※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! 長らく見てなかった常連さんが、悩み相談のための活動報告のほうで姿を見せてくれたグレン×グレンでっす!

 読んでくれて入ることに安心し、さらにいいアイディアをもらえたのでかなり助かっています。早速複線的にサムライガール編に組み込むために設定設計の最中です!

 ではこっちもだいぶクライマックス! 本編!


第三十五話 神威討伐

《木場祐斗》

 

 

 

 

 

 状況は大きく揺れ動いていた。

 

 魔王様にも匹敵するだろう大火力の砲撃。それが空に撃ちあがる。

 

 それに誰もが一瞬気を取られる中、空を舞った紅の鎧が巨人と激突する。

 

 ……揺らいだ。確かに揺らいだ。

 

「おい冗談だろ。出力だけなら神や魔王の域だぞ、あれは!?」

 

「あれが、赤龍帝……っ」

 

 アイアンローズが明らかに気圧される。

 

 そして、その隙を逃すわけもなく反撃に移る。

 

 そして、僕達もそれ以外のことをきちんとするさ!

 

「そろそろ決着をつけようか!!」

 

「しつこいわね。警戒するべきは雷光の巫女だけでしょう!!」

 

 僕らの猛攻に対し、トキコ・アガレスは攻撃を朱乃さんに集中させる。

 

 当然の判断ではある。理論上は殺し続ければ死ぬとは言え、それが現実的でないことは樹下君達も断言している。なら当然、使徒の側が分かってないわけがない。

 

 最も優先するべきは、現実的に殺害可能な黒刃の狗神を再現できる朱乃さんだ。どう考えても危険性が桁違いすぎる。

 

 それは当然だ。当たり前だ。優先順位がそうなるのは何も間違っていない。

 

 最も危険な相手を打倒することが最適解。まして、それ以外の脅威度が低いのなら当然。彼女は判断を誤っていない。

 

 だから、その前提条件を掻い潜る。

 

「朱乃さん、剣を!」

 

「分かりましたわ!!」

 

 同時の判断で、朱乃さんの大ぶりの斬撃が僕に当たる。

 

 飛ぶ鮮血。深手とは言わないけれど、神霊剣である天之尾羽張を再現して具現化するゆえに、見かけ以上に傷は深い。

 

 そして、そのフレンドリーファイヤにトキコは一瞬だけ躊躇する。

 

 この一瞬を、見逃さない。

 

 半分賭けだけれど、僕達もイッセー君の足を引っ張りはしない!!

 

「喰らえ、トキコ・アガレス!!」

 

 僕は聖剣を創造して、隙を見せたトキコに切りかかる。

 

 それをトキコは回避せずに受ける。大きな虚を突かれたうえ、危険性が薄いのなら当然だろう。

 

 だから、僕達は決定打を与えることができる。

 

「……まさ、か……っ」

 

 驚愕するトキコの傷跡は、すぐには塞がらず血も飛び散る。

 

 そう、今の斬撃は通用している。

 

 僕は魔剣創造のアプローチとして、呪いを自らにも受ける形にすることで高性能化する手法を取っていた。

 

 そして聖剣創造においては、聖痕の概念を参考にした強化を目論んでいる。

 

 いずれは聖魔剣用に統合して洗練させたいけど、そこまでではない。これはあくまで即興の応用技だ。

 

 神霊剣は和の聖剣。それを利用してあえて僕が傷を負うことで、それを聖痕として返し風のように神霊剣を再現する。

 

 効果はいま一つ程度。だけど、この傷による不調と生まれた大きな隙は圧倒的な要素だ。

 

「あらあら。切り裂き放題ですわね」

 

 その瞬間、朱乃さんの連続斬撃がトキコ・アガレスを切り刻む。

 

 連続の斬撃により不死特性が切り刻まれ、トキコは再生が追いつかない。

 

「ぁ……ぁあああああっ!?」

 

 驚愕と恐怖でトキコ・アガレスが上げる絶叫で、周囲の味方が我に返る。

 

「トキコさん! てめえ!!」

 

「やらせないわよ!!」

 

 我に返った者達が、一斉に僕達に襲い掛かる。

 

 他の攻撃を無視した集中攻撃。捌き切るのは龍騎士団をもってしても苦労しそうだ。

 

「……おぉっとぉっ! そうは問屋が卸さない!!」

 

 そんな時、元気な声が響く。

 

 そして仕掛けてくる彼等の近くに、小さな金属片が多数落ち―

 

「助っ人参上スイッチオン!」

 

 ―瞬間、大爆発が起きてまとめて吹き飛ばした。

 

 その爆発と共に着地したのは、海砂さんを思わせるが、全体的に深緑の女性。

 

 情報源であるナミネ・ルミナスさんが、背中に何かを抱えながら周囲を警戒していた。

 

「ナミネ……まさか、貴女に気づかれてたなんて……っ」

 

 朱乃さんの猛攻に押され続けているトキコに睨まれ、ナミネさんは苦笑いを浮かべていた。

 

「いやすいませんねぇ。トレードされて三年ちょっと、厚遇してもらったのは感謝しますけど、それとこれとは別問題ってもんです。……赤ん坊の人身売買とかいかんでしょう」

 

 そう返しながら、ナミネさんは、背中に背負った布に包まれた小さい子供をそっとなでる。

 

「つー分けで安全確保するんで。ってかこの子天使っぽいから奇跡の子でいいんですかね? 純潔十字連盟に渡した方がベター?」

 

「いえ、ここで集まって合流を望むべきね。下手に移動して孤立する方がまずいわ」

 

 と、その疑問に答えるのはリアス部長だ。

 

 消滅の魔力で敵を吹き飛ばしながら、リアス部長は声を張り上げる。

 

「さあ、私の可愛い下僕達! 一気に趨勢を傾けるわよ、気張りなさい!!」

 

 そう命令を下すリアス部長の後ろから、悪魔祓いの装備を持った女性二人が通り過ぎる。

 

「なら援護するわ。もとより、奇跡の子の安全は最優先!」

 

「これ以上は指一本触れさせないよ!!」

 

 そう声高らかに吠える二人の介入に呼応するように、純潔十字連盟の戦士達も士気を高めてアイアンローズとトキコ一派を攻撃していく。

 

 この調子なら勝算は十分にある。頼むよ、皆!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《空本麗夜》

 

 

 

 

 

 

 

 状況は一気に好転して行っている。

 

 いや、驚くレベルで好転している。

 

 既に高野創氏の使徒は、それぞれ瀕死や気絶で打倒されている。それもあって、そっちの趨勢は大きく傾いた。

 

 そして何より、この大型を倒せばアイアンローズ側も大きく弱体化する!

 

「麗華と美子はとにかく抑えて!!」

 

「任せよ! レェッツ……エグリォオオオオッン!!」

 

 素早く懐に潜り込んだりしながらの牽制を入れている麗奈の指示に従い、麗華が拡張型の人工神器を己の準神滅具に装着させる。

 

 その馬力は圧倒的で、力押しだけならあの巨大兵器とも渡り合っている。

 

 そして更に、形勢をひっくり返すべく美子ちゃんが神滅具を駆けよらせる。

 

「ではいきますよ、麗華お姉様!」

 

「任せよ美子! 気張るぞ私はぁ!!」

 

 根性を入れて巨人を抑え込む麗華に、巨人を援護するべくアイアンローズの戦士達が迫る。

 

 だが、甘い。

 

「麗夜、天閃(ラピッドリィ)! メインウェポンは神器と星辰光!!」

 

「オッケー!!」

 

 麗奈の指示に従い、天閃を主体として攻撃を敢行。

 

 魔剣や増設型人工神器を攻撃のメインとして、敵を一気に撹乱。

 

 更に乱れた戦線に滑り込むように麗奈が入り込み、星辰光を主体とした多角的な現象で敵をかく乱していく。

 

 そして個別に分かれてしまった者達は―

 

「いっきまーっす!!」

 

 ―リーナちゃんが一気に各個撃破していく。

 

 更に味方も合流してきており、戦闘は瞬く間に乱戦の域へと突入する。

 

 だから、ここで一気に決める。

 

「頼むよ、美子ちゃん、麗華!!」

 

「「もちろん!!」」

 

 思わず声をかけると、二人は共に応えてくれる。

 

 その瞬間、麗華が抑え込んでいる巨人に、美子ちゃんの神滅具が連打を叩き込む。

 

 その姿は禁手によって強大化しており、蛇の魔力が打撃に纏って性能を上げている。

 

 美子ちゃんの至った禁手はシンプル。自分自身の性質である後天的レヴィアタンの体質を同調させることで、疑似的な神化だけでなく魔王化まで遂げている。

 

 いうならば魔神。総合出力では一手劣るが、高馬力で動きを阻害されているのなら有効打だ。

 

 それでも強引に腕を振りほどいて打撃を入れようとしたが、そこに組み付いて柔道の流れで占める更なる巨人が。

 

『緊急事態なのでまぁ、これぐらいは。決めてくださいね?』

 

 そう告げるのは小笠原長官。こういう時にしっかり動いてくれるのがありがたい。

 

 完全に組み付かれ、今度こそ動きが完全に封じられる。

 

 そしてその瞬間、懐に滑り込む存在が。

 

「お姉ちゃんとして鼻が高いわ。……さぁマリヤ、私も手伝うから答えてあげて」

 

「ええもちろん。全ては―」

 

 マリヤ・アスモデウス様に、凛華さん。

 

 そして一瞬で無数の聖なる輝きを持つ矛が叩き込まれ、巨人の装甲にひびが入る。

 

 その一点。致命的な部分を、マリヤ様は狙い撃つ。

 

「「―サリアローズ様の為に!!」」

 

 二人の声が重なり、魔王クラスすら超える砲撃が巨人を討ち貫いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

《樹下誠二》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 神祖の猛攻は激しいが、趨勢はほぼ片付いている。

 

 だからこそ、この戦いは終わらせる。

 

「そろそろ終わらせるぞ、高野創氏!」

 

「流石にダルいんだよ、お前は!!」

 

 即興の連携はあまり練度が高くならないが、それでも高野創氏を追い詰めて行っている。

 

 シンプルに、高野創氏の練度が低い。神祖の基本性能と弾幕と不死でごり押していたが、単独状態になればこの程度。

 

 違和感が酷いな。今まで戦ってきた神祖の数は多いわけではないが、異なる戦場で戦っているところを見た報告や映像から判断しても練度が低い。

 

 神祖というのは、どいつもこいつも戦いに対して鍛えて備えている。創氏には、それが薄い。

 

「しつこいよ!!」

 

 増幅された星辰体感応量に基づく身体能力を発揮して逃げ勝ちを狙う創氏だが、まったく届いていない。

 

 既に俺も吹本塩谷も慣れている。そして、それだけで優位性を確保できてしまう。

 

 なんだこの違和感は。だが、それは置いておかないといけないのも事実だ。

 

「くそっ! 何をしているんだ、早く援護を……っ!?」

 

 業を煮やした高野創氏は周りを見るが、その近くに味方はいない。

 

 何故なら。

 

「うっへぇ~……疲れるよこの数は!」

 

「しかもゾンビアタック前提ですしねぇ」

 

 互いに息を吐き汗を流しながらも、周囲の死にづらい程度の敵を全滅させた秀華と御崎さんしか動いている者がいないからだ。

 

『ご主人様。近くに迷い込んでいる人がいたのでこちらで安全を確保しています。援護は必要ですか?』

 

「いや大丈夫そうだ。有事に備えた余力として待機してくれ。突入判断は劇的な変化があれば独自でやるように」

 

 青蘭に通信を繋ぎつつ、俺はとどめの体制に入る。

 

 さて、殺さずにどうにかしたいが。

 

 そう思った時、高野創氏は泡を食った表情に勝機を見せていた。

 

「こうなったら最終手段だ。今からトキコに君の子を人質に―」

 

 その一瞬で、俺は判断を決めた。

 

 ブラフの可能性は大きい。だが、ここで奇跡の子を殺させるようなことがあれば即座に純潔十字連盟が敵に回りかねない。

 

 何より、奴は周囲に視線を向けている。

 

 最悪民間人に攻撃する可能性がある。そして、奴は不死ゆえにそういったことをされると中断させるのが困難だ。

 

 まぁいい。情報は聞き出したいが、神祖相手に絶対命令になるわけがない。

 

 故に躊躇しない。これ以上、奴には喋らせもしない。

 

 何より追い詰められているからこそ、隙だらけだ。

 

「いい加減、ライン越えだ……反粒子でも喰らえ!!」

 

 動揺し追い詰められ、最後の手段を取ろうとしたからこその隙だらけ。

 

 それを許すほど甘くはない。俺は一瞬の判断で反粒子を選ぶ。

 

 交渉に持ち込もうとした瞬間。そこで隙を見せれば、そりゃこうなるのも当然だろう。

 

 交渉に持ち込めると判断してそこにばかり意識が集中している。こうも隙だらけなのが神祖というのに、違和感も大きい。

 

 それを理解したうえで、万が一を踏まない為の反粒子が奴の体をぶち抜いた。

 




 あとちょっとでバトルも終わるぜ! みんな、期待して待ってくれよな!?
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