※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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はいどうもー! ちょっと最近体調不良気味のグレン×グレンでっす!

消耗が大きく食欲不振気味。風邪ひいてたんですけど夏バテとバトンタッチですかね。四日ぐらい昼まで寝ている状態です。有給の残日数を考えるとマジで気を付けないと。

だから元気を入れるために反響プリーズな本編です!!


第三話 転校生が狙われてる

《空本麗夜》

 

 

 

 

 

 

 

 本日、俺は麗奈や麗華と一緒に高等部に来ていた。

 

 中等部警護の仕事をやっている麗奈の提案で、比較的安牌側はリザーブ枠ぐらいになっていいだろうとなり、そのついでといったところだね。

 

 ……俺も大概ふしだらだけど安牌側なのか。

 

 別の高校に通っているリーナちゃんはともかく、他で安牌側なのはコガネさんぐらいだと思ってたよ。

 

 ま、高等部のアザゼル先生がたまにあほなことをするから、その監視も兼ねている。時々サプライズで監視しないと何をやらかすか分かったもんじゃない。星斗さんの胃を気遣っておかないとね。

 

「星斗さんやアザゼル先生への差し入れも兼ねてだが、手作りでおはぎとはまた古風だな」

 

「たまたま小豆が安かったのよ。ま、この後オカ研や中等部にも差し入れるけど」

 

 麗華の質問に麗奈がそう返すけど、料理上手だよねぇ麗奈って。

 

 もちろんご相伴に預かりました。美味しかったです。

 

 誠二辺りが食べたら変なレビューを始めそうだなぁ。

 

 ……なんてことを思ってると、麗奈が急に視線を変えた。

 

「あれ? そこで何してんのー?」

 

 ちょっと大きめの声で呼びかけている方向を見ると、そこには中等部の制服を着た少女達がいた。

 

「あ、麗奈さんこんにちわー!!」

 

 元気よく手を振って返事をしているのは、悪魔の子だ。

 

 確かアヴィ・アモン嬢だったかな。資料で見た気がする。

 

 返事も貰ったので三人揃って近づくと、気で見えなかっただけで祐斗くんがペンバッジにサインを書いていた。

 

「やったー! ダークネスナイト・ファング様のサインっすー!」

 

 と、祐斗君からサインをもらった女子がはしゃいでいる。

 

 それを見てから、麗奈は呆気にとられている黒髪の少女に向かって肩をすくめた。

 

「ここにいるのは驚いたけど、彼のことは知ってるのかしら?」

 

「い、いえ。……おっぱいドラゴンがどうとか、先輩に相談とかという話なんですけど」

 

 なるほど。彼女が宮本絶花ちゃんか。

 

 となると、残っている金髪の少女が、例の英雄派候補……ね。

 

「その、中学生が知ってていい名前には思えなかったんですけど、何なんでしょうか?」

 

「絶望しなさい。冥界で少し前から始まった、より低年齢層向けの特撮ヒーロー番組よ。彼はそのモデルの親友なの」

 

 麗奈がもの凄く同情の意志を見せて、肩を叩いている。

 

 そのまま簡単な説明を始めたので、俺達は別の形で動くべきだろう。

 

「やはりこういうのは羨ましいな。今度アザゼル先生に頼んで、私も参加できないか相談したいぞ」

 

「おお、貴女はルシファーさん! それはそれで面白い作品になりそうですね!!」

 

「ははは。そうなると、一番仕事が増えるのは樹下君か秀華さんになりそうだね」

 

 と、サインを強請っていた子を中心に麗華が会話を弾ませている。

 

 となれば、残りは俺が対応するべきかな?

 

「初めまして、アヴィ嬢。それと君は……」

 

「初めまして。私はリルベット・D・リュネール。訳あってオカルト剣究部に籍を置かせてもらっています」

 

 気品のある挨拶を受けたけれど、どうやら俺達が感づいているとは思っていないようだ。

 

 とはいえ、彼女が英雄派でない可能性も薄いだろう。少なくとも異形側なのは確定だ。

 

 だからこそ、フランス政府の異能担当から情報提供があった。そしてそれならば、俺達についてもある程度の知識はあるはずだ。

 

 それを指摘してないのなら、つまりそういうことだ。潔白ではない。

 

 まぁ、ばれない程度に遠回しでアヴィ嬢に警告ぐらいはしておくべきだろう。

 

 そっと麗奈や麗華に視線を向けると、二人とも小さく頷いていた。

 

「初めまして。それとおっぱいドラゴンの話で特に驚いてないということは、こちら側に足を踏み入れているみたいだね。この街はそういう人が多いし、この学園はノリがそっち側だからまぁ気楽に過ごせると思うよ」

 

「……そうですか。それは助かります」

 

 簡単な鎌かけには反応しないか。これで慌てたのなら即黒だろうけどね。

 

 まぁいい。遠回しな警告を、二重の意味でしておくとしよう。

 

「とはいえ、あまり油断はしないでほしい。……麗奈や誠二、アルトリーネ達が気に入っているからオフレコで話すけど、この街に異形側のテロリストが潜伏している可能性がある」

 

「……そうなんですか!?」

 

 と、真っ先に絶花ちゃんが反応したので、リルベットの反応は探れないね。

 

 まぁいい。それなりに説明した方がいいだろう。

 

 特に彼女は一度襲われているらしいしね。ある程度の情報は伝えておいた方が得策かな?

 

「英雄派っていうと、以前麗奈さん達が言っていたような気がしますね」

 

「……そうだね。君は既に目をつけられていたらしいし、彼らについては特に知っておくべきだろう」

 

 そう前置きして、俺は努めて穏やかに説明する。

 

「英雄派は、ここ最近になって活動を介した国際異形テロ組織「禍の団(カオス・ブリゲート)」の現最大派閥だ。首魁である曹操を筆頭に、英雄の末裔やあやかった者達がその英雄の名を名乗って幹部として活動していることが多い」

 

 この辺りの基本知識を伝えたうえで、更に警戒心を煽ることにしよう。

 

「ただ、それに反して不遇な生活を強いられてきた者達も多いみたいでね。麗奈達が戦った中堅上位曰く「曹操が英雄という光を示してくれたから、その為に何でもする」という者達が主流派だ。それもあって、英雄の負の側面を好んで振るっているような者達が主力になっている」

 

 色々な意味で酷い話だ。だが、それだけで済ますわけにもいかない。

 

「活動初期段階が特に酷いね。何も知らない神器保有者を多数誘拐し、洗脳して強敵がいる場所に送り込んで死線を強制的にくぐらせることで、神器の究極系といえる禁手に到達させることを強制したんだ。……その過程で細工を仕込んでおり、至らなければそのまま死んでいる可能性が大きい状態になっていた」

 

 その説明に、息をのむ少女達は多い。

 

 リルベット嬢も、息をのんでいる演技をしているようだが……内心の動揺が大きそうだ。

 

 この分だと、実態を把握し切れていない可能性もあるな。英雄派だと確定したのなら、司法取引をちらつかせての取り込みも図るべきか。

 

 ただまぁ、好都合だ。彼女の反応で真偽を探りたいところがある。

 

「あとこれは正確な情報じゃないけれど、英雄派の中にもいくつかの派閥に分かれているらしい」

 

 俺はそういうと、指を一本立てる。

 

「一つは、さっき言った首魁の曹操を信奉する中核部分。最高幹部クラスの過半数がこの側であり、主導権を握っているのは彼等だ」

 

 反応は薄い。まぁ当然の知識か。

 

「もう一つは、サブリーダーとして活動しているコハヤ・リバーの怨骸衆を中核とする一派。こちらは質では劣っているようだけれど、洗脳されてない構成員の過半数を取り込み、更にインフラ部分にも食い込んでいるため対を成している。曹操達も無視できない」

 

 こちらも反応が薄い。なら、本命だ。

 

「三つ目。これが詳細不明なんだけれど……大帝とか名乗っている人物が率いる、少数チーム」

 

 ……僅かに反応した。そこまで知られているのかといった可能性があるね。

 

「どうもこのタイプの情報があまり掴めていないんだ。盟主であり象徴でもある曹操や、インフラを握っているコハヤ・リバーはともかく、その二大派閥と真っ向から渡り合える少数派閥となると、ちょっと薄ら寒い」

 

 これ以上の深堀もあれだろう。この辺にしておくとするか。

 

「まぁ、誰もかれも幹部クラスは全員相当の実力者だ。また性質上人間で強い手合いを見るとちょっかいをかけたがる危険人物も多い。……何かあったらすぐに、専門家に頼るようにしてほしいかな?」

 

 祐斗君も、それに対して頷いてくれた。

 

「そうだね。英雄派の幹部とは戦ったことがあるけど、誰もかれもが下手な上級悪魔を一蹴できるような実力者だ。ゼノヴィアや僕が同時に仕掛けても捌くことができる剣士もいた」

 

「……ゼノヴィア先輩ですら……っ!?」

 

 絶花ちゃんが驚いている。

 

 そういえば、この子はゼノヴィアちゃんに絡まれたことがあるとか。……あの子も何をしているのやら。

 

 まぁ、それで分かってくれるのなら話は早い。

 

「高校生の祐斗君達が戦っているのに今更かもしれないけれど、荒事は基本的に専門家に任せる方向で行くといいよ。子供として守られるっていうのは、ある意味で凄い幸運なことだからね。甘えられる時ぐらいは少しぐらい甘えるぐらいでちょうどいいよ?」

 

 少しは年少者が年少者らしくできる方がいいだろう。

 

 だから、それぐらいのことは言わせてほしいかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《樹下誠二》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どっから突っ込んだらいいのか」

 

「……単純にそういう物だって知らないのかもしれないわね」

 

 俺とアルトリーネさんは、ある場所を見てため息をついた。

 

 そこは一言でいえば、ラブホテルだ。

 

 どうもリルベット・D・リュネールはそこをねぐらにしているらしい。

 

 ……色々な意味で大丈夫なんだろうか。というより、この時点でほぼほぼ普通じゃないだろう。

 

 この情報をどこかで聞いたことにして、そこから捜査の手を入れるぐらいでいいような気がすると思いながら、俺達は近くのチェーン店に入り、安めのセットを購入して一休み。

 

 シェイクを一口飲み……俺はほぉっと息をつく。

 

 安いシェイクだ。チェーン店ならまぁこんなものだろうレベルだ。

 

 だが、その安さが時として人を癒す。金を払って出すだけあり、そして基本を工場でまとめているからこそ、安くても一定の品質が保証されているからだろう。

 

 ああ、この安い甘み……これもまた一興。

 

「トリップはその辺にしてくれない? 私だけ苦労している気がするわ」

 

 なんか失礼なことを言われた気がするが、とりあえず堪能するのはこの辺にしておこう。

 

 さて、問題は此処からどうするかだ。

 

「既に対応準備は進んでるようだが、俺達としてはオカ剣の警護を中心にするべきだな」

 

「そうね。一応他に動いている側も多いみたいだし。無理に動く理由もないでしょう」

 

 実際のところはそんな感じになるだろう。

 

 リルベット某に関しては警戒必須だが、いい加減感づかれて警戒もされているからな。それにそこまで裏工作をしているわけでもない。

 

 やはり囮かそんなところだろう。どうも妙な方向に突っ走る感じはあるが、誇り高い貴族的な生き方を目指しているようだからな。卑怯上等の英雄派とは相性が悪いと見た。

 

 ダメもとの嫌がらせを兼ねて、不良在庫の一斉処分……というのも真剣にあり得るかもしれないな。

 

 どうも諜報合戦も白熱化しているらしく、英雄派の内情もだいぶ分かってきた。

 

 英雄派の人員は相当増えているらしい。洗脳した者達を除いても、小国の軍隊レベルの人数を確保しているという話もある。

 

 最もそれもあって、大きな派閥がいくつかできているという流れだ。筆頭幹部の多くは曹操に心酔しているようだが、そうでない者も多く集まってしまったようだ。

 

 カリスマ性の高い急拡大する組織だと、こういうことがよくあるとも聞く。なまじ器があり人を集められる為、合わない者達まで勢い余って集まってしまうということだ。

 

 洗脳している者達の多くを獲得していることもあり、主導権を曹操が握ることに否はないだろう。少なくとも、波柴藤華も対立する意味がないと判断していると見える。それが結果的に、曹操達と合い切らない者達を受け止めている形になる。

 

 だからこそ、怪しいのは大帝のグループ。

 

 少数派であるにも関わらず、主要に大派閥を相手に立ち回れている連中だ。何かあると考えるべきだろう。

 

 木曽分隊とも方向性が違うのが気になるな。妙なところで引っ掻き回されそうな予感がしないでもない。

 

 ……さて、敵がこれからどう動くか。その辺りを見極めつつ立ち回るとする……か。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《Other》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……まさか、余の居場所を探り当てるとは思っていなかったぞ。星辰聖奏者(スフィアルーラー)……だったか」

 

『待つがいい。少なくとも、我々は貴殿らと殺し合うつもりはない。むしろ逆だ』

 

「ほう? 禍の団である我らを前に、純潔十字連盟が手を組む理由がなかろう?」

 

『禍の団と手を取り合う理由はない。だが、君と共闘する理由はある』

 

「ふむ。まずは言ってみるがいい。余と貴様達が共闘する理由が、いったいどこに―」

 

『聖書の神を復活させる。それが君の望みなのだろう?』

 

「っ!?」

 

『知っている理由は簡単だ。それを我らが言葉にして望み、いくつかの神器と同調して探り当てた。……我らですら本気でできるとは思えていなかった、聖書に記されし神の復活を真剣に願う者をだ』

 

「知っていたのか? 禍の団でそれを知る者ですら、明確な武器としないこの秘密を」

 

『少し違う。分かっているのだ、我々が我々として形を成した時点で、この世界に聖書の神は存在しないのが大前提となる。……それが、聖奏という極晃星(スフィア)の本質だ』

 

「……それで? 我々と貴様達で共闘すると? 禍の団の一員である余と手を取り合えば、少なからず歪みを生むだろうに」

 

『そうだな。だから当面は条件付きだ。最低限の情報交換と、()()()()の不可侵条約。その代わりに、ある程度の理由説明と引き換えにそちらの作戦に多少の人材を提供しよう』

 

「神の復活がなされれば好都合。そういったどまりか。……よいだろう。優先順位を大きく変える……といったところにしておこう」

 

『感謝する。まぁ、お互いにこの情報は他の勢力に明かすべきではないだろうが』

 

「そうだな。……だが、その証明としてちょっとした作戦に協力してほしい」

 

『ではまず理由を聞こう』

 

「余達分派は、ある類の神器を目覚めさせた状態を維持し、可能なら確保したい。その内持ち主と居所が判明している物があるので、その実態を把握したいのだ」

 

『具体的には?』

 

「駒王学園中等部所属、宮本絶花。失楽園の双刀を片方宿す者だ」

 

『いいだろう。失楽園の双刀の持ち主に対する強硬接触……の名目で、小規模部隊をいくつか動かせるはずだ。随伴させるか陽動にするかはそちらの判断に任せる』

 

「なら陽動だ。分派ではない者達や旧魔王派にも声をかけているのでな。本命の理由は伝えてないとはいえ、連携は取れないだろう?」

 

『分かった。ついでに討たれた方が都合のいい者を教えてくれ。彼らもターゲットの一つにすれば、更に動かせる規模は増やせるだろう』

 

「本気なのはよく分かった。では、お互いに健闘を祈ろうではないか」

 

『ああ。願わくば、これが主の復活に繋がることを祈る』

 




 びっくりするぐらい聖奏と大帝の相性がいいんですよねぇ。信じられないぐらい合致しているというか、腹を割って話せば絶対手を組むレベルというか。

 そんなわけで、トップ同士の密約レベルですがこんなことになりました。ぶっちゃけ純潔十字連盟、作ったはいいけど出番がなかなか作れなかったのである意味で好都合です!
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