シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚 作:グレン×グレン
今後は間章を一つ挟む予定です。本作の世界観の捕捉に使いたいところですねぇ~
では本編!!
《兵藤一誠》
なんか派手なことになってやがる!?
いや、本当にやばいことになってるだろコレ!?
一番ヤバイのはロキなんだけどね!?
あんな攻撃喰らって無傷とか、神様にしたっておかしいだろ!? なんか龍神様でもダメージデカいはずって聞こえたし!?
いや、それがどうした。
龍神様でもダメージ受けるような攻撃で無傷なら、時間をかけてそれ以上のダメージを蓄積させればいいだけだ。
そして俺は神滅具保有者。理論的には神様だって滅ぼせるんだ。
やってやるぜ……っ!?
俺は寒気を感じて、ロキに突っ込もうとしたのを我慢して後ろに下がる。
その瞬間、俺の鼻先をかすめるギリギリのところを攻撃が振るわれた。
つ、爪!?
「避けやがったか。流石にやるな」
日本人の男が、凄い速さで俺に襲い掛かってくる。
俺は躱して距離を取ってドラゴンショットを放つけど、そいつは凄い速さであっさり躱してくる。
敵が多いとこういう時厄介だな、おい!!
「ロキ様の邪魔はさせない……覚悟しろ、赤龍帝!!」
「うっせぇ! そっちこそ、オーディンの爺さん達の邪魔してんじゃねえ!」
俺は反撃のドラゴンショットを放ちながら言い返す。
殴り返した方が手っ取り早い気がするけど、それはなんか躊躇してしまう。
さっきのかすりかけた爪。あれから嫌な予感がビンビンしてくるからだ。
毒? 呪い? いや違う。
でも確実に、嫌な予感は当たってる。そんな確信がある。
いや、そんなことはどうでもいい。
降りかかる火の粉は払ってやるさ。覚悟しやがれ!!
《樹下誠二》
面倒ごとになっているが、やりようによっては好都合か。
複数勢力が入り乱れている上、今回ロザリオ側は対ロキを主眼に置いている。
ローマ教皇が参加する会合が狙われていることが大きいだろう。優先目標がロキになっている以上、立ち回り次第で押し付けられる。禍の団側も今回はロキがメインターゲットだから、共闘は無理でも示し合わせたリソース配分はできる。
しかし問題が一つ。
それは、ロキ側が強すぎることだ。
というより……だ。
「なんだこの人型ロボット兵器!?」
思わずぼやくが、頭を抱えたい。
今俺に対して襲い掛かっているのは、全高5mに届かないぐらいの人型兵器だ。
ローラーを駆動させて襲い掛かるそれは、頭部を展開してセンサーを露出してこっちが隠匿を試みても発見してくる。
そして白熱化した斧を振るってこっちに襲い掛かってきているせいで、こっちは動きが封じられている。
何機がぶった切っているが、どうやら無人機。それも動きは固いしある程度パターンも読めるが、数の暴力と連携で仕掛けてくるから簡単には倒せない。
というか、離れたところから砲撃をぶちかましてくる機体もある。そういったものが……百を軽く超えているんだが。
後なんで俺を集中攻撃で狙う!? この数、もっと上手く戦術的に扱えるだろ!?
適度に距離を開けながらの波状攻撃に、俺は捌くことはできても突破することができていない。軽く勘弁してほしい案件だ。
とにかく波状攻撃を掻い潜り、捌き切らないとまずいんだが……どうする!?
「誠二、連携!!」
その時、声が響いた。
それに対して俺は反射レベルで対応。
放たれる砲撃が敵の連携をかき乱した一瞬を的確につき、素早く十数体を一気に断ち切って穴を広げる。
そこから大量の魔力が放たれ一気に戦線は乱れ、俺は声を飛ばした相棒のところに辿り着けた。
「助かる、秀華っ!!」
「あたぼうよっと!!」
流れるように滑り込み、俺は秀華と合流する。
頼れる相棒がいてくれて大助かりだ。おかげで何とかしのげたな。
「神の子を見張る者や麗華が大喜びしそうなのが出てきたねー。それも、大王派の新兵器にもケンカ売れそうなのかな?」
「むしろ、より洗練している兵器に見えるな」
おそらく、根本的な発想のコンセプトは似通っている。源流といえる発想は近いのだろう。
だが技術的な完成度では、奴らの方が上回っている。おそらく真っ向勝負でぶつかえり合えばロキ配下のアレの方が上回る。
そして、どうやらここからが本腰らしい。
『流石は、波柴一族次期当主の波柴秀華に、その付き人たる樹下誠二。生半可な圧殺では弾かれるか』
機体群から声が放たれる。
音の調子から踏まえると、おそらくは成人男性だろう。
しかし秀華と俺を名指ししている? どういうことだ?
「もしかして、
『ああ。しかも勝手に殺された所為で色々不完全燃焼とな。……いい機会だし、一族の連中に一発ぐらいかまさせてくれるロキ様のご厚意に甘えるとしよう』
あ~なるほど。
波柴一族、本当にろくでもない。
いい迷惑だが仕方がない。相手からすればそこまで配慮してやる義理もないんだしな。
「一応大王派に増援要請してるから、それまで凌ぐよ!!」
「オーライ。これは本気で行かないとやばそうだ」
秀華は結晶化星辰体を生成し、俺も反粒子の準備を整える。
そしてハンドサインで大王派の増援が向かってくる方向を理解し、そこまでの道を切り開くとしよう。
「「悪いが死なない……そう、
とりあえず、大王派にぶつけつつ他の連中に擦り付ける!!
《木場祐斗》
どこもかしこも、大乱戦だね。
色々問題だけど、最大の問題はロキの戦力が想像以上に強大だったことに由来する。
僕達も、禍の団も、ロザリオ聖教国も、最大の目標はロキ達だ。
オーディン神や教皇猊下を守らねばならない僕達三大勢力は勿論、最優先で倒すべきは彼らを狙うロキ達だ。禍の団もヴァーリチームが主導を取っているようで、フェンリルとロキを狙っている。ロザリオ聖教国にしても、教皇猊下を聖書の神でない神が害することを最も避ける為にリソースを割り振っている。
つまり、僕達は共闘こそしていないが「ロキ打倒」を目標として争っている形になる。互いを倒すことも考慮しつつ、しかしそれは副産物にとどまっているのだ。
その歪みもついているとはいえ、ロキ一派はしのいでいる。それだけの戦力をロキは用意している。
だからこそ、僕達も苦戦している……っ!
「全員、フェンリルを狙え!!」
サリアローズ様が声を張り上げ、指示を飛ばす。
「奴らがグレイプニルをそのままにするとは思えん! ここで解き放たれれば勝算は大幅に下がるぞ……ブレイル!!」
「承知……!」
指示に従った悪魔の一人が、拘束されているフェンリルに近づく。
その動きは力強いが、同時に重く荒い。
見るからにパワータイプなんだろうけど、その所為で動きに柔軟性がない。
あれでは、戦力としては……ん?
ブレイルと呼ばれた悪魔は、拘束されているフェンリルの足下に近づくとそのまま爪に抱き着く。
そして横になって根元の辺りを足で挟み込むと、そのまま全身に力を込めて……え?
―メ……キ……メキ……メキメキ……―
なんか、どんどん爪が歪んでいって―
「……ふん……っ!!」
―そのままへし折った!?
「なんと……! フェンリルの爪をただの力技で引きちぎるだと!?」
「恐れ入った……怪力だけでそこまでのことができるとはね!!」
ロキとヴァーリが共に驚く中、ブレイルと呼ばれた上級悪魔は次の爪をへし折りにかかっている。
だがそこに量産型のミドガルズオルムが三匹も邪魔に入る。
その瞬間、馬に乗った上級悪魔が割って入り、三匹をかく乱していく。
「邪魔はさせられないねぇ。こっちも大王派の看板背負ってるんだよ?」
彼もまた手練れか。優れている……!
「やるじゃない、サリアローズ・バアル。私達も負けてはいられないわね!」
リアス部長が戦意を滾らせ、声を張り上げる。
「さぁ、私の可愛い下僕達! サリアローズに後れを取ってはいられないわよ!!」
「「「「「「はい、部長!!」」」」」」
激し戦闘を繰り広げているイッセー君や、敬愛するリアス部長に恥じることはできない。
僕達は一斉に声を合わせ、改めて戦意を燃やす。
これは、負けてられないね……っ!!