シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚 作:グレン×グレン
……元L×LにFGO部分も組み込むつもりだったんだけどどうした者か。今後の展開がはらはらだぞぉ……?
とりあえず本編!
《空本麗夜》
まぁ、いつかは来るとは思っていた。
二足の草鞋を履くなんて言葉はあるけれど、悪魔の場合は何足も履いているようなことが多い。
そもそも上級悪魔が、色々なことを行うことも大きいだろうね。領地の運営や管轄地での契約活動に異形方面のまとめ役、有事における戦闘指揮官にレーティングゲームの王と手広すぎる。
そういうわけで、テレビ出演はあると思っていた。所長の配下であり特殊な形の眷属悪魔として、テレビに出ることは想定の範囲内だった。
とはいえ、「将来有望な若手悪魔特集」で、一同揃ってのテレビ出演とか想定外だったけどね。
「……化粧これでよかったかしらね」
「少しファンデーションにムラがあるわ。ちょっと待ってなさい」
と、普段あんまり化粧をしてない麗奈が、海砂にフォローされている。
流石は元芸能人、メイクが人から見たらどう映るかぐらいは簡単に分かるらしい。
男の俺も流石にちょっとは整えないとね。整髪料とか香水とかはしっかりつけておかないと。
「またこの忙しい時期に……あ、麗夜さん後ろの髪ちょっと跳ねてますね。これはむしろこの辺りをこう……」
「手慣れてるね、誠二」
そして二番手ぐらいのレベルで誠二が活躍しているのが凄いというかなんというか。
女性陣の化粧も手伝ったりしているんだけど。手慣れているというかなんというか。
「昔取った杵柄です。秀華直属に選ばれるだけあり、波柴のそっち方面の教育も真面目に取り込んで優秀な成績を上げているので」
波柴一族は上級悪魔以上に万能の人材を育てようとしすぎでは?
そういえば、コナユキちゃんも化粧とかを手早くまとめているし……教育能力は優秀みたいだね、波柴一族。
壊滅してくれてよかった。冗談抜きで実際に日本転覆が狙えただろうからね。
しかしまぁ、最近の有望な若手悪魔は誰もが誘われているようだ。あのサリアローズ殿も今回は参加しているみたいだしね。
今回、俺達も参加するわけだけど、所員一同は全員メイド服か執事服だ。
気分で色々変えているけれど、それらを制服として扱っているからこそだろう。従者の格好なので、十社である俺達が着る分にはさほど違和感もないしね。化粧だけはきっちりするけどそれぐらいでカバーもできるという寸法。
ただまぁ、肝心かなめの王族である主がメイド服ってわけにはいかないので―
「おっまたせー♪ ど~かな諸君!」
そう入ってきた秀華所長は、中々に凝ったドレスを纏ってポーズをとる。
普段着ているメイド服や駒王学園の制服を思わせる意匠が施された、中々に豪奢なドレスだ。素材がいいのが俺でも分かるレベル。
腐っても王族なので、こういう時に盛大に金を使わないと逆に舐められることに由来する手法というモノだ。
……これ着て乱交パーティとかしないだろうね。割と本気でやりそうだし、後で釘を刺してもらわないとね。
「それでエロいことするなよ」*1
「SEXしたいのなら似た物を用意してくださいね」*2
「趣味に走りすぎないようにしてください」*3
「ツッコミが厳しい!? というか心読まれた!?」
鋭いツッコミ担当の三連コンボに所長もたじたじだった。
もはや慣れているのが大きいね。経験値がどんどん溜ってるよ。
ま、それはともかくまだ時間はあるね。
俺達全員準備は整ったけれど、まだ十分以上ある。化粧に手慣れているメンバーが多くて助かったよ。
となると、緊張をほぐす為にも世間話でもしてようかな。
「そういえば京都での打ち上げの時、アルトリーネはいつの間にか消えていたけど、どこ行ってたんだい?」
ある程度たったら戻ってきたから流してたけど、まぁ軽く聞いた方がいいかな。
一時間はいなかったからお花摘みってことはないだろうけど。
「あ、ごめんなさい。……色々と暗い愚痴が巻き起こりそうだったから、避難ついでに以前住んでた家の近くを見てたのよ」
なるほどなるほど。
……正論の逃げだった。
俺達の因縁バーゲンセールだったからね。そりゃもう、基本的に愚痴のバーゲンセールになったしね、うん。
ただまぁ、住んでたところが近くにあったのか。
となると、それが友人だった神器を失った時期なのかもね。
あまり深入りする話でもないだろう。この辺りは流すべきかもね。
「そういえば、京都では流石にアイアンローズとはやりあわなかったわね」
「五大宗家の御膝元に仕掛ける気はなかったんじゃないですか?」
信子さんが首を傾げると、美子ちゃんがそう推測する。
まぁ、アイアンローズが如何に世界的とはいえ日本は縁を切っているからね。国策として民間との契約なども避けるように要請しているし、日本にはいるのはそう簡単ではないだろう。堂々と京都で暴れたら国際問題確定だ。
その辺りはどの勢力もギリギリの綱渡りだからこそ、露骨に仕掛けることはないだろう。動くとする場合、相応の言い訳を用意しないと難しいしね。
そういう意味だと、ロザリオ聖教国も安牌か。
あそこは正式な国家であり小国。人間社会単位で問題を起こせばその時点で列強国をもれなく敵に回すだろう。今隣国と紛争中なら尚更だ。
「次の仕事で介入してくる可能性は流石に無い……よね?」
「むしろ禍の団の方が可能性が大きいね。まぁ、神祖の介入も大変だけど」
コナユキちゃんに流花がそう言うけどそこは懸念点だね。
戦奏教団に接触を試みている辺り、神祖の介入は考えられる。
また世界的に活動している禍の団の危険性は大きい。あいつらの介入の方がまだ可能性が大きいだろう。
……流石に乱戦は勘弁願いたいよね。
「そういえばご主人様達初期メンバーは、神祖との戦闘経験も多かったな。やはり強敵か?」
「普通にやりあうと誠二しかあいつら殺せないからねー。殺されないって安心感が動きを大胆にしてくるし、その辺りの駆け引きとかが大事っていうかなんて言うか」
青蘭専務と秀華所長がその辺りを話し始めるけど、あいつらは本当に危険だろう。
……そういう意味だと、今回も大変な戦いになるんだろうなぁ。
「話をふってなんだけど、頭痛くなりそう」
「ま、絶対に忙しいことにはなりますよね……」
思わず呟くと、コガネが遠い目になっていた。
うん。絶対大変な仕事になるんだろうなぁ……。
《兵藤一誠》
あ~~~終わった……疲れたぁ……
撮影が終わって、俺はちょっと疲れたんで一人黄昏ていた。
ヤバイ、失敗した。思いっきり恥かいた。
「……どうしたイッセー。そんなところで」
あ、樹下だ。
「聞いてくれ樹下ー。俺、撮影中に噛んじゃってやばいことになっちまったんだよ」
いや本当にやばいことになった。
これは上級悪魔のリアス・グレモリーのインタビューだから、リアス部長として扱うのはまずいって以前言われたんだよ。
で、咄嗟にそれを思い出したのはいいんだけど―
「部長と言いそうになって、どもっちまったんだ。で、インタビューの人が「ぶちゅぅ」と受け取っちゃって」
「なんか変なことになってしまったと。乳首をつついて至り直したから……今度は吸うとか思われたのか?」
―察しのいい樹下の言う通りな展開になっちゃったんだ。
俺は頷きながら、天井を見上げた。
部長になんて言って謝ろう。なんかもう取り消せない勢いになって大騒ぎだったよ。
というか、記者の人もなんでそうなるんだ。そう受け取るなよ、インタビューの真っ最中にそんなこと言うか普通。
「……文化の違いで流すしかないだろうな。俺達は所詮、冥界に慣れてないんだ」
「後で部長になんて言って謝ろう……っ」
いや、本当にどうしたらいいんだよ本当にもう!!
「その、そっちは大変なことになってるのね」
あ、アルトリーネさんも来た。
なんか凄い同情の視線になってるなぁ。めっちゃ可哀そうなものを見る感じなのが悲しい。
「頑張って。私も結構困惑することは多いから……慣れればある程度はどうにかなるわよきっと」
「なるかなぁ……いや、しないと駄目だよな!!」
うん。そこは気合を入れ直さないと。
「励ましてくれてありがとう、アルトリーネさん! 気合を入れて頑張るぜ!」
「ええ。その方がきっといいわ」
アルトリーネさんも笑顔になってくれたし頑張るぜ!
あれ、樹下がどっか消えた?
《樹下誠二》
空気を読んで退散退散、と。
アルトリーネさんはイッセーに対して好感度も高いみたいだしな。俺がいない方が良い雰囲気になるだろうさ。
それとなく横やりが入らないように見張りつつ、俺は缶コーヒーを飲みながら一息入れる。
俺達のインタビューは滞りなく終わった。秀華はその辺りそつなくこなせるからな。
脛に傷合ったり色々な過去を持つうちのメンバーを考慮して、その辺りを上手く流しながら自画自賛したり眷属を誉めたり。
鋭い切り返しもあったりするが、そこは俺と麗奈さんもフォローする形で秀華を持ち上げて終了だ。その辺りはいい所のお嬢様でもある美子もそれとなく回っており、まぁ失態といえるようなものは全くない。
とりあえず一安心だ。今後は個別に聞かれることも多いだろうし、ちょっとみんなで講習会でも聞くとするか。
そう思いながら佇んでいると、視界の隅でこっちに近づいてくる人が見えた。
というか信子さんだな。……あっちにはトイレがあったからそういうことだろう。指摘しないのが礼儀作法だ。
「お疲れ様、信子さん」
「あ、誠二君」
やっぱり慣れてないことでお疲れ気味だな。
ちょっとぼんやりしていたところもあった。まぁ、普通に生きてて特番でインタビューとかないし仕方ないだろう。
「俺も正直ちょっと気疲れしてるけど、信子さんも結構疲れたっぽいな……大丈夫か?」
「あ、そういうわけじゃないの。……ただ、ね」
そう答える信子さんは、少し複雑な表情だった。
「お祖母ちゃんは今の私を見て……どう思うのかって思っちゃって」
……そうか。
信子さんはお祖母ちゃんッ子だ。なんか五大宗家案件が絡んでいるみたいだが、それはつい最近まで可能性すら思いもしなかったような話だ。
だが信子さんは、今際の際の祖母と約束を交わした。それを忘れ去ったがゆえにこそ、道を踏み外した。
今からでもそれを取り戻そうというのが、信子さんのモチベーションだ。だからこそ気になってしまうんだろう。
「俺は、信子さんのおばあさんについてはほぼ知らない。だから何を思っているかなんて想像もできないだろう」
これで俺が無意味に太鼓判を鳴らすのは不誠実だろう。
ただ、これは言い切れる。
「俺がおばあさんの立場なら、今頑張っている信子さんのことを認めると思う」
俺がおばあさんの立場で信子さんを見るのなら、今頑張っている信子さんを応援したいとは思う。
俺に言えるのはそれぐらいだな。
「……こんなことしか言えなくて、御免」
「……ううん。弱音を吐いた私が悪いわ」
信子さんは少し寂しげだが、それでも元気を見せてくれた。
「お祖母ちゃんがどう思ってくれるかじゃなくて、お祖母ちゃんが胸を張ってくれると思える自分でいないとね。……出遅れた分、取り戻さないと」
そうだな。
信子さんにとって大切な思い出。それを、今からでも汚したくない。
それが信子さんの頑張る大きな理由。死別しているがゆえに断言できず、だからこそ苦労する道。
だからこそ、俺はそっと信子さんの手を取る。
「大丈夫。俺の目から見える信子さんは、頑張っている格好よくて素敵なお姉さんだ」
「そういうところを鋭く突くのはどうかと思うわよ?」
あれ!? なんか指摘するところ間違えたか!?
そう思って言ると、だ。
「おっとぉ? もしかして逢引中? でもちょっと聞きたいことを聞いてもいいかな?」
などと元気のいい声が聞こえたので、俺は振り返って一瞬困惑した。
一瞬だけ海砂さんを思わせる小柄な女性がそこにいた。
ただ元気いっぱいだな。もう立ち振る舞いからそれが分かる。
「お初にお目にかかるんだけど、噂のレヴィアタン眷属の方っすよね? ナミネ・ルミナスって言いまっす!!」
ぐいぐい来るな!? ちょっと困惑してるぞ俺。
緑がかった髪と目をしているが、雰囲気としては日本人だ。異形の血でも微妙に引いていたとかそんなところだろうか。
そしてそんなぐいぐいフレンドリーな態度で俺達の肩に手を回したナミネとかいう人が―
「……ちょっとタレコミというか密告していいっすかねぇ?」
あ、これ面倒ごとだな。
久しぶりにエロの無い挿絵を入れてみましたー♪ 試験的に本章では非エロ挿絵をいくつか入れる予定です♪