※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! 感想の返信数も戻ってきて、やる気にスイッチが入っているグレン×グレンでっす!

 では本番に突入するぜー!!


第十七話 乱戦の始まり

《樹下誠二》

 

 

 

 

 

 

 ……今明らかに戦闘音が響いたんだが。

 

「こちら樹下誠二。作戦開始前に戦闘音を確認。既に情報が届いているなら報告を求む、送れ」

 

 小さい声で確認するが、途端に騒がしくなった。

 

『こちら空本麗夜! 不意打ちの敵襲を食らったけどとりあえず応戦中。負傷者無し!』

 

 麗夜さんが答えてくれたが、いきなり襲撃とかどういう展開なのかと言いたくなる。

 

 かと思った時だ。

 

『こちらロイヤルピース第八部隊! 監視中のトキコ・アガレス別邸で動きあり!! 厳戒態勢に移っている警戒急げ!!』

 

 面倒ごとになったのは間違いないな。

 

 作戦開始前にトキコ・アガレスの関係者に勘づかれたか。これに呼応して不正貴族が動くともっとまずいな。

 

 そう思った時だ。

 

『ごめん空本麗夜より補足事項! トキコ・アガレス達に純潔十字連盟側が疎開させていた奇跡の子を誘拐している疑いが濃厚! その為純潔十字連盟が多数潜伏しており乱戦になる可能性大!!』

 

「……マジか」

 

 既に戦闘モードだから動揺はしないが、それはそれでまずいな。

 

 ここで純潔十字連盟が来るとはな。人間界側で派手な動きは出せないと思ったんだが。しかもここ日本だぞ。

 

 とはいえ純潔十字連盟側の人員が奇跡の子をこさえており、それが悪魔に誘拐されているなんて事態はそれだけのことだろう。日本全域をターゲットとしてロザリオによる軍事侵攻すら選択肢に入りかねない非常事態だ。

 

 流石に日本とロザリオで戦争するなんて事態は()()()()避けるだろうが、事情が事情っぽいから下手をすると最終手段を取るぞアイツらも。

 

「長官、状況が明らかに非常事態です。話し合いはまた次の機会にした方がいいでしょう」

 

「そのようですね。申し訳ありませんが社長さん、後で政府から正式に依頼しますが、略式で避難誘導のお手伝いをお願いします」

 

 素早く長官が納得してくれたので、俺もすぐに動こう。

 

 このどさくさに紛れて不正貴族が逃げたりするとややこしい。準備が完了してないのは残念だが、即座に動くほかないだろう。

 

「……もう何が何だか……!」

 

「ごめんなさい。後でまた話をするべきですが、今はまずこの問題から解決しないと」

 

 信子さんも落野さんと共に立ち上がる、その時だ。

 

「失礼します、社長。桃山警護事務所の方はおられますか?」

 

 と、ノックもせずにいきなり入ってくる社員が数名。

 

 あ、これ直感的にまずいと分かった。

 

 なので即座に、誰が動くよりも先に俺自ら動く。

 

「俺ですが何か」

 

「「「では死ね」」」

 

 その瞬間、抜き打ちでいきなり銃を具現化して三人揃って射撃。

 

 同時に俺は魔剣を壁として展開してそれを防御し、囮ででかめの魔剣を逆方向に投げたうえで、回り込んで蹴りかかる。

 

 それに対して一名がもろに喰らって吹っ飛ばされるが、残り二名は回避。

 

 片方は足から光の刃を伸ばし、もう片方は光の剣を具現化して切りかかるが―

 

「オイタはそこまでですねぇ」

 

 その瞬間、小笠原長官が結界を張って突撃する二人が顔面から衝突。

 

 そこに我に返った信子さんが、鞘に入ったままの聖剣で強引に腰の辺りを打撃する。

 

 背骨がずれるなり腰骨にひびが入るなりした奴らの動きは一瞬揺らぎ、その瞬間に俺は再度回り込んであばらを砕く勢いで攻撃を叩き込んだ。

 

 とりあえず、あっさりとどうにかできてよかったよかった。

 

 だが問題は、このタイミングで即動く連中がいるということだ。

 

「……社長さん。この三人の個人情報を後で提出してください」

 

「すぐに用意する。……私だ、実働班の星辰奏者を最低でも六人すぐにこちらに向かわせろ!! 内通者……というかテロだ!!」

 

 社長さんもすぐに動いてくれて何よりだ。

 

 これはあれだな。不正貴族辺りが子飼いの連中を潜り込ませていたと。

 

 それにしても動きが早いが。まぁ死にはしないがろくに動けない怪我を与えたばかりだ。

 

 正直弱いが、その程度なら運がいい方だろう。

 

 そう思いたかったが、次の瞬間には三人とも起き上がってすぐに戦闘を仕掛けてくる。

 

 ……腰骨にひびが入っている動きじゃないんだが!?

 

「ああもう! 何が何だかっ!!」

 

 毎度毎度大変な目になってるなぁ、俺達は!!

 

 

 

 

 

 

《木場祐斗》

 

 

 

 

 

 

 

 

 僕が攻撃を受けてから短い時間で、既に同時多発的に戦闘が始まっているようだ。

 

 この手の作戦で、何もかもが思い通りに行くことを前提にするべきではない。それは分かっているけど、そういうレベルでもないだろうこれは!!

 

『こちら突入班! 不正貴族達も事態に気づいて混乱している。指示を求む!!』

 

『サリアローズ・バアルより全突入班に緊急伝達。事態は乱戦になることが確定的であり、今更どうしようもない状況下だ。突入班はそれぞれ突入して不正貴族を捕縛もしくは討伐。外周及び補佐部隊は、近隣の敵対勢力に対応するか、敵対勢力が近くにいなければ最寄りの突入箇所に向かって突入部隊の補佐を行え! 民間人の安全確保担当は安全確保を徹底しろ』

 

 サリアローズ・バアルもこの事態には対応が追い付いていないようだ。

 

 当然だろう。まさかこの流れでここまで他勢力が入り乱れるとは。

 

 この乱戦は想定外にもほど上がる。

 

 まさか冥界の地方都市、それも身内の膿だしで乱戦になるとはね。禍の団が積極的に動いていないのが不幸中の幸いか……っ!

 

「まったく! お前達とも何度も戦うが、そろそろうんざりだよ!!」

 

「それはこちらのセリフだ!!」

 

 オーフェラと呼ばれた星辰奏者と、僕は真っ向から切り結ぶ。

 

 聖魔剣の性能は絶大だけど、相手も発動体ゆえに頑丈な武装だ。

 

 上手くこちらの斬撃を受け流すことで捌いており、武器破壊は狙えない。

 

 更に何らかの装備によるものか、かつての戦いでも見せてきた魔力の運用すら行っている。

 

 技量も間違いなく伸びている。これが、アイアンローズの精鋭か!

 

「トップエージェントすら討ち取ったグレモリー眷属が! これ以上、人の未来を神器で汚させてなるものか!」

 

「それにしか目を向けてない者達に! 偉そうなことが言えるものか!!」

 

 攻防を繰り広げながら、僕達は言葉すら飛ばして切り結ぶ。

 

 しかし手練れだ。チームメイトの二人がいなくてもなおこの強さとは恐れ入る。

 

 これでトップエージェントでないのが怖いね。イッセー君はよく勝てたものだよ。

 

 とはいえ、僕達の目的はあくまで不正貴族の摘発だ。かかずらっている余裕もない。

 

 何とか切り抜けて凌ぎたいのが本音だ。

 

 そう思った時、寒気を感じた。

 

「グレモリー眷属とアイアンローズか。都合がいいからまとめて討ち取る、アーメン!」

 

 咄嗟に同時に伏せれば、その頭上を聖なるオーラの刃が通り過ぎる。

 

 ここで純潔十字連盟! 面倒な乱戦になったものだよ……!!

 

 

 

 

 

 

 

 

《空本麗夜》

 

 

 

 

 

 

 

 と、とりあえず一人だけだったから、余計な被害を出さずに倒せた。

 

 一体何なんだか。というか、こんなところになんで神器持ち……いや、星辰奏者でもあるのか?

 

 ただ問題は、これとタイミングを合わせる形でドンパチがそこかしこで始まっているという点だ。

 

 やってくれるよ不正悪魔。というか、これ絶対に大問題になるじゃないか……現魔王政権と日本政府が揉めかねないよ、コレ。

 

「どうします所長?」

 

「うん。とりあえず報告はするけど面倒なのは―」

 

 そう答える所長の視線の先には、一枚のメモが上に置かれた一万円札が。

 

 ―共同作戦無理っぽいから帰ります。お釣りは迷惑料として取っておいてください 綺羅星雄―

 

 ちゃっかりしてるな本当に。お茶代置いて帰ってるのは律儀だけれど。

 

「とりあえず私は本部に一旦戻ります。できれば護衛をしてくれるとトゲが立たないのですが」

 

「だよねー。じゃ、一旦私達は本部戻ろっか。……急いで指揮系統確立しないと、これ後手後手回るよ」

 

 マリヤ様と秀華所長がすぐに動いているけれど、面倒なことになるのは間違いない。

 

 というかコレ、もしかしてこの会話が聞かれたことが致命傷になってないかな? あれ……責任問題!?

 

『こちら麗奈! 所長と麗夜は無事!?』

 

 と、そこに通信が繋がった。

 

 麗奈か。こういう時の行動が早いのは助かるね。

 

「麗奈、そっちは?」

 

『今現在即応中! 事務所の指揮は代理で麗華が立って補佐に専務が動いてるわ! ……どうやら都市の要所要所にやばい手合いが潜伏してたみたいで、そっち方面の連中が最後の詰めの最中に襲撃食らう事態が多発してます』

 

 所長に説明をしている麗奈は、相当不意打ち気味だったのが舌打ちしている。

 

『おそらく下手人の星辰光は第七愛欲騎士団と同タイプ。類似の性質を持つ星辰眷属として調律された星辰奏者もどきだけれど……得物まで同型の神器に近しい異能なのが気になります。これは想定より脅威度を数段引き上げるべきかと』

 

「オッケー分かった! すぐ戻るからそれまで指揮代行を続けて!」

 

 敵のレベルが思ったよりやばいってことか。余力は用意しているけれど、ここまでとはね。

 

 それに星辰眷属か。第七愛欲騎士団の団長が同様の星を持っているとは聞いていたけれど、厄介だね。

 

 数を用意しやすいってのが厳しい。もどきとは言え星辰奏者クラスとなれば、その時点で戦力として有望だからね。

 

 どれだけの数が入り込んでいることやら。……思った以上に敵は厄介だね。

 

「急ぎましょう。おそらくこれに呼応して、他に不満分子にも情報を流す程度のことはしているはず……ここからどんどん騒ぎが大きくなりますよ!!」

 

「分かってる。マリヤ様、行きますよ!!」

 

 俺も周囲を確認しつつ、すぐに移動を開始する。

 

「そちらの眷属二人は?」

 

 マリヤ様がその辺りを懸念しているが、そこの心配はない。

 

 実際、所長がそこを気にしている様子もないしね。

 

「長官がついているなら問題ないです。それに誠二は独自判断で十分動ける自慢の相棒ですから!」

 

 うちのエースはこういう時にも頼れるので問題なし。信子さんも、頑張れるだけのポテンシャルはちゃんとある。

 

 だからそっちは任せるよ。こっちはこっちで頑張るから!!

 

 

 

 

 

 

《兵藤一誠》

 

 

 

 

 

 

 畜生ふざけんな!

 

 いきなり襲撃とか想定外っていうか、なんでこんなところにロザリオ聖教国がいるんだよ!?

 

 ……あれか。以前議題に上がってた、冥界攻撃用の潜入部隊って奴。

 

 それがこの街の近くにもあって、そこから仕掛けてきたってのか!?

 

「目的は別にあるが、見つかったのなら話は変わる。どちらにせよ冥界の英雄ともなれば、打ち倒すに越したことはないだろ!!」

 

「そんな理由でやられてたまる……か!」

 

 この野郎、殴り合いに長けているな!!

 

 動きからするとボクシングか? なんとなく観た試合がこんな感じだった。

 

 こっちの攻撃を器用に躱して、正確に殴ってきやがる。

 

 重さはサイラオーグさんに比べれば軽いけど、キレがいいのか結構響くな。こっちの攻撃が全然当たってないし、削り続けられるのはきついか。

 

 畜生! こっちは不正貴族の相手だけするつもりだったし、介入があるにしたってロザリオは想定外すぎるぞ!?

 

 何度か拳と拳で戦いつつ、俺は不意打ちでアスカロンを伸ばして切りかかる。

 

 これなら当たるかと思ったけど、相手の腕に巻いてあるバンテージから刃が生えてそれを受け流した。

 

 ……この感覚、まさか擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)!?

 

「なんで擬態の聖剣が!?」

 

「厳密に言えばレプリカ……の改良試験型だがな」

 

 お互いに一旦距離を取りながら、俺はそいつと睨み合う。

 

「イッセー様! どうやら相当来ているようです。……こちらにもだいぶ集まってますわ……っ」

 

 レイヴェルが俺の方に近づきながら、炎を放っている。

 

 見れば結構な人数が集まってるな。ただ、男女混合ってのは行けるかもしれない。

 

「こうなりゃやってやる、乳語翻訳(パイリンガル)!!」

 

 乳語翻訳の力で、可能な限り情報を聞き出してやる。

 

「無差別に質問してやる! お前達は何人でどこまで来てやがる!!」

 

 さぁこれで筒抜けに―

 

『『『『『『『『『……ィ……ェ……』』』』』』』』』』

 

 ―あれぇ?

 

「ノイズ交じりで聞こえないだと!?」

 

「なんですって!?」

 

 レイヴェルもびっくりしているけど、俺もびっくりだよ。

 

 そんなバカな。俺の乳語翻訳で、女の子の胸の内が聞こえない!?

 

「お前のそれを相手に、対策なしで仕掛けるわけないだろ?」

 

 目の前のボクサー聖剣使いに呆れられたよ!?

 

 くそ、そりゃ俺の乳語翻訳って結構凄いからな。対策するか。

 

 でも読心術対策って効かなかったんだけどな。おっぱいと対話しているだけで心を読んでいるわけじゃないからみたいだけど。

 

 それを無効化だと? どんな手段で用意しやがった……っ

 

「……悪いわね。貴方には恩もあるけど―」

 

「―私達にも意地があるの、御免……っ」

 

 真那月さんも唯織さんも戦う気のようだし、これって結構まずいんじゃね?

 

「そういうわけだ。いい機会だ、冥界の英雄。本来のエクスカリバーと戦ったその力、見せてもらう」

 

 そして正面のボクサー聖剣使いが、腰を落とす。

 

 こっからが本番ってことか。厄介だな。

 

「……そこにいたか、兵藤一誠」

 

 そう思った時、その声が強く響いた。

 

 マジか、ここで来てくれるのか……!

 

 視線を向ければ、そこには数人の悪魔達が並んで立っている。

 

 殆ど全員が上級悪魔の血を持ち、それを率いるは若手最強とまで謳われる上級悪魔。

 

 サイラオーグ・バアル眷属……!

 

「お前達にもお前達の正義があるのだろう。だが、ここは冥界……悪魔の世界だ」

 

 そう告げるサイラオーグさんは、拳を握り締めて突き付ける。

 

「それを踏み荒らすというのならば是非もない。……この拳で滅ぼさせてもらう!!!」

 

 ああ、そう簡単にはやられられねえ。……戦いは、ここからさ!!




 もういろんな勢力がいろんな形で動いており、いろいろと大混乱となっております。
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