※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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はいどうもー! ちょっと風邪をこじらせてグロッキーだったグレン×グレンでっす!

幸いもうだいぶ回復したので、書き溜めがだいぶたまったこともあってサムライガール編に突入します!


第四間章 転校生はサムライガール
第一話 転校生にごめんなさい


《樹下誠二》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「始まるわね。ついに……っ」

 

「そうね。ここからが大変だわ」

 

 麗奈さんとアルトリーネさんが、若干俯きながら意見を交し合う。

 

 同じテーブルに集う俺も、同意見だ。

 

 ついに始まる。始まってしまう。

 

 ……桃山警護事務所と、駒王学園中等部の警備契約が!!

 

 これを聞いて不安を覚えるなという方が無理だろう。

 

 まぁ、桃山警護事務所と駒王学園は縁深い。何せ俺含めて、高等部に在学している者が何人もいるからな。

 

 そしてこの警備契約は、非常時において俺達が対応に動きやすくする為の契約ともいえる。

 

 ようはガチの非常事態が発生した時における用心棒だ。昨今色々と騒がしいし、いざという時の備えの一環だろう。桃山警護事務所は公式に企業として登録されているから、法的手続きをきちんと行う形でできるという点を踏まえている。

 

 ただし。問題は人選だ。

 

 高校に常勤しているのは、俺以外には秀華と美子。

 

 ……あのド淫乱二人を中学生の中に放り込むのは、色々な意味で不安が大きい。

 

 一応自分達が高校生であることを自覚しての、セーブはしている。だがそれも時々こっそり俺が相手をしたりとかで発散しながらが現状だ。

 

 若い蕾を見て我慢しきれるかどうかが非常に不安だ。話を持ってきた雨宮司教も「人選はきちんとするように」と釘も刺している。

 

 なので、安牌の中でもツッコミ適性が高い俺達三人にお呼びがかかった。

 

 特務社員のうち二人も安牌扱いされているのが微妙にどうかと思うが、そこはこの際置いておこう。

 

 というより、正規社員でも青蘭は若干不安だ。俺と出くわして従僕スタンスをうっかり見せられるとややこしくなる。専務らしく本社でしっかりと実務作業を行ってもらおう。補佐である麗奈さんの分もある程度やってもらうことになるしな。

 

 まぁ、コガネさんにも協力を要請するつもりだけどな。リーナは学生生活もあるので、他校の警備事業にはあまり関わらせるべきでもないが。

 

 そしてツッコミメインの俺達がメインでやる理由は単純明快だ。

 

 ……中等部も中等部で、癖の強いのが結構いるそうだからなぁ。

 

 後武芸者の類が特に多いと聞く。そういう意味だと、流花さんを連れて行くとややこしいことになるかもしれない。

 

 そしてもう一つ警戒するべきことがある。

 

「最優先注意事項は、非公認部活のオカルト剣究部だ」

 

「オカルト研究部? 中等部にもあるの?」

 

 アルトリーネさんが首を傾げるが、ちょっと違う。

 

「いや、剣の追究を略して剣究部。アモン本家の令嬢が部長をやっており、異能関係の剣を研究する部活という話……なんだが、他の部員がいないので実質的には同好会だな」

 

 まぁ日本語はこういう時ややこしいしな。

 

「ただ、自称部長のアモン嬢は当主の実子ではあるものの、メイドさんをお手つきして生まれたとかいう話だ。本妻の子である兄二人との仲は悪くないが本妻との折り合いが悪く、学費も自力で稼いでいるとかなんとか。あと次男の婚約者がアスタロト家と懇意にしている家なこともある。グレモリー家と懇意にしていると言っていい俺達桃山警護事務所としては、他より注意のリソースを多めに割いた方がいいだろうな」

 

「あと、現生徒会長が五大宗家とは別口で日本裏関係の大御所って話ね。祓魔省傘下だった桃山警護事務所に多少警戒してもおかしくないし、そこも頭に入れときましょう」

 

 麗奈さんも色々調べていたらしく、軽くため息をついていた。

 

 まぁ、その辺りは提案者の雨宮司教が手を回しているだろう。俺達も企業としての活動だし、生徒会とはそれとなく距離を置いておくぐらいでいいだろう。

 

 そして、問題はそこではない。

 

「ただ話を戻すが、オカ剣で警戒するべき要素はもう一つ……本命がある」

 

 ここが本題だ。

 

 そう、本題はこっちだ。

 

「厄介なのはオカ剣の顧問をやっている教師。……神の子を見張る者(グリゴリ)最高幹部、ベネムネ殿だ」

 

 それを伝えた瞬間、麗奈さんもアルトリーネさんも一瞬だが表情が消えた。

 

 そうだろう。何せあの、アザゼル先生と肩を並べる堕天使筆頭格だ。

 

「ちなみに、イッセーが既に被害に遭っている。……いや、神の子を見張る者の施設でかつ間接的なんだけどな」

 

「何があったの?」

 

 俺の何とも言えない顔を見て、アルトリーネさんが首を傾げる。

 

 いやその、なんというか。

 

「イッセーが朱乃さんの付き合いで施設に行った時にベネムネ殿含めて最高幹部が雁首揃えててな。彼女によって朱乃さんが「両親がSMプレイしまくってた」と「バラキエルさんがMで堕天使になった」ことを知った結果、最終的にアザゼル先生を交えて朱乃さんの鞭裁きを語り合う三者面談生中継映像が流れたとかなんとか。あとイッセーがその映像をBGMに最高幹部達に改造されかけたとか」

 

「イッセーはそろそろ神の子を見張る者に訴訟起こしていいと思うわ。賠償金ガッポリ入りそうね」

 

 アルトリーネさんが辛らつだが正論なコメントを!

 

「所詮、彼もアザゼル先生の同期ってことね。……一周回ってコカビエルがマシに見えてきそうなのは気の迷いよね、うん」

 

 麗奈さんも大概メンタルが押されてるな。

 

 ま、そういうわけだ。

 

「何が起きるか分かったもんじゃないので、明日は三人揃って中等部を確認しよう。特にオカ剣は最優先で」

 

「「異議なし」」

 

 意見が揃ったことで今回は解散。

 

 まぁ、そう簡単に内側で余計なトラブルが起きたりはしない……よなぁ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう思っていた俺を殴りたくなるぐらい、オカルト剣究部でトラブルが起きた。しかも身内の所為で。

 

「この度は高等部オカルト研究部(うち)のゼノヴィア共が本当に申し訳ございません!!」

 

 俺はとりあえず、巻き込まれた被害者諸君に勢い良く頭を下げる。

 

 相手が年下とは言え、余計なトラブルに巻き込んだのだ。それも身内が原因ではきちんと謝らないといけないだろう。

 

 簡潔にまとめるとこうなる。

 

 1:中等部になんか凄い転校生が来た

 

 2:その転校生がオカルト剣究部に入部したらしい

 

 3:面白そうなのでゼノヴィア達が突撃。

 

 4:生徒会と揉めてたのをいいことになんか勝負を挑んだ。

 

 5:ゼノヴィア、転校生を相手に割とガチで勝負を仕掛ける。

 

 6:なんか神器とエクス・デュランダルの激突になった。

 

 となる。

 

「高等部オカルト研究部所属、二年生の樹下誠二だ。あっちの()()鹿()は部員でな。本当に迷惑をかけて申し訳ない。あとで部長にも伝えてしっかり説教しなくては」

 

「そこまでされるようなことをしたのか!?」

 

 正座させられているゼノヴィアが文句を言うが、その両肩にアルトリーネさんと麗奈さんの手ががっしりと握りしめてくる。

 

「痛い痛い!? 待て、そこまでのことをしたのか私は!!」

 

「話とか一部始終は3倍速で確認してるわ。……宮本さんだったかしら、訴訟するなら初期費用ぐらいは用立てるわよ。あとでこいつが仕えているお家に()()請求するから安心して」

 

「アヴィ・アモンさんだったかしら。グレモリー家に抗議したいのなら、レヴィアタンの意向もセットでできるよう上司に相談しておくからね?」

 

 左右から問答無用で説教されているが、ゼノヴィアは微妙に納得していないらしい。

 

 なので、同年代の俺がはっきり言ってやるべきだろう。

 

「やってることは上級生による下級生のイビリだし、そもそも非戦闘員の中学生に求めるべきじゃないことを要求するな」

 

 本気の殺し合いでないとはいえ、相当の修羅場を潜っているゼノヴィアのガチな攻撃は木刀でも十分すぎるほどにプレッシャーがきつい。

 

 女子中学生なら普通はもう、怯え切って話にならないレベルだ。真っ向から啖呵を切るなり、誰かを庇うことができる方が少ないだろう。

 

「「できる奴が凄い」と「出来ない奴はダメ」はそれぞれ別の判断基準だ。そしてお前の要求は前者であって後者じゃない。桃山警護事務所が中等部の非常時に対する警護業務を引き受けた以上、俺はお前を警察に突き出すことも選択肢に入れないといけないんだが……あぁ?」

 

 どすを聞かせて警告をするが、後ろで気配が動いた。

 

「い、いえ! 仮にも侍がしてはいけない態度だったのは事実です。私は気にしてませんから、その辺で納めていただけると、その……」

 

 ふむ。

 

 確か宮本だったな。被害者がそう言っているのなら、裁く側はある程度配慮するべきか。

 

 ただし、勘違いは正しておかないとな。

 

「それが認められるのは、相手がそうであることが物証込みで分かり切っている場合だけだ。ただ単に「なんか強い」で動いた後ろの馬鹿は、やはり説教はしっかり必要だからそこは譲らない。これはただの女子中学生にやらかした案件として処理をしないといけない事案だからな」

 

 しっかりその辺は示しておいて、俺は肩の力を抜くことにする。

 

 まぁいい。あまり厳しすぎると、今度は高等部のイッセー達覗き案件や女子生徒集団私刑案件にまで波及しかねないしな。

 

「宮本に配慮しろよ、この女ヴァーリ」

 

「……私はそこまで強くなっていたか」

 

「今のは酷評だ、アホ」

 

 どうもグレモリー眷属は、ヴァーリが裏切り者のテロリストだってことを忘れているようで困る。

 

「あいつが裏切り直後に何言ったか忘れたか? 特に戦いたいわけでもない奴が対を成す異能持ちだからって、挑発目的だろうが「才能無くてつまらないから、モチベーション上げの為に両親殺して復讐者にしてやろうか」とか言い出した奴だぞ? 傀儡とは言え王族連名で討伐部隊が組織されていることを含めて考えてくれ」

 

 正直な話、なぁなぁにしていいことでもないと思うんだがな。

 

 一歩間違えれば三大勢力の和平は台無しになり、それによって連携ができずアイアンローズや禍の団に各個撃破された可能性もある。結果的に大規模な被害がないからとはいえ、もう少し厳しい態度で臨むべき連中だと思うんだが。

 

 実際あの裏切りで多少の被害者も出ているし、成功していた場合の被害が甚大すぎるからな。サリアローズ殿が討伐部隊を結成するのも、自分達が擁する魔王血族のコマーシャル活動ってだけではないだろう。

 

「まったく。事実上のレクリエーションかと思ったら殺気一歩手前の戦意で襲ってくるとか、お前自分が世間一般の日本女子学生のそれじゃないってことをもう少し弁えろ。俺に言われるとか真面目に恥を知るべき案件だぞ」

 

 少なくとも、知識としてそこは把握してほしいもんだ。

 

 ただ、アーシアとイリナは明らかにきょとんとしているけど。

 

「え? 樹下さんはとっても立派で真っ当な方だと思いますけど」

 

「そうよね。桃山警護事務所でもオカ研でも立派なツッコミ役だわ」

 

 こ、この天然ボケ共は……。

 

「波柴一族の連中の教えもあって取り繕うのが上手く、ついでに言えば弁えているだけだ」

 

 貞操観念の類は完全破綻しているんだがなマジで。自覚があるから対外的には多少取り繕えるだけだ。

 

 まぁ、そこをつつくと絶対にややこしいことになるというか中等部相手のコンプライアンス問題に波及するので自制自制。

 

「というより、ベネムネ先生? ガチ目の戦意を向けてきた辺りで止めるのが教師ではないでしょうか? 正面からでも戦えるのでは?」

 

 まぁ責任を追及するならあっちもだが。

 

 あえてジト目でベネムネ先生を見るが、本人は軽い調子だった。

 

「はっはっは。流石に本当に止めた方がいい時は止めるさ。実際、エクス・デュランダルと神滅具になるはずだった神器の激突は止めただろう?」

 

 まぁそれはそうなんだが。

 

 結界越しでも感知に長けている奴なら分かるからな。事実、麗奈さんが真っ先に気づいて大慌てで向かったから追究できているわけだし。

 

 ただ同時に、ちょっと気になる点が増えたけど。

 

「……神滅具になるはずだった神器、ですか?」

 

「……あの、そもそもろんぎぬす……って何ですか? キリスト教の聖なる槍がそんな名前なのは知ってますけど……?」

 

 アルトリーネさんが首を傾げると、宮本も首を傾げて質問してくる。

 

 ……あ、コレ罪状が増えた。

 

「ゼノヴィアぁ? あの子完璧に部外者っぽいんだけど? こっちの事情をさっぱり知らない女子中学生相手にぃ? 何をやってるのかしらねぇ?」

 

「ま、待て雨宮さん! 私は誰かを守る為に向き合っている者としての心構えを―」

 

「そういうのを! 日本の! 一般人の! 女子中学生に……求めるな!!」

 

 とりあえず、ゼノヴィアの説教は麗奈さんに任せよう。

 

 さて、説明が面倒くさいことになりそうだが……流すのもあれか。

 

「とりあえず、こっち側の事情をある程度説明しよう。というより説明しないとまずいというか、英雄派辺りが誘拐してきそうというか」

 

 いくらゼノヴィアでも、本当にただの女子中学生レベルの少女にエクス・デュランダルを向けた戦闘は選択しない。それだけの実力があるからだろうし、付け加えるなら神器持ちなのは確定だ。

 

 となると英雄派辺りが怖い。奴らが変なことを考えないうちにある程度事情と知識を教えておかないと、何かしらの大ごとになりかねない。

 

 あいつら現在進行形で、誘拐洗脳からの戦力運用をかましているからな。普通に殆ど死ぬだろう人体実験までやっている実績があるから、実害に限ればヴァーリチームより酷いしな。

 

 とその時宮本の胸辺りからオーラのようなものを感じた。

 

『ふむ、英雄派か。あの時の連中のことかもしれんな』

 

 ………。

 

 あ、これ手遅れかも。

 

 俺は思わず天を仰いだ。あいつら本当にもう。

 

「宮本さんだったかしら。英雄の末裔を名乗る手合いに襲われたことがあるの?」

 

「あ……はい。少し前に、そう言った人達が襲ってきたので、戦うことになってしまいました……」

 

 アルトリーネさんが確認しているが、マジっぽいな。

 

 襲われたのか。しかもこの感じだと、撃退したのか。

 

「絶花ちゃん、英雄派に襲われたの!? 大丈夫だった、怪我してない!?」

 

『ふん。絶花を舐めるな。二刀乳剣豪たる絶花を相手にするのなら、数でも質でも全く足りていないぞ』

 

 アヴィ嬢に心配された絶花を自慢げに語る謎の声だが、もうこれだけで何となく分かる。

 

 あ、コイツあれだ。セラフォルー様と同じタイプだ。自分のフェチを人に押し付けてくるタイプだ。

 

「宮本。事情は後で聞かせてもらうが、それとは別で言っておこう……たまになら愚痴にも付き合うぞ?」

 

「………ありがとう、ございます……」

 

 宮本は心から嬉しいのだろう。凄く安堵していた。

 

 とりあえずドライグには会わせられないな。真面目に発狂しかねないぞ、コレ。

 

 

 

 

 

 

 

 これが、後々一緒にトラブルに巻き込まれたりすることになる後輩。宮本絶花達オカルト剣究部との出会いだ。

 

 本当、色々大変だよこの子も……っ!

 




 サムライガール編は幕章としては長めで八話を予定しております。

 話の都合上作ったはいいけどあまりからませづらい純潔十字連盟向けでもあり、ある意味ラッキーな思い付きだったと自画自賛中です。
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