※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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はいどうもー! 最近執筆速度が急上昇しているグレン×グレンでっす!

ただそうなると別の問題として、ある意味での本番に突入した後が悩みどころですねー。

以前この作品を多重クロスにするつもりだったけど、しないでほしいという意見があったのでやめとこうか……という話をしたと思います。

ただそうなると多重クロスにしないで本作のある意味で真の本番を書く必要がある。

ものっそいネタバレになるから根幹部分は言えないんですが、脳内プロット段階ではクリフォト出てくるタイミングぐらいでACE:Rじみた多重クロス展開になるというか、なることを大前提として神世晃星の根本作ってるんで、多重クロスにしない場合にどうやってそのあたりのバランスとるかで困っていたり。

正直ちょっとご相談したいレベルなので、超絶ネタバレ込みの活動報告をこれ予約投稿した後に乗せておきたいと思います。……いやマジでどうしようか。


第三十四話 神食らう蛇

《樹下誠二》

 

 

 

 

 

 

 

 

 趨勢は一気に傾いた。

 

 状況を引っ掻き回してくれたシュテルン・フランメも撃破。面倒なのがいなくなったおかげで、一気にこっちに注力できる。

 

「……上等だよ。こっちも奥の手を切るしかないってことか!」

 

 と、高野創氏が舌打ちする。

 

 まだ札があるということか。

 

 最も、この流れで使っているのはもはや悪あがきに近い。

 

 それだけ向こうが追い詰められている証拠。ここは徹底的に追い込む!!

 

「ダルい悪あがきをしてんじゃねえよ。……これで、終わらせる!!」

 

 そう吹本塩谷が吠え、その瞬間に楯を具現化。

 

 そのまま弾幕を無視し、シールドバッシュで跳ね飛ばす。

 

「不死身相手に押し切る手段がなかったんで黙ってたが、俺は神器保有者だ」

 

「そうかい。だけどねぇ!!」

 

 そう言いあい、高野創氏が星辰体と更なる感応を遂げる。

 

「創生せよ、天に描いた極晃を―――我らは神代の流れ星!!」

 

 こいつも……俺と同じで二つの星辰光を!?

 

 その瞬間、奴はこっちに対してごり押しをしかけてくる。

 

 星辰体との感応レベルが高まっている……いや、これは質が違う。

 

 感覚的には俺の反粒子に近い。何かの質が、決定的に異なっている。

 

 おかげで基本性能は一段上に上がっている。存在のステージが上乗せされているような感覚だ。

 

「これが神祖……戦奏の恩恵そのもの!! なめてもらってるところ悪いけど……君達とは星辰体の運用ステージが違うんだよねぇ!」

 

「なるほどな。まともに張り合うなら、最低でも魔星クラスが必要ってことか」

 

 状況は分からないし、詳しいことは分かっていない。

 

 だが、これが奴の神祖としての切り札。基本性能の大幅向上。

 

 なら、慣れればやりようは十分にある。

 

 既に三回は切り付けられている。不死特性は少しずつ切れているし、牽制の射撃を躱しつつ動きを見切れば十分狙える。

 

 とはいえ、外野を踏まえると更に厄介な訳だが―

 

「いいぜ。良いことを聞いたからダルいことをしてやる」

 

 ―その厄介さを、投げ飛ばすように吹本塩谷が楯を投擲。

 

 それを創氏は回避するが、それを囮としたのか塩谷は一振りの剣を引き抜いた。

 

 発動体の聖剣……か?

 

 違和感を覚える。そして、それはすぐに答え合わせがされる。

 

「天賛せよ、我が守護星―――鋼の聖光(イノリ)で世界を統べろ」

 

 その起動詠唱(ランゲージ)と共に、吹本塩谷がステージを上げる。

 

 奴が星辰奏者なのは知っていた。だが、今の奴は星辰奏者という領域を超えた。

 

 感応量が、明らかに違う。

 

 その事実に、高野創氏も気が付いたがゆえに目を見開く。

 

 それは、明らかに致命的な隙だった。

 

 俺は踏み込む。創氏は反応して銃を構える。

 

 そしてその後ろから、投擲された盾が激突した。

 

「……なっ!?」

 

「ダルいな。それは予想しとけよ」

 

 驚愕する創氏に、塩谷がため息を吐く。

 

 明らかに異常な機動。見えているからこそ分かるそれは、星辰光の能力か。

 

「投擲物の軌道制御能力ご苦労。それじゃあ俺もだ」

 

 瞬時に反粒子を放ち、瞬間的に狗神へと切り替える。

 

 露骨な一撃必殺を囮にした連続ヒットにより、創氏は明確に焦りを見せる。

 

 さて、それじゃぁそろそろ巻いていこうか……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《Other》

 

 

 

 

 

 

 

 

 致命的にやらかした。戦闘を繰り広げる中、旗本流花はそれを痛感した。

 

 秀華の星をもってして、彼女の意志力を借りた覚醒で禁手に至る。これはいい。実際に至ってもいる。

 

 だが、これは英雄派による任意で至る機能と天然の到達をハイブリットで運用する物。つまり、事前に至る形を決めている場合はそれに引っ張られる。

 

 ……つまり、ただでさえサポート型の神器をそれを高める禁手に至らせればどうなるか。

 

 言うまでもなく、戦闘能力という点において明確な強化になっていない。

 

 基本性能が高まったことである程度戦えているが、それ止まりだ。

 

「やらかした~~~っ」

 

「間抜けが! これが、当代最強すら狙えるとされる少女の成れの果てか!!」

 

 激高して猛攻を仕掛ける相手を、流花は漸く思い出せた。

 

 旗本月花(はたもと つきはな)。確か師範代にまで至った旗本一族の女性だ。

 

 それがこんなところに落ちぶれる。その責任の一端が自分にあると思うがゆえに、流花は負けられないとも思う。

 

 旗本流の悪用。それをぬぐう為にも、そのきっかけとなったであろう自分が行わなければならない。

 

 そう。そしてそれは彼女だけではない。

 

 瞬時に星辰体感応合金(アダマンタイト)に干渉して切り替えていく月花の星と武を凌ぎながら、流花は思う。

 

 旗本鏡夜。かつて愛し、そして裏切った男。

 

 彼が禍の団の英雄派として活動するその責任。その一端は間違いなく自分にある。

 

 無理して何とかしようとする必要はない。そういう人は確かにいるだろう。

 

 だが、自分が何もしないでいることを流花は良しとしない。鏡夜の問題を、他人事として触れないでおきたいと思わない。

 

 それが、自分自身の意志。悪魔となってでも、自分がやり直すことを選んだことに対する責任であり―

 

「……あ」

 

 ―それが、全てを悟らせた。

 

 一瞬の空白。それを月花は逃さない。

 

 だがそれよりも早く、流花はそれを実行する。

 

「これをこうして……っ!」

 

 瞬間、打撃と打撃のぶつかり合いは流花が制した。

 

 それは圧倒的なまでの衝撃。月花が目を見開くほどの、瞬間的な打撃力の大差。

 

 そしてその瞬間、月花は目にする。

 

 流花を庇う様に纏わりつく、魔力の蛇を。

 

「それは、まさか悪魔としての能力を強化する禁手だと―」

 

「違うよ。これは禁手じゃなくて応用技。それを、本当に意味で私に合わせて使っているだけ」

 

 旗本流花の戦闘手段は、大きく分けて三つ。

 

 一つは磨き上げた旗本流の武芸。

 

 二つ目はそれを底上げさせる、武器の虚像を創り出す星辰光。

 

 最後は、回復系神器である聖母の微笑を、身体機能の活性化という形で使用する派生技。聖母の祝福受けし戦士(トワイライト・ウォークライ)

 

 悪魔であろうと治癒することのできる神器。その力を応用した技だが、ならば考えられることが一つあった。

 

 それは、悪魔の身体機能を活性化させるということ。すなわち、()()()()()()()()()()()()()という可能性があるはずだったのだ。

 

 あまりにも迂闊。あまりにも盲点。

 

 武芸者としての視点。人間としての視点。その二つが、本来すぐにでも気づくべきこの可能性を今の今まで隠していた。

 

 それに気づけたのは、たまたまではないだろう。

 

 自分が強くなり、鏡夜を止めることを望んでいること。そして、自分自身があまりにも陰っていたことを今更ながらに気づけたこと。それが、本能レベルで可能性を無意識に探らせていた。

 

 それが今辿り着いた。これはただそれだけの事。

 

「土壇場の付け焼刃如きで、舐めるなぁ!!」

 

 激高する月花は、美しいまでの武芸をもってそれを攻略しようとする。

 

 当然だろう。積み重ねた武芸を持って挑む身として、土壇場の新技なぞに完封されるなど矜持が許さない。

 

 だが、流花はそれを理解したうえで、動揺することなく踏み込んだ。

 

 瞬間、振るわれる薙刀は斧で両断される。

 

 ありえないようなその武芸。その姿を見て、月花は目を見開く。

 

「バカな!? そんな急に、ここまで腕が増すなど―」

 

「―違うよ。これは、取り戻してるだけ」

 

 流花は静かにそう断言出来た。

 

 元々持っていた物を、今取り戻し続けている。これはただそれだけの事。

 

 心折れ、魂を腐らせ、矜持を落とした女。そんな旗本流花の武芸が、陰っていくのは当然だった。

 

 それを自覚した。良しとしないことを選んだ。それが、そこに沈めていたそれを急激に思い出していく。

 

 何より、無意識の枷を意識して取り外しているのだ。それを秀華の加護で自覚的に、文字通り覚醒して行っている。

 

 今ここに、旗本流花の刃は錆と曇りを吹き飛ばし、かつての冴えを取り戻していく。

 

 いまだ全盛期には届かず。

 

 されど、十分すぎるほどの高みに辿り着いた。

 

 その瞬間、流花は拳を握りこんで懐へと潜り込んだ。

 

 瞬間。その打撃が月花の意識を吹き飛ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 四方八方から襲い掛かる多角砲撃を、吹本海砂は魔剣をもって迎撃する。

 

 ただでさえ不死の存在が分身して襲い掛かる。それが目の前の使徒、鶴岡陽子の星辰光だ。

 

 彼女との付き合いなどほぼほぼない。波柴一族が主催する、調教中や調教済みの女芸能人を選手とした、下劣なレクリエーションで顔を合わせた程度。

 

 その時点で調教は完了しており、飼い主のことを愛している女だった。ああはなりたくないと思ったその日の夜には、堕ちたことを覚えている。

 

「困ったもんやなぁ。なんか凄い人が仰山おる所為で、このままだとこっちが大変やわぁ」

 

 一見するとおっとりしている雰囲気だが、明確に警戒心が見えている。

 

 だからこそ、攻撃は多角的かつ収束している。

 

 少数精鋭のこちらの事情を理解しているから、まず目の前の敵を倒して数を減らす戦術。一糸乱れぬ連携が狙える己の星を、あえて各個撃破に注力させている形だ。

 

 そして自分が狙われているのも当然。最も弱い敵から倒すのは自明の理だ。

 

 至ったことで、基本性能は向上した。だが、自分の禁手は非常に癖が強く、タイミングを見計らう必要がある。

 

 まず本体を狙う。それができなければ危険。

 

 何度も通常の魔剣で攻撃を仕掛け、そして大筋の当たりはつけた。

 

 だが同時に、こちらの消耗もある程度見抜かれている。不死たる死徒にとって、長期戦は本来の持ち味の一つだ。

 

 故に、次の一撃が決着となるだろう。

 

「……ねえ、一つ聞いていいかしら?」

 

「なんですの?」

 

 お互いに隙を探る為。しかし、海砂にとってはそれ以外にも意味のある小さな会話。

 

「貴方は、あの摘発の後にどう生きたの?」

 

 自分のように、救われなかったのか。

 

 聞いてどうするともいえる。そもそも目の前の状況が答えといえる。

 

 だが、それでも聞きたかった。

 

 あの摘発によって色々失い、そもそもその前から心を奪われていた女。自分が同一視してしまいそうになる女に、聞かずにはいられなかった。

 

「……大変やったわぁ。ダーリンは死んでもうたし、家族は人目につかないところに押し込もうとしはったからなぁ」

 

 そうだろう。

 

「でも、家の縁でダーリンとあえてよかったわぁ。ダーリンのおかげで使徒になれて、この星でダーリンの力にも成れとるからねぇ」

 

 そうだろう。

 

 自分のように、本心から幸せになってほしいと願う主に会えなかった。

 

 何より、絶対に砕け散った自信の代わりになる、責任の刃を握り締めてくれる彼のような人に会えなかった。

 

 だから、口を突いて出てしまった。

 

「……可哀想」

 

「……はぁ?」

 

 苛立ちが声に現れる。

 

 心からの哀れみを察して、殺意が向けられる。

 

 意図したものではない。むしろ、こんなことを言ったことに罪悪感すら生まれる。

 

 だが、本心だった。

 

 だからこそ、一歩を踏み出す。

 

 内心の激高を隠し切れない鶴岡陽子の波状攻撃。

 

 それを、海砂は()()()()()を投擲して牽制することで対応。

 

 その性質を肌で感じ、陽子の動きが一瞬乱れる。

 

 それでも不死を大前提とした迎撃が振るわれ。しかし海砂はそれを最小限の動きで回避。

 

 この一撃に繋げる為、回避パターンをあえて固定することで、相手の虚を突き隙を穿つ。

 

 振るわれた()()()()()。その斬撃が深手を負わせ、しかし再生の為に翠星晶鋼が傷跡を包み込み―

 

「なん、で……?」

 

 ―それは遅い。

 

 理由は単純。そういった力の禁手を振るっただけ。

 

「これが私の禁手。()()()()()()()()()()()()魔剣の禁断創造群(カバーズ・ソード・バース)

 

 それが、海砂の到達した禁手。

 

 自分が点の突破力に欠けることを熟知しているが故の、多様性を極める亜種禁手。

 

 近くにいる仲間達の至った、魔剣創造の禁手を触媒としてそれを再現する禁手。それゆえに、連続発動時間などの大きな弊害もある。

 

 だが、こういった時においては非常に有効。

 

 こと誠二の禁手は神祖や使徒にとって天敵の一角。それを一時的にでも振るえるということは、それだけで大きな駆け引きに繋げることができる。

 

 こと、初見殺しとして発現したタイミングでのもう一つの初見殺し。これが、効果的でないはずがない。

 

 愕然とする陽子の首を、隠し持っていた細いワイヤーで絞める。

 

 頸動脈が締まり、血流が止まる。

 

 不死である使徒や神祖なら決定打になりづらいだろう。だが、不死が減じたこの瞬間なら効果は十分ある。

 

「……縁があったら、桃山警護事務所(うち)の門を叩きなさい」

 

 しないだろうが、それでも言わざるを得ない。

 

 なり果てるかもしれなかった可能性に胸の痛みを覚えながらも、吹本海砂は敵の一角を無力化した。

 




 誠二が塩谷と頑張っている中、ベテラン組の流花と海砂が幹部格を撃破!!

 さて、そろそろクライマックスも中盤を過ぎてきました。

 当面は書きまくれているので投稿速度も上げる方向でいきます。今月中にはライオンハート編を終えたいぜぇ!!
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