シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚 作:グレン×グレン
とりあえず新作作成欲求は落ち着いたので、そろそろ進めていきたいと思っております。……「悪役令嬢の矜持」やべぇ……っ!
それはそれで本編!
《木場祐斗》
「それで、中等部のあの子達は頑張ってるみたいだね」
「ま、バイト代は出してるし福利厚生もしっかりしてるしな。おかげで比較的楽に仕事ができてるよ」
樹下君と話をしていると、中等部の話題になった。
アドバイスとサインをねだりに来た、オカルト剣究部の子達についてだ。あの後色々あったらしく、英雄派だったリュネールさんに魔星になってしまった宮本さんの保護観察も兼ねて、バイトとして雇って中等部の折衝役になっているとか。
秀華さん達が中等部の子の面倒を見るということでちょっと不安だったけれど、上手くいっているようで何よりだよ。
「それとリルベットからの情報提供もあって、英雄派の情報もだいぶ集まってきた。……木曽分隊の大規模拡張と、曹操直属の親衛隊の存在が知れたのは大きいな」
それは、確かにね。
桃山警護事務所と因縁が深い木曽分隊の大拡張。拡張しているのは知っていたけれど、相当のレベルのようだ。
更に曹操直属の親衛隊。彼のカリスマ性から考えれば面倒な敵になりそうだ。
と、樹下君はそっと簡単な資料を渡してくれている。
「木曽分隊の規模はもはや分隊というレベルじゃない。ちょっとした海兵隊規模になっている形だ。最も、問題は同規模存在している曹操親衛隊だが」
と、樹下君は軽くため息をついていた。
実際に資料を見てみるけど、確かに厄介だね。
……禁呪だけではなく薬物を併用した強化施術が施されているそうだ。専門のドーピング研究医療部隊までいるようだ。
「英雄派の正規構成員の中でも曹操に心酔しているチーム、そこから更に選りすぐりの信奉者で構成されているようだ。実力もそうだが、強化施術を使ってでも露払いができるようになった者達が数十名確認されている」
「しかも暫定的なリーダーはあのゲオルグか。厄介だね」
英雄派の規模も相当に高い様だし、これは無視できない。
「つけ入るスキがあるなら急拡大だな。こういうのは大抵多少の歪みが出るわけだが、しかしコハヤがそれを予想してないとは思えない。実務方面はあいつとアイツの子飼いが大半を担当しているみたいだから、対処はできているはずだ」
「そこに例の分派も踏まえると……ってわけだね。確か、幹部には旧約聖書に絡む神器保有者がいるって話だね」
「そういう手合いを集めているのかもしれないな。ベネムネ先生から緘口令敷かれてるんでぼかすが、まぁそういうことってわけだ」
つまり、オカルト剣究部の中にそういう神器持ちがいるということか。
色々と無視はできないね。今後に備えて僕らも頑張らないと。
もっとも、その辺りは僕達の方が大変だろう。
中級昇格試験があるのもそうだけれど、オーフィスが兵藤邸に逗留しているのが大変だ。
さて、ここからどうなることか……。
《空本麗夜》
「そうか。中等部でお家騒動が起きていると聞いたが、少々違うようだな」
「そうなんですよ星斗さん。所長がとりなそうともしているんですが、……多分根が深い問題が起きたと思われます」
珍しく昼酒に誘われた俺は、星斗さんとサシの身をしながらそれとなく情報交換をしている。
非常勤講師で今日はオフとは言え、星斗さんがこんなことをするとはね。何かしら大変なんだろう。
まぁ、どこも大変なところは大変なものではある。
まず中等部のアヴィ嬢だけれど、なんか急にアモン本家の次期当主に繰り上がりになりかけているとか。
本来の次期当主である長兄が行方不明になり、次兄は別の家に婿入りする形が決まっている。そこからくる繰り上がりらしい。
ただアヴィ嬢はメイドさんがお手つきされて生まれた子であり、本家に嫁入りしているシエスト様との折り合いが悪い。それでちょっとごたごたになっていると。
「俺はその時いませんでしたが、所長と麗奈が対応した時の反応も踏まえるとあれっぽいですね。どうやら政治的なヤバイ案件が匂ってきたとか。あとアヴィ嬢の眷属候補として派遣されてきたエルター・エルプルスという少女も匂う」
「性別を偽っている可能性が高い時点で怪しいな。それにエルプルス家は断絶していたはずだ」
そういうわけだ。
確実に裏がある。ただそれを考えると、裏で動いているのは相応の名家だろう。
アモン本家は直接の上役として、かの魔王ファルビウム様との繋がりがある。加えて駒王学園の生徒相手に動く場合、リアス嬢達魔王サーゼクス様側と、ソーナ嬢達魔王セラフォルー様側にも影響が出る。加えて麗華に所長という、ルシファー及びレヴィアタンの血統が面倒を見ているわけだしね。
下手につつくと火傷じゃすまない。にも関わらず裏で動くとなると、相当の名家が腐敗している状態だろう。
「この件については既にサーゼクス様達も警戒しているようでして、警戒が薄くなりやすい絶花ちゃんにそれとなく見張るようグレイフィアさんが依頼したそうです。……どうも直通ライン代わりに契約したみたいで」
「……後で宮本のメンタルケアをしておくように。絶対に分かってないだろう」
同意見です。
ことの最中に伝えると、あの子は絶対動揺する。それは避けたい。
ま、こっちも色々動いて候補の当てはできているが。
「ちなみに最有力候補はサタナキア家です。どうも昔、エルプルス家の悪魔と婚姻した者がいるようでして。……性別を偽っているのも、いざという時切り捨てることを踏まえた物でしょう」
「ああ、なるほど。あの家は男性のみに発現する女性特攻が特性だったな。血族単位で女性を軽んじるようになってしまうのは職業病ならぬ種族病か」
その辺りを踏まえ、教師である星斗さんにも報告はしておく。
まぁ、一族そのものが男が女を虐げる性質を持っている以上、一族内で男尊女卑思想が蔓延することそのものは不可抗力の側面もあるだろう。
最も、それが外から見てどうなるかの理解が足りてない。加え、外に対してまで広めたらどうなるかなんて言うまでもない。
「所長含めて協力体制で、隙あらばコテンパンにのすつもりで動いています。ただ、多分サタナキア家に彼らもよく分かってないだろう後ろ盾が存在しているようでして」
「……どういうことだ?」
まぁそうだろうね。当然の反応だろうね。
いや、本当に知った時はやばかったよ。
「それが異形を知る
「……………は?」
そりゃ面食らうだろう。俺達も、それを探り当てた時は困惑した。
その、なんというか……ね?
「ちなみに主な資金源は信徒達によるサディスト男性限定SMクラブとのことです。要職についている者達はもれなく自主的に働いており、「如何に男性に仕え彼等にひと時の幸福と真の尊厳を齎せることができるか」で位階が決まるそうです。サタナキア家を知る者が信徒になってから、異能技術まで取り込んで超急速に発展してまして。……噂では「女を虐げて
いうだけで頭の痛くなるような組織だ。変態ってのはこれだから……人の子とは言いづらいけど。
星斗さんも眉間にしわを寄せて俯てるし。
「……いわゆるツイフェミと殺し合いでもしてそうだな」
「あ、その疑いもあるみたいですね。実は最近、過激派ツイフェミの女性が猟奇的に殺される事件が頻発していて、公安と祓魔省がマークし始めてます」
言っててなんだけど、もうとんでもない組織だ。
というより、その辺りの情報のやり取りでだいぶ分かってきている形だからね。
信徒達が漏れなく女で、誰もが男に女が虐げられる世界を尊んでいる。鬼畜系のエロゲームでも中々ないだろう組織だ。
実に頭が痛い。そしてそんな手合いにとって都合が良すぎる悪魔が存在しているのがまずい。
「裏取りができ次第サタナキア家を締め付けるようですが、人間界側からそいつらによる妨害が入りかねないのが厄介ですね。なんかもう、世界規模に展開し始めているようでして……最近はCIAの異能部門とも連携を取り始めてます」
「……そちらはそちらで大変だな。最も、こっちはこっちで大変だが」
そう同情を示しながら、星斗さんは勢いよく酒をあおる。
ウイスキーのロックを一気飲みはどうなんだろうか。星辰奏者といっても酒に限界はあるのに。
……いや、わざとか。
酔ったふりをしてあえて情報を流す算段だろう。多分相当のことになっているな。
「アザゼル総統には悪いが、昨今の情勢を踏まえた多少は流した方がいいだろう。……今総督は、グレモリー眷属と私を巻き込み、ヴァーリと交渉してオーフィスの取り込みを図っている」
……中々にとんでもない情報が出てきたね。
もしそうだとするなら、下手をするとかなり大問題を起こしている。超法規的措置が適用されたとしても、重罪となりかねないレベルの事態だ。
俺達桃山警護事務所にすら黙っている辺り、分かったうえでのことだろう。多分ソーナ嬢にも知らされてないね。
「既に色々と動きは進んでいる。だが同時に……これに乗じなくとも動いていただろう者達が見えている。警戒だけはしておいてくれ」
これは、本当にやばいことになるのかもね……!
《樹下誠二》
「エルター・エルプルスに関してですが、なんか中学生活をエンジョイしてますね。というより、イマジナリーフレンドとロリコンに目覚めている節があるんですが別の意味で危険視した方がいいかと」
「星斗さんから飲みに誘われましたが、アザゼル総督がかなり危ない橋を渡っていることを匂わしてました。どうもヴァーリと交渉して、グレモリー眷属まで巻き込んでオーフィスの懐柔を図っているようです。……逗留している可能性も考えるべきかと」
「うわぁ……マジでうわぁ……どこもかしこも……~~~~~っ」
麗奈さんと麗夜さんの報告を聞いて、秀華が軽く天を仰いだ。
まぁそうだろう。同時進行で色々と厄ネタが起きているわけだしな。
「それとこれも星斗さんがにおわせてましたけど、どうも禍の団内部でもオーフィスに対して不穏な動きがあるようです。ヴァーリチームがアザゼル総督に協力しているのも、そこに絡んでいるかと」
「個人の友人とする分には気のいい奴らだもんね、あの連中。……ま、それは置いとくとして」
麗夜さんの補足にため息をついてから、秀華は考え込む態勢に入る。
「同時進行で大荒れしそうってのが厄介だね。麗華、そっちは何か聞いてる?」
「完全に初耳だな。総督も相応に情報を絞っているのだろう」
麗華さんがそういうからには、これは色々とやばいことになっているな。
まったく。学校でイッセーからアホみたいな相談があった時から、ちょっとした予感はあったんだよ。
確定はしていないがほぼ確実なレベルで、イッセー達はオーフィス本人から接触を受けている。
あいつら中級昇格試験のはずなんだが。中間考査込みで大変すぎるぞ、死ぬんじゃないか?
「……とりあえず、アザゼル先生にはこっちから深入りして巻き込まれに行くよ。こっちもそれなりの手がないわけではないし、多分先生も中級昇格試験とタイミング合わせで冥界に連れてくだろうしね」
既に数手先を想定して秀華は動いている。
「その辺りを目標にして、他の首脳陣と合わせる方向か」
俺が悟ると、秀華は盛大にため息をつきながら頷いた。
「多分ね。流石にずっと隠したままで成功してから事後報告……だと、リアスちゃん達にも実害行くだろうし。それとなくグレイフィアさんには相談しとくよ」
さて、それはそれとしてだ。
「もうこっちもこっちで忙しいのに、厄介なことになってて最悪ー。……あとあの子達、絶対に忙しいタイミングで入ってくるのか……ちょっとタイミングが悪いね」
ああ、あれか。
「確か、新入りが入ってくるんでしたっけ? 特務社員は何人の予定ですか?」
本格的に桃山警護事務所に増員がされるという話があったが、そう言えばそろそろ顔合わせだったな。
麗奈さんもそれを思い出して質問するが、秀華は片手をひらひらと振った。
「今回は正規社員オンリーねー。あ、それと合わせて、そろそろマジで悪魔の駒で転生させる子も出すから……明日は一日開ける感じで。ついでにバイトのオカ剣も連れて……来た方がやっぱいいかぁ……」
なんだ今の間。
なんというか、凄まじく嫌な予感を覚え始めた。
明日、大丈夫なんだろうか……っ
明後日の方向にぶっ飛んだ変態をにおわせております。ヒーローズ編後の間章辺りでヴィランにする予定です。