シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚 作:グレン×グレン
すでに書き溜めはエクスカリバー編に突入! 序盤は人集めも兼ねてエロスマシマシでお送りします!!
《樹下誠二》
ということで、俺達肉弾戦組は昼間のトレーニングを積極的に行うことにしている。
第一弾は木場と共に、武器戦闘のトレーニング中だ。
「イッセー君、戦う時は周囲をきちんと見るんだ。視野をきちんと広げる」
「お、おう!!」
木場の指導を受けながら、イッセーは木刀を振るって流花さんに切りかかる。
が、流花さんはあっさり捌いてぽんとイッセーの体に木刀を軽く当てる。
ただし当てる視点は首元や股間など致命的な部分だ。つまり、模擬戦でないならイッセーはもう何十回も死んでいる。
「まぁ、まったく慣れてないにしては反応はいいね。ただやっぱり、武器戦闘は今回は後回しにした方がいいと思うね」
と、流花さんはそう断言する。
「兵藤君は神器で身体能力も大幅に上げれるからね。だったらまずは、自分の体と身体能力を武器にすることから始めるべきだよ。極論、溜めてから動けば走ってぶつかるだけで下手な下級悪魔は倒せるだろうし。そもそも武器で強くなるならまず素振りだしね」
「だ、だったらなんでさっきから模擬戦をしてるんですか!?」
イッセーがまぁ、言いたくなるだろう指摘をする。
武器で戦闘しないのなら武器で戦う練習をする必要はないだろう。そう思うのはまぁ、自然な発想だな。
ただまぁ、そこにはきちんと理由がある。
「武器そのものや使い方を知るっていうのは、その武器にどう戦うのかも分かり易くなることだからね。あと、これは武器でやられ慣れることでどこが危険なのかを体に覚える訓練みたいなものだよ」
そういうことだ。
敵を知り己を知れば百選危うからず。もしくは初見殺しは知ってれば怖くないとでもいうべきか。きちんと知っているということは、それだけで対応する際に大きなアドバンテージになるってことだ。
身になる経験の有無は、それだけで効果的になる。戦いとは極論、相手の知らない手札をどれだけ用意して相手の手札をどれだけ知っているかが勝敗を分ける大きな要素だからな。
「さて、ここからが大変だよ兵藤君」
麗夜さんが同情しているけど、確かにな。
「え、どういう……」
「はい、一般的な刀剣類の斬撃はこれでOK。……次は君が最初にぶつかりそうになった棍だね」
イッセーの言葉を遮るように、流花さんは何時の間にか木の棒を構えていた。
「ぱっと見で想定できる相手の武器には全部慣れておこうか。大丈夫大丈夫、加減はするから」
「「「……頑張って」」」
俺達三人は揃って合掌した。
「え、ちょっと待ってぇえええええええっ!?」
イッセーが割と悶絶したことは断言しよう。
合間の時間帯で、イッセー達は姫島先輩に魔力の訓練を受けていた。
その間俺達は基礎体力を伸ばす訓練をしていたが、終わった時にイッセーが何かを掴んでいるかのような顔つきになっていた。
魔力量は味噌っかすだっていう話だったが、どうやら運用においてはそうでもなかったようだ。
ただ、もの凄く嫌な予感を覚えているのはどうしてだろうか?
その後、午後は体術の訓練。
「うぉおおおおおお……ぉわぁあああああああっ!?」
「分かりやす」
塔城の辛らつな意見が飛ぶが、それと同じぐらいイッセーは投げ飛ばされていた。
塔城は体術が得意だからな。打撃戦も投げ技も関節技も一通り習得している。更に攻撃力と防御力に長ける戦車の駒で転生しているから尚更だ。
基本的な筋力では塔城がこの場でもトップクラスだろう。後はまぁ、奥の手を使った流花さんとか―
「じゃ、次は私の番! ふっふっふ、来るならどうぞ!」
「上等! 負けてたまる……かぁああああああっ!?」
―札を切った美子とか。
「イッセー。桃山警護事務所のメンバーは全員星辰奏者だから、見かけ以上の身体能力だって忘れるなよー」
「先に言えぇええええええっ!!」
絶叫しながらイッセーが落ちてきたので、俺はとりあえずキャッチする。
「ちなみに、一般的な星辰奏者は今の高さから落ちてもぴんぴんしてるぞ。……ビルの十階から落ちても酷くて複雑骨折ぐらいだろうし」
「……それは十分重傷じゃね?」
死なないだけ十分だ。きちんと着地すればそんなことにもならないしな。
そういう意味では、星辰奏者は下手な異形より遥かにやばい連中だ。単純な身体性能なら下級悪魔程度は打倒できるだろう。ま、魔力の運用や寿命に、飛行能力とかもあるから一概には言えないが。
「はい、イッセー君もやられ慣れたなら本格的に訓練だよ! 体術も武器と同様、初歩の初歩は型稽古!」
「うっす旗本さん! お願いします!!」
さて、イッセーは流花さんが基本的に見ているだろうから、俺達も鍛えるか。
「じゃ、本格的に組手するか!」
《木場祐斗》
昼間の訓練が終わり、僕達は夕食を取っていた。
山を登っている最中に食べられる野草を多く見つけたので僕は取っていたし、特訓の合間に野生動物も狩っている。持ち込んだ材料を含めれば、色々なご飯が食べられるものさ。
「うみゃい! 疲れた体にしみわたるぜえええええええ!!」
イッセー君もガツガツ食べているね。まぁ、相当疲れているだろうから尚更かな?
「……普通、慣れてないとへとへとな時にそんなに食べれないんだがな。お前、意外と素質あるぞ」
樹下君も感心しているけど、彼もたくさん食べているね。
と言っても、勢いよく掻き込んでいるイッセー君と違い、適度にバランスよく食べながらよく噛んでいる。
よく噛んでいる方が消化が良く影響も吸収される。そこまで考えての食事だろう。
「……可愛い女の子達の手料理。しかも普段食べれるわけがないリアス嬢達のとなると、やっぱりちょっと口元がにやけるね」
空本さんはそう言いながら、やはりバランスよく食べている。
「もうダーリンったらっ。第七婦人までは認めるけど、キチンと了承取ってよね?」
小笠原さんがそう怒ったみたいに言っているけど、さらりと凄いことを言った気がする。
あと表情に怒りは見えないから、ちょっとした茶化しのつもりなんだろう。空本さんのことをダーリンと呼んで慕っている割には嫉妬心の類はないみたいだ。
「分かってるというかそんなつもりもないんだけどね。あ、このマカロニ皿だってお代わりある?」
「……もちろん! 今すぐよそってあげるよダーリン♪」
あ、どうやら小笠原さんが作ったものらしい。
そしてよそいに向かってくる小笠原さんを見て、こっそり空本さんはガッツポーズをしている。
どうやらその辺りを勘づいて動いていたらしい。あの気遣いは見習うべきだろうね。
「……う~ん。もうちょっと野菜を多く食べた方がいいかな。お肉とジャガイモを食べすぎたかも」
「……ご飯はもっと気楽に食べるべきですよ」
旗本さんと小猫ちゃんはかなり食べているね。
「う~ん! いつもと違う人が作るごはんって新鮮♪」
「そうね。というより……出来が違う気がする……っ」
波柴先輩と吹本さんも感心している。というより、戦慄している節がある。
料理を作る側なんだろう。桃山警護事務所はメイド服と執事服を制服にしている節があるし、家事も分担して習得しているんだろう。
リアス部長も朱乃さんも家事はできるしね。いい刺激になっているのかもしれない。
「さて、それじゃぁ一旦まとめた方がいいかもね」
と、ひと段落ついてから波柴先輩がそう切り出す。
リアス部長も頷いて、全体を見渡してからイッセー君の方を見た。
「イッセー。今日の特訓をしてどう思ったかしら?」
イッセー君はそう言われ、かなり悔しそうだった。
「……俺が一番弱かったです」
「それはそうね。これは当然といえるわ」
リアス部長はそれを否定しない。
「仮にも
辛らつに聞こえるだろう。だが、実際は違う。
「裏を返せば、貴方は経験を積めば確実に成長できる。まして神滅具であり赤龍帝の籠手は、間違いなく切り札になる武器よ」
その通りだ。
今までそこまでの力を引き出せる者がいないのも事実。だけど同時に、そこまで出なくても最上級悪魔クラスを恐れさせるほどの力を引き出した者もいる。
切り札になりえるだけの存在ではあるのだ。それも、既に禁手に至っているのも見過ごせない。
「至った神滅具は、その時点で並の上級悪魔を一蹴する力よ。イッセーはまだ数秒出すので精一杯だけれど、これが一分や二分になったらどうなるかしら」
リアス部長の言葉に、イッセー君は少し考えてちょっと震えた。
「……ライザーを一分間、一人で相手できるってことですか?」
「そう。それも圧倒し続けることもできるかもしれない」
リアス部長がそう答え、イッセー君は肩を震わせる。
それを見ながら、波柴先輩もうんうん頷いていた。
「神滅具クラスの禁手は、核兵器を何発も打てるようなもんだからね。それだけの力でフルボッコにされれば、不死のフェニックスでもKOできる可能性は十分あるよ」
と、少し波柴先輩は頬を引きつらせていた。
「記録映像を見たけど、一平方kmぐらいの島を跡形もなく吹っ飛ばしたりしているしねぇ。あると無いとじゃ大違いだよ」
少し遠い目になっているけれど、確かにこれは凄いだろう。
切り札足りえる力だ。正直、僕達の仲間になってくれて心から助かると思うよ。
だからこそ、ある意味で彼は切り札だ。
「イッセー君はとにかく、基礎体力を上げて禁手の持続時間と倍化の限界率を上げるのが最優先。レベルを上げて物理で殴りましょう!」
「身もふたもないけれど、それで充分あなたは強いわ。細かい技術はそのあとからでも遅くはないわね」
波柴先輩とリアス部長にとう太鼓判を押され、イッセー君は少しだが安堵したようだ。
流石にかなり落ち込んでいるところがあったからね。僕もちょっと安心したよ。
「ま、そういうことだ。お前が今回出力の担当。細かい技術はこっちでフォローするから分担作業で行こうな?」
「おう! 頼りにしてるぜ樹下!!」
イッセー君の元気のある返事に、樹下君も小さく笑っていた。
彼は僕達よりイッセー君と付き合いのある友人だしね。やはり友達が落ち込んでいると気にもなるか。
ふふ。彼らみたいな友達ができたのは良い事かもしれないね
さて、残り時間も頑張るとしようかな?
《Other》
「グレイフィア。中々面白いことになっているようだね」
「こちらとしては頭が痛いところがありますが、これで勝負は分からないでしょう」
「だが、ちょっと安心したよ。私は恋愛面ではどうしても今回のことに思うところがあったからね」
「貴方の場合は、かつての大戦の成果でもぎ取ったところがありますからね。それと同じものをお嬢様に求めるのは酷でしょう」
「おかげであまり口も出せない。父上やフェニックス卿の懸念も分かるが、やはり何とかなってほしいと思ってしまうよ」
「……ですが、ライザー様はアイアンローズを増援として雇い入れるようです。勝負は分かりませんね」
「アイアンローズか。割と頼りになるところもあるが、懸念点もある。正直、魔王派ばかりにすり寄ってくるところも不安だろう」
「大王派にあまり大きな顔をされたくない私達の側からすると、どうしてもその力に頼りたくなってしまうのが困りものです」
「まったくだ。言い方は悪いが、傭兵に信を置きすぎるわけにはいかない。それに、懸念点が当たっているのなら……」
「仮説ですからね。最も、当たっていた場合は危険ですが」
「その辺りを調べる為にも、このゲームは私も観戦するとしよう。タイミングが合えば直接声をかけることもできるだろうしね」
「その反応で探るということですか。大変でしょうが、成果を期待しております」
「ダメ元ではあるけどね。……さて、この試合はどう転がることやら」
《兵藤一誠》
一週間の特訓を積んで、最後の日に仕上げの確認をすることになった。
特に俺に成長の実感を与えるのが目的みたいで、倍化を溜めてから模擬戦をするって形だった。
本当に結果が出たよ、木場と模擬戦したら……というか殆ど全員と模擬戦をしたら、基本的に圧倒されてたっていうか何もできなかった。
でも、まともに戦えた。相手の攻撃は弾けたし、強引に振り払うこともできた。
そして、溜まった力で魔力をぶっ放したら―
「山が無くなってしまいました……!」
―アーシアが唖然とする事態だ。
別荘から離れたところにある山。その山頂部分がU字型にくり貫かれてる。
え、これ俺がやっちゃったの!?
「……巡航ミサイルを一列に数十発当てたら再現できるんだろうな、あれ」
「規模的に、山頂部分は数十メートルはくり貫かれてるね。核無しであれやるのは人間界だとかなり無理があると思うかな」
樹下と空本さんが感心しているけど、俺の攻撃は核兵器に次ぎますか!?
「……この短い期間で成長すぎでしょ。来年ぐらいには核兵器以上の攻撃力になるんじゃない?」
「まぁ、神や魔王クラスだとあの程度の山は一発で吹き飛ばせるけどね。それでも並の上級悪魔よりよっぽど凄い威力だけどね」
吹本さんと旗本さんも感心しているけど、この世界やばいな!?
いや、これが……俺の? 子供でもできる転移もできないような? 俺のちっぽけな魔力で?
せ、赤龍帝の籠手って凄いんだなぁ。
「分かった、イッセー?」
そして、リアス部長は俺の隣に立つと左腕を撫でる。
そこにある籠手に畏怖の感情を向けながら、部長は俺に微笑んでくれた。
「貴方はちゃんと成長しているの。そして、その神器はそれを何十倍にも高めてくれる。……禁手も踏まえて、貴方は私達の切り札だわ」
やばい、涙が出てきそう。
この特訓。俺ってば全然活躍できなかったからなぁ。
模擬戦は全戦全敗だったし、いろんなものが仲間達の足元にも及ばなかったし。
……でも、無駄じゃなかった。俺は、それを力にできる。
なんか泣きたくなってきた。あとめっちゃ頑張れそう!
思いついた必殺技も形になりそうだし、これなら頑張れる、頑張れるぞ!
「いよっしゃぁあ! 部長、特訓の成果を絶対に見せて見せます!!」
「ええ。期待してるわ、可愛いイッセー」
笑顔でそんなことを言われたら、絶対に答えずにはいられないぜぇ!!
「さて、僕達もそろそろ仕上げに入ろうかな?」
「そうだね。こちらもいい機会だし、自分を見つめ直すとしようかな?」
「同感。それにレーティングゲームに参加って、普通はできないからちょっと楽しみかも」
木場も空本さんも吹本さんも、俺のこれがきっかけになったのかちょっと明るくなっている。
「イッセーさんがこんなに……。わ、私も頑張りたいので、お願いします、旗本さん」
「いいよいいよ。私も人にアレを教えられるのは初めてだし、むしろこっちが仕立て直せるかもしれないしね」
あとアーシアが旗本さんと話し合っているけど、あっちもあっちで隠し玉があるのか。ちょっと楽しみ。
「よっし! なら、今日も元気に特訓だね!」
「……仕上げですし、気合を入れていきます」
小笠原さんも小猫ちゃんも、既にウォーミングアップをし直しているし気合十分だな!
「ま、そういうことだ。お互いできる範囲で頑張っていこうぜ?」
「こっちも気合入れていくから、頑張ってこー!」
樹下と波柴先輩がそう言って、リアス部長も微笑んでくれた。
「さぁ、ライザーを倒す為の詰めに入りましょう? 私の可愛いイッセー、ライザーに見せつけてあげなさい」
「はい、部長!!」
待ってろライザー。部長の結婚相手になんて、絶対させてやらないからな!!
レーティングゲームは二話ぐらいかけて行う予定であります。