※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! 最近おしゃれなbarを見つけて、ちょっと帰りに寄ってきたグレン×グレンです!

 おつまみもおいしくてゆったりできました! 今度もお金と時間に余裕があったらちょくちょく寄りたいです!

 では本編!!


第八話 英雄派との前哨戦!(前編)

《樹下誠二》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 頭が痛くなりそうな強制招待に苛立ちを覚えていると、英雄派の首魁の曹操とやらがこっちを見てにこやかに微笑んでいる。

 

「しかし本当に錚々たる顔ぶれだ。一人一人が下手な上級悪魔より強いだろう、若手の精鋭達。俺達英雄派は一言で言うと戦闘狂の集まりみたいな点があるから、君達の話だけで場が盛り上がるだろう」

 

 それはどうもご丁寧に。

 

「……で、冥途の土産に首を切り落とされたいのなら構わないが、とりあえず何の目的だ?」

 

 俺が警告も兼ねて殺気をあえて漏らしながら告げると、曹操はにっこり微笑んだ。

 

「俺達の実験もそろそろ最終フェイズだからね。どうせ勘づいているだろうし、招待するついでに一当てしようと思ったのさ」

 

「……実験だと! 母上をさらったのはそれが目的か!!」

 

 九重嬢が食って掛かるが、曹操はさらりとそれを流している。

 

「おっと、九尾の狐のお嬢様もおられましたか。ええ、貴女の母上は実験に必要だったものでして」

 

 なるほどな。

 

 となると、京都の霊脈が乱れてないのはあれか。京都そのものも使うつもりってことか。

 

「……ったく。酔い潰れたロスヴァイセを寝かしてたら、どんなことになってんのやらな」

 

 そこにアザゼル先生が姿を現す。

 

 後どうでもいいが、ロスヴァイセさんはもう酔い潰れたのか。まだ十分も経ってないだろうに。

 

 いやそこはいい。とりあえず約一名が戦闘不能っぽいが、想定外の事態というか完璧に不意打ちだからスルーしておこう。彼女はその点は悪くない。

 

 そして先生はいつでもファーブニルの鎧を出せるようにしつつ、鋭い視線で曹操に視線を向ける。

 

「で? ついでだからダメもとで聞いとくぜ? ……お前ら英雄派の目的はなんだ?」

 

 確かに。聞けるなら聞いておきたい。

 

 まぁ答えるわけがないだろうが。

 

「極論するとシンプルだね」

 

 答えるのかよ。

 

 若干呆れていると、曹操は指を上に突きつける。

 

「とてもシンプルな目的さ。―人間がどこまで行けるのかを知りたい」

 

 真顔で何を言っているんだと言いたい。

 

「人間という、異形達どころか野生動物と比べても脆弱な種族。それが神仏魔王を相手に、一体どこまで戦うことができるのか……相対することができる高みはどこなのか。英雄派はそれを探る為の組織だと思ってくれればいいよ」

 

 ……目がマジだな。本気で言っているのか?

 

 言いたいことはなんとなく分かった。

 

 つまるところ、英雄派は人間という種族の限界を探る実験的な組織の一つなのだろう。そして、その方向性が「戦闘」という形になっている。

 

 そしてその比較対象は基本として異形。……その手段として、禍の団というテロ組織に関わり運営する側にまで回っていると。

 

「素直な感想をしていいか? ……周囲の迷惑考えろお前ら」

 

 とりあえず一言でまとめるとこうなる。

 

 あえてはっきりと大声にしたので、相手にもしっかり聞こえただろう。

 

 なのでためらわずはっきりと言おう。

 

「そういう自分探しのノリでテロするのやめろ。なるべく真っ当に頑張って生きている人達に余計な迷惑をかけるな不良共」

 

 もうはっきりと言ってやった。

 

 英雄派の連中からは敵意を向けられるがこっちの態度だ。

 

 そんな乗りで国際テロ活動をするな。略取監禁催眠洗脳からの死地特攻をさせるな。

 

 頭痛が、頭痛が……!

 

 似たようなことをされた幼少期を持つ者として、色々とこう……クるものがある。

 

 ただ、曹操は苦笑を浮かべていた。

 

「自分探しのノリと言われてもね。ぶっちゃけるけど、俺が自分探しをしてたら出来た組織だよ、英雄派は」

 

 そして曹操から放たれる頭を更に痛くする衝撃の事実……っ!

 

 え? このレベルの国際テロ集団、個人の自分探しの結果どころかついでで出来た組織なのか?

 

 勘弁してほしい。このレベルの馬鹿が世界を揺るがすとか悪夢なんだが。

 

 思わず天を仰いで五秒ぐらい経ってから、俺は漸く持ち直した。

 

「先生。とりあえずぶち殺していいですよね? こんな奴に修学旅行ぶち壊されそうで俺はブチギレそうなんですが」

 

 クソのような組織の子飼いとして育てられて、小学校の修学旅行には行けなかったのが俺だぞ。

 

 お前、ただでさえ人より一つ少ない修学旅行の経験が、こんな阿保のテロの所為で……所為で……!

 

「覚悟してもらおうか曹操……! お前は個人的に蹴り殺す……っ!」

 

 反粒子……全力解放でぶちのめす……っ!

 

「おぉう。思った以上にビキビキと殺気を放ってるね、樹下誠二。これは思わぬ展開だ」

 

「樹下! 樹下落ち着け! めっちゃ怖いぞお前!!」

 

 軽く曹操とイッセーが引いているが、俺も大概キてるんだよ。

 

 ただでさえ意味不明な展開でいきなり躓きそうになり、トラブルに巻き込まれているんだ。

 

 修学旅行ぐらいもっと楽しませろと言いたくなって当然だろう。俺だってまだ高校二年生だぞ!! ギリギリ思春期だぞ!!

 

 ろくでもない理由でろくでもない行動をしやがりやがって。若気の至りに限度があるということも知らないのなら、いいだろう。

 

 命で償う覚悟は必須だと教えてやる。

 

「私怨と責務が合致した以上、遠慮など一切ない……っ!」

 

 容赦なく反粒子を魔剣に纏わせ、躊躇なく投擲。

 

 最上級悪魔クラスであろうと喰らえばただでは済まない投擲攻撃に対し、曹操は軽く目を見開く。

 

 流石に当たればやばいのは既に理解したようだ。で、それをどうさばく?

 

 試しを兼ねた一撃に対し、曹操は素早く槍を抜き、そして一閃。

 

 真勝ちあげたあげた一撃は、壮絶な余波で周囲に暴風を引き起こしながら俺の反粒子魔剣を勝ちあげて逸らす。

 

 ……抜き打ちでは反粒子でも捌かれるか。そして、あの槍はやばいな。

 

 どう考えても神滅具クラス。それも、禁手か上位のどちらかだろう。

 

「なるほどな。そりゃ英雄派なんて作れるわけだ」

 

 先生が呆れ半分で感心するが、分かっているならありがたい。

 

「簡潔に教えてください。あれなんですか?」

 

「そうですよ! 樹下の反粒子をあっさり弾くなんて……神滅具でもきついでしょ!?」

 

 びっくりしているイッセーとほぼ同時に俺は尋ねるが、まぁ答えはある程度読めている。

 

 槍型。神滅具。それも至っていないのなら上位。この三つで答えはほぼ出ている。

 

 おそらくだが、答えは最悪のパターンだ。

 

「上位神滅具のそのまた最強、神滅具中の神滅具。黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)だ」

 

 やはりか。

 

「あれが……神の子を貫いた槍……」

 

「この世で最も尊き、聖槍……?」

 

 信徒たるゼノヴィアとイリナは戦慄を覚えるがそうだろう。

 

 聖遺物の筆頭。神の子の処刑に使われた遺物の一つ。その筆頭たるロンギヌスの槍。

 

 現物を見れれば、敬虔な信徒なら戦慄なり感動なりが走って当然。

 

 アーシアに至っては茫然としており、よろよろになっているほどだ。

 

「あれが、あれがかの―」

 

「見るなアーシア」

 

 そんなアーシアの目を、アザゼル先生の手が覆う。

 

「信徒は気をしっかりと保て。出ないとあの槍に心を持っていかれるぞ!」

 

「……ありがとうございます。おかげで我に帰れました」

 

 アザゼル先生の忠告に、コガネさんも我に返っていたようだ。

 

 気づいてなかったが、どうやらある程度意識を持っていかれていたらしい。恐るべし聖槍。

 

 とはいえ、ここまで厄介だとはな。

 

「まぁ、この槍に負けない程度には頑張っているところでね。俺としてもそろそろ実力を試したいと思っていたところに君達まで来てくれたんだ。……ゲストの要望もあって、こうしてちょっと挨拶しに来たというわけさ」

 

 ……妙なことを言ったな。

 

 ゲストの要望? 光吉でも出張ってるというのか?

 

 俺は警戒心を強くするが、その時上空が変化する。

 

 ふと明るくなったのかと思うと、気づいた時には百を超える星が浮かんでいた。

 

 いや、あれは星じゃない。

 

 灼熱の塊……プラズマ球体か?

 

「ま、そういうわけでなぁ? ありがたいぜ、お披露目がお前らの相手だなんてよぉ?」

 

 そして聞こえてくるその声。

 

 俺達は、厳密に言えば俺達の多くは、その声に聞き覚えがあった。

 

「……嘘でしょ?」

 

「そん、な……?」

 

 信子さんとコナユキが声を震わせる、その声には俺も覚えがある。

 

「……まさか……っ!?」

 

「冗談、きついわね」

 

「勘弁してくれ……っ」

 

 麗華さんも麗奈さんも麗夜さんも、その声に覚えがあるからこそ歯噛みする。

 

 本当に勘弁してくれよ。流石に冗談きついぞ、それは……っ

 

 なんで奴が? もう死んでるだろ!

 

 俺達が頭痛を覚える中、英雄派の構成から抜け出る男が一人。

 

 日本風の装甲を纏った人型の存在。

 

 まるでSF作品のアンドロイドのようなその姿を見せつけ、にやりとそいつは笑う。

 

「この場合は初めましてかぁ? 波(・)柴(・)矢(・)城(・)の(・)な(・)れ(・)の(・)は(・)て(・)っていや分かるよなぁ?」

 

 そう悪意を込めた声を放つのは波柴矢城……いや。

 

 気配も、何もかもが明確にずれているそれは、敵意を込めて宣言する。

 

「人造惑星(プラネテス)、シュテルン・フランメ! いい機会だから復讐するかぁ!!」

 

 化け物が此処に、現れやがった……っ!

 

 

 

 

 

 

 

 

《木場祐斗》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 プラネテス……?

 

 星辰奏者ではないということか。いや、それより波柴矢城のなれの果て?

 

 奴については多少は知っているが、目の前の男は明らかにそれとは比べ物にならない。

 

 彼が振るっていると思われる星によって、百を超えるプラズマ球体がこちらに向かって襲い掛かる。

 

 それを樹下君が魔剣で撃ち落とし、掻い潜ってきた物は吹本さんとコガネさんがそれぞれ防御態勢に入って全てを防ぎ切った。

 

 だけど、それを踏まえても明らかに星辰光の性能が違いすぎる。

 

 これはもはや、星辰奏者の中でも上澄みレベルだ。情報で知る波柴矢城のそれとは比べ物にならない……っ!

 

「くたばりやがれぇええええええっ!!」

 

 数は勿論、一発一発の密度も違う。当たれば上級悪魔でも一発で無視できない傷を負うだろう。

 

 それを僕達は迎撃するが、これがあの波柴矢城だって?

 

「こんなに強かったのかい、波柴矢城は?」

 

「いえ違うわ! これだけのレベルの星辰光を行使なんてできなかった!」

 

 僕が迎撃態勢を取りながら問うと、聖剣を引き抜いていた松森さんが否定する。

 

 ではなんでだ? いくら何でもこのレベルの星辰光、持っているなら使ってないわけがない。

 

「流石は、星辰奏者を超える星辰体運用兵(・)器(・)とやらだね。ディオドラのテストはいい感じに影響を与えたのかな?」

 

 そんな僕達の迎撃を観戦しながら、曹操が興味深そうにそんなことを言っている。

 

 星辰奏者を超える星辰体運用兵器? そして、ディオドラがテスト?

 

 そんな発言を聞いて、イッセー君が何かに気づいたかのように顔を上げた。

 

「ディオドラの星がやけに強かったのは、そいつの技術が使われてたからってか!」

 

「チッと違うな? 星辰奏者を星辰奏者のまま魔星にする技術が奴のだよ。俺は、基礎の基礎から魔星だぜぇ!!」

 

 イッセー君にそんなことを言いながら、波柴矢城……いや、シュテルン・フランメが接近する。

 

 両腕から灼熱のトンファーを伸ばし、迎撃で振るわれるイッセー君の拳を横から打ち払う形で迎撃。爆発と共にイッセー君の打撃が大きく横に逸れる。

 

 そして僅かに逸れただけで済んだシュテルン・フランメは連撃を放ち、イッセー君を打ち据える。

 

「な、めんな!!」

 

 イッセー君は強引に体当たりをして押し飛ばし、ドラゴンショットを放って反撃。

 

 それを十数発のプラズマで削り、残りをプラズマの壁とぶつけ合わせることでシュテルン・フランメは相殺して交代する。

 

 シュテルン・フランメはその間も僕達に対してプラズマ攻撃を行っており、攻撃は荒いが爆発する為無視もできず、僕らの一瞬の攻防には割って入れなかった。

 

 間違いない。資料で見た時より各出力・収束性・操縦性・付属性の全てが大幅に向上している。

 

 波柴矢城の時とは比べ物にならない星辰光。これが、星辰奏者を超える星辰体運用兵器……っ!!

 

「では、俺達も動くとするか。……レオナルド、対悪魔用を頼む」

 

「……っ」

 

 そして曹操に促され、後ろに控えていた小さい男の子が両手を前に突き出す。

 

 レオナルドと呼ばれた少年の影が伸び、そこから一つ目の魔獣が多数現れると光力を放ってきた。

 

「今度は魔獣創造(アナイアレイション・メーカー)かよ! 上位神滅具が大盤振る舞いだな!!」

 

 アザゼル先生が舌打ちをしながら、光力で魔獣を打ち据える。

 

 魔獣創造。確か上位神滅具の一角に位置する創造系神器だったね。

 

「あれはなんですか先生! どんな力が!?」

 

「簡潔に言うと「ぼくがかんがえたさいきょうのもんすたー」を作れる能力だ! ただし創造できるレベルは魔剣創造や聖剣創造とさほど変わらねえ!」

 

 なるほど分かりやすい。

 

 簡潔にまとめれば、能力に対する習熟と本人の正確なイメージ次第で様々な魔獣を創り出せる。もちろん神器の性能もあって上限はあるが、上位神滅具であることを考えれば製造数も限界性能もかなり高い部類だろう。

 

 そして、今の魔獣は中級悪魔クラスだが光力を放ってきている為、悪魔である僕達にはめっぽう厳しい手合いだ。

 

「……アンチモンスターに特化した使い手のようだが、テロに使ってない辺り神殺しはまだ無理ってことか。禁手もまだだな?」

 

「この一瞬でそこまで読めるとは中々。だけど、俺達実力者をカバーするだけなら十分すぎるんですよ」

 

 素早く推察するアザゼル先生に、聖槍を構えた曹操が迫る。

 

 それを龍王の鎧を纏った先生は弾き飛ばし、更に追撃を敢行する。

 

「こいつは俺が抑える! お前らは取り巻きと波柴の馬鹿を何とかしろ!!」

 

「分かっておるぞ総督! 派手にやって見せよう!!」

 

 曹操を弾き飛ばす先生に応え、雲川さんが指を高らかに鳴らす。

 

「速攻で薙ぎ払おう! 有象無象は吹っ飛ばすのみ!」

 

 瞬間、具現化するは巨大な鋼の神器。

 

「……へぇ。準神滅具の鉄槌要塞(バンカー・バンカー)だっけ。中々凄いのだよねー」

 

 そう呟いたのは、確かサブリーダーを名乗っていた仮面の少女。コハヤ・リバーという名乗っていたはずだ。

 

 そして彼女は指を鳴らすと、同じぐらい巨大な魔のオーラを纏う巨人を具現化させる。

 

 そして即座に、取っ組み合いが成立した。

 

 更にそこから抜けるように、小さなミサイルが数十発放たれてる。

 

 それら全てはジグザクに移動しながら……アーシアさん狙いか!

 

「させるかっ!」

 

「アーメン!」

 

 ゼノヴィアがエクス・デュランダルでまとめて薙ぎ払い、うち漏らしはイリナさんが光の槍で撃ち落とす。

 

 だがそこから掻い潜るように、再びシュテルン・フランメが迫ってきた。

 

「うざい奴から消しとくかぁああああああっ!!」

 

「そういうわけにはいかんな?」

 

 それを割って入ったサリアローズ様が、ハルバートで強引に迎撃する。

 

 鋭い轟音と共に爆発が放たれるが、サリアローズ様のハルバートは壊れることなく耐え、そして強引にシュテルン・フランメを打ち上げる。

 

 直後、追いついたイッセー君が奴を蹴り飛ばしてからサリアローズ様に頭を下げた。

 

「助かりました!」

 

「かまわん。回復役が潰れればこちらももたないからな」

 

 そう小さく会話をする二人と共に、僕達全員も大量のミサイルや光弾やプラズマを撃ち落したり防御したりで忙しい。

 

 面倒だね。この数に襲われている上に防戦一方なのも厳しい。せめてどれか一つでも楽になればいいんだけれど―

 

「……そうだ! 木場、以前光を吸収する魔剣を作れたよな!?」

 

 ―イッセー君が、その声を飛ばしてくる。

 

「あれを皆に渡せば、光力だけならだいぶ楽になるはずだ!! 樹下達も頼む!」

 

「……オーケー分かった。まずはその線で行くか!」

 

 樹下君が真っ先に反応し、光を喰らう魔剣を魔獣達に対して集中投擲。

 

 同時に僕達も光を喰らう魔剣を作り、皆に渡していく。

 

 これで光弾に関しては、明確に脅威度が下がっているはずだ。

 

 そしてそうなれば、他の攻撃に対応する余力も回せるようになる……!

 

「穴は見えた……! 見物料は高くつくよ!!」

 

「一杯……ふんだく、る!」

 

 旗本さんとコナユキさんが、英雄派に対して攻撃を開始して戦闘は乱戦になっていく。

 

 こちらから仕掛けられたことで、英雄派の構成員達も魔獣を率いて仕掛けてる。ほぼ全員が禁手に至っているだろうし、数も多いから中々に厄介だ。

 

 だけど、僕達も鍛え方が違うからね……!

 

「操られているだけの者もいるようだしな。アーシア嬢で回復することを前提に半殺しで済ませるとするか……っ!」

 

 サリアローズ様達も、輝く矛を武器に暴れてくれている。非常に頼もしい方々だ。

 

「赤龍帝、逃がさないわよ!」

 

「私達の連携、見切れるかしら?」

 

 そして英雄派の構成員がイッセー君に迫るけど、相手が全員女性なのがあれだね。

 

「ダメだ下がれ! 女で赤龍帝に挑むのは自殺行為だ!」

 

 敵幹部が鋭く声を飛ばすけれど、既にイッセー君は動いている。

 

「見切れなくても聞けばいい! そして、洋服崩壊(ドレス・ブレイク)!!」

 

 一瞬で動きを教えてもらったイッセー君が、相手の衣服を粉砕する。

 

 相も変わらず、乳語翻訳と洋服崩壊のコンボは対女性において特攻過ぎる。イッセー君、本当に凄まじいね……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《空本麗夜》

 

 

 

 

 

 

 

 

 割と状況が混沌として来ているね。

 

 というか、何で矢城が強化復活しているんだ。

 

 あいつそこまで価値のある人物? 割と真剣に疑問に思うのが現状なんだけどなぁ!

 

 内心でぼやきつつも、俺は迫りくる魔獣や英雄派の構成員を相手に立ち回っている。

 

 英雄派の構成員はおそらく全員が至っているだろう。その点で言うと、至ってない俺は明確に一段下と言ってもいい。

 

 ただ、至っているかどうかだけで戦力の価値は測れない。

 

 おかげでこっちもある程度は対応できている。出力や性能は高いけれど、戦術や技量で補える範疇内なのがありがたい。

 

 ありがたいけど問題は、だ。

 

「お前達にも一発かますかぁ!!」

 

 矢城もとい、シュテルン・フランメの奴だ。

 

 さっきから戦闘の合間を縫って、俺や麗奈や麗華を狙っての一撃離脱戦闘を繰り広げてくるのが地味に面倒だ。

 

 動きは鋭く判断も早い。そして出力が違う為重さや数が違いすぎる。

 

 動きの鋭さや判断の速さにはまだ粗さというか硬さがあるから凌げているけれど、明らかに基本性能が大幅に向上している。

 

 こっちもだいぶ鍛えているけれど、それに追い抜きかねないほどだ。

 

 素早く右腕の人工神器で牽制の射撃を入れつつ、俺は次に奴がどこを狙ってくるのかを考える。

 

 間違いなく俺達三人を中心に狙っている。そして、幸か不幸か今麗奈は麗華のカバーに入っている。

 

 となれば!

 

「来るよ二人とも! 警戒!」

 

 パルクールの要領で乱戦の状況を縫って走り、二人に合流。

 

 そして殺気を頼りに、迎撃態勢を取る。

 

「ライトF!」

 

 動線に置くように想像した魔剣は、電気エネルギーを受けることで発光する魔剣。

 

 注ぎ込んだ星辰光による電気エネルギーを受け、絶大な光を放つ。

 

「眩しっ!?」

 

 もろに喰らった……なら!

 

「追撃……コートE!」

 

 電気エネルギーをプラズマに変換して纏う魔剣で、光を掻い潜って叩き斬る。

 

 奴の動きが早いうえに、攻撃柄多い所為で技量できるのは難しい。ならプラズマ付きで単純に叩き切りやすいこちらを狙って叩き斬る。

 

「この、あぶねえなぁ!!」

 

 躱されたか。反応がやはり早い。

 

「面倒になってるわね。腕が……というより、性能がやばくなってない?」

 

「まぁ、かつてのままで挑むほど私達をなめてかかってないということだろうさ」

 

 麗奈も麗華も舌打ち気味だけど、これは流石に面倒だ。

 

 あと気を抜いているとコハヤ・リバーが出してきた大型兵器が襲ってくるし!!

 

 その打撃を回避しつつシュテルン・フランメを警戒し、俺は息を一つつく。

 

 これは、こっちも出し惜しみ無しで行くべきだろう。

 

「なら、こっちも本腰を入れて仕掛けるしかないだろうね」

 

 まったく。とんでもないことになっているものだよ!!

 

 




 本格的な人造惑星登場。マルスとウラヌスを思わせる究極の小物、シュテルン・フランメの登場です。

 素体は波柴矢城。小物っぷりが酷いですが、だからこそ最初の人造惑星にふさわしいともいえるかもしれない!

 ではマテ、次回!!
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