※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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 いやっほぉおおおおおお!! 常連さん二名が感想欄に返ってきたぜぇええええええ!!

 歓喜のあまり短めのスパンで投稿だっぜぇえええええええ!!!


第六話 まとも(ある意味で事実)

《空本麗夜》

 

 

 

 

 

 

 

 さて、話もまとまったことだしさらにつづけたほうがいいだろうね。

 

 俺たちは部屋を会議室に移し、そして情報の共有を進めることとなった。

 

 ちなみにイッセー君がこれを見越してお菓子を買っており、それをお茶菓子にしながらになるのでちょっと空気が緩いけどね。

 

 多分、九重嬢に上げるつもりだったんだろう。いろいろと大変だと思ったので気を使ったのかな。そういうところは本当に美徳になるよね。

 

 ま、それはともかく真面目に話を勧めないとね。

 

「……現状断定できることを簡潔にまとめるなら、八坂姫が会談に向かう途中で霧を操る何者かの襲撃を受け行方不明。ということだ。……ジャンクフードもなかなかだな」

 

「このポテチ、長年売れてるからな。で……京都の霊脈に悪影響が出てない以上、殺されている可能性も京都の外に連れ出されている可能性も低い。が、それにしたってなんの交渉もされてない以上、麗奈の言う通り本人の身柄そのものが目的……と考えるべきだろうな」

 

 サリアローズ様とアザゼル総督が基本事項を確認すると、そのあたりの情報を提出済みの麗奈も目を伏せる。

 

「となると警戒すべきは何をする気なのかですね。八坂姫は龍王にも匹敵する大妖怪であり、京都とのつながりを利用すれば……儀式次第では神仏でも簡単にはできないだろう現象を起こしかねません」

 

 割とそこが不安だね。

 

 九重嬢に気を使ってあえて言わないけど、八坂様を生贄にした儀式でも起こされるととんでもないことができるだろう。それこそ、龍神クラスにも通用するような一発を用意できてもおかしくない。

 

 問題は、それを即座にするつもりなのかという点もあるけどね。

 

「なんというか、この一連の事件のハウダニット……なぜやるのかがわからないですね。小国国家元首相当の彼女を狙う以上、余計な敵や恨みのバーゲンセールになるんですが」

 

「その点、旧魔王派は非常にシンプルでわかりやすい。奴らにまさか新たな長所を見出すときが来るとは思わなかったな」

 

 麗奈がため息をつけば、サリアローズ様もため息をつく。

 

 まぁ確かに、目的が分かりづらいところはあるね。

 

 旧魔王派は実際とてもわかりやすいからね、その点。根本的に「俺らが王族だろうが偽物擁立してんじゃねえぞ!!」で完結してるところがあるし。

 

 ただまぁ、そういった側が相次いで実権失ったり滅びたりしているけど。そういう意味だと今後はどっこいどっこいかな?

 

「しかし龍王クラスを誘拐して潜伏するってんなら、それなりの場所を事前に用意しないと気づかれそうだがな。こりゃ、思いもよらない方法で隠れ家を用意していると考えるべきだな」

 

 アザゼル先生もそういうと、ガリガリと頭を搔いた。

 

「大雑把な方向性はわかってるんだ。メンバーは基本的に純粋な人間で、英雄の末裔や神器保有者で構成。また、オーフィスの蛇も戦力を直接強化するのではなく、強化するための仕込みの一環で終わらせている」

 

「もっとも、その為ならばどれだけの死者が出ても構わないところはあるようですが。良くも悪くもテロリストである点を自覚的に武器にしている点はありますな」

 

 サリアローズ様もそう語るけれど、イッセー君が首をひねっている。

 

「英雄派か……英雄って何なんでしょうね?」

 

「簡潔にまとめれば、優秀な殺戮者と言っていいだろう」

 

 イッセー君に対して、サリアローズ様は身もふたもないことを言った。

 

「「一人殺せば殺人だが、戦場で百人殺せば英雄だ」などという言い回しがありふれているのがその証拠。どこまで行こうが英雄とは、「肯定される状況下ですごい暴力行為をした存在」と言っていい。おとぎ話の勇者様などとは方向性が違いすぎる血なまぐさい存在だ」

 

 なかなかに切れ味の鋭いことを言ったうえで、サリアローズ様は嘲笑すら浮かべている。

 

「そういう意味ではテロリストが名乗るのも理にかなっている。世の中、大義を掲げて勝ってしまえば大抵の残虐行為など割と帳消しにできるのは歴史が証明している。アメリカ合衆国などいい例だろう? 大量に安酒を作りたいから本国に迷惑をかけた挙句に独立した……ともいえるぞ、あの国は」

 

 ……えげつない。あと、一因なのが本当にひどい。*1

 

 筋が通っているのがなかなかに反論しづらい。

 

「いやまさにその通り。人間のいやらしさとか、そういうのを自覚的に武器にしているところがありますよね、あいつら」

 

 そして誠二は誠二で納得しまくってるし。

 

 ただ、その上でちらりとイッセー君の方を見ていたのを俺は見逃さなかった。

 

「ま、そんな中たまにきれいなものが強く輝いたりするのも世の中ってものですけど」

 

「……へぇ。そんな奴がいるなら見てみたいなー。悪魔の寿命なら生でサインねだれるかも?」

 

 そしてイッセー君はトンチンカンなことを言っている。

 

 思わず、俺たち全員がクスリと笑ってしまった。

 

「なるほど。これはなかなかに嫌味の利いた戦いになりそうだ」

 

「英雄派共の悔しがる顔が目に浮かぶぜ」

 

 サリアローズ様とアザゼル総督が笑ってしまうのも仕方ないよね

 

「……ん?」

 

 あ、イッセー君本当にわかってないね、これ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《兵藤一誠》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんつーか、どこもかしこも大変なんだなぁ。

 

 そんなことを思いながら、止まっている部屋で俺はぼんやりと天井を眺めていた。

 

 いや本当に、英雄ってなんなんだろうなぁ。

 

 サリアローズさんのいう感じのことが本質だとして、それはそれであれだなあってなる辺りが俺なんだろうけど。

 

 ま、俺はもう悪魔だしな。英雄譚なら退治される側だからこそ、英雄にもやってするのかもな。

 

 ただまぁ、樹下あたりは納得してたし、そういうもんでもあるんだろう。

 

「君にとっての平和を苦痛に感じる誰かがいる……か」

 

 ヴァーリが言っていたことを思い出す。

 

 俺は平和な毎日を送りながら頑張れたらいいって思っている。だけど、俺の言う平和が苦痛にしか感じない人もいるってことなんだろう。

 

 ヴァーリは平和を退屈みたいに捉えていた。だけど、それが退屈を通り越して苦痛な人にとっては……壊したくなるんだろうか。

 

 旧魔王派の連中は、なんで苦痛なのかが何となく理解できる。

 

 あいつらにとって平和ってのは「自分たち魔王血族がもてはやされる世界で、自分たちが中心に世界が回っていること」なんだろうさ。

 

 そんな分かりやすい奴らなら、遠慮なくぶっ飛ばせるんだけどなぁ。何百年も生きててそんなことを当たり前と思えるなんて、俺だってさすがにそこまで馬鹿じゃないぞ。

 

 だた、英雄派に自分から入っている連中は……どうなんだろうな。

 

 俺にしたって、ある意味でめっちゃ不幸だ。なまじ神器を生まれ持ちながら使いこなせないせいで殺されそうになったし。ある意味でそれで一度死んでるし。

 

 俺はその辺割り切ってるけど、割り切れない人もいる。そういった人がアイアンローズに集まってるところもあるんだろう。

 

 英雄派はどうなんだろう? 間違いなく、方向性がアイアンローズの真逆だけど。ただそれならそれで、聖書の教えの敬虔な信徒になっている可能性もありそうな気がするけど。

 

 う~ん……よくわからん。俺はバカだけど、これがわからないのってそれはそれであれな気もするんだよなぁ。

 

 わかってからなんだっているのもあれなんだけど、わからないままでいいってのもあれだよなぁ。わかってからってぶっ飛ばすのなら同じな気もするけど、ぶっ飛ばすのなら同じだからってわからないままでいるのもあれな気もする。世の中って難しいぜ。

 

 ただそんなことを思っていると、なんかドアが思いっきり開かれた。

 

「イッセー! 修学旅行では学生たちが子づくりをすることが多いらしいな! 私たちもするぞ!!」

 

「ぜ、ゼノヴィアさん。樹下さんが「最低限の人払いはするから避妊だけはしろ」って言ってましたよ?」

 

 なんか落ち着かないイベントが来てないかなこれ!!

 

 いや、めっちゃ楽しみだけどね!? 樹下ありがとう……気を利かせてくれたから今いないんだな!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《樹下誠二》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺はホテルのラウンジでのんべんだらりとしていた。

 

 ちなみに事前に持ち込んだ道具を作って、部屋の周りの人払いは済ませている。

 

 すでにことに及んでいるだろうイッセー達……というかゼノヴィアが我慢できると思わなかったからだ。まぁ、あんまり褒められたことでもない気がするが。

 

 で、俺たちが何をしているのかというとだ。

 

「そういうわけで悪いんだけど、増援送ってくれ。万が一を考えると事前に戦力は集めときたい」

 

『まかせときんしゃい♪ 新しい人材の指導も兼ねて、主力連中は大半を送っとくよ♪』

 

 秀華に報告をしつつ、増援の要請をしていた。

 

 秀華にはさすがに全部報告しているというか、俺たちの特殊な来歴上事前に伝えているからな。アザゼル先生には悪いが、これは怠れない。

 

 まぁ、日本政府側も事態はある程度把握しているから当然情報は伝わっているしな。秀華が気を利かせてリアス部長たちには伝えていないが、後でお説教コースなのは間違いない。このあたり、俺たちの微妙な立場の食い違いから生まれる不条理だろう。

 

 まぁ、早めの段階で口止めをしてきたアザゼル先生に責任の所在をかぶせよう。堕天使総督の命令とかうかつに断れないのは部長もわかるだろうから、そこを徹底的に指摘すれば責任の所在はあっち行くだろう。責任者は責任を取るのが仕事なので覚悟してもらおう。

 

 さて、それはそれでだ。

 

 とりあえず新参者とは言えリアス・グレモリー眷属最年長で教師のロスヴァイセさんと、仮にも天使長ミカエル様のAであるイリナを呼び出したうえで、俺はそのあたりの確認を取る。

 

「大前提として、大事になる可能性があるとみるべきか?」

 

『あるべきでしょ。リアス・グレモリー眷属やソーナ・シトリー眷属、そして桃山警護事務所(うち)が大半が駒王学園高等部生徒だってことはすぐわかることなんだし調べて当然。そして高等部の修学旅行はほぼ確実に京都でこの時期なんだから、わかってやってる前提必須。わかってない馬鹿ならある意味安心』

 

 ま、そうなるわな。

 

 敵の情報を精査するのは戦略の基本。いくら総数が多いとはいえ、つい先日旧魔王血族をゴロゴロと屠るわぶちのめすはした俺たちの情報を一切探らないのは、三大勢力と敵対している禍の団としては愚行だろう。諜報部門がいるなら確実に調べさせる。

 

 そしてすぐにわかる情報なのだから、絶対に作戦行動をするなら指摘はされるはずだ。つまり、俺たちが介入してくることも想定内とみるべきだろう。

 

 となると、警戒するべきは俺たちに介入をしてくる可能性だな。

 

 戦闘狂の類が主導権を握っている組織なら、旧魔王はトップたちを屠った俺たちにちょっかいをかける可能性もある。その可能性は念頭に入れるべきか。

 

「でも大丈夫なんですか? そっちの人材がだいぶ減ると思いますけど」

 

『こっちはこっちで、二軍レベルのメンバーは増員されてるから大丈夫。一応ね? 駒王町は重要拠点だから警備厳重なの。和平締結の地とかあれよ……記念碑とか記念館とか設立されるようなポイントだよ?』

 

 イリナに秀華が指摘するが、まぁそこはそれだ。

 

 そういう意味では、主力以外の面子もしっかり厚みをそろえて用意するべき地域だろう。もし下手に大被害が出るようなら余計な心理的悪影響が蔓延するような土地だ。和平締結から派生している真っ最中ならなおのこと。

 

 さて、それはそれとしてだ。

 

「秀華さん。ちなみにそちらの読みでは相手がどう動くかわかりますか?」

 

 ロスヴァイセさんが建設的な指摘をすると、秀華は少し考えこむ様子を見せながらもうなづいた。

 

『英雄派のビジョンが見えないのがあれだね。それにほら、英雄って言ってもいろいろある以上、ただ英雄ってだけだと方向性があいまいでしょ? これだけだと先読みは難しいかな』

 

 秀華はそういうと、ため息をつく。

 

『例えば龍殺しの英雄をとかを標榜するなら、「世界最強のドラゴンたるグレートレッドを滅ぼすぜー!」ってかんじ? 独立戦争の英雄とかなら「異形にとやかく言われない純人間の世界を作る!」ってことになるだろうし。……なんというか、そのあたりがあいまいでぼやぼやだから読めないところはあるよね』

 

 なるほどな。

 

 確かに、旧魔王派は自分たちを真なる魔王の派閥と称しており、自分たちを魔王とする冥界を作ることを目的としていた節がある。

 

 だが英雄派ではあいまいだ。組織の名前に深い意味を齎さない場合もあるが、深い意味を感じないからこそ困惑する節がある。

 

『波柴一族の中には、英雄に対してえっぐいのがいたねー。というか妹なんだけど、「都合のいい夢を与えてくれる人に愚民が授ける勲章」なんていうえげつない暴論&極論みたいなことを言ってくるのがいたし。なんなら長兄なんてそれ参考に「ちょっと独立紛争起こして英雄になってくるZE!」とか言って国外行ったし……ヤバイ、わかっているけどなんで私、このレベルでまともなんだろ……?』

 

「「「………方向性………っ」」」

 

 思わず天を仰いでハモってしまった。

 

 いやまぁ、碌でもないのが多すぎだろ……!

 

 秀華がまともなのが完璧に突然変異過ぎる。人類最大級の不思議ではないだろうか……?

 

*1
安価でラム酒を製造するため、本国の命令を無視して他国から原材料を購入し続けたことがマジで一因。もちろん他にも要素は多数あることを分かったうえでの軽いブラックジョーク




 本国の命令を聞いてたらお酒が飲めないってのが独立運動につながったのはマジだそうですな。高校の授業とかは全然集中できなかった身ですが、これ真面目に聞いてた方が面白いネタが仕入れられたんじゃないだろうか……?

 それはそれとして、実際英雄派の問題点って「この時点で英雄の定義がボヤボヤ」というのが大きいですよね。良くも悪くもボヤボヤなのが問題ってのもどうなのかというか、もうちょっと具体的な部分を設計できてたらさらに化けたんだろうなぁ……。
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