※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! 書き溜めが結構集まってきているので、ガス抜きを兼ねて早めに投稿しているグレン×グレンでっす!

 とにもかくにも、最近は仕事にも慣れてきたのか執筆速度が上がって上がって大変です。まぁそれはそれでいいことも多いので、頑張っていきます!!

 では本編!!


幕間 青空の元で

《兵藤一誠》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 世界は色々動いてるけど、日本の町は結構平和だ。

 

 まぁ危機感はあるみたいだけど、気を抜ける時はたくさんある感じだな。普通にチェーン店のハンバーガーとかも食えるし。

 

「なぁ樹下。真面目な話するけど、アイアンローズが戦奏教団をぶっ飛ばしたっての……マジっぽいな」

 

「どうもそんな感じだな。俺は最初に聞いた時、戦奏教団と手を組んでのプロレスで宣伝したのかと思ったが」

 

 樹下がシェイクを飲んでからため息をついた。

 

 いやぁ、俺がリアス部長……リアスに改めて告白した夜に、そんな発表がされてたなんて知らなかったぜ。

 

 アイアンローズを主体とする、第三世界の軍隊の連携で、アフリカ北部とアメリカ大陸中部で、戦奏教団の打倒作戦が決行されて大成功。

 

 戦奏教団側も逆手に取ったプロパガンダ放送をしてたみたいだけど、神祖が二十人近く討たれたらしい。

 

 なんか打倒した兵器に関しては機密的なことで内緒にしているみたいだけど、それがマジっぽいのは間違いない。

 

「……素直に喜べないのが俺達の立場だ。理由が理由だから明かせない為、国連常任理事国を中心とするアイアンローズとの縁切り運動は理事国内でも反対の声が大きかったからな」

 

 げんなりしている樹下は、色々考えてるみたいだ。

 

「絶対に反対派は、この大勝利に湧きあがった勢いで「再契約した方がいい」と言い出すだろう。この大勝利で人間社会の流れはアイアンローズに大分傾いたと言っていい」

 

「でも、それなら政治的って奴で仕掛けてくるんじゃねえか? 小笠原の大臣さんはなんて言ってるんだ?」

 

 俺はそこが何となく分かんない。

 

 政治の世界は難しいけど、あいつらの側から仕掛けるってのもありなんじゃないか?

 

 そこが気になるけど、樹下は小さく苦笑した。

 

「長官達の推測だが、おそらく要となったのはあのデカブツだ」

 

 デカブツ。あの巨大ロボットか。

 

 めっちゃ強かったからな。確かに神祖と真っ向から打ち合いとかもできるかも。

 

「どうも摘発作戦におけるあの大暴れ、アイアンローズ側についてた神のニュクスとエレボスが独断で勝手に動かしたらしい。純潔十字連盟に追い詰められた時、後ろからトップエージェントがぶった切って制裁した結果、ニュクスとエレボスは今も集中治療室で昏睡状態だから情報も探れない。で、問題は摘発作戦は日本でも行われていて、奪還作戦の前だってことだ」

 

「……あ~。堂々と明かしたらそれをつつかれるって感じか」

 

 何となく分かった。

 

 多分そうなったら世論がひっくり返るとかあるんだろう。

 

 先に日本を襲ってたなんて知られたら、多分こっち側の世論はアイアンローズと危険視するとかそんな感じになるんだろうな。

 

「日本と戦争を起こしてから使う分には筋は通るが、今の状況で先に日本を攻撃してたなんて知られれば、アイアンローズ側の国家でも異形を知らない側が不満をあらわにするだろう。だから向こうとしても、自然な動きで多少は有利になるからそれでよしとする方向に抑えて、互いに余計な深手を避ける方向にしたいんだろう」

 

「そういう意味だと、ハーデスってのも災難なのか」

 

 難しいけど、ちょっとぐらい分かった方がいいんだろう。

 

 切り札は使いどころを考えろって奴だな。分かった分かった。

 

 そう思った時、俺達の視界にコートを着た秀華さんが映る。

 

 で、俺達はちょっとため息をつきながらスマホのカメラを向けた。

 

 そして秀華さんはコードを開いて……逆バニー姿を見せつける!!

 

【挿絵表示】

 

「めっちゃ興奮するけど、いいの?」

 

「色々あってストレスが暴発しかけてるんだ。発散させないと後が予測できない怖さに包まれる」

 

 俺達は今、秀華さんのプレイの一環に付き合わされてるってわけだ。

 

「俺、秀華さん達がリアス達に気を使ってるから生殺しなんだけど?」

 

「その欲情はリアス部長達にぶつけてくれ。麗夜さんは麗夜さんで、色々忙しくて時間が取れなかったんだ」

 

 樹下が言ってることは俺も知ってる。

 

 麗夜さん、自分の魔剣だけじゃなくて麗奈さんのBREADまで聖魔剣化させれる禁手に目覚めた所為で、聖魔剣量産計画のデータ取に付き合わされて眠れてないとか。

 

 でも生殺しなんだよなぁ。勘弁してほしいぜ。

 

 くそ。モテる男はつまり、それ以外との女性と縁が無くなるってことなのか……畜生!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《OTHER》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それは、四年と少し昔のこと。

 

 空本麗夜は学友達と共に、夏祭りに来ていた。

 

 ここ最近は本当に落ち込み気味で、元気を出せなかった。

 

 それを気づいてはいなかったのだろうが、学友達が夏のイベントに誘ってくれたことは本当に嬉しい。

 

「悪いな皆。最近、なんつーか色々迷惑かけたっていうか」

 

 笑顔に苦みが混じっていないか不安を覚えるが、どうやら隠せているようだ。

 

「気にすんなって! つーか、お前が俺達と一緒に祭りに来てくれるってのは嬉しいぜ」

 

「だよねー。一緒に学園祭でライブまでした仲だってのに、こういう時は本当に参加しないんだもん」

 

「分かる分かる。たまに放課後にカラオケとかゲーセン行くってのは付き合いいいんだけどなー、コイツ」

 

 と、友人達から口々にそう言われ、素直に苦笑に移れたのも好都合だろうか

 

 言われてみれば、放課後の付き合いはよくあるが休日の付き合いはあまりない。

 

 交友関係は浅めで広めでもあるし、学友はそこそこいる方だ。

 

 もっと休日の付き合いにも意識を割くべきだったのかもしれないと反省する。

 

「まったくよ。ここにも可愛い子がいるんだから、幼馴染にばっかりかまわないでほしいんだけどなー」

 

 と、そう女子に言われてしまう。

 

 若干頬が赤くなっているのは、好意があるのかちょっとした悪ノリだったのか。

 

 ただ、凍り付いたのを隠せなかったのは間違いない。

 

「この馬鹿! それ絶対に言っちゃダメな奴よ!?」

 

「少しは考えろよ。連れてきてないってことは、そういうことかもしれないだろ!?」

 

「いやいや。雲川や雨宮だって、コイツ以外の友人はいっぱいいるだろ?」

 

「そうそう。幼馴染が仲いいなんて、実はあまりなかったりするらしいぜ?」

 

「いやでも、大抵のイベントごとじゃ三人揃ってることが多いし……真面目にあるわよ、気をつけなさいって」

 

 軽音部で学園祭にバンドをした関係者で集まっていたが、半分アイドルライブのようなノリだったので、人数は多い。

 

 その関係も相応に楽しかったし、それもあって付き合いも深い方だ。しかし付き合いの圧倒的差もあって季節ごとのイベントではあまり参加してないことが多かった。

 

 それにも関わらずこっちに来たことで、真実はともかくある程度は察していたのだろう。

 

 空気を悪くするのは本意ではない。それに、いつまでも負け犬根性を引きずるのは駄目だろう。

 

 努めてそう思い、麗夜はわざとらしくため息をつく。

 

「いやそれが、()()()()()彼氏ができちゃってさ……なんていうか、油断してたというか甘えてたというか、な?」

 

 ため息については本心だからこそ、気づかれないだろう。そう思った。

 

 まさか二人が同じ男を彼氏としている、とまでは気づかれないだろう。

 

 ただ、自分にそこまで隠しごとの才覚があるとは思えなかったので、彼氏ができたことは知られておいた方が相手もごまかせるだろう。

 

 そう言うと、全員から凄く同情の視線を向けられた。

 

「そ、そ……そそそそそそ、そそっかぁ」

 

「マ……ジぃで、えぇ……?」

 

 なんか妙な反応がある気もするが、外野から見てもそういう風に思われていたのだろう。

 

 まぁ幼少期からの付き合いで、小中高と何の因果か同じクラス。同じ学校の子供達からもそれなりに話を聞いていたのかもしれないし、思った以上にそんな風に見守ってくれる人達もいるのだろう。

 

 その後も気遣ってくれたのか、居心地はそこそこいい時間だった。

 

 ただ、途中で見つけてしまった。

 

 自分以外誰も気づいていなかっただろう。それぐらい離れていたし、人込みの向こう側だったのだから。

 

 だが自分は鮮明に見つけてしまった。

 

【挿絵表示】

 

 頬を赤らめ、明らかに発情しながら。

 

 体を僅かに振るわせ、おそらく快楽を感じながら。

 

 お互いに若干意味深な笑顔を浮かべ合っている、麗華と麗奈の姿を―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《空本麗夜》

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………嫌な夢見た。

 

 反射的にパチリと目を覚まし、俺は天井を見上げる。

 

 あまりに嫌な夢で、体の感覚がはっきりしない。衝撃のあまり意識だけが飛び起きた感覚だ。

 

 あれは、俺が山の中に籠るようになるきっかけの出来事だった。

 

 自覚の有無に関わらず溜まっていたものが、あれをきっかけに一気に溢れ出した。その結果として、俺は多少の荷物だけを持って、山の中に籠ることを選んだ。

 

 思えば、魔剣創造に習熟したのはそれがきっかけだ。小さい頃何となくで発現させた気がするけど、確か思いっきり切れて怖くなってからは記憶の底に封じ込めていて、むしろ持ち込んだナイフが折れて困った時が二度目の使用だった気がする。

 

 それから何か月も放浪して、そしてたまたま廃工場に流れ着いて、雨も降ってたので雨宿りを試みた。

 

 それがきっかけで、今やこんなことになっている。

 

 ここ数年間は波乱万丈だ。悪いことばかりじゃないし居心地はいいし、いい主や仲間を持ったとも思っている。

 

 とはいえ、最近は特に過酷な戦いばかりだったからね。ちょっと気持ちが沈んで、あんな夢を見たのかもしれない。

 

 まったく。この調子で麗奈や麗華と顔を合わせるのは本当に気まずぅっひぃ!?

 

 思わずビクンと震える。というより、体の感覚が漸く頭と繋がってきた。

 

 そして物思いにふけっていたから気づいていなかったけれど、気持ちいい……?

 

 思わず顔を下半身に向けて、俺は漸く気が付いた。

 

「ちょ、これだと私だけやってる流れじゃない」

 

「そういうのも乙だろう? 揺らぎはちゃんと入れないと飽きが入るぞ?」

 

「……何やってるの?」

 

 思わずツッコミを入れるのも仕方ないだろう。

 

 寝起きのWパイズリを麗奈と麗華がしてるとか想定外なんだけど。

 

【挿絵表示】

 

 一周回ってインパクトが凄すぎて、まぁさっきの懸念は吹っ飛んだけど……別の意味でなんか色々混ざってきたというか。

 

「いや、その……ゴメン。昨日の夜、ちょっと麗華と賭けして負けて……断れなかった」

 

 麗奈が一瞬凄く視線を逸らすけど、まぁそうだろうね。

 

 もはやこれを見て、麗華主導でないと思うことがない。真っ先に思い浮かぶよ。

 

 いやしかし、これ何処から突っ込んだらいいのだろうか。

 

 俺は天井を見上げながら、ちょっとため息をついた。

 

「とりあえず、夢見が悪かったからシャワー浴びさせてくれない?」

 

 気分転換、しようかなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《木場祐斗》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……そういえば祐斗先輩。祐斗先輩って彼女作らないんですか?」

 

 と、図書館で自習をしてる時にたまたまあった美子ちゃんに、外でお茶をしてる時に尋ねられた。

 

「いきなりどうしたんだい?」

 

「いやぁ、学園内だとまだ腫物的なところのあるイッセー先輩や、その飼い主ポジションが定着しすぎてる誠二さんがハーレムできてるのに、高等部の女子人気ぶっちぎりトップの祐斗先輩が彼女の一人もいないのって、ある意味すっごい違和感がありまして。悪魔だし上級も狙えるから、ハーレムだって作れますし、そうでなくても祐斗先輩ほどの年齢なら、ちょっとぐらい火遊びするなり気になる女の子とイチャイチャしたいってなりません?」

 

 美子ちゃんはそう首を傾げるけど、僕は少し考えこむ。

 

 確かに、学園の女子からとても人気がある自覚はある。そういう立場をかさに着て、女をとっかえひっかえする人も実在するらしい。

 

 ただ、少し考えこんだけどね。

 

「……そうだね。今は特にそういった気持ちを向けている女性もいないし、火遊びをする気もないかな」

 

「……でもいつ死ぬか分からないぐらい強敵祭りですよ? 童貞ぐらい捨てたいって思いません?」

 

 何が言いたいのか分かった気がする。

 

「僕を相手に誘わないでくれないかな? 空本さんと顔を合わせづらくなるから」

 

 この子スケベ過ぎないかな?

 

 僕だって年相応のスケベさぐらいはあるけれど、この子はちょっと度が過ぎているレベルだ。桃山警護事務所の特務社員は淫魔レベルを維持しているようなふしだらな人達だらけだけど、それを踏まえても若干……がいらないぐらい異彩を放っている。

 

 他の人達は、そう言ったところを持ち崩すことに納得できるような過去がある。ただ、美子ちゃんはそういうのが本当にないからね。

 

「あ、すいません。最近ご新規さんとセックスしてないから、ダーリンや誠二さんとかイッセー先輩も誘って5人でとかできないかな~って思いました。」

 

 特に動揺しない平常心でこれが言えるからね。凄まじい。

 

 ただ本当に気にはなるね。

 

 この子は特務社員の中でもかなり特殊な来歴な気がする。

 

 他の特務社員は、大なり小なりそういう風になる来歴がある。特に樹下君と秀華さんが典型的だろう。

 

 幼少期から特殊な環境で育てられていれば、どうしても一般的な感性から離れるというものだ。そういう意味では、樹下君が一般的な人達相手にとても合わせてくれていると感心するべきだろう。秀華さんも割と自重はしていると思う。

 

 逆に、そういう歪む経験を知らないのに、ここまで歪んでいるのは特殊ケースではないだろうか?

 

「その、なんで美子ちゃんはそういう性癖に?」

 

 正直、ちょっと気になる。

 

 と、美子ちゃんはちょっとだけ考え込んだ。

 

「……生まれて初めて東京都に来た時、見つけた人生初のエロ本が乱交ものだったんです」

 

 凄い返答が返ってきた気がする。

 

「生まれて初めてのエロ体験って、後の性癖決めるところありますよね? そんな感じです」

 

 凄い。いや、なんというか凄い。

 

 下手に細かい形容詞をつけてはいけない気がする。それをすると何かが決定的に反論できなくなる気がする。

 

「ただそのタイミングで、小笠原一族が厚遇され始めてるのに嫉妬した人達に誘拐されたんですよねー。あの時は人生で初めて死ぬかと思いました」

 

 そしてヘビーな展開が来たね。

 

 美子ちゃんはコーヒーを飲みながら、少しため息をついていた。

 

「山奥まで連れられて流石にビビりましたけど、たまたまダーリンが雨宿りに通りがかって、助けてくれたんです」

 

 そういうコトがあったのか。

 

 と納得しかけたけれど、冷静に考えるとおかしくないだろうか。

 

 空本さんが当時神器に目覚めていたと仮定しても、曲がりなりにも異能の戦力がいた状況下で立ち回って救出するとか……できるのかな?

 

「ちなみにどうやって?」

 

「ダーリン、小雨が降ってる明け方なのを逆手にとって道を避けて二日ぐらいかけて、山中行軍で自分の住んでた町まで連れてってくれたんです。追手は普通に車道とかを移動して追いかけてたみたいなんで、おかげで無事逃げれました」

 

 ……あの人、レンジャー部隊とか山岳救助隊でも食べていけるんじゃないだろうか?

 

 ソロキャンプが趣味なところがあると言っていたけれど、そういう次元じゃない。

 

 そういえば、魔剣創造を調理器具や風呂沸かしにも利用していたって、イッセー君が言っていたね。その辺りで磨いた技術なんだろうか。

 

 なんだろうか。ある意味彼が一番凄いんじゃないかな?

 

 冷静に考えると、幼少期からのえげつない教育環境の樹下君や武芸者一族の才媛たる旗本さんに肩を並べられるのに、本人はほぼほぼ一般人なのが凄いというか。

 

 というより、彼が一番平凡な来歴な気すらする。少なくとも桃山警護事務所の特務社員で、彼と同等レベルの一般人は吹本さんだけど、彼女が質ではなく面の対応を主体にしていることを考えるとやっぱり異常だ。初期メンバー前衛の樹下君と旗本さんに比べて普通過ぎる。それでいて並び立てる戦闘能力を持っているのはおかしいだろう。

 

 幼馴染である雲川さんや雨宮さんと比べてもだ。方やルシファーの先祖返りである雲川さん。方やデュランダルすら扱える聖剣適性を持つ雨宮さん。それに比べると、上位側とはいえ神器を持っているだけの空本さんはまだ平凡な方だろう。

 

 なんだろう。方向性としてイッセー君に近いというか、真っ当に考えると最も才能がないのにおかしいぐらい成長している感じがするなぁ。

 

「……でまぁ、もう文字通り助けてくれた王子様というか勇者様で、その頃から大好きで一目惚れだったんです。ただ、ダーリンはその頃はその、やってしまった後のことを今以上に引きずってましたから」

 

 僕が戦慄している間に、そう語っている美子ちゃんは少し暗くなる。

 

 それもそうだろう。のちに自首して、超法規的措置で桃山警護事務所という形で活動していたのだから。

 

 その罪悪感が強かったからこそ、そんなところにいたんだろうしね。

 

 直接見た美子ちゃんが一番それを理解しているだろう。その表情は少し悲しげだった。

 

「……で、告白したらその辺りも素直に言ったうえで「こんな奴を好きになるべきじゃない」なんていうんですよ。正直ちょっとムカってきました」

 

 と、あまり言う機会がなかったからか、どんどん勢い良くなっていく。

 

「普通そんなことして、あえて人に言うなんて高校生でやるの大変ですよ! それも女の子を戒める為に気遣ってなんて!! むしろ惚れ直しました!!」

 

 確かにそうだね。

 

 僕が聖剣計画の件で暴走していたことも考えれば。尚更だ。

 

 なにせ、殺し合いの経験も積んだ転生悪魔だからね、僕。その頃は異形も知らない、ちょっとした超能力が使える高校生とした辞任してなかっただろう空本さんが、そこまでできるっていうのもおかしい方だろう。

 

「なのではっきり言ってあげました! 「今のあなたは十分人から認められます!」って!! やっちゃったことは大問題ですけど、それをきちんと反省して悔やんで、しかも命がけで女の子助けてきちんと逃がしてくれる人なんて十分凄いじゃないですか!」

 

 思い出したらちょっと苛立ったのか、勢いがちょっと凄いね。

 

 そして、頬が赤く染まっている。

 

「そしたら元気が出たのか、ダーリンってば「なら、君がそう言ってくれたことを後悔しないぐらいにはなってみせるよ」って言ってくれたんです! で、住んでた町に着いたらそのまま警察署まで連れてってくれて、その勢いで自首までしちゃって、親族一同なるべく集めて相談したらダーリンってば桃山警護事務所メンバーです!」

 

【挿絵表示】

 

 本人の中ではいい思い出なんだろう。そして、空本さんにとってもいい思い出のはずだ。

 

 美子ちゃんを助けられたことが、彼にとっていい方向に作用したのは間違いない。そのあと、彼女から諭されたこともだ。

 

 これは大切にするね。大切にしたいと思うだろう。

 

「でまぁ、拝み倒して頭も下げるに下げて、当時の準社員になったのが何年か前です。あの頃は気遣われて全然エッチなことできなかったなぁ・・・・・・」

 

 凄い残念そうに残念なことは言うけど、そこはいいだろう。

 

 ああ。きっと空本さんにとって、美子ちゃんはある意味で別格の存在だ。

 

 こういうのが聞けるのはいいことだろう。というより、彼のことを再評価で来たところもある。

 

 ……まぁそれはそれとして、普通の男子高校生としては明らかにスペックが高すぎないだろうか。若干戦慄するレベルで色々できるよね……。

 

 だけど、そんな人が味方に付いてくれるのはとても頼もしい。

 

 これからも大変なことは続くだろうからこそ、頼りにさせてもらいますよ、空本さん。

 

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