※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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はいどうもー! なんか週末は疲れてぐっすり寝まくったグレン×グレンでっす!

寝不足はポテンシャルが落ちますから、その分今日は書くのが進んでおります。ハイ

では本編!


第二十三話 波柴藤花

《木場祐斗》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まだまだまだまだ、まだまだだ……やっちまえっ!!」

 

「了解だ……そうまだまだまだまだまだまだだぁっ!!」

 

 今、僕達はとんでもない悪夢を見ている。

 

 反粒子。樹下君が使うことのできる、最強の切り札。

 

 反星辰体とでもいうべきものを振るうその一撃は、星辰光としては異常と言ってもいい破格の殺傷性を持つ。

 

 コカビエルやロキでも直撃は警戒するほどのそれだ。基本的にインターバルが長くかかる限界点があるとはいえ、一発でもそれがあるというのが僕達にとっても頼れるものだったのは事実。

 

 ……そう、()()があるということが、唯一最大の欠点だった。

 

 だからこそ。それを克服する手段を提供できる秀華さんとの連携が……ここまで恐ろしいものだと気づかなかったのは、無意識にそれを考えないようにしていたからだろう。

 

「ぐ……ぬぅ……っ!!」

 

「これは、滾る……っ!!」

 

 英雄派達をほぼ一人で、樹下君が翻弄している。

 

 あらゆる攻撃を反粒子の乱れ撃ちで対応している彼を前に、英雄派達は押されている。

 

 問題は乱れ撃ちが酷過ぎて、僕達も巻き添えを恐れて遠巻きにサポートするしかないという点だ。

 

 そしてもう一つ、考慮する点は別にある。

 

「覚悟してもらおうかな、コハヤ・リバー!!」

 

「うわ、面倒なのがぁ……」

 

 急激にダウナーになっているコハヤ・リバーを秀華さんが追い込んでいる。

 

 準神滅具による多角砲撃と、魔力を纏った打撃による猛攻。

 

 こちらもまた、イッセー君達を翻弄したコハヤを逆に一方的に攻め立てる猛威となって襲い掛かって来ていた。

 

 あの状態の秀華さんは本人でも制御し切れない代わりに、間違いなく魔王クラスと渡り合える力量を得ている。

 

 それを一人で捌いているコハヤ・リバーはやはり侮れない。

 

 だが問題は、それでも凌がれているということだ。

 

 こと曹操は反粒子を的確に回避している。

 

 当たらなければどんな攻撃も意味はない。だが、それを成すのは簡単ではなく、樹下君を相手にそれができるということが異常レベルだ。

 

 これが英雄派のサブリーダー……なんて奴だ。

 

 そして数度の攻防を繰り返し、秀華さんは舌打ちをする。

 

「……やってくれるよね……藤花(とうか)!!」

 

 その大声と共に、秀華さんはフェイントを織り交ぜた攻防でコハヤ・リバーの仮面を蹴り壊す。

 

 その告げた名前を聞き、僕達は戦慄を覚えた。

 

 そして砕けた仮面の下にある顔を見て、納得もする。

 

 どこか秀華さんと似通った印象を持つその顔立ち。そんな日本人の少女がそこにいる。

 

「ばれちゃったか。なら、改めまして自己紹介」

 

 そのまま華麗に着地をして、コハヤ・リバーは優雅に一礼をする。

 

 教育の行き届いた教養のある家系。それを感じさせる一礼とともに、彼女は己の名前を告げる。

 

「コハヤ・リバーこと波柴藤花(はしば とうか)と申します。以後お見知りおきを……とね」

 

 悪意を込めたその笑顔を見て、僕達は一つ理解しただろう。

 

 波柴一族の邪悪さ。それは、秀華さんと矢城という二人しか前例を見知ってない所為で、分かり切っていないところがあった。

 

 だがあの纏う雰囲気、隠す気配のない悪意により、痛感する。

 

 波柴秀華。彼女は例外中の例外……きっとそうなのだろうということを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《兵藤一誠》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……が、ぁ……~~~っ!!」

 

 気づいた時、九重が崩れ落ちてもだえ苦しんでる。

 

「おい、大丈夫か九重!?」

 

「あ、気が緩んじゃった? まぁそうなるかな?」

 

 コハヤ……いや、波柴藤花か。そいつは何かを分かっているのか納得顔になってる。

 

 どういうことだよ一体。

 

「イッセー。九重をカバーしとけ、当分動けないだろうからな」

 

 樹下が俺達の前に着地して、俺の声をかける。

 

「どういうことだよ」

 

「おそらく基準値と発動値の格差が三段飛ばしの類だ。反動の激痛が酷いからな……小学生レベルの少女が耐えられるような代物じゃない」

 

 ……そういうことか。

 

 俺も最大出力だとそんな感じだから、分かんなくもない。

 

 なんだかんだで普通に使う時もあるからちょっとピンと来ないかもしれない。でも、俺にとっても耐えられるけどかなりデカい反動だ。流石に九重みたいなちっちゃい女の子には厳しいのか。

 

 そんなになるまで、耐えて頑張ってたってのか。

 

 俺は、情けねえ……っ!!

 

「改めて久しぶり。で、何時分かったの?」

 

「英雄に対する持論を言ってくれたからね。それまでピンと来てなかったけど、勘づいたらアンタらしい動きが見え隠れしてたよ」

 

 秀華さんが苦虫をかみ潰したような顔になって、藤花にそう返す。

 

 俺が見ても分かるぐらい、藤花は悪意が見えてるからな。嫌な顔になるのも仕方ねえか。

 

「英雄に対するアンタの持論は露悪的の極みだった。なるほどね、英雄派を選ぶわけだけど……なんで偽名と仮面なんて?」

 

「え? だって最初から波柴一族の藤花として活動してたら、()()()()()()()()()じゃん。折角一族が滅びたってのになんでそんなことしないといけないのさ」

 

 ……なんかよく分かんねえことを言ってきたな。

 

 波柴一族。豊臣秀吉の隠し子の末裔と言っている血族で、日本転覆からの制圧を目的としていた。

 

 秀華さんと樹下、そしてモンタギューが動いた一斉摘発とかで壊滅したけど、本当に色々やっていてろくでもない連中だ。

 

 だけど、その一族の名前を使った方が英雄派でも動きやすいところはありそうな気がするんだけど。

 

 俺ですらちょっと気になるけど、藤花は嫌そうな顔になっている。

 

「……やってらんないよね。拠り所も目的も迷走しているし、過去の栄光とブランドに縋りすぎ。抜けれるのなら抜けたいと思ってから抜ける時にいつでも引き抜きとかができるように準備はちょっとしてたけど、まさかお姉ちゃんがやるとは……結構びっくり……はぁ……」

 

 急にダウナーになりながら、藤花はそう言う。

 

「だから、私はコハヤ・リバーってわけ。小早川になりたいわけでもないけど……ま、ちょっとしたシャレ程度に合わせとかないとね?」

 

 そう言い切り、藤花はニタリと笑う。

 

「で、どうするの? 実はもっとやばいことになってるよ……?」

 

 そう言いながら視線を動かすので、俺達もそっちに視線を向ける。

 

 そこには、ボロボロの格好だけどぴんぴんしている英雄派の構成員がいた。

 

「こいつら……さっきぶちのめした……っ!?」

 

 樹下がハッとなって、巴御前の方を見る。

 

 巴御前はその視線を気持ち良さそうに受け止めながら胸を張った。

 

「範囲には自信があるのよ。ま、特化してるから時間はかかったけどね」

 

 俺達と戦いながら、俺達がぶちのめした英雄派の連中を全員回復させてたのか!?

 

 まずい。曹操達を相手にしながらだとあいつらでも俺達を殺せる。

 

 コンラだって、攻略法が九重のおかげで分かったから結構あっさり倒せたんだ。曹操達の相手をしながらだと、冗談抜きで俺達を殺しかねない奴だぞ?

 

 ……くそっ。

 

 へたり込みながら、激痛に耐えながら、立ち上がろうとしている九重を見る視界が涙で歪む。

 

 俺達は助けるって約束したのに。九重にこんなつらい目に遭わせながら全然助けられやしねえ。

 

 頑張って鍛えている。間違いなく強くなってる。その上で更に鍛えようとも思っている。

 

 それなのにこれだ。俺達より強い奴が多すぎるだろ、この世界は……。

 

 それでも、それでも……負けられないってのに……っ!?

 

 そう思った時、何かが響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《樹下誠二》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 波柴藤花。生死不明だった秀華の妹。

 

 だが、短い時間しか接したことがない俺でも危険人物だと分かる手合いだ。秀華も肉親として生存を信じたりはせず、生存していた場合の危険性を考慮するほど。

 

 それが英雄派のサブリーダーか。納得だ。

 

 波柴一族本家として、藤花も相当の教育を受けている。不遇な来歴が多い英雄派の構成員から考えれば、破格の文官適正があるだろう。人材をかっさらって逃げる時も、文官を相当に連れていただろうしな。

 

 さて、だいぶ形勢を揺らがせたが、外周で増援が大量に来てしまうとややこしい。正直こっちも負担がでかすぎて、これ以上は寿命が削れるだろう。

 

 どうする? 形勢が明確に不利で―

 

『……おっぱい』

 

 ―なんだ今の?

 

 いやイッセー案件なんだろうが、イッセーの声でもなければドライグの声でもない。

 

 困惑しつつもイッセーの方を確認すると、なんかイッセーが光ってイッセーからなんか出てきていた。

 

『『『『『『『『『『おっぱいおっおっおっぱいぱい』』』』』』』』』』

 

『『『『『『『『『『おぉっおっぱいぱいおっぱぱい』』』』』』』』』』

 

『『『『『『『『『『おっぱいおっぱいおっおっぱい』』』』』』』』』』

 

 いや本当に何だこれは。

 

 異世界からおっぱいを司る神が出てくるほどなので、なにが起きてもおかしくはない。それだけの説得力がイッセーとおっぱいにはある。

 

 あるがまた凄い方向性で来やがった。

 

 老若男女の声でおっぱいコールをしながら群れて行進する謎のエクトプラズム的なアレ。

 

 これあれだ。イッセーの可能性によって痴漢になってしまった人達の生霊的なアレだ。

 

「……おっぱいゾンビか、これは?」

 

 曹操が何とも言えない顔でそんなことを言うが、とりあえず今の内だ。

 

 慣れの問題から俺は冷静さをすぐに取り戻せている。正直頭が痛いがそこは置いておこう。

 

 こっそり離れて曹操達に奇襲ができるようなポジションを狙う。すぐ仕掛けないのは位置取りもあって反応される可能性が十分あるからだ。

 

 呼吸を切り替え隠密活動用にしつつ、即座に仕掛けられるチャンスを狙う。

 

「お、俺だけのおっぱいって……え?」

 

 あとイッセー。内部の残留思念との会話は心の中にしといたほうがいい。はたから見ていると絶対に頭おかしい人だ。

 

 そしてイッセーはとても困惑していたが、どうやら腹をくくったらしい。

 

「サモン……おっぱいぃいいいいいいっ!!」

 

 そしてそのイッセーの声とともに、光が輝いて誰かが姿を現す。

 

 ……下着姿のリアス部長だ。

 

 なんか冥界でトラブっているとかいうし、終わったので一息をつこうとしたのだろう。

 

 よし、多分これはあれだ、つつく流れだ。

 

 俺はすぐに経験から悟り、曹操達がどんどん呆気にとられているうちに滑り込むように隠れる。

 

 イッセーがなんか妙な力を発揮した瞬間に仕掛けよう。目指せ即殺。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうせ俺も変態ですよぉおおおおおおおおおっ!!」

 

 何かあったか知らんが、変態にも色々なジャンルあるから多分それはジャンル違いだと思う。

 

 後で慰めるからとりあえず正面は任せたぞ、イッセー!!




 結構ここまでくるD×D作品は少ないんだよなぁ。
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