※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! 多重クロス作品を一作は完結させたいグレン×グレンです!

 将来的な元L×L第三部のためにも、一度は多重クロス作品を完結させたという実績を作りたいんですけど、難しいですねぇ。本当なこの作品を多重クロス作品にするつもりだったんですけど、いろいろ考えてやめたほうがいいと判断したのでそのあたりも苦労する部分ですね。

 まぁボチボチと頑張ります。なので本編!!


第十一話 決戦前の大衝撃!?

《木場祐斗》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 雲川さん達が泊まっているスイートルームに集まり、僕達は作戦会議を行うことになった。

 

「まず簡単に言うと、禍の団……つーか英雄派が二条城に集まってやがる。既に防衛戦を作っており、やる気満々ってわけだ」

 

 アザゼル先生が呆れながらそう言うと、バンと地図を叩いた。

 

「で、近くの和平結んだ連中で囲んで叩く。ただでさえピリピリしている京都の妖怪は勿論、須弥山の連中からも人員をもらえたからな。サリアローズも手を回して、大王派からも人員を集めてもらってる。……で、良い知らせがいくつかあるが悪い知らせもある」

 

 そう言うと、先生はため息をつきながら小瓶を三つ置いた。

 

 あれはフェニックスの涙だね。それが三つか。

 

「これがどうかしたのですか? 三つもフェニックスの涙が貰えたのはありがたいのですが」

 

「逆だ木場。お前達に回せるのが三つしかない。これでもサリアローズも手を回して三つ止まりってのが厳しい。……最近裏ルートに流している奴がいて困ってるんだが、そこに数多くのテロもあって優先供給でこの様だ」

 

 言われてみて気づいたけれど、確かにこれだけの事態なら、対応する部隊全体に複数の涙を用意した方がいいのは事実だ。

 

 そういう意味では、三つだけというのは大問題なのだろう。

 

 供給されるだけでもありがたいのだけれど、僕達はそれほどの価値があると思うべきかな?

 

「それで、いい知らせの方はどうなんですか?」

 

 イッセー君が聞くと、先生が軽く苦笑いを浮かべる。

 

「いくつかある。まず一つ目だが、今回……アイアンローズや純潔十字同盟の介入はねえ。ま、俺達以外にとっては悪い知らせかもだがな」

 

 ふむ。

 

 ここ最近、彼らが禍の団との大規模な激戦に関わってきて面倒になることは多かった。

 

 そういった不確定要素がないのはありがたいけれど、確信をもって言うのには驚いた。

 

 と、アザゼル先生は苦笑いを浮かべる。

 

「別件であいつら同士が激戦していることが判明した。ここからそこまで遠くねえが、それもあってこの辺りを探っていた連中達が慌てて向かっている動きをキャッチしてな。……戦略的に見てこっちにぶつかってくることはまずねえ」

 

「あいつらはあいつらで忙しいってわけですか。ま、乱戦にならない方が俺達も気が楽っすね」

 

 匙君が納得しているけど、確かにそうだ。

 

 乱戦になると情勢の予測が困難だ。そういう意味では、禍の団に集中できる今の状況の方がありがたいだろう。

 

 ただまぁ、それは英雄派にとっても同じことだろうけどね。

 

「二つ目。その件で天界の方で動いている奴が、多少遅れるがこっちに派遣される。……デュリオの奴だ。覚えがある奴も多いだろ?」

 

「デュリオさんか。あの人は確かに頼れるな」

 

 樹下君がそう言うのも当然だろう。

 

 デュリオ・ジュズアルド。教会が誇る現役最強の悪魔祓いにして、上位神滅具である煌天雷獄の保有者だ。

 

 上位神滅具保有者が多数いる英雄派との戦いで、彼の存在はとてもありがたいね。

 

「デュリオがこの近くに来てたのね。……あとであのカレー屋教えた方がいいかしらね。で、他にはあります?」

 

 懐かしそうにしていた雨宮さんが切り替えると、アザゼル先生が更に指を二本立てる。

 

「須弥山からも大物の助っ人がお前らを追いかけてくれるのが一つ。で、最後の一つは―」

 

「―私、参上なのさ!!」

 

 アザゼル先生の言葉を遮り、蹴り開ける形で秀華さんが入ってくる。

 

 彼女が来てくれたのか。それは助かる。

 

 ただ、彼女だけか?

 

「リアス部長やソーナ会長は?」

 

「ソーナちゃんは駒王町の守りに回ってもらってるよ。ただ、リアスちゃんは別件で冥界に行ってて、まだ情報も行ってない」

 

 樹下君に秀華さんが答えるけれど、そんなことが起こっているのか?

 

「……禍の団の陽動作戦ですか?」

 

「いや、今回は無関係だがグレモリー領で暴動が起きたみたいでな。規模から言って間違いなくただの暴発だが、そっちはそっちで大切だってことだ」

 

 旗本さんにそう応えるアザゼル先生は、その上で僕達を見回した。

 

「では大雑把に作戦を伝える。シトリー眷属は匙以外でホテルの守りだ。近づいてくる不審な連中は俺が許すから全員ぶちのめせ!」

 

 シンプルな指示を飛ばしたうえで、今度は僕達の方を向く。

 

「グレモリー眷属、レヴィアタン眷属は総出でオフェンスだ。匙も龍王の力が頼りになるから、そっちに回れ!」

 

「え、俺もですか!?」

 

 匙君がちょっと驚いているけれど、実際頼りになるだろう。

 

 龍王ヴリトラの力は頼れるし、匙君自身がガッツのある戦力だ。

 

「期待してるぜ、匙!」

 

「頼りにしてる。真剣に頼らせてくれ」

 

 イッセー君も樹下君も評価は上々だ。

 

 そしてその上で、アザゼル先生は地図に視線を戻した。

 

「……お前達の目的は八坂姫の救出だ。最悪救出さえできるのならその後は逃げの一手で構わねえ。……全員、家に帰るまでは修学旅行だ、一人も死ぬなよ!!」

 

 その言葉に、僕達全員が頷いた。

 

 そうだね。修学旅行のお土産話が死別なんて論外だ。

 

 ここからが、本番だ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《樹下誠二》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、準備体操も終わっているので下に降りたが、なんか妙に騒がしいな。

 

「どうかしました?」

 

「それが痴漢が出たみたいなんだよ。で、あそこの人が取り押さえたんだ」

 

 近くの人に聞いてみて視線を見ると、アザゼル先生が何とも言えない顔になっていた。

 

 俺はお礼を言ってから先生に近づくと、先生が凄い微妙な顔を向けてきた。

 

 なんだ? もの凄い同情の視線が向けられているんだが。

 

「どうしたんですか、先生」

 

「……あ~……お、ちょうどいいところにイッセーが」

 

 先生が凄く言いづらそうにしていると、降りてきたイッセーの方を向いて手で招き寄せた。

 

 そして先生は、神妙な顔で手に持っていた球体をイッセーに差し出す。

 

「イッセー……つーかドライグ、これ分かるか?」

 

「なんですそれ?」

 

 イッセーが首を傾げるが、一体なんだというのか。

 

 いや、というか何が何だかわからないんだが。

 

「痴漢を退治したとかなんだとかですが、それが何か?」

 

 そいつが異能関係で持っていたのかもしれないと思って聞くが、先生はもの凄く言いづらそうな顔で俺から視線を逸らした。

 

 ただ、言わないといけないことみたいで、腹をくくって口を開いた。

 

「そいつから出てきたんだよ、これが」

 

 意味不明なんだが。

 

 え? なんか異能じみたオーラがあるんだが、それが痴漢から出てきた?

 

 そして、それをドライグに聞くとはどういうことか。理解が追いつかないんだが。

 

 あと、イッセーが困惑しているが、それ以上にドライグが絶句をしているみたいなんだが。

 

 何が何だかさっぱり分からない。

 

『……嘘だろ、オイ』

 

 もの凄くドライグが愕然としている。

 

『これは、相棒の可能性だ……何人もの人間に宿りながら、相棒のところに戻ってきたんだ……』

 

 ……待て。

 

「可能性が出て行った……って、まさか……」

 

 寒気すら覚えている。

 

 だが、全てが繋がりそうになる説得力があった。

 

 イッセーから出ていった可能性。

 

 大量に出てきたおっぱいを求める痴漢。

 

 可能性が多くの人々を渡り歩いたという話。

 

 それは、つ・ま・り―

 

『京都ではびこったという痴漢は……相棒の可能性によるものだ』

 

「「嘘だろぉっ!?」」

 

 ドライグの下した結論に、俺とイッセーは愕然となった。

 

 というか、俺は崩れ落ちそうになった。

 

 つまりそのタイミングから言って、俺の謎のおっぱい衝動はイッセーの可能性が宿ったことに端を発するのだろう。

 

 俺は不幸中の幸いで、自分を失神させることで呑まれることを避けることができた。だが、それは地獄のような酷い洗脳教育があってこそだからこそ、不幸中の幸いだ。人生万事塞翁が馬とか禍福は糾える縄の如しとか、こういうことなんだろう。

 

 だがそれができない者達は、もれなくおっぱいを求めるゾンビになったということだろう。元浜が変になったというのも、おそらくそれによるものだ。

 

 というよりだ。

 

 可能性が宿っただけでおっぱいを欲する衝動で人格や理性を塗り潰し、ゾンビのような痴漢にするってなんだ。

 

 何かしらの精神干渉ではないかと疑ってはいた。それは間違ってはなかった。だが想像できるような展開ではない。

 

 どうするんだよ、これ。

 

「とりあえず、架空の星辰光をでっちあげて表向きのカバーストーリーを作るとして、必要経費はおっぱいドラゴンの興行収入で建て替えるべきじゃないか?」

 

「反論できねえ!? できないけど、これ俺に言われてもマジで困るよ! いや御免なさいとしか言えないけど!?」

 

 俺が頬を引きつらせながら提案すると、イッセーもまた崩れ落ちながら絶叫した。

 

「ぉえっぷ……ぅ。出すもの出したと思ったら、何をしているんですか、イッセー君……ぅっぶぅ!? まだ出る……っ!!」

 

 そしてロスヴァイセさんは大丈夫か?

 

 重度の二日酔いなんだが、戦えるのかあれ。

 

「……人が真面目に悩んでいたって時に、なんでこんなことに……」

 

「なんだ? 何を悩んでるんだ?」

 

 流石に若干同情するので、話を変える意味でもそっちに話を切り替える。

 

 と、イッセーは真剣に首を捻っていた。

 

「いや、英雄ってなんだろうなって」

 

「……また哲学的な悩みを」

 

 英雄なぁ。

 

 ま、英雄派との接触もあって気になったってところなんだろう。

 

「俺は悪魔だけど、元々人間だったし、英雄ってのがちょっと気になったっていうか」

 

 ふむ。

 

 ま、その辺ははっきり言っていいだろう。

 

「身もふたもなく言うが、お前は冥界の英雄だろうが」

 

「え、俺が英雄!?」

 

 驚くな馬鹿。

 

「ここ最近の禍の団関連で大活躍だろうに。三大勢力和平締結においても貢献しているし、歴史書が書かれるなら間違いなく英雄の一人として扱われるだろう。まあ、俺もになるのがむず痒いが」

 

 実際問題、英雄視している連中はいるだろう。

 

 旧魔王派のトップを打倒したこともあり、俺やイッセーに対する注目は強いはずだ。

 

「一口に英雄と言っても色々あるからな。正義の反対は別の正義なんて言うし、大抵敵にとっては疫病神とか死神とかになるんだろうが」

 

「なんか身もふたもないなオイ」

 

 イッセーが若干引いているが、そんなもんだ。

 

「英雄派からすると「人間でありながら人間離れした存在」といったところかもな。俺からすれば「武門で多大な功績をあげた人物」とか、綺麗ごとも減ったくれもないことになるんだが」

 

 我ながら身もふたもないことを言っていると、先生は盛大にため息をついた。

 

「面倒なこと考えてるな。ま、真面目に答えるなら史実の曹操とかについて軽く説明してやるか」

 

 ほう。教師が英雄について語るのか。

 

 ちょっと興味がある。

 

「史実の曹操は戦争などの成果もあるが、国家運営なども大きい。特に大きなポイントは人材発掘だろうな。その点、取っている手段はえげつねえが英雄派の曹操も着目はしているだろう」

 

 そこまで言ったうえで、先生はイッセーに向かってにやりと笑う。

 

「だがイッセー。お前はそもそもなんの為に戦ってるんだ?」

 

「おっぱい一杯夢いっぱいのハーレム王! そして仲間と冥界の子供達の為っす!」

 

 即答だった。

 

 ま、俺も先生も顔を見合わせてにやりと笑ってしまうわけだが。

 

「それで充分。難しいことは大人に任せて、お前はそのままで行きゃいいんだよ」

 

「分かりました! 難しいことは一旦おいておきます!!」

 

 元気のいい師弟で何よりだ。

 

 思考放棄は確かに悪いが、考えるにしても自分の身の程は弁えないとな。

 

 イッセーはそれでいいだろう。というより、多分迷走する方向だぞその考えは。

 

 さて、そろそろ時間も迫っている……な。

 

「さて、なら禍の団の英雄達に、冥界の英雄が挑戦するとしようじゃないか」

 

 英雄を人間の専売特許にしている連中に、悪魔にだって英雄がいることを教えてやろうじゃねえか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《空本麗夜》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「却下。顔を洗って出直してきなさい」

 

「放すのじゃー! 妾が母上を助けるのじゃー!」

 

 バッサリ切った麗奈が、イッセーに飛びついた九重嬢を摘まみ上げる。

 

 二条城に向かう為の車を待っている俺達に、待機を命じられた九重嬢が駆け寄ってきてこうなった。

 

「ま、まぁまぁ雨宮さん。何かの役に立つかもしれないし、俺達が守っとけばいいじゃないですか?」

 

「いや、そういう問題じゃないよイッセー君」

 

 と、止めようとしたイッセー君を所長が留める。

 

 そして所長は屈み込んで視線を九重嬢に合わせる。

 

「まず、勝手に抜け出たでしょ? その時点で気づいたら、探す人が必要だしトラブルの一つにもなるよ? この時点で迷惑かけまくりです」

 

 指を折って、ゆっくりと言い聞かせた。

 

 まぁ実際問題、そういう諸問題が多いしね。

 

「それに、勝手な判断で君に何かあったら絶対に責任問題になるよ? 言いたくないけど、敵は強大だからこっちも守り通せるかなんて言えないもん。国際問題になったら私だけの責任でどうにかできないし」

 

 その点がとても問題だ。

 

 個人の感情としてはまぁ共感するところもあるけれど、それに伴う問題が多すぎる。

 

 責任者や年長者としては、苦言を呈すほかない。

 

「はっきり言います。君は今この時点で、お母さんを助ける邪魔をしすぎてるの。許可をもらってから出直してきなさい」

 

 厳しいが、それが現実だ。

 

 彼女に何かあれば多方面で問題になる。それを無視するわけにはいかない。

 

「とりあえず、妖怪の方かアザゼル先生を呼んできます。もう気づいて余計な仕事を増やしているかもしれませんし―」

 

 そう言いかけた時、俺の視界に靄が映る。

 

 ……違う。これは靄じゃなくて霧だ。

 

 まさか絶霧!?

 

「―まずい、全員警戒を!!」

 

 慌てて周囲を見渡した時、俺達は既に転移していた。

 

「……まずいですね。四人ほど、取りこぼしました」

 

 舌打ちをするのはコガネちゃん。霧を放っている辺り、星辰光を利用して相殺を試みたらしい。

 

 そして問題はその四人だ。

 

「……麗奈……っ!」

 

 思わず歯噛みするけど、これは本当にまずい。

 

 九重嬢ごと、麗奈が……所長が……イッセー君が、転移された!?




さぁ、そろそろ本番になってきたぜぇええええ!!
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