シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚 作:グレン×グレン
一日一回蕎麦生活を二か月ほどやってたら6kgほど痩せたんですが、三か月ほどしたらリバウンドしまして……やはり蕎麦主体生活を長続きさせた方がいいかと反省しております。
ただそんな空白期間で近くのスーパーからそば粉が消えた……っ! 麺の蕎麦だけだと飽きやすいので、そば粉が欲しい……ガレット、蕎麦掻……っ!!
まぁ、それはそれとして本編!
《樹下誠二》
面倒なことになったな。
来歴上考慮しないといけないサリアローズ殿が英雄派の幹部とタイマンしている上、要となるだろうイッセーを首魁の曹操が抑え込んでいる。
曹操の方にはアルトリーネさんが行っているから大丈夫な気がしないでもないが、サリアローズ殿の方も下手に手を出すと後で面倒になる。
仕方ない。とりあえず一人ずつ確実に潰すか。問題は誰にするかだな……と思いたかったが!
「危なっ!?」
咄嗟に蹴り壊すが、急に明後日の方向から槍が飛んできた。
この投擲攻撃、既に何度か経験があるな。
遠距離からの嫌がらせか。これは地味に厄介だ。
距離が遠いから止まってないならある程度は捌ける。だが、無視できるような相手では断じてない。
と、今度は横を迂回して飛翔する。
……速度が速いが、あれはジグザクに移動しているな。面制圧でソニックブームを利用する流れか。
素早く広範囲攻撃ではじこうとするが、意外と硬くて時間がかかる。
ただ、軌道を変えるといった反応がない。これは中々に変化球か。
「誠二! 何人か連れてっていいからこのウザイ投槍何とかして……私はこっちでトップやってる!!」
「分かった。青蘭、あとコガネさんとコナユキ頼む!」
手近かつ頼れる面子を率いて、俺は秀華の指示通りに遠距離投擲を狙う。
俺との連携で俺をずば抜けた領域にする青蘭に、連携という点で年季が違うコナユキときて、防御面と奇襲対策が万全なコガネさんの三人。あまり多くを割けないだろう状況下において、最小限かつ最大効率。これで一気に仕掛けるべきだろう。
素早く行って、面倒な敵を一気に叩き潰す。
「急ごうご主人様! 地味に面倒だぞあの攻撃!!」
「超遠距離からの投擲攻撃、投擲現象に作用する星辰光とみるべきかと」
「面倒な敵だ、ね。急いで……倒そう」
三人とも頼れる言葉を告げて俺に付いて来てくれている。
こっちは何とかしてみる。だから頼むぜ皆。
あいつら、任せたぞ……!
《Other》
禍の団英雄派は、英雄の末裔やあやかる者達を中核とし、神器保有者を主体として構成される組織である。
自覚的に参加している幹部格の力量は、まさに傑物。下手な上級悪魔では眷属を率いても一人に返り討ちに遭うだろう力量を持ち、幹部格は最上級悪魔クラスに通用する猛者しかいないと言っていい。
大半が若輩者ゆえに若さが良くも悪くも見え隠れするが、それゆえの強みと勢いも持つ。
それに対するは、若手悪魔の中でも有望株。
リアス・グレモリー眷属。桃山警護事務所。そしてサリアローズ・バアル及びロイヤルピースの一部メンバー。
大半が若手どころか子供と言っていい年齢であり、万を生きる悪魔の世界で見るなら正真正銘の若葉。
だからこそ、この戦いは恐るべきレベルで多くの強者を瞠目させる。
この時代の若者達が見せる、恐るべき戦闘能力を見せつけられることで。
事実、その一角であるサリアローズ・バアルとヘラクレスは一対一で猛攻を繰り広げていた。
あまりに重いハルバートの連撃というありえないような悪夢と、それを爆発を纏うとはいえ拳で迎撃するという異常事態。
文字通りの猛攻は、巻き込まれただけで上位の龍すら屠るだろう猛攻だった。
そしてそんな戦闘を繰り広げながら、サリアローズは嘲笑すら浮かべている。
「どうした? 兄上ならそろそろ五回は私に打撃を入れているぞ? そのザマで兄上を馬鹿にできる無知蒙昧は、道化こそが適職ではないだろうか?」
「はっ! そんなに言うなら、もっと凄いものを見せてやるぜ!!」
強引な打撃で嘲笑ごとサリアローズを跳ね飛ばし、ヘラクレスは歯を向いて笑う。
それは間違いなく威嚇のそれ。本気の一角を見せつけるのだと、宣言する行為だ。
必然、サリアローズは警戒心を強くする。
サイラオーグほどの脅威とは未だに思えていないが、ヘラクレスが強者側であることは彼女も確信している。
いまだにサリアローズと戦って、ほぼ無傷でいることがその証拠だ。半端な上級悪魔なら秒で殺されるだろうレベルの、まごうことなく傑物であることは分かっている。
故に、サリアローズは警戒心を決してゼロにはしない。
サイラオーグの足元にも及ばないことは、サリアローズに牙を届かせられないことを意味しない。戦士としてのサイラオーグとサリアローズにはそれだけの差があるのだと、ほかならぬサリアローズが熟知しているのだ。
そしてその予想は、分かりやすい形で証明される。
気づいた瞬間には、大量のオーラがヘラクレスから放たれる。
まるで突起物のように物質化したそれに魔力を当てれば、凄まじい爆発が起こる。
「見たか! これが俺の禁手……
「なるほど、打撃による炸裂は
すぐさま性質を把握しつつ、サリアローズは魔力とハルバートで炸裂するオーラを迎撃する。
間違いなく難敵だろう。優れた近接攻撃力を持ち、付随攻撃は遠距離投射が可能。下手な上級悪魔なら今の一斉射撃で数人は死んでいる。
偉そうなことを言うだけのことはある。
だが、サイラオーグほどは強くない。
攻撃力、耐久力、機動力、精神力。殆ど全ての要素でサイラオーグの格下だ。遠距離攻撃能力や面制圧力では流石に上回っているが、それだけだ。
である以上、この男に負けるという結末などあってはならない。それは兄であるサイラオーグ・バアルにとっても顔向けできない恥だろう。
故に、サリアローズは呼吸を整える。
「いいだろう。なら、私ももう少し手札という物を見せてやろう」
小さく微笑むことで、まともな警戒心を持つのならば危険を察知できるようにしてやるのは一種の慈悲だ。
だが、ヘラクレスはそれを鼻で笑う。
「一方的に抑えられててよく言うぜ!」
そうか、ならいいだろう覚悟しろ。
貴様如き小物にここまでの手札を切ってやるのだ。光栄に思って逝くがいい。
サリアローズは小さく微笑むと共に、魔法で異空間から
いぶかし気なヘラクレスだが、すぐにその表情は警戒心を写しだし。
何故なら、魔力も魔法も宿ってないのに宙に浮いたまま回転している。
「……どんな星辰光だ? まぁ、そっちがその気にならこっちもやってやるよ……っ!」
その言葉と共に、ヘラクレスの周囲に浮かび上がるのは十二の剣。
その輝く灼熱で構成される剣は、切先をすべてサリアローズへと向けて殺意を見せる。
応えるように、サリアローズもまた戦輪を追加。その数は二十を超えていた。
そして消滅の魔力も構え、サリアローズは腰を深く落として突撃の構えを取る。
「では本番と行こう……喜んで死ね」
「お前が死にな。首はもらうぜっ!」
その瞬間、戦いは更に激しくなっていく。
「よし! ではすぐに片付けるぞぉおおおおおお!!」
そう吠えるなり、雲川麗華は神器を具現化する。
巨人の準神滅具は鋼の巨人を具現化する事。その動作は重く遅いが、それゆえに絶大な馬力を誇りまた頑丈さも非常に高い。
そんな巨人の突撃に対し、英雄派幹部たるジャンヌ・ダルクは微笑みながら剣を掲げる。
「ふふん♪ 魔王のお姉さんが準神滅具で来るっていうなら……私も思う存分暴れちゃうわよ?」
そう告げるとともに、大量の聖剣が彼女の後ろから展開される。
山のようになった聖剣は吹き飛び、次の瞬間現れたのは聖剣の龍。
その聖剣の龍の突進を、鋼の巨人は受け止めて弾き返す。
「あら。この
「ふはははは! 真っ向からの力押しならめっぽう強いぞ! そして!」
「それだけじゃないのよ、アーメン!」
麗華に応えるように突貫する覇、天使長ミカエルのAたる紫藤イリナ。
エクスカリバーのレプリカを構え、真っ向から切りかかる。
それに対してジャンヌは聖剣で応えるが、剣の性能が違うがゆえにイリナは間違いなく押していた。
イリナに限らず、エクスカリバーを扱えるレベルの聖剣使いには、新型のレプリカが支給されている。雨宮星斗司教が開発に携わった技術開発は、間違いなく高水準となっているのだ。
如何に上位神器と言えど、ジャンヌが持つのは創造系である聖剣創造。
魔剣創造と同じように、イメージと習熟度合に応じた性能の聖剣を自在に作り出すことができる神器。だが、魔剣創造と同様に強度や出力では一手劣る。
木場祐斗の聖魔剣は、オリジナルのエクスカリバーを複数本統合させてなお競り勝った。しかしこれは、木場祐斗の禁手が非常に特殊なイレギュラーだからこそ起こりえた奇跡。亜種とは言え順当な禁手では、真っ向勝負では一段劣るのは否めない。
だが、ジャンヌ・ダルクに危機感はない。
それを警戒しながら、龍を抑え込ませつつ麗華とイリナは左右からの攻撃を仕掛ける。
ノリが若干近く、また共闘経験もあるからこその素早い左右からの攻撃。
衝撃と魔力。光力と聖剣。旧魔王の血統と天使長の側近による、左右からの猛攻。
「……やるじゃない」
それを、ジャンヌダルクは
驚愕する二人は、しかし素早く飛び退る。
ありえない。純粋な人間に対し、星辰光や聖剣を併用した高位異形二人が素手で抑え込まれたなど、異常事態。
そして、そのタネをジャンヌはためらうことなく明かして見せる。
「改めまして自己紹介。英雄派の精鋭、放浪型神器保有者部隊である天恵衆リーダー、ジャンヌ・ダルクよ♪」
ウインクすら浮かべるジャンヌに危機感を覚えた時、二人は気が付いた。
辺り一帯が、僅かだが確実に聖なる輝きを纏っている。
そして次の瞬間、空に巨人が打ち上げられる。
それを成したのは、ジャンヌが禁手で作り上げた聖剣の龍。
先ほどまで圧倒されていた龍が、今逆の状態となって暴れている事実に麗華は目を見開く。
「な、なんだと!? 覚醒タイムに入ったのか……不謹慎だがわくわくだな!!」
「残念だけど違うわ。多分、ジャンヌのもう一つの神器……いえ、神滅具よ!!」
麗華に指摘するイリナは、目を見開いて愕然とすらしている。
イリナが知識として知っている神器に、一つあった。
神代晃星発生後に確認された新たなる神器。近年神滅具として登録された、宿主を渡り歩くがゆえに多くの戦いを生んだ聖なる力を振るう神器。
そしてジャンヌは微笑みながら頷いた。
「ご名答♪ だからまぁ、こんなこともできちゃうのよ?」
そう言いながら、ジャンヌの周囲に勾玉が具現化して浮かぶ。
更に片手に鏡のような結界を楯として構え、手に持つ聖剣はデュランダルにも並び立つような聖なる輝きを纏っている。
「勾玉型の攻撃兵器、鏡形の障壁、そして剣の神霊剣化。間違いないわ、あれは東洋型の性質を持つ最新型の神滅具……っ!?」
「……美子達の一族とは別口の新型神滅具にあったな。
それを笑顔で頷くことで応え、ジャンヌは麗華とイリナに殺気を向ける。
「じゃ、そういうわけで手柄になって頂戴ね♪」
その戦闘を、ゼノヴィアは見て歯噛みする。
「まさか、あれは例の新型神滅具か!?」
神代晃星発生以降、神滅具がいくつか増えるという事態が発生したことは、ゼノヴィアも知っている。
和平成立後の正式発表も込みの話だが、美子達一族が持つ物以外にも、あと二つが確認されていると言われている。そしてそのうちの一つが、あの三種の聖帝神器だ。
宿主を渡り歩く性質を持つ神器なのは知っていたが、あれすらも禍の団に渡っていた。非常に危険な事態だろう。
容赦することなく潰すほかない。そう判断するまで早いのがゼノヴィアの持つある種の長所。
だが、それをさせないと早く判断できる者がいれば、本領を発揮することはできない。
「……悪いが、リーダーの邪魔はしないでもらおうか」
その言葉が、絶大な炎と共に放たれる。
瞬時にエクス・デュランダルで叩き切るが、そこに更に絶大なオーラを纏った斬撃が襲い掛かる。
受け、そしてつばぜり合いになるその一瞬。敵の姿をゼノヴィアが正確に把握するより早く、四方八方から砲台が浮かぶ。
だが、それが放たれるより早くゼノヴィアは対応した。
「舐めるな!」
吠えると共に、ゼノヴィアはエクスデュランダルを
囲まれた状態ではまずいという判断だが、敵もそれをやすやす見逃すほど甘くない。
だが、その機先を制するように攻撃を受ければ話は別だ。
「大丈夫ですか、ゼノヴィアさん!!」
「ロスヴァイセ先生か、助かったぞ!」
互いに援護できる距離で、二人は攻撃を受けた敵を警戒する。
攻撃を受けたのは黒髪の男。西洋、それも英語圏の男と思われる青年は、ロスヴァイセの魔法を喰らいながらも立ち上がる。
最初はよろめいていた。だが、瞬く間に平常になる。
そしてそれは、傷が治癒されていくことで二人の脅威度を高める形で知らしめる。
「巴御前か!?」
「いや、自前だ」
警戒度合を高めるゼノヴィアに、服の埃をはたきながら男は訂正する。
「英雄派の放浪型神器獲得部隊天恵衆でサブリーダーをしている、エドワード・ブラックだ。威圧を兼ねて言っておくが、神滅具を宿したジャンヌと違い、俺は放浪型含めて4つの準神滅具を宿している」
「でしょうね。回復系だけでなく炎を放つ属性系に武器を具現化するタイプ、更に秀華さんと同じ
ロスヴァイセが歯噛みするのも無理はない。
明確に方向性が違う四つの力を振るったうえで、四つの準神滅具を宿していると本人が宣言した。もしかすると欺瞞情報かもしれないが、複数の準神滅具級神器を持っているのは間違いない。
そしてその一つは、波柴秀華が保有する自立砲台型の準神滅具。彼女と模擬戦をした経験があるからこそ、脅威度を上げるしかないだろう。
「エドワード・ブラック。おそらく子孫なのだろうが、ジャンヌ・ダルクを名乗る女に下るとはな」
「そういうわけではないが、まぁ能力的にそうなってな。まぁ勝手にそう思ってくれればいいが」
煙に巻く返答を受けながら、ゼノヴィアは皮肉を感じる。
エドワード・ブラック。その名を聞いて思い描く英雄は、エドワード黒太子だろう。
百年戦争において、ジャンヌ・ダルク達フランス側と敵対したイギリス側の英雄。そんな英雄にあやかっている男が、ジャンヌ・ダルクと肩を並べて戦っている。
皮肉とみるかはともかく、警戒心を上げるには十分だ。
「ま、こっちはまだどれも至らせてなくてな。どうせ至らせるならしっかり詰めておくべきだろう……あとから仕立て直すなど、難易度が跳ね上がるだろうからな」
「ふん。では至ることなく滅ぼすか。……先生、一振り貸そうか?」
「では、魔法威力の強化が見込めるだろう
ゼノヴィアとロスヴァイセが目配せをしながら、エクス・デュランダルを分割させて渡す。
そして自分が持っていた一刀をゼノヴィアがエクスデュランダルに戻すのを見て、エドワードは何かに納得した。
「合一化させているエクスカリバーを分割させることで、多用途戦闘が可能なのか。人造聖剣使いの技術を流用すれば厄介になるだろうな」
そうつぶやきながら、エドワードは悠然と立ちながら砲台を浮かべ、炎を広げる。
「では来るといい。というより、俺は特に優先的に潰すべきだぞ?」
そう宣言するエドワードは、強い敵意を明確に見せ始める。
「曹操は神仏魔王に手練れ達を狙う気だが、俺はもっと明確に色々な被害を齎すつもりでな。……アメリカ合衆国辺りは崩壊させたいところだ」
その言葉に、警戒心は更に跳ね上がる。
人間世界。それも大国アメリカ合衆国を崩壊させる。
大英帝国から独立した合衆国に対する敵意を持つからこそ、イギリスの英雄を名乗っているんだろうかと考えも及ぶが、それを熟考する余裕はない。
更なる脅威を前に、二人は戦闘を開始した。
エドワードは英雄派オリキャラの中でも、ある意味で二番目ぐらいにやばい奴です。米国崩壊をもくろんでいるのが冗談ではなくマジなところがその理由。
そしてジャンヌ・ダルクも超絶強化。……オリジナルの神滅具は七つは出したいのですが、出す機会が無くてこうして長くなったぜ……っ!!