シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚 作:グレン×グレン
機能も眠かったので投稿が遅れたことをここにお詫びします。
では本編!
《樹下誠二》
あくる日、俺達はサリアローズ・バアルが主導する冥界政府内での膿み出し作戦における会議に出席することになった。
基本としては冥界の若手上級悪魔を中心としているが、アドバイザーはサポートとして堕天使側に天界・教会からも人材が派遣されている。当然だが、アザゼル先生や雨宮先生も参加しているわけだ。
そしてその時間的余裕がある中、俺達は雨宮先生のとんでもない提案についての話をしていた。
「中等部や高等部の警備として、桃山警護事務所との契約って話だけど、正直正気を疑うわね」
麗奈さんが割と本気で呆れているが、俺も同意見だ。
「それは同感です。大学部ならともかく、それ未満の学部に性的倒錯者を当たり前に入れるのは、聖職者としてどうなんですか?」
もうそれに尽きる。俺ははっきり言ってやったよ。
桃山警護事務所のほぼ半分、特務社員は性的倒錯者だ。義務教育レベルの子達に悪影響を与えかねないという懸念は大きいと思うのだが。
ただ、雨宮先生は特に気にしていなかった。
「各学部を見たうえでの結論だ。……身もふたもないが、桃山警護事務所なら常識人側として機能するから問題ないだろう」
……納得してしまった。
学園に通っているからこそ分かる。確かにウチの学園、運営人が異形異能側だからか常識からずれているところが多い。
そう考えると、俺や麗奈さんは特務社員であることを含めて安牌かもしれない。麗夜さんも行けるな。
だがしかし。
「それを口実に秀華や美子が入ったらまずいと思うんですが」
「その辺りは契約を詰めておく」
危険性を理解してくださっていてよかったです。
「……失礼する。そろそろ会議を始めたいと思うのだが」
と、そうサリアローズ殿が入室早々伝えてきた。
さて、そろそろ会議か。
《木場祐斗》
「……私の協力要請に応じてくれたことを感謝する。正直な話、これは大王派だけで片付ける問題ではないのでな」
と、サリアローズ・バアルが話し出す。
「ただ、大王派の上層部は自分達だけで動くべきなどと考える者も多いのでな。一応初代殿に了承を得ている本作戦だが、責任は私と象徴たる魔王様が取るので横槍して来たらぶん殴ってかまわない」
冗談にならないというか、半分本気なことを言っているようだ。
逆にその状況下で、サリアローズ・バアルはあえてこちらと協力体制を取った状態での作戦を選択している。大王派としてやっていく分には悪影響もあるだろうに、そこまでする必要があるということか。
後ろに控える象徴の魔王末裔達が直立不動で立つ中、サリアローズ・バアルは魔方陣に映像を映し出す。
「大体の事情は伝えているが、あえて簡潔に説明する。現魔王政権下の私達よりは経験を積んでいる若手悪魔達が、派閥の垣根を越えて連携を取る形で風見鶏の不正を仕掛けていることが発覚した。これはその一斉検挙作戦である」
そう、信じられないことにそんなレベルの不正を行っている若手の悪魔達がいるという。
各派閥にそれぞれ入り込んだ彼らは、裏で反乱勢力や犯罪組織に資金を流してコントロールができるようにし、人間界にまで繋ぎを取ることで暗躍。表向きにはそれぞれの派閥に仕えるようでいて、その時々の情勢に応じて治安を悪化させたり自分達で鎮圧することで、自分達の立ち位置を高めにキープしつつ背信行為を続けていたのだ。
その片鱗を掴んだサリアローズ・バアルは一斉検挙を決意。大王派だけで行いたがっている上役を説得し、魔王派である僕達はおろか堕天使や教会まで協力体制を取って臨んでいる。
あえて僕達にまで手柄を立てさせることを大王派の上役は良しとしないだろう。その上で、彼女は僕達にまで協力を要請している。
彼女が公平であると考えるべきか、それ以上の事態になることを考えるべきか。
おそらく双方と考えるのが打倒だろうね。
「まず今回の作戦だが、不正グループは大きく分けて冥界と人間界に拠点といえる場所を置いている。このため我々も二つのグループに分かれて検挙を行う」
そう語りながら彼女が見せるのは、冥界アガレス領と人間界関東地方にある地方都市。
活動範囲の兼ね合いと連携など、様々な理由をつけて彼らはこの二か所に拠点となる家を置いており、そこを会合の場所ともしているようだ。
そしてほぼ全員がどちらかに集まることを諜報活動で掴み、僕達で一斉検挙を行う。
「なおこの際、大王派と魔王派に分かれることのない混合編成で作戦を開始する。これはどちらかに偏った場合、相手に警戒を与える可能性が大きいことからくる」
確かに。
人間界にしろアガレス領にしろ、大王派や魔王派が大挙して押し寄せるようなところとは言い難い。単独で集まれば警戒されるだろう。
「そしてその際の冥界側だが、兵藤一誠の知名度を利用したおっぱいドラゴンのサプライズイベント及び我が兄であるマグダラン・バアルの植物研究発表会、その開催地としてシーグヴァイラに提案された……との体裁を作って少数精鋭が都市内部に侵入。面の多勢を外周に配置して、タイミングを合わせて内外から一斉検挙を行う方針となっている。異論及び質問がある場合は挙手を」
その言葉に、集められた人員から何人か手が挙がっている。
「外周人員の配置は?」
「魔王様の参戦もあるのですか?」
などと質疑応答がされるなか、樹下君も手を挙げた。
「人間界での活動についてですが、人間界側に対する説明などはどういった状況でしょうか?」
「いい質問だ。その件については彼から答えてもらった方がいいだろう……どうぞ」
と、彼女はモニターを操作してリモート画像を映し出す。
『リモート越しで失礼します。日本国内閣祓魔庁の長官を務めております、小笠原忠重と申します』
小笠原長官か。
確かに、日本で異形が活動するなら彼が出てきて当然だ。久々に見るよ。
『今回の件についてですが、我々としても憂慮すべき事態と判断しておりますので、協力することにやぶさかではありません。人間界での面においては我々祓魔省が担当しますので、その辺りはご了承ください』
さらりと言っているけれど、仕事量は多いだろう。
お疲れ様です。いつもお世話になっております。
「……さて、では部隊分けについてだが―」
そして会議は進む。
さて、僕達はどう動けばいいのかな……?
《樹下誠二》
会議そのものは滞りなく終わった。この辺り、サリアローズ殿の立ち回りが上手いことの証明だろう。
そして、俺達だが―
「それぞれが別チームで動くってことか。なんか珍しいかもな」
「ま、厳密にはグレモリー眷属と桃山警護事務所は別チームだしな。そこは大した問題じゃないだろう」
―そういうことだ。
俺はイッセーに缶コーヒーを渡しながら答える。
今回、冥界ではイッセー達グレモリー眷属、人間界では俺達桃山警護事務所が分担して活動することになった。
最大の理由は、風見鶏共が戦奏教団に対する接触を図っていたという点。協調している可能性が未知数である以上、打倒手段を用意するに越したことはないという判断だ。
俺達の経験則ぐらいでしか言えないが、神祖やその使徒の最勢力をどうにかする為には、その不死性を断絶できる反粒子か黒刃が必要不可欠。堕天使側は別件で黒刃を用意できない為、再現できる俺と朱乃さんは分担した方がいい。そして繋がっていた場合は人間界側にいる可能性の方が高い為、実績持ちの俺は人間界側に回すべき。
といった判断に基づくものだ。まぁ妥当だろう。
「来るかは分からないが来た時がまずい手合いだからな、神祖は。対応できる戦力をそれぞれに配置するのは可能なら当然だろう」
「大丈夫か? っていうか、そんなにやばいのか神祖って」
直接戦ったこともないからな。イッセーとしてもピンとこないだろう。
だが、実に厄介だ。
「不死性においてはフェニックスを凌駕すると言ってもいい。仮にお前がドラゴンブラスターで跡形もなく吹っ飛ばしたとしても、まず間違いなく撃ち終わった後一秒そこらで完全復活する」
「マジか早いな」
本当に早いんだ。シャレにならない。
「更に星辰光もヤバイ。具体的に言うと維持性と発動値が明らかにおかしい。長期戦のごり押しで圧倒的格上すら削り殺せるだろうな……仕切り直せばそれまでなのが不幸中の幸いか」
「うわ……。俺って長期戦苦手だからやばいじゃねえか」
そうなんだ。お前と相性が悪いんだ。
長期戦を挑むのは明らかに論外だろう。短期決戦で何かしらの無力化を図らないと確実にこっちがつぶれる。
本当なら戦力差が圧倒的な初期の段階ですら、戦奏教団が国連加盟国を相手にコケにしまくれたのはこれが大きい。神祖が出張れば例え核兵器を叩き込んでもそのまま進軍して攻撃されるんだからな。
国連加盟国側からすればホラーが現実になったような脅威であり、戦奏教団からすれば不滅の軍勢が助けてくれるわけだからな。戦況がひっくり返ることも十分あり得る士気の変動だろう。
更に面倒なところも多い。
「星辰光の能力そのものもあれだな。あいつらは
これもまた厄介だ。殺し続ければ死ぬといっても、その密度と時間は現実的ではないからな。
つまり、まともな戦場で相対する分においては神祖とそう変わらない脅威となるわけだ。
ことイッセーにとっては天敵だろう。元々の才能が低いうえに埒外な進化で補っているからか、こと長期戦向きの能力を持ってない。短期決戦で殺す手段を用意できない以上、圧倒的に不利だからだ。
「ちなみに樹下は二種類もってる手段で倒せるけどどんな感じだっけ?」
「反粒子ならクリーンヒット必須だが一撃必殺。黒刃は何十回も切り裂いて漸くだが、ある程度影響は継続する感じだな」
おそらく、不死を終らせるアプローチが違うんだろう。
検証するにはデータが少なすぎるが、感覚的にはそんな感じだ。
まぁ二種類あるから、その両方をちらつかせる駆け引きが可能なのもありがたいがな。
「そういうわけだ。神祖やその使途が出張ってきたら朱乃さんの援護に徹してくれ。もしくは魔法で封印して強引に抑え込むって手段でも可だ」
「分かった。ま、こっちもやられてやるつもりはないから何とかするさ」
と、イッセーはそう返す。
さて、これで問題なく終わってくれれば万々歳。だが任務として動く以上、想定外の事態で状況がかき回されることを前提としないといけない。
そう思っていた時だ。
「そこにいたのねイッセー。誠二も」
と、リアス部長がこちらを探していたのか近づいてきた。
ただ、その表情はちょっと困惑している感じだったが。
なんだなんだ?
「秀華からも伝えてくるでしょうけれど、私達にテレビ出演の話が来ているのよ」
…………。
「「テレビ出演?」」
どういう流れだ?
以前にも書いたかもしれませんが、この章では誠二たちとイッセーたちが別動隊として活動する形です。
そしてそれぞれでバトります。理想としては週刊少年バトル漫画のように、同時多発的にいろんな敵といろんな味方が戦って頑張る形ですね。頑張りたい!!