シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚 作:グレン×グレン
この調子で増えてくれるといいなー……と思いつつ、こっちも頑張ります!
では本編!
《樹下誠二》
チッ! 神祖の使徒が詠唱を始めたか!
神祖は翠星晶鋼を端末として人間に植え付けることで、使徒を創り出すことができる。
超高速で長時間殺し続ければ死ぬ程度とはいえ、疑似的な不死を持つ強化された星辰奏者。上位の神器持ちでも押し切られることがままあるだろうレベルの難敵が誕生する。
俺は星辰光の性質上、殺すことはできる。
だが問題は、だ。
「おっと! 追加オーダーだ!!」
それを邪魔する奴がいることだな。
速攻で切り殺そうとするより早く、シュテルン・フランメの攻撃が放たれて妨害を受ける。
面倒極まりない攻撃を咄嗟に回避するが、機先を制されたところはあるな。
「どうも大口の取引をしてる奴が
「面倒極まりないことで何よりだな!!」
悪党同士め。共食いでもしていればこちらとしても楽ができるってのに……っ!
「それはありがとう。後でサービスするって伝えといてよ」
そのタイミングで、あえて高野創氏は踏み込んだ。
翠星晶鋼を基に武器を作り、長物で俺に対して警戒しながら攻撃を敢行。
素早く回避するが、そこで更に銃火器が向けられる。
横からシュテルン・フランメがつついてくるのも含めると、即座に殺すのは無理か!
味方の増援か立ち回りの変化が必要不可欠。だが問題は、だ。
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当然、ここで使徒が星辰光を使うということだ。
《木場祐斗》
「
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トキコ・アガレスが星辰光を奏で、そして敵の動きが明確に変わる。
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『『『『『『『『『『
その瞬間、周囲の戦力がそれを狙っていたかのようにに星辰体と感応する。
手に持つ銃火器に光の刃が装着される物と、全身に光る刃を鎧のように装着する物。
そして両方を体現したトキコ・アガレスもまた、広範囲に魔力を展開する。
「行きましょう、創氏様……この程度で終わるわけがありません!!」
明らかに狂気を感じさせるトキコの魔力が呼応するように、彼女達の動きが僅かに早くなっていく。
いや、違う。
遠く離れた風景の動きまで早くなっている。そしてそれは流石におかしいからこれは逆。
「時間干渉! アガレスの特性を発現させたというの!?」
リアス部長が驚愕するが、これは危険だ。
アガレスは時間に干渉する特性を持つが、それを発現させられるものばかりではない。
間違いなく才能あっての物。そんな人物が、こんな形で犯罪者になるだなんて……っ!!
「さて、では真っ先に殺すのは……こちらを殺せる者ですよねっぇ!!」
そう、明らかに早く感じる声でトキコ・アガレスは二挺の銃と多数の魔力弾を朱乃さんに向けて放ち―
「いや、こっちを無視しすぎだろ」
―呆れ果てた声が、時間干渉を断ち切った。
断ち切ったのは、アイアンローズのトップエージェントを名乗った男。確か神無月巌……っ!
流れるようにトキコの取り巻きを切り裂いた男は、そのままこちらにも斬撃を放つ。
僕らはそれを回避するけど、敵の様子がおかしい。
立ち上がって攻撃をしようとするが、動きが妙だ。
厳密に言えば妙でないのが妙だ。すぐにでも死ぬような深手を負っても大したことが無いように動いていたのが、明らかに負傷の影響で動きたくても動けないような状態になっている。
「……嘘でしょ? 創氏様の不死を、切った?」
「驚くことかよ。黒刃の狗神なら切れるんだろ?」
驚愕するトキコに、神無月は飽きれた様子でそう吐き捨てる。
「
そう吐き捨てながら、神無月は乱戦の中全方位に殺意を向ける。
僕達、トキコ・アガレス一派、そして純潔十字連盟。
その戦場に立つ全ての者に殺意を向けながら、彼は宣言する。
「俺は遍く神を滅ぼす者。……練習相手にはなってもらうぜ?」
《樹下誠二》
面倒を超える反則級の事態といえるだろう。
なんか無駄に死にづらい敵が数多く現れ、そこに使徒が二名追加で、神祖がそれを率いている。
この時点で強敵以外の何物でもない。間違いなく……難敵の塊だろう。
そこにシュテルン・フランメまで出てきているから厄介だし、更なる問題も一つ。
「じゃあこっちも参戦しようかしら! もろともくたばれ!!」
アイアンローズのトップエージェントもギアを入れて参戦してきやがった。
面倒な乱戦が確定だ。頭が痛いし状況はまずい。
というより、使徒二人が面倒だ。
片方は手に持っていた発動体を変形させて、槍として突きかかってくる。
もう片方はなんと分身して四方八方から攻撃を仕掛けてくる。
どっちも十分以上に優秀な星辰奏者。不死のごり押し込みだと厄介だ。
しかもアイアンローズのトップエージェント。夕月とかいうのは打たれ強いを通り越して、ゾンビアタックでも仕掛けてきてるのかのような攻撃を繰り広げる高野創氏の配下を一瞬で切り捨てた。
「不死特性を少しだけ分け与えたのね。でもその程度なら、オーバーキルや死体蹴りですぐに殺せるでしょ?」
「……まいったね。面倒なのが来てるじゃないか」
嫌そうな顔になった高野創氏は、二挺の重機関銃を具現化すると夕月に対して集中砲火を叩き込む。
まったく酷い乱戦になってきた。……頭が痛いな本当に!!
《空本麗夜》
やけにロザリーとかいう純潔十字連英の戦力がこっちに執着心を向けている気がする。
町中で戦闘が発生しているが、ロザリーはこちらに対して強く突っかかっているのは間違いない。
そして問題は、とても強いことだ。
いやめちゃくちゃ強い。徒手空拳だと俺が知る中でも指折りな気がする。流花でもまずいんじゃないか?
そんな猛威に対して、俺達も流石に追い込まれ気味で―
「呼ばれて飛び出て魔王、参上っ!!」
「お姉様ご無事ですかぁあああっ!!」
―麗華とリーナちゃんが舞い降りた!?
「態々知り合いで縛らなくてもいいんだけど!?」
「まったくね!!」
壁に直立立ちして連続斬撃を見舞う麗奈と、ロザリーが思わずツッコミを入れている。
まぁその辺は同意見。ただ、二人の場合は確かに優位性を取れるのも事実だ。
何せ二人とも、転生しているわけでも変成しているわけでもない。必然的に、ロザリーの特殊性は発揮しない。
加えて付き合いが長い分、比較的連携も取りやすい。これは確かに行けるか?
ただそう思った時、空から寒気を感じた。
「ロザリー下がれ。お前が相手をすることはない!」
「流石にお前では駄目だ。ここは引き受ける」
そう言いながら駆けつけるのは、純潔十字連盟の戦士達。
素早く麗奈に牽制の射撃を放ちつつ、俺達に対して臨戦態勢を取ってくる。
「っち! そりゃ増援も来るでしょうね!!」
「大丈夫、麗奈?」
躱しながら着地した麗奈に駆け寄るけど、服が多少削れてる程度で済ませてるのは流石だね。
ただ、問題はロザリーも下がる気配はない様だ。
「そうもいかないわ。……こと、この状況下で下がるわけにもいかないでしょ?」
そう答えるロザリーは、まだまだ全く問題なさそうだ。
ただ、こっちに向けてくる敵意が微妙な雰囲気になってるようなのが気になるけどね。
とはいえこのままだと厄介だ。
別動隊がさっさと不正悪魔をどうにかしてくれていることを祈るほかないよ、本当に……っ!
《兵藤一誠》
俺は今、唯織さんと真那月さんの二人を相手どっている。
本当なら、もっと圧倒できる。俺の乳技は女相手だと圧倒的過ぎだ。禁手に到達した英雄派の女構成員数人を一瞬で圧倒できるからな。乳語翻訳と洋服崩壊のコンボがあまりに凶悪過ぎて、正直自分でもびっくりしている。
それが今、封じられている!?
「悪いわね。こっちもちょっと、火急の事態だから……っ!!」
「……容赦できなくて、御免……っ!」
おかげで結構、手古摺ってる。
というより、二人ともかなり鍛えられていて強い。きっと一生懸命頑張ってきたんだろう。
神器を宿しているわけでもない。星辰光だって強力なわけじゃない。だけど……強い……っ!
かなり鍛えている。俺も頑張って鍛えてるからかそれがよく分かる。この二人、思っていた以上に基礎の部分で強い。
星辰光はどっちも、種類は違うけど聖なる光で作られている獣を使役している。確か第七愛欲騎士団は、全員が疑似星辰奏者だっていうしそれか。
それに身体能力が、疑似星辰奏者としても高い。俺の乳技が効かないことを考えると、そういう底上げの能力を持ってるのかもしれない。
だけど、それでも戦えている……いや、勝てる。
そんでもって、その理由も俺は分かってる。だから、今から仕掛けない。
「……もうやめましょうよ」
俺は二人の攻撃を躱してから、一旦距離を取って拳を下ろす。
運がいいのか悪いのか、これは乳語翻訳を使えなくても全く問題なく分かる。
だから、二人が攻撃の手を止めてしまうのも確信できてた。
「……どういう、つもりなの……っ」
真那月さんが歯を食いしばる。圧倒的に有利だと思ってなめてかかってるとでも思ったのかもしれない。
だけどそうじゃない。そうじゃない。
「さっきから攻撃に迷いが籠ってる。……二人ともじゃないですか」
昔、タンニーンさんに教えてもらったことがある。
籠った攻撃。それは、格上を隠したが倒すことだってできる攻撃だって。
具体的に何をって感じじゃない。むしろ曖昧なそれを、でも込めて攻撃に出せることができる人がいる。そして、それはただの威力に関係なく響くって。
そして二人と戦ったのは初めてだけど、それができる人達なんだろう。
……だから、籠ってるそれが分かっちまったら戦う気になんてならねえよ。
乳語翻訳が半端に効いてるのか、籠ってる何かが分かっちまう。
二人の攻撃に籠ってるのは迷いだ。戦うことを迷ってる。
「……俺は半年ちょっと前に悪魔になるまで、宗教に興味はないしすぐ和平になって良かったって思ってる。でも、そんな平和が苦痛な人がいるっていうのは、今ならちょっとぐらいは分かると思う」
ヴァーリに前に言われたことを思い出す。
俺にとっての平和を苦痛に感じる奴がいる。三大勢力が和平を結んで広めてるってのに、内部からも反乱勢力が出たりしてるのはそういうことなんだろう。
だけど、それなのにこの二人は元から穏便な対応だった。なんなら俺が二人と会ったのも、自分の子供達がいる孤児院に、送れるだけのお金を届けようとしたからだ。その後も、俺達を相手に戦うのではなく平和的にお金を届ける代わりにメッセンジャーになったりもしている。
きっとえぐいエロゲーみたいな経験をしているだろう人だ。自分の子供と分かってしまうと愛せるか分からないけど、だからこそ曖昧にして孤児院の子供達全員を大切に思えるような人達だ。多分、かなり悩んでたりしてたんだろう。
だけど、こんな状況で、悪魔の俺を相手に戦うのを迷ってしまうような人達が、これ以上戦い続けられるとも思えない。
「これ以上、純潔十字連盟にいて迷いながら戦ってたら死にますよ!? もう子供達の顔も見れなくなる……良いんですか!?」
あの子達は、二人のことは知らないだろう。
だけど、それでももう会えなくなってしまうのは間違いない。
これからも自分達から積極的に姿を現したりはしないんだろう。でも、いろんな事情で孤児院で育っているあの子達にとって、親のように愛してくれる人達がいなくなるのは可哀相だ。
二人にとっても、もう会えないかもしれないってのはやっぱり可哀そうだろ……!
「……そうはいかないわ。私達は、私達の意志で
唯織さんはそういうけど、でも動揺が既に見えている。
俺が本気で、三叉成駒を使えば間違いなく勝てる。
それでも、だ。
それだけじゃダメだろ。
俺は子供達のヒーロー、おっぱいドラゴンをやってんだ。
だから、俺は鎧も解除する。
つけようと思えばいつでもつけれる。だけど、手練れ相手にこれは隙だらけだろう。
でも、こっちも本気を見せなきゃ説得なんてできやしねえ!
「……正気!? 殺されたいの!?」
「迷ってる人相手なら、まぁ鎧をもっかいつけるぐらいの時間は稼げますよ」
真那月さんが大声を上げるけど、俺だって鍛えてる。
それぐらいは考えてるというか、できるというか。
でもだ。
そんなことより大事なことってもんがあるだろう。
「敵の前でそんな隙だらけなんて、死にたいとしか思えない―」
「―敵じゃないから、問題なんてないですよ」
唯織さんに、俺ははっきり言ってやる。
ああそうだ。二人は俺にとって敵じゃない。
この二人は、俺にとって、敵じゃない!
「子供のことを愛したいと願って、愛そうと頑張ってる二人のお母さんでしょうが二人は!
頼む、届いてくれ。
と思ったけど、なんか面食らって顔を真っ青にしてる。
『……相棒がすまん』
ドライグさん!? 珍しく人に聞こえるようにしゃべるのはともかく、なんで全力で二人に俺の行動を謝ってるの!?
めっちゃびっくりしたけど、ドライグはとっても呆れてる様子だった。
二人に対しても心から同情してるみたいだし。マジでどういうこと?
『あのな、相棒? 二人は大規模組織の
そんな風にドライグに言われて、俺はふと思い出した。
あ、俺の周りの人達。それに敵の幹部も普通に知ってたからちょっと感覚が甘かったかもしれない。
コカビエルがばらすまではリアス部長や生徒会長でも知らされてなかったのに……二人が知らされてるわけがねえ!?
そういえば最上級機密だった。いや、分かってはいたけど俺の周りは知ってる人が多いし、禍の団でも知ってる奴らとばっかり関わってたから甘く見積もってた。
でも第七愛欲騎士団は精鋭部隊らしいけど。でも精鋭部隊止まりだと知らされないのか。
「すいません!! 今のはオフレコでお願いしますっ!!」
全力で土下座したけど、二人とも顔色が真っ青になってる。
「……この子に限って、そんなウソを言うわけないわよね。つまり、その……本、当……っ」
「嘘でしょ……主が、私達の神様が……亡くなられているの……!?」
うぉオオオオオ!? 二人揃って顔色真っ青でへたり込んでるぅうううう!?
そういえばアーシアもゼノヴィアも絶望すらしてたの忘れてた!? ど、どうすればぁああああ!?
黒刃の狗神で切り殺せるなら、本体を再現すればデッドコピーでも神祖殺す手段に説得力が出てくるのではないか……という発想で今回のアイアンローズトップエージェントの能力が決定した感じです。ある程度の試し切りができるので、それなりに根拠もある状態ですね。
そしてイッセー、うっかりで信徒のメンタルをぶっ壊すの巻。周りに知ってる人ばっかりだったので、うっかりミス。