シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚 作:グレン×グレン
《樹下誠二》
さて、今夜はレーティングゲームになるわけだ。
俺は既に準備をして、転移の為に旧校舎に向かっている。
相手はライザー・フェニックス。フェニックス本家の三男坊であり、期待のルーキーとして活躍している。
簡単に勝てる相手ではないだろうが、そう簡単に負けるわけにもいかないだろう。
フェニックスの涙三つはかなり欲しい。個人的にリアス先輩に襲い掛かる理不尽な横上破るには思うところがある。付け加えるなら、仕事の関係でもここで力になっておくに越したことはない。
最も、
それでもさほど強く言われてない辺り、まぁ今回はオーケーだろう。今後を考えるともうちょっと色々と動くべきだろうが、そこはまぁ今後を考えて立ち回るか。
と思っていると、隣を俺と同じぐらいの男がすれ違う。
「……どうした? もう学園は閉まってるぞ?」
声を掛けられらが、どうやら学園生だったようだ。
「ああ、ちょっと色々あってな。許可はもらってるから気にするな」
「そうか。そっちも大変だな」
そこまですれ違いつつ語りあって、そのまま向かう。
……さて、一応人に気にされ無い程度の魔法的処置はしたんだがな。こちら側か。
ただ、どうも違和感がぬぐえないんだが……なんだろうな?
《Other》
「あの兵藤一誠の飼い主だったか。クソ野郎の更生とか大変だな」
すれ違った少年は、心底同情してため息をついた。
「リアス・グレモリーも意外と我が儘で見る目がないようで。ライザー・フェニックスは確かにだらしないが、眷属全員から忠誠心をもらっている優良物件だろうに。多少の我が儘は相手が入り婿なら通せることも踏まえて、見損なってきたな」
リアス・グレモリーの事情をある程度分かったうえで批判的なことを呟きながら、振り返る。
「ま、フィーニクスの連中が動いているなら灸は据えられるか。少しは懲りてほしいもんだぜ」
そこまで呟き、そして帰路に就く。
「……アーシア・アルジェントも物好きだな。そんなにあんなのがいいんだろうかな」
それを最後に、少年は夜の闇に消えていった。
《木場祐斗》
「お待たせしました。……っていうか、俺が最後か」
樹下君が入室して、僕達の準備は揃ったと言ってもいい。
僕は既に、扱う魔剣の大体の選定も終えている。小猫ちゃんもウォーミングアップを終え、戦闘準備は万端だ。
朱乃さんやリアス部長も落ち着いている。樹下君も、どうやら軽く体を温めてからこちらに来ているようだ。
「よ~っし♪ で、大雑把な方針はもう決めておいた方がいいんじゃない?」
「そうね。それと、一つ言っておきたいところがあるわ」
波柴先輩がリアス部長に確認を取ったうえで、リアス部長は少し言いづらそうな表情を浮かべる。
「……あくまで、このレーティングゲームは私の問題。桃山警護事務所の皆には、ライザー側の増援である星辰奏者対策といざという時の保険を中心に動いてほしいの」
そう言うリアス部長は、やはり少し気まずそうだった。
当然と言えば当然だろう。今回の一件、自発的に波柴先輩が割り込んできた節があるとはいえリアス部長の個人的な問題に巻き込んだ節がある。
付け加えると、お家同士の問題で外部に頼るというのは醜聞でもある。部長は誇り高いお方だし、できるできないにかかわらず自分の権限の範囲内で修めたかったこともあるだろう。
だからこそ、協力してくれるのに感謝しながらも一線は引かないといけない。
それに対し、波柴先輩は手をひらひらとして気にしないようにしてくれた。
「オッケーオッケー。ま、横紙破りなのは自覚あるしね。こっちは基本的にフォロー主体でやるってことで了解であります。……皆も、メインじゃなくてカバーでお願いねぇ~」
「「「「「はい、所長」」」」」
樹下君達も、納得してくれたようで何よりだよ。
「とはいえ、グレモリー家もフェニックス家も酷いもんだよ。もう一人の僧侶君って問題もあるってのにハンデ無しで押し通そうとしてたんだから」
波柴先輩がそう言うけど、そこでイッセー君が首を傾げた。
「そういや、もう一人僧侶がいるんですよね? 今回参加しないんすか?」
その言葉に、僕達はちょっと沈黙する。
現状最後の眷属である、もう一人の僧侶。
実はそこに大きな問題があるんだよね。
「……今回の参加は認められないわ。そのことについては、また話す機会もあるでしょう」
リアス部長はそう言うと、そのうえで僕達を見渡した。
「さて、変則的な試合になるけれど、これもいい機会。私としては絶対に勝ちたいけれど、ゲームの経験を積むことも大事よ。……そのうえで、全力で勝ちに行くわよ!!」
「「「「「はい、部長!」」」」」
さて、そろそろ転移に向かうことになるんだろう……ね。
《樹下誠二》
……これが、レーティングゲームか。
外を確認し、アナウンスも聞いて、俺は正直戦慄していた。
今回のレーティングゲーム。そのフィールドは駒王学園を丸ごと模造した専用空間。
こういったことができるんだから、異形は本当にシャレにならない。人間界が全勢力手を組んだとしても、異能組織抜きでは勝負になるかも分からんな。多分現魔王政権だけで潰されるぞ。
だがまぁ、勝手知ったる我が学び舎。やりようはいくらでもあると考えるべきだろう。
「で? 作戦はどうしますか?」
「そだねー。とりあえず海砂はいつも通り、星辰光で周辺警戒。流花達は作戦次第でそれぞれイッセー君達について、いざという時のフォローと敵星辰奏者の警戒をお願いかなー。私は勿論、リアスちゃん側」
麗夜さんに秀華が答え、大体の作戦は決まったな。
俺達は今回、遊撃及び敵遊撃の警戒がメインだ。
ま、俺達がメインで出張ってライザーを倒したとしても、リアス先輩達の活躍とはみなされない。将来を考えると最小限の対応がメインになるだろうしな。
とはいえ、相手は不死のフェニックス。
まともにグレモリー眷属が倒す場合、可能な限りイッセーの禁手は入れておきたいだろう。その辺りのフォローはしておかないとな。
それはともかく、なんというか……。
「緊張感、なさすぎません?」
なんでお茶の準備してるんですか、リアス先輩?
「レーティングゲームとはそういう物よ。今更焦っても意味はないし、貴方も一杯どうかしら?」
「あ、じゃぁ私はいただこうかなー♪ 絶対美味しいし」
リアス先輩も秀華も、余裕があって何よりだ。
さて、それはともかくだ。
ここからが、絶対に本番だ。
負けてやる気はさらさらない。
勝たせてもらうぞ、ライザー・フェニックス!
《Other》
ライザーは戦況を見て、多少の関心とそれ以上の苛立ちを覚えていた。
自分達の本陣の中間に位置する、拠点としても使えるだろう体育館での戦闘。
補佐としてついている樹下誠二は徹底的に回避に徹し、戦車の塔城小猫と兵士の兵藤一誠だけで自分の眷属が四人も追い込まれた。
特に戦車は、下手な上級悪魔の眷属なら女王をはれる実力者。優れた体術の持ち主であり、自分の勝利によく貢献してくれる可愛い眷属だ。
それをリアスの戦車が一対一で真っ向から渡り合えている。この時点で、リアスの眷属が思った以上に優秀であることの証明だ。
だが問題は、兵藤一誠。
最初に見た時は大したことがなく、神滅具もダメな宿主に選ばれたものだと思っていた。
だが、僅か数倍の倍化で兵士の三人を同時に相手取ってタッチするというマネをした。
この時点で調子に乗ってなめてかかっているのだったら、まだよかった。
……気づいた時には、三人全員が全裸になった。具体的には、全身の衣装が粉砕された。
『これが特訓の成果! 俺のほんのちょっぴり敷かない魔力を、全ての煩悩を注ぎ込んで作り上げた奥義! 女性の衣服を粉砕する超奥義……
「おのれ……なんと羨ましい技を!!」
思わず歯を食いしばって怒りに震える。
なめていた相手に一杯食わされた恥辱。可愛い眷属を三人も辱められた義憤。そして欠片程度の魔力で夢溢れ心躍る技を作られたと嫉妬。
ライザー・フェニックスは、心の底から強い怒りに支配された。
「しかも俺の眷属にだと!? おのれおのれおのれ……俺が使いたかったぞ畜生が!!」
今すぐ前線に出て吹き飛ばしてやりたいが、しかしそれはゲームとして評価が下がるだろう。
既にリアス達も動いている節がある以上、ここはリアスを待ち構えるのが打倒。
それに、あえて体育館を囮にして一網打尽にする真似までされた物の、おかげで相手も隙があるというものだ。
「……俺だ。体育館跡地に向かって奇襲を仕掛けろ」
ライザーは指示を出すと、そのうえで立ち上がる。
自分は王として待ち構えるのみ。そして、警戒するべき相手にも油断はしない。
「……では、そろそろお前達にも動いてもらうぞ。奴らもいい加減、助っ人どもを動かすだろうからな」
戦いは、ここから動き出す。
次から本格的な戦闘が始まります!!
それと、ヴァンパイア編序盤かエクスカリバー編後編で使えそうな、ガチのエロ展開を思いついてAI挿絵制作に苦戦しつつも何とかできました。
挿絵の性質などから苦戦しましたが、なんとかからめ手込みで及第点は取れたような気がします。
エロはエッセンスのタグをつけていますが、これは後で外したほうがいいかもですなぁ。