シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚 作:グレン×グレン
咳がね? 咳が止まらない止まらない。一週間ほど前に風邪をひいているのですが、咳と痰が長続きしております。
でもまぁ執筆には関係ないので、書き溜めはたっぷりあります! では本編!
《木場祐斗》
修学旅行で京都に向かう新幹線の中、お手洗いに言ったら樹下君と鉢合わせた。
ただ表情が若干険しい。携帯電話で何かしらの通話をした直後みたいだけど、何かあったのかな?
「どうしたんだい?」
「……木場か。祓魔省から情報提供があったんだが、もしかすると荒事になるかもしれないぞ」
樹下君は魔法を使って一般人に対して配慮まで取ってきた。
これは大事になりそうだね。聞いておこう。
「何が起きたんだい?」
「まだ精査が住んでないが、虚蝉機関という壊滅した組織の残党が京都近辺の防犯用のカメラに写っていたそうだ。元が四年以上前なので認証システムの結論は8割強だが、複数名確認されているから気を付けたほうがいい」
「確か、祓魔省が結成された要因の一つだったね」
「ああ。五大宗家が家の異能を継いでいないという理由で、実力や素質に関わらず追いやったいわばゴミ捨て場のような組織だ。そして、色々やらかしている危険因子でもある」
樹下君は頷きながらもため息をついている。
僕達もそこまで詳しくは聞いていな。だけど日本政府が祓魔省を作った最大の理由は、虚蝉機関が引き起こした事件という結果にそこに至るまでの過程から五大宗家に対する信用が薄れたことが大きいとは聞いている。星辰奏者という手段が獲得できるという戦力の当てあってこそとは言え、あてがあるのならそちらを選ぶほどにことが大きすぎたということだ。
もっとも、朱乃さんがなぜリアス部長の眷属になったのかも知っているから納得だけどね。
「現地の異能勢力、それも五大宗家だって流石に動くとは思うけれど、それだけってことでもなさそうだね」
「ああ。というか、アザゼル先生達が探っていた禍の団の案件だが、どうもその事件の関係者が源流になっているそうだ。……つまり、禍の団が関わっている可能性は十分考えられるってことだ」
ため息をつきたくなっているのが見てわかるけれど、確かにそれは危険性が高い。
禍の団も、旧魔王派が一旦活動を自粛している程度だからね。英雄派は積極的に活動しているし、五大宗家由来の人間が手伝っていると仮定すると、派手な動きを取ることもあり得るだろう。
とはいえタイミングが悪い。厄介なことになりそうだね。
「確か京都では、和平の一環としての交流もされるはずだよね? 雲川さんがゲストで派遣されるとか」
「それもあって、いざという時に備えた連絡が来た感じだ。まぁアザゼル先生にも届いているだろうし、確認は後で取っておくとして、念の為の警戒はしておかないとな」
樹下君は冷静にそう言うけれど、中々に面倒な事態でもあるだろう。
ただ、軽いため息であっさり切り替えているところもある。
「京都は霊地として優れている上に色々あるから、俺達が勝手に動くとややこしくなるからな。祓魔省も動いている以上、必要だと頼まれるまでは自衛以上のことは控えておいた方がいいだろう」
……それは確かに。
権威が絡み合っているところにうかつに入ると、リアス部長はおろかサーゼクス様達にまで迷惑が掛かりかねない。そういうのを気にする人は多いだろうしね。
祓魔省という代役ができているとはいえ、五大宗家は歴史がある分影響力はまだまだある上、京都は特に大きい影響力のあるところだからね。どう考えてもややこしくなるし何か言ってくるだろう。
となると、実際それに留めた方がいいだろう。
それに折角の修学旅行だ。暗い顔をするのもダメだろうさ。
となるとだ。話をそろそろ変えるか。
「そういえばさっきの話で大王派を連想して思い出したけど。実はサイラオーグさんとイッセー君が模擬戦をしてたのは知っているかい?」
実際すぐに思いついていたことを振ってみると、樹下君も好奇心が刺激されたらしい。
「そうなのか? まだこっちに届いてない辺り、ごく最近の話か?」
つい先日、グレモリーのお城にロスヴァイセさんの紹介に行った時、たまたま戻って来ていたサーゼクス様や挨拶に来ていたサイラオーグさんがいたこともあったことがあるからね。そこから模擬戦になったんだ。
あれは本当に凄かったよ。
「驚くことに、サイラオーグさんは肉体に封印措置を施したうえでイッセー君と渡り合ってね。イッセー君も研鑽を積んでいるんだけどね」
「あの御仁も大概だな。サリアローズ殿はよくもまぁ勝てたものだ」
まったくだね。
でもまぁ、ここからが苦笑物なんだけどね。
「それでイッセー君が負けそうになったのが我慢できなくて、アーシアさんがリアス部長のおっぱいをつつくことを真面目に提案してね」
「……模擬戦で主の恥辱を強要するのはどうなんだろうか……?」
あ、樹下君が天を仰いだ。
最終的にリアス部長も納得しかけたのは、言わない方がいいかもしれないね。
もうなんというか、これが僕たちグレモリー眷属の色になっている気がしないでもない。この調子だとどんどん染まりそうだね。
……イッセー君のおっぱい好きは精神浸食作用でもあるのだろうか? いや、イッセー君自身がついていけてない時もあるから、方向性は違う……?
「木場。多分それはうかつに覗き込んだらまずい深淵の類だ、戻って来い」
樹下君にとても心配されてしまった。
「とりあえず、トイレ行って出すもの出して気分を切り替えることにするわ。……そっちもほどほどに頑張れよ? たまになら愚痴も聞くから」
凄い心配しながら、樹下君はトイレに行こうとして―
「………っ!?」
―なぜか急に顔を手で覆っているんだけど。
「どうしたんだい? まさか、敵襲による精神干渉か……っ」
僕は咄嗟に周囲を警戒しつつ、樹下君に駆け寄る。
樹下君は自分自身が信じられないとでも言いたげな表情で、口を開いた。
「……おっぱい……お、っぱ……い……?」
なんかイッセー君でも言わないような感じなことを言っている!?
「ぬ……ふん!?」
そして自分に当て身を入れて失神したぁあああああ!?
《樹下誠二》
真面目に疲れてるのか、俺は……?
「悪い木場、本当に悪い……」
「気にしなくていいよ。まだ時間はあるから席で休んだほうがいいね」
すぐに介抱してくれた木場のおかげか、俺も何とか調子を取り戻せた。
いやなんだったんだあれ。
凄い女の胸に飢えた。正気を失いそうなレベルで飢えた。
波柴の訓練で飢餓などの耐性を得るものもあったが、あれが無かったらやばかったかもしれない。
強引に自分に当て身を入れて失神したら収まったけど、何だったんだあれは……っ!
「ま、とりあえず覚えておいてくれ。……俺は後30分ぐらいだけど休む」
「そうだね。少しでも休んでおいた方がいいよ、樹下君」
そう心配してくる木場と別れ、俺は自分達の車両に戻る。
そしたらイッセー達が三人で互いの頭にヘッドバットをしていた。
いつものことだからまぁいいと言いたいが、最近は収まっていたのに珍しいな。
やはり修学旅行というイベント気分が原因か。これは後で秀華に頼んで、ご褒美という餌で釣った方がいいだろう。
「仲の良いエロいお姉さん達に頼んで混浴露天風呂手配するから抑えろよ」
「「「いきなりそれかよ!!」」」
シンクロでツッコミ入れられたけど、俺も疲れてるからな。
「悪いが、どうも最近の疲れが抜けてないみたいなんだ。あと30分ぐらいだが仮眠させてくれ」
「お前も調子が悪いのか。元浜も疲れてんのか我を忘れて奇行に走りやがったんだよ」
松田がそう言うが、元浜もか。
「まぁ、修学旅行とかはしゃぐのは当然か。俺が言うことでもないが、今のうちに休んで本番は目いっぱい楽しもうな?」
「そうだな。俺もちょっと休んでおかないと、また妙なことになりそうだ」
「俺もちょっと寝不足気味だから寝た方がいいかな……?」
俺がなだめると、元浜もイッセーも同意見の形だ。
まったく色々と大変だし、懸念点も多いが……今はゆっくり休むとするか。
《兵藤一誠》
京都に到着してから、桐生に松田と元浜がからかわれている時に樹下がスマホの文面で悪魔文字を見せてきた。
……禍の団に流れ着いているかもしれない、日本のあれな連中が京都に潜んでるかもしれない……か。
ま、俺達はあくまで観光に来ているし、その五大宗家は色々とそういうのにうるさそうだしな。樹下の判断を仰ぎながら動いた方がいいだろ。
それに、気になることも多いしな。
「ぉ……ぉ~ぱ、ぃ……~~~」
うわごとのようにおっぱいと言いながら、一人の男が倒れたのもあれだ。
なんか駅で痴漢が出てきたけど、樹下が流れるように五百円玉を眉間・鳩尾・股間にぶつけて鎮圧してた。
なんだったんだろう、あいつ。元浜も妙なテンションで松田のおっぱいに襲い掛かってたけど、何だろうか?
「…………嫌な偶然ってあるもんだな……」
そして樹下が何か言っていたけど、俺は痴漢の方を見ていてよく聞こえてなかった。
俺も樹下も、この段階でそっちの情報をちゃんと交換しておけばよかったって、後になってめっちゃ後悔した
圧倒的な胆力と判断の速さで自爆することで、誠二……ギリギリゾンビ化回避。