※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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はいどうもー! 最近太り気味のグレン×グレンでっす!

あと自炊したいですねー。手取りの金の多くが昼飯に消えていく事態はいい加減減らしたい……!

では本編!


第二十七話 休戦は激戦の序章

《Other》

 

 

 

 

 

 

 

 

 日本側の作戦本部では、立て直しがだいぶ進んでいた。

 

 元々組織力がしっかりとしている自衛隊や警察からもある程度の協力体制を取っていることもあり、面の対応力でかなり対応が進んでいた。現地で荒事になれているスターディフェンス株式会社とも連携を取れているところが大きい。

 

「……うっし! 現場でのある程度の連携体制も取れたぁっ!」

 

 ガッツポーズを取った秀華は、すぐに気を取り直すと周囲の状況を把握することに努める。

 

 現在、桃山警護事務所のメンバーは分散してのサポートだ。

 

「所長、日本政府側及び日本で活動している異形との連携体制が取れたようです。おそらく十分もあれば第一陣は送れるかと」

 

「逐次投入は愚策だし、今の現場でもある程度は対応できてる。三十分かけてなるべく大規模にして一気にしかけてほしいって伝えといて」

 

 青蘭を補佐にしつつ、秀華は状況を素早く把握して対応準備を整える。

 

 戦術的に逐次投入は愚策。そもそも包囲しての戦闘である以上、敵の増援が来る可能性はこちらの増援よりは少ない点も大きい。

 

「増援の当てが付いた以上、無理して攻め手を取る必要はありません。民間人の安全及び、戦力低下を避けることを重視してください! 本格攻勢は増援到着後でかまいません!!」

 

 マリヤ・アスモデウスが悪魔側の全体指揮を執っていることもあり、こちらは比較的連携を取りやすい祓魔省側のメンバーとの連携や、遊撃に人材を回せる。既に手練れと接敵している以上、十分すぎるほどに動きは取れているだろう。

 

 そして、悪魔側の指揮維持を考慮する都合上、自分はこちらに残っている方がいい側面もある。

 

 故に椅子に座りつつ、呼吸を整える。

 

 状況次第では翠星晶鋼を用いた補佐をする必要がある。それに集中するべきだろう。

 

 周囲警戒の為に神器を回しているが、その程度でしかない。

 

 時間は掛かるが、不正貴族の摘発は及第点以上の結果が期待できるだろう。

 

 だが、もはやそのレベルの問題を越えていると言ってもいい。

 

 純潔十字連盟側の者が親である奇跡の子が誘拐され、不正貴族の誰かの手に流れている。それによって彼らが連れ込まれた候補である都市に潜入していた。

 

 別件でアイアンローズまでもが来ており、禍の団からも何故か復活させてもらっているシュテルン・フランメが参戦。

 

 とどめに、奇跡の子を誘拐して取り込んだのはトキコ・アガレス一派。それも追加されていく情報から見て、高野創氏という()()に支配されている。

 

 不幸中の幸いは、経験が薄いがゆえに保険隣りの朱乃が派遣された冥界ではなく、経験値のある誠二がいる日本側に神祖がいたことだ。

 

 冥界にいたトキコ・アガレスが使徒だというのは面倒なことだが、神祖としての主力は日本側に集まっているのも大きい。

 

 だが、事態は簡単に終わるものではないだろう。どう考えても状況は厄介というほかない。

 

 不正悪魔が戦奏教団に接触を図っていたことから想定はしていたが、実際に出てくるのはやはり話が別なのだ。そして、一人いるのなら更に複数人出てくる可能性もある。

 

 神祖そのものは数も少ないから一人だけの可能性は大きい。だが最悪替えを用意することができる使徒に限れば、別の神祖が保険として送り出してくる可能性は大きいのだ。

 

「最悪、戦奏教団が外からぶん殴ってくる可能性もあるしね。その辺本当に気を付けとかないと」

 

「あり得ますね。……最も、多少の違和感はありますが」

 

 ボヤキ交じりの秀華の言葉に、青蘭は同意しながらも懸念を覚えていた。

 

 それを視線で促すと、青蘭は頷いた。

 

「神祖のある意味で最大の力であるあの大樹。あれを出さない理由が分かりません。もっとも、神祖については分からないことが多すぎるので理由の推測もできませんが」

 

「……それかぁ」

 

 納得し、秀華は思わず天井を見上げる。

 

 戦奏教団。特に結晶化した星辰体である翠星晶鋼を操る神祖については理解が及んでないところが多すぎる。

 

 自分が限定的に使えるからそれそのものの研究は日本で出来ているが、それでも星辰体そのもの特殊性もあり、分からないことは多いのだ。

 

 この戦い、もしかするともっと大きなずれがあるのかもしれない。

 

 そう思い、秀華は周囲に聞かれない声量で、呟いてしまう。

 

「無事でいてよ、皆……っ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 乱戦の中、匙元士郎のフォローを行っているシトリー眷属は、その乱戦の原因に辿り着いた。

 

「純潔十字連盟側の者が生んだ奇跡の子? それが誘拐され、この街に連れ込まれた可能性があると?」

 

「そうなのよ。正体を偽って中立的な教会の孤児院に預けてもらってたそうなんだけれど、そこが異能系の犯罪者に襲われて誘拐されて、トキコ・アガレスの関係するところに連れ込まれたらしいの」

 

 ソーナに対し、紫藤イリナは聞き出した情報を説明する。

 

 純潔十字連盟がこの街に来た原因は、トキコ・アガレスがある意味で原因。

 

 異形系犯罪組織と繋がりのあったトキコ・アガレス。彼女が異形系の犯罪組織から、誘拐してから気づいた奇跡の子を受け取ったのがある意味の原因だ。

 

 純潔十字連盟側の信徒である父親が、それに気づいたことでロザリオ聖教国の諜報部門も参加して捜索された結果、日本の地方都市に別荘を持ちつつ、この街を本拠にしている不正貴族の誰かの手に渡ったところまで把握。その為、教会暗部が枢機卿にも内密に建設していた冥界攻撃用極秘拠点を利用し、本格的に冥界で捜索活動がされていたのだ。

 

 もっと大規模な軍勢を引き連れての大攻勢も提案されたが、「奇跡の子を誘拐するなんて言う手段を、教会主流派と和平を結んでいる悪魔側がする意義は薄い。これは一部の犯罪組織が行っている可能性が高い」という意見から、いつでも軍事的侵攻ができるどまりにする方針となった。

 

 最も、悪魔や堕天使との和平に不満を持つ者だらけの純潔十字連盟。ふとしたきっかけで一気に暴発して乱戦へと繋がったのだが。

 

「……で、それを天使として聞いて話を通すと約束したのに、戦闘に参加するのはいかがなものですね」

 

「ごめんなさい! 学友のピンチに天使として助けに入らないといけないって思っちゃって……っ」

 

 暴走気味のイリナへの説教は控え、ソーナはすぐに意識を切り替える。

 

 幸か不幸か、純潔十字連盟とこの場での目的は競合しない。

 

「シトリー家次期当主の名において、奇跡の子の救出に徹するのであればそちらに危害を加えないよう、全体に言明を下すことができます。……我々にとっても不正貴族とトキコ・アガレス一派は敵。そちらにとっても最優先すべきは奇跡の子の救出と見ますが?」

 

「……ふむ。確かに今回の作戦はそれが本命。我らとしても主を報じる心まで捨てたわけではない以上、主の意向にも沿った判断なら……優先順位をはき違えない程度のことはするべきか」

 

 冷静なソーナの言い分を聞き、第七愛欲騎士団長であるフランツは、少し考えたうえで頷いた。

 

「いいだろう。私としても戦士塩谷の子を救うことが最優先だ。……全部隊に通信を繋げ! 話が成立するまでは彼らに対する警戒は怠るな!!」

 

 話が分かる側の戦力で助かった。

 

 ソーナは内心でそう思いつつも、こちらも警戒を解かない。

 

 だが、話が通ればこちらとしても都合がいい。

 

 不正貴族の摘発が目的である為、内通者の保護などが目的だったであろうアイアンローズは敵のままだ。だが純潔十字連盟とこの戦いだけでも相互不可侵が取り付けられるのは不幸中の幸いだろう。

 

 というより、教会や天界と和平を結んでいる現魔王政権にとってもその事態は好都合。むしろ交渉の余地があると思わせれれば、平和的な解決は駆れるだろう。

 

 だが、それだけでことが解決するとも思えない。

 

 この混迷としている戦況を憂い、ソーナは内心でため息をついてしまっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《空本麗夜》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 振るわれるロザリーの猛攻を捌き、そして互いにひと段落を入れるように距離を取る。

 

 間違いなく絶大の強さだ。これだけの戦士が他にも数人いるというのなら、和平に反対するにしても強い説得力が生まれるだろう。

 

 勝算があるのなら戦争をなあなあにする必要はない。そう考える者達は一定層いるだろうしね。

 

 裏を返せば、彼女クラスを撃破できれば和平反対派である純潔十字連盟の士気にも大きな影響が出てくるだろう。

 

 そう思ってはいるんだけど、ね。

 

「……流石に面倒ね。この質の数を潰すのには手古摺るわ」

 

「そちらも驚くべき強さではないか! 正直本気で驚いているぞ!」

 

 麗華がそう言い返すけど、ちょっとワクワクしているよね?

 

 本人も自覚があるから抑えているけど、転生という昨今の大きな影響力を持つ概念に圧倒的優位性を誇るその能力に、麗華のロマンがめちゃくちゃ刺激されてる。

 

 どうにも当事者意識が欠けるというか、消費者意識で人生の窮地を見るところがあるからね。自制は出来ている方だけど、フォローは必須だ。

 

 麗奈も既に呼吸を整えながら、周囲の警戒もしているし。生体レーダー能力も使ってる感じだね。

 

 となると、俺は麗奈の索敵に応じて即応する担当か。ロザリーとの正面戦闘は、麗華以外だとリーナちゃんに任せるほかないしね。

 

 ただまぁ、ロザリー側がイラつきを見せているけれど。

 

 なんか明らかにストレスが溜まっている。いったいなんでだ?

 

 ただその時、魔法陣が繋がった。

 

『全純潔十字連盟の戦士達と、三大勢力に告げる!! 現場の悪魔と話がついた! 奇跡の子の奪還に限り、我々は相互不可侵の条約を結ぶ!! 互いに奇跡の子の救出が完了するまでは攻撃を行うな!! これは極晃聖奏者様からの命令である!!』

 

 ……おおう!?

 

「はぁ……~~~~~~っ!!」

 

 こっちが驚愕していると、ロザリーももの凄く腕をプルプルさせいてたけど、やがて息を吐いた。

 

「……さっきまで殺し合っておいて連携って柄でもないわ。奇跡の子の救出に専念させてもらうわよ」

 

 と、とりあえず安全は確保できた感じなの、か?

 

 そう思ったとき、麗奈が急に明後日の方向を向いた。

 

 え、何事!?

 

「……やばい。なんかでかいのが来るわよ!!」

 

 嘘でしょ、ひと段落付いたかと思ったのに!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《兵藤一誠》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……緊張感が走ったと思ったけど、なんか話がついたみたいだ。

 

 ただ、充二の奴は俺を睨みつけている。

 

「……確かに戦闘は避けるべきだろう。だが、同胞に対し不埒な真似を働いたというのなら……裁きを受ける覚悟をもって一撃ぐらいは入れるべきか……?」

 

「本当に違うから!? っていうか、洋服崩壊も乳語翻訳も封じてたろ、あんたら!!」

 

 めっちゃ誤解されてる!? 殺気向けられてる!?

 

 というより、なんで対策ばっちり決まってるのに何かした扱いなんだよ!?

 

 むしろ対策が決められてちょっとショックなんですが。俺には落ち込む権利もないってか。

 

 ただ、充二は凄い警戒していた。びっくりするほど警戒してた。

 

「貴様用に用立てられたソピアーの加護を受けた信徒達なら、貴様の不埒な技にも対抗できる。だが、試算の段階でも禁手の力を収束させれば突破可能な程度だからな」

 

 そうだったんですか!?

 

 ってことは、頑張ればどうとでもできたのか。くそ、もっと試すべきだった……そうじゃない。

 

 俺の煩悩を察知したのか、充二の奴は警戒心を上げているし。

 

 オーディンの爺さん相手に真っ向からやりあえる奴と戦うのは、流石に一対一だと厳しいぞ!? というか、街が滅びる!?

 

 俺がどうしたもんかと思ってると、真那月さんがいつの間にか割って入っていた。

 

「待ってくれ、戦士……雨宮。彼から、不埒なことは……されて、ない」

 

 真那月さぁあああん!! マジでありがとうございます!?

 

 でもふらついてますよ!? とりあえず支えるけど、まだ休んだ方がいいんじゃないか!?

 

「……そう。その、機密情報を聞いてしまっただけ。……ここでいうのは、ちょっと無理があるけれどね」

 

 と、伊緒さんもそう言ってくれる。

 

 ありがとうございます。真面目にありがとうございます。

 

 充二もその反応からとりあえず、すぐにでも切りかかろうって雰囲気じゃなくなったな。

 

 っていうか、あの通信って何だったんだ?

 

「そういや奇跡の子って……確か人間と天使のハーフだっけ? そんな子を救出って……どういうこと?」

 

 ちょっと状況が分かり切ってないんだけど、マジでどうなってんだよ。

 

「単刀直入に言えば、俺の同胞が自分の子供を離反前に正体を隠して孤児院に預けていたのだ。……が、異形系の犯罪組織が誘拐し、捜索した結果、悪魔の不正貴族に流れたところを掴んだ。その為、想定される候補を絞っての作戦が決行されたのがこの事態だ」

 

 充二がそう言うけど、かなりやばい事態だよな。

 

 と、真那月さんが調子を取り戻してきたのかため息をついた。

 

「奇跡の子は私達信徒にとって、最重要クラスの尊き存在。それは和平派も変わらないから隠密にする予定だったのだけれど、ことがことだから大部隊の運用が前提になったんだ。……それで比較的穏健派を中心に都市に潜入させていたのだけれど」

 

「……俺が二人を見つけちゃったわけかぁ」

 

 うわぁ。ややこしいことに。

 

 いや、不正貴族の一斉摘発が俺達がここに来た理由だし、多分結局激突してたんだろうなぁ。

 

 でも、生徒会長のおかげか知らないけど話はついたみたいでよかったんだろうか。

 

 ……でも誰がそんなことをしたってんだ?

 

 と、その時俺の耳に通信が届いた。

 

『こちら作戦本部! 地球側、秀華さま経由で桃山警護事務所より情報提供!! トキコ・アガレスは神祖に従属しており、その過程で奇跡の子を犯罪組織から譲り受けたという発言を確認したとのこと! トキコ・アガレス関係の物件に奇跡の子が連れて行かれている可能性が高い!!』

 

 えっと、神祖が来た!?

 

「神祖!? 異形(こっち)側には全然触れてこなかった、戦奏教団が関わってるっていうの!?」

 

 伊緒さんが驚いているけど俺も驚き。

 

 っていうか殺しても死なない奴が出張ってるって……大変なことになってるじゃねえか!?

 

 と、とにかく奇跡の子を助ければ純潔十字連盟側は帰ってくれそうだし、まずはそこからだよな。

 

 そう、思った時だった。

 

「「「「っ!?」」」」

 

 俺達全員が、寒気すら感じた。

 

『……気をつけろ相棒。フェンリルやロキほどではないが、これは蛇を使った魔王の末裔共に匹敵するぞ……っ』

 

 ドライグまで警戒心を見せてきやがる。

 

 っていうか、それってつまり魔王クラス並の脅威ってことじゃねえか!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《Other》

 

 

 

 

 

 

 

 

 日本。冥界。その、不正貴族達の摘発から始まった大連戦が続く二つの地方都市。

 

 既に民間人の避難もだいぶ進んだタイミング。それを見計らうように、空間が歪む。

 

 現れるのは、全長25m近い巨大な人型。

 

 両手には大型のトンファーを持ち、両腕にはそれぞれ三門の砲身が見える。胸部には短い砲門が見え、全身は結界が薄く張っているのか薄く輝いている。

 

 それが上空100mを超える地点に浮かび、周囲を睥睨するように頭部が動く。

 

 そして、二機はそれぞれ、敵の群れを見つける。

 

 くしくもそれは、脱出を試みていた不正貴族とその私兵。

 

 別段、二機にとって不正貴族の優先順位は低い。

 

 だが、敵だ。そして、この巨体である以上既に気づかれている。

 

 なので、敵を滅ぼすことにする。

 

 頭部に埋没されていたスリット。そこに内蔵されていた四門のガトリング砲が回転し―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『『『『『『『『『『ギャァアバッ!?』』』』』』』』』』

 

 

 

 

 

 

 

 一瞬で、上級悪魔すら殺傷する砲撃が、嵐のように殺到した。

 




 乱戦の果てに奇跡の子が流れ弾をもらってもあれなので、今回は上の人も話が比較的通る側だったことから一時休戦。

 ですがそれに伴い、アイアンローズが派手なことをしてきてさあ大変!
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