯まない。
「「お前達の……敵だ!!」」
どんどん原作よりインフレしていくぜー!!