※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! 日々頑張っているグレン×グレンでっす!

 少しずつ小説も書き進めたい今日この頃、皆様も頑張ってくれると幸いです!!

 では本編!


第二十五話 混迷は神の域に

《木場祐斗》

 

 

 

 

 

 

 

 乱戦は更に激しさを増している。

 

 神祖の使徒が現れたと共に、その神祖の不死を突破できるらしく存在が介入したことで、戦いは混迷状態だ。

 

「「うぉおおおおおおおおっ!!」」

 

 純潔十字連盟とアイアンローズの高位戦力同士がぶつかり合い、その余波で僕達も揺るがされる。

 

 無数の聖なる輝きで構成される獣達が現れ、そして気づいた瞬間に無かったことにされたかのように消し飛ばされる。

 

 そんな中、敵はそれぞれが激突して死闘を繰り広げる。

 

 その戦いの中、当然だけど合間を縫うようにそれぞれの戦力が猛攻を仕掛けてきている。

 

 味方の位置すら把握することが困難で、咄嗟の反射で間違えて味方を切らないように気を付けるレベルの案件だ。油断すれば一瞬で同士討ちが起こるだろう。

 

 その乱戦を掻い潜りながら、僕は敵との戦闘を続け、そして敵の攻撃を察知して回避する。

 

「チッ! 神器頼りの癖によくやる!!」

 

「落ち着け。神器持ちだからこそ油断するな。聖書の神の走狗だぞ?」

 

 そう毒づきながら警戒を示すのは、転生悪魔と思われる悪魔達。

 

 なるほどね。アイアンローズが保護した悪魔ということなんだろう。

 

 アイアンローズのことだし、神器を宿してしまった者を中心に、主に耐えかねたタイプのはぐれ悪魔を積極的に保護しているのは分かる。おそらく、悪魔と手を結べた時は大王派の排除を行うことで問題は解決すると思っていたのだろう。

 

 そういう前提で彼らも過ごしていただろうし、裏切られたと考えているのだろうね。

 

 ……まったく。困ったものだよ。

 

「勝手に期待するのは自由にすればいい。だけど、そうもいかない事情があることぐらいは考え付いてほしいものだよ」

 

「ほざけ!!」

 

 これは僕達も苦戦しそうだ。

 

 無事でいてくれ、イッセー君……!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《兵藤一誠》

 

 

 

 

 

 

 

 

 とりあえず、とりあえず一旦休憩ってことにしよう!

 

 顔面蒼白になっている真那月さんと唯織さんを物陰に連れて行くと、飲み物探してとりあえず渡す。

 

 自販機がある街でよかったよ。避難が進んでるから、お店で買うってわけにはいかないだろうしさ。

 

「……二人とも大丈夫ですか?」

 

「……ええ……」

 

 真那月さんが全然大丈夫じゃない返事をしてる。顔色が真っ青だし目も虚ろだし。

 

 そういや、イリナって一週間ぐらい寝込んだって言ってたっけ。敬虔な信徒にとってはめっちゃやばい事実なんだろうなぁ。

 

「ははは……でも納得。こんなこと伝えられるわけないよね」

 

 唯織さんもやばいことになってるし。呂律が微妙になってる。

 

 どうしようこれ。みんなが戦ってる時にこんなことするのもあれだけど……このままにするのも絶対間違ってるよ。

 

 俺の所為でこうなってるんだし、その辺はどうにかしないといけない気がする。

 

「えっとその……でも聖書の神様はシステムってのを残してて、ある程度はやりくりで来てるそうです! ミカエルさんが言ってましたし、何ならあのコカビエルだってミカエルさんがよくやっているって言ってたぐらいですし!」

 

 そのおかげで何とかやっていけてるみたいだからな、うん!

 

 イリナもその辺りとかで何とか乗り切ってるし、これで行けるか……行けなさそう!?

 

 二人ともすっごく落ち込んだままだし。相当メンタルに来てるなコレ。

 

 どうしよう。俺はどっちかっていうと聖書の神様のこと好きじゃないから、ちょっと大変だぞ。

 

 神器を宿していたことで不幸になっている人が多いのもあって、どっちかっていうと迷惑なことをしている感じもあるしな。いや、ドライグを宿したおかげで何とかできたこともあるし全否定ってのもあれかもだけど。

 

 でもあんまり時間をかけるわけにもいかねえし。ど、ど、どうすれば……あ、そうだ!

 

「そういえば二人の子供達がいる孤児院なんですけど、俺もちょっと寄付してみました。おっぱいドラゴンの興行収入からちょっとだけですけど」

 

 もっと出してもいいかなって思ったけど、それはそれで問題だって感じだった。

 

 金があるから際限なく使うってのは経済観念があれになるって感じだった。秀華さんもそれなりに出してたけど、容赦なく大量って感じにはしてなかったしな。

 

 ……まぁ、信徒の子供が多くいる孤児院に、おっぱいドラゴンの興行収入はどうなんだって言われそうな気もしてきたけど。でもそれで気合が入るならそれでもいいのか……?

 

「あ、そうなの……じゃぁクリスマスとかは期待していいかな?」

 

 あ、唯織さんが復帰してくれた!

 

 やっぱり子供達のことを大切に思ってくれているんだよなぁ。いい人だ。

 

「そっすね。教会系の孤児院ってこともあって、和平活動の一環で異形や異能関係者をゲストにするって話もあったりしました。……二人からすると逆にあれですかね?」

 

 そこはちょっと怖いけど、二人ともそこは落ち着いていた。

 

「……いえ、信徒として我が儘を言っているのは私達だもの。その方が、きっと正しいわ」

 

 真那月さんはそう言うと、力が入らないのか弱弱しく上を向いた。

 

「でも、まさか主が亡くなられているだなんてね。……ちょっと人生の道が無くなった気分、何度目かしら……っ」

 

「そうだね……本当に、大切なものが無くなったよ……っ」

 

 うわぁ。二人揃ってすっごく落ち込んでいる。

 

 確かに、アーシアも卒倒したしな。イリナも寝込んだっていうしゼノヴィアなんてヤケクソ気味に悪魔になるし。

 

 真っ当な信徒にとっては猛毒なんだろう。俺からするとあれなんだろうか……世界の全ての巨乳がシリコン製とか言われるような感じか?

 

『確かにそうなんだろうが、その比較は信徒共が手を取り合ってお前の討伐軍を結成しかねんぞ?』

 

 自分でもそんな気がする。これは絶対言わない方がいい。最悪、アーシアはともかくゼノヴィアとイリナは怒りそうだし。

 

「その、元気出してください。ミカエルさん達はホント、神様がいなくても信徒達のことを思って頑張ってるし! アザゼル先生も「神がいなくても世界は回る」って言ってましたし!」

 

「「……いなくても、かぁ……」」

 

 言葉のチョイスをミスった!?

 

 どうしたらいいんだよ。これって完璧に、落ち込んじゃってるよなぁ。

 

 俺の所為だし責任感じるよなぁ。知った途端にこんなになるんなら、そりゃどの勢力も明かさない方向で推し進めるよ。

 

 ……でも、ここであんまり時間をかけるってわけにもいかねえし、どうしろってんだ―

 

「……赤龍帝だったな」

 

 と、そんな声が聞こえてきた。

 

 あと、もの凄い殺気がむけられている。

 

 恐る恐る振り返ると、そこには雨宮さんの弟の充二が、キレかかっている顔で俺を睨みつけていた。

 

「同志達のその様子……まさか新たな辱めをもたらす技を作り上げたというのか!? アイオーンを超えたというのか!?」

 

 やばい凄い誤解されている!?

 

「貴様ぁ……許さん!!」

 

 絶対に誤解されてるよぉおおおおおおおお!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《樹下誠二》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、どうすんのこれ!?」

 

 御崎さんが周囲の荷電粒子の散弾を雨あられと撃ったことで、俺達はある程度乱戦でも立ち回ることができている。

 

 シュテルン・フランメの奴は基本的に高野創氏を援護する形で立ち回っており、更にそこでアイアンローズの夕月とかいうトップエージェントや、ロザリオの吹本塩谷が絡んで乱戦状態だ。

 

 そして高野創氏は下辺を上手く援護しながら、ため息をついた。

 

「ひょんなことで同窓会になって大変だよ。というか、吹本君のお子さんがあの子だなんてね。……学生結婚ってふしだらだね?」

 

「俺以外のクラスメイト全員で淫行にフけさせるやつに言われたくないよ、本当にダルいなお前」

 

 そしてもう頭が痛くなりそうなことを言い合っているな。

 

「……うぁあああああああ忌々しい過去が思い出されるぅううううううう」

 

 そして御崎さんも盛大に悶えている。

 

 話を総合すると、高野創氏は手練手管を使ってクラスメイト全員で淫行関係を結ぶなんて真似をしていたが、塩谷だけが例外枠だと。つまり流れ的に御崎さんは非例外枠ということだろうか。

 

「すぐにでも俺の子供を返せ。そうすればロザリオは手を引いて三大勢力に任せてもいい」

 

「やだよ。君の子供だと分かったら素直に返したくなくなったしね」

 

 剣と銃剣でつばぜり合いながら、二人はにらみ合う。

 

「君は我が子を攫って利用している俺のことが嫌いだろうけど、俺も君が嫌いなんだよ……俺がこうしてるのはある意味で君の所為なんだしね……っ」

 

 そのまま強引に塩谷を押し飛ばすと、二挺の重機関銃で距離をとりながら制圧を図る高野は苛立ちを見せている。

 

「高校でも退学になったか? ダルい自業自得だろうが、クラス丸ごとヤリ友状態とか、ふしだらすぎて醜聞まっしぐらだろ」

 

「あれは練習と同時に下準備だったんだよ。俺の力を効率的かつ合法的に活用した生活をするね」

 

 舌打ち交じりの塩谷に対し、高野は苦笑いを浮かべている。

 

「神祖の特性をうかつに明かすと大変なことになるのはすぐ分かったし、体内で向精神物質を化合するなんて能力、堂々と使えば余計な疑念も浮かぶだろ? 開き直ってこういう風に裏社会で動く選択肢もあったけど、余計なリスクを出さずに合法的に豪勢な生活をするプランがあるならそっちの方が堅実じゃないか?」

 

「なるほどな。つまりエロの力で人心掌握して、そのコネクションで起業する……と?」

 

 情報を引き出すことも考えて、俺はそう口を挟みながら魔剣を連続投擲する。

 

 それを回避しながら、高野創氏は肩をすくめる。

 

 当たらずといえど遠からず。そういったところだろう。

 

「都合のいいパトロンが欲しかったのさ。あとは俺の特性を上手く利用して、警備会社でも作ってその裏ボスとして悠々自適……というのが理想だったんだけどね」

 

 そう語りながら、高野創氏は肩をすくめる。

 

「実際上手くいきそうだったんだよ。なんでも俺の家は、室町幕府初代執権の血が流れてるとかいう話でね。覇権を握れるチャンスを逃さず掴み取れるようにって、色々と英才教育を受けてたから」

 

 そう、つまらなさそうに高野は吐き捨てる。

 

 その雰囲気を、俺はよく知っている。

 

 波柴藤花。秀華の妹でもある、英雄派のサブリーダー。

 

 あえてコハヤ・リバーと名乗り、波柴一族としての活動を行おうとしなかったあの女と、似た表情を浮かべている。

 

「面倒くさいよねぇ、過去の栄光に縋りすぎっていうか? 堂々と高い地位にいると責任も重いしルールも厳しい。彼らを裏で動かせるポジションの方が楽じゃない?」

 

「あぁ~。そういえば元華族がいたな。おかげでちょっと日本に居づらくなったんで、海砂さんの件もあってダルい引っ越しをしたから忘れてた」

 

 攻防を繰り広げながら、二人は中々情報を明かしていく。

 

 また面倒なのが天然で。というか、神祖がこんなところに根を張っているってマジか?

 

 戦慄を覚えるが、戦闘も続いていく。

 

 というよりだ、神祖どもはどういう方法で現れているというのやら。

 

 もうちょっと語らせた方が、情報は掴めるか。

 

 だが、そこまで塩谷は思い至っていない。というより、そちらに意識を割く余裕がないだろう。

 

「思った以上にダルい奴だな、お前。いい機会だし聞いていいか?」

 

 そして攻撃を的確に裁きながら、明確に苛立ちながらも疑問を顔に浮かべ。

 

「なんでセックスごときにそんなにハマるんだ?」

 

 と、そう言い切った。

 

 ……なんか、方向性がおかしい。

 

「え? 何言ってんのお前?」

 

 シュテルン・フランメが真顔でそう言うんだが、塩谷は首を傾げていた。

 

「いや、悪魔払い(聖職者)を目指す気になってからであれなんだが、クラス全員がエロ追及だろ? うっかり経験して身を持ち崩したら笑い話にもならないから、ダルいけどお年玉貯金全部使って、成人してから高級風俗店でとにかく「一番エロが得意なコース」を試しまくったんだよ、五件ぐらい。……一度経験すりゃ十分だろあんなもん」

 

 真顔だった。

 

 多分これ、本気で疑問だっただけだ。いい機会だから聞いてみたかっただけだ。

 

 マジだこいつ。快楽堕ちとかそういったのと無縁なタイプだ。

 

「……男だよね? オナニーとかは?」

 

 割と真顔で高野創氏が尋ねるが、方向性はそこでいいんだろうか?

 

「あ? と~…………そういや成人してから一度もしてねえな。風俗で経験できるだけしたし、別にする気にならなかっただけだぞ?」

 

 たまにいるよな、こういうやつ。

 

 凄いな。俺も大概貞操観念が壊れているから、戦慄を覚える。

 

 そりゃ奇跡の子を作れるわけだ。性欲に振り回されない青少年とか、やばいだろう。

 

「……一周回って怖い」

 

「存在の格が、違うね」

 

「正直羨ましい、わね」

 

 海砂さんも流花さんも信子さんも戦慄している。さもありなん。

 

「ま、じ、か~……」

 

 シュテルン・フランメもドン引きだった。

 

 が、そのままでいられるわけでもない。

 

「可哀相やわ~。あんないいものをいいって思えへんなんてなぁ? そう思わん、海砂はん?」

 

 そう、二挺の短機関銃を構えながら創氏の取り巻きが海砂さんに声を投げかける。

 

 え、あの人海砂さん知ってるのか!?

 

 いや、期間は短かったが海砂さんは元メジャーアイドル。知っている奴は知っている。全方位系のドルオタならあるいはあり得る。

 

「……ぁ」

 

 だが海砂さんが妙な気づき方をしたぞ!?

 

「海砂、知り合い!?」

 

 信子さんが声をかけると、海砂さんは愕然とした表情を浮かべ―

 

「あの関係者用バラエティ擬き大会の!?」

 

 ―絶対深堀したらいけない類の案件だった!?

 

 賭けてもいい。波柴一族案件だ。バラエティ擬きのAVを更に性質悪くしたようなのをやらかしたに決まっている。

 

 レクリエーションに見せかけた洗脳工作で、俺らも経験あるからな!? あいつらそういうのやるんだよ!!

 

「思い出してくれたん? 懐かしいわぁ、前のダーリンと一緒に追い抜かれたのはちょっと残念やったわぁ。ラブラブしすぎるのも考えもんやね」

 

 和やかにそんなことを言っている相手だが、色々とえげつない情報が出てきそうだし流れるように魔剣の投擲で牽制を敢行する。

 

 だがそれを、割って入った女が瞬く間に迎撃する。

 

 薙刀で薙ぎ払うが、意識的にスピードを低下させた投擲でタイミングをずらし―

 

「甘いわね」

 

 ―それを、鎖分銅へと切り替えることで弾き飛ばした。

 

 金属変成系統の星辰光か。厄介極まりない。

 

 そしてそれをなした女は、流花さんの方に視線を向ける。

 

「……というより、もしかしてあなたは旗本流花? 破門された貴女とこんなところで会えるとはね」

 

「……やっぱり、旗本流……っ」

 

 流花さんが歯噛みするが、なるほどな。

 

 旗本流は武芸十八般。その中には薙刀と鎖分銅が存在する。

 

 ええい。本当に厄介なことになってきたな、オイ……っ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《Other》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 四方八方で激戦が続く中、情勢は更に動き出そうとしていた。

 

「……フフッ♪ こっちの方が面白そうだと思ったけど、正解ね♪」

 

「さて、ロキばかりに遊ばせるのもしゃくだからな……ここからだ」

 

 得意げな表情を浮かべながら、それぞれの都市に上位種が足を踏み入れる。

 

 原初の神、ニュクスとエレボス。

 

 アイアンローズに与した神々が一角が、ついに戦場へと突入する。

 




 ちょうどいい機会なので、ニュクスとエレボスにはこの章で退場してもらうべく登場してもらいました。

 この二柱、ハーデスにとっても地味に迷惑な動きをする愉快犯じみたポジションなので、カンフル剤にピッタリなんですよねぇ。
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