シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚 作:グレン×グレン
ちなみにゴールデンウィークは「超能力戦争」を見に行きました。アギトは生で見ていた世代です。
個人的にはG6辺りがもうちょっと活躍してほしかったところですが、おおむね楽しめました。続編的になる二次創作とか作りたいなぁとは思いつつも、そんな余力ねえよと何とか切り替えております。
では本編!!
《Other》
乱戦状態の冥界地方都市、その一角で悪魔祓い達が戦闘態勢を取っていた。
「どうする? まさか例の赤龍帝がこんなところにいるとは……っ!」
「致し方あるまい。例のトキコ・アガレスが最有力候補。彼女もまた上級悪魔である以上、繋がりがあったのかもしれん」
「どうもそういうわけでもないようだが……しかし今は、奇跡の子を見つけ出す時だ」
そう次々に小さな声で語り合いながら、数人のチームがトキコ・アガレスの城に向かっていた。
純潔十字連盟に与した者の間に生まれた奇跡の子。内乱で失われるべきではないと幼児であったことから孤児院に預けていたが、それが偶発的に誘拐されるという事態が起きたのだ。
急いで調査をした結果、異能の人身売買組織が絡む形でトキコ・アガレスの元に流れたところまでは掴んでいる。今回の作戦は、それに伴う強襲が目的だった。
人間界側の拠点と本拠となる冥界。双方に仕掛けて奇跡の子を奪還する為の特殊作戦。基本としては潜入でありながら、いざとなれば都市を火の海にすることすら視野に入るレベルの戦力が投入されている。
それが、投入されたメンバーが赤龍帝に発見されるという想定外の事態。想定外は常あれど、この形はあまりに想定外だった。
その上、アイアンローズまで介入しており、別件で悪魔同士で戦っているという事態にこちらもかなり困惑している。
「好戦的な者達は既に戦っているが、今回の目的はあくまで奇跡の子の奪還だ! 我々は不必要な戦闘は避け、今のうちに潜入を―」
「―それはどういうことかしら?」
自分達の言葉を遮る少女の声に、彼らは素早く戦闘態勢を取った。
そして声のする方向である上を見て……唖然となる。
「奇跡の子。その言葉を聞いて黙っている私ではないわ」
神々しい光と共に、白い翼が広がる。
「まだ冥界に奇跡の子が来る段階ではない。となると、何か大きなことが起こっているようね」
その可憐な少女の頭上には光輪が輝き、その存在が天使であることを示していた。
思わず祈りを捧げそうになった、そのタイミング。
少女は、両手を広げて舞い降りる。
「このミカエル様の
天使長ミカエルに仕える転生天使。駒王町天使リーダー。
紫藤イリナが、今この場に降臨した。
《空本麗夜》
純潔十字連盟のロザリー。ありえないレベルで強敵だ。
というよりだ。彼女に星辰光と悪魔の力が通用していない。
麗奈は星辰光はある程度仕えているようだけど、それでも若干弱体化している。
素早く神器を主体に切り替えることで対応しているけれど、さっきから一方的に追い込まれている。
例えるなら……身体能力が明らかにヤバイ。
かのサイラオーグ・バアルでもここまでではないだろう。そういうレベルの凄まじい猛攻が俺達を襲っている。
幸か不幸か攻撃を受けたり攻撃を当てたりしなければ問題ない為、回避主体で立ち回ればやりようは何とかある。
だが、それにしてもだ。
「絡繰りが読めないと逃げっぱなしか。……それだと意味が……っ」
この戦いは想定外であり、本来の仕事とは全く異なっている。
どうするんだよこれはってレベルだ。
かといって攻め手がないとまずいし、仕組みが分からなければ他の人に任せるってこともできない。
どうした者かと思っているけれど、麗奈は少し考えこんでいた。
「……イッセーがいたら確信できたんだけどね。ま、仮説は立てれたわ」
「凄いね麗奈!?」
思わずびっくりすることを言うけれど、ロザリーもそうらしい。
「へぇ? で、どんな仕組みだと思うの?」
「後天的な異形の力を削減する……ってところね」
その即答に、ロザリーの動きは明確にブレた。
これは当たりか。
「根拠は?」
「アンタと私の削減された力の種類が違う。麗夜の時は星辰光まで完璧に掻き消されたもの」
ちょっと意味が解らないんだけど。
ただそれは分かっているのか、麗奈は肩をすくめた。
「麗夜の星辰光は所長による後天的な変化によって会得した星辰奏者の資質。私はあくまで素で星辰奏者で、所長による後天変化は底上げよ。……だから私は削減で麗夜は無力化。違う?」
あ、そういうことか。
後天的に所長の星辰光で変化したからこその俺の星辰光と、あくまで底上げされただけで人間だった頃から星辰奏者になれた麗奈の星辰光。その違いが無効と削減の違いになったのか。
ロザリーは少しむっとしていたけど、それが十分答えだろう。
「信徒として正当な理由のない虚言は避けるべきね。暗部だからこそ、ここは認めてあげるわ」
「その姿勢はいいわ。そして、だからこそ答えは簡単」
そう告げた麗奈は、即座に通信を繋げた。
「全部隊より、桃山警護事務所の雨宮麗奈。現在、後天的な種族変化を無効化できる敵と戦闘中。相性が悪すぎる為後天的変化をしていない者達を増援に求む。なお敵の力量が高いので最上級悪魔と渡り合えるレベルが最低水準!」
ちゅ、躊躇することなく増援要請!
「ためらいがないわね……正気?」
「そこは割り切らないとね。相性最悪の強者との戦闘なんて、勝ち目有る奴が来るまでの時間稼ぎ程度にするのが無難でしょ?」
苦笑いをしながら、皮肉にそう返答する麗奈はその上で戦闘態勢を取る。
有言実行。来るまではしっかり足止めをするハラだ。
なら、俺も頑張らないとね。
「来るまで頑張ろうか。それぐらいはしないと所長達に顔向けできないしね」
「気合入れるわよ。相性最悪なんだから油断しなくても死ぬし」
お互いに苦笑しながら、互いに剣を構えて戦闘態勢を取る。
それに対し、ロザリーも拳を構えて戦闘態勢に入る。
「……今更、恥も外聞もないでしょうに……」
そう、小さく呟いたのが気になった。
《木場祐斗》
想像を絶するほどに激しい乱戦になってしまっている。
不正貴族の一斉摘発、また別口の不正貴族が更に一人出てくるという時点でまず色々とややこしい。
だがそこに、純潔十字連盟とアイアンローズが偶発的に介入。その所為で多大な乱戦状態だ。
禍の団が来ていないのが不幸中の幸いだろうか。だが、そんなものはごく僅かな幸いに過ぎない。
何故ならば―
「天使や堕天使の手を取るとは、どこまでも裏切られた気分だよ……現魔王共!! いい機会だから滅んでいけっ!!」
「よく吠えた。貴様ら全員神敵と断定する……征伐だ!!」
―アイアンローズと純潔十字連盟の隊長格が、共に絶大過ぎるからだ。
双方の激突の余波で、周囲は文字通り吹き飛んでいく。
「なんかとんでもないことになったわね。……これは引き際を見抜いた方がいいかしら?」
そしてトキコ・アガレスは、体の一部を吹き飛ばされながらも余裕の表情で呑気なことを言っている。
そしてそれを示すように、神祖に連なるだろう結晶化からの再生を見せていた。
恐るべき回復速度。いや、これは結晶化を挟んだ復元だ。
朱乃さんが星辰光を既に発動して対応しているが、乱戦故にトキコの元に辿り着けていない。
幸か不幸か、それを成しているアイアンローズと純潔十字連盟の戦力は互いに意識を集中させている。
それはお互いに最大の難敵とみなしているからだろうけれど、僕達が優先順位で劣っていることの証明だ。
僕達もまだまだだと痛感するけれど、これを生かして体勢を立て直すべきか……?
そう思った時、朱乃さんが乱戦で引き離されたタイミングでトキコがこちらに突貫する。
「じゃぁ、とりあえずどこの勢力に行っても通用しそうな手土産をもらっていこうかしら!」
くっ! リアス部長狙いか!!
この乱戦で不死性を生かした突貫。そしてリアス部長を殺害し、その成果をもって裏社会の箔付けにする気か。
させるわけがないと、部長と共に臨戦態勢を取った瞬間だった。
「……間に合ったようで何よりだ!!」
そんな頼りになる声と共に、周囲の敵が薙ぎ払われてトキコ・アガレスが一刀両断にされる。
「……デュランダルのゼノヴィア!?」
気づいたトキコは結晶に包まれて再生し―
「無事で何よりだ、部長!!」
―そのままゼノヴィアに流れ作業で上半身を吹き飛ばされる。
また結晶に包まれて再生するけど、その瞬間にゼノヴィアは返す刀でトキコを吹き飛ばし余波で周囲の敵も薙ぎ払われる。
結晶に包まれて再生して粉砕
結晶に包まれて再生して粉砕
結晶に包まれて再生して粉砕。
上半身が短い時間で盛大に粉砕され続けていく。
そして気づけば、ゼノヴィアはトキコの足を踏んでいる。
その上で上半身を粉砕し続けることでトキコは一方的に砕かれ続けていた。
「とりあえず連続で殺し続ければ普通のやり方でも死ぬらしいからな! なら派手に殺し続ければ少しはましな回数で滅ぼせるだろう!!」
「……あってるけど、あっているけど……?」
ゼノヴィアの真っ直ぐな言葉に、部長がとても困惑している。
理論上はそうだけど、現実的に難しいって秀華さん達は言っていたような気がするんだけど。
あまりの脳筋っぷりな手段とその光景に、周囲の者達が思わず困惑していた。
……気持ちは分かるよ。
「あれは神祖の使徒か? また、雑なごり押しをしてるなおい」
「神祖案件か。となると、殺せるかどうかは観察するべきか……いや、いいのか?」
アイアンローズと純潔十字連盟も、あまりの光景に呆気に取られている。
「……ってトキコさんがピンチだぞ!?」
「高野君に怒られちゃう! 助けないと!!」
そして我に返ったトキコの取り巻きが援護に向かおうとするが、後方から雷光が叩きつけられた。
『『『『『『『『『『『ぎゃぁあああああっ!?』』』』』』』』』』
「あらあら。よそ見はいけませんわよ♪」
朱乃さんがSっぷりを発揮して雷光を放ちながら、悶絶している彼らを通り過ぎて星辰光の刃を構えている。
だが相手も恐るべき速さで復帰し、雷光を受けながらも朱乃さんやゼノヴィアに襲い掛かろうとしている。
単純に打たれ強いといった感じではない。普通に致命傷の外傷が見えるのに動いている辺り、彼らも神祖の恩恵を受けているのかもしれない。
だが、そう簡単にはさせないさ。
トキコ・アガレスは今回の作戦の目標でもあった。これを逃す理由はかけらもない。
「させないよ……行け、龍騎士!!」
「援護するわ! 吹き飛びなさい!!」
僕が聖剣の騎士団を向かわせれば、リアス部長も消滅の魔力で牽制を入れる。
このチャンスは逃せない……ここで、トキコ・アガレスはどうにかする!!
《Other》
市街地の一角が吹き飛ばされる。
要因は無数のプラズマ火球。音速レベルで放たれるその猛火を掻い潜り、二人の女性は民間人の被害を抑えるべく移動していた。
「あれが波柴矢城!? 兄さんとつるんでた……生きてたの!?」
落野花美が驚愕しているが、それは松森信子も変わらない。
「死んでるのよ! でもその後あんな感じになって、それだってもう倒されてるはずなのに!?」
間違いなく二度死んだ。それは自分も把握している。
まさかの再生産。それは理論的にはあり得るだろう。
だが現実的に可能性は薄いと判断されていた。人造惑星のデータ取りに再製造するにしても、それだけの性能を矢城は発揮できていなかったと皆が判断している。
にも関わらず、さほど日が経ってない状況下ですら再製造。正直肝が冷えていると言っていい。
そして問題は、だ。
「明らかに性能が上がってる……っ」
そう。更なる改良が施されている。
技術が上がったり鍛え成したという方向性ではない。純粋に、基本性能を向上させたモデルとして出撃されている。
そこに戦慄を覚えるの信子の眼前で、シュテルン・フランメは笑う。
「じゃぁそろそろ本気を出そうか……っ」
その瞬間、跳ね上がる感応された星辰体。
かつての戦いを更に超える感応量。それが現すのは一つの事実。
少なくとも、シュテルン・フランメにはそれだけの価値を見出されているというその一点。
その瞬間、敵の猛威は絶大となり、ビルの一角を吹き飛ばす。
「天争せよ、我が守護星―――鋼の
今ここに、人造惑星の真の猛威が具現化する。
どこもかしこも乱戦です!!