シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚 作:グレン×グレン
ある意味でタイミングもいいので、転職を視野に入れて動きたいところ。当座のプランとして、今の障害者雇用が六時間労働で残業なしなので「まず八時間労働になれる」ことと「ちょっと環境を変えて心機一転したい」という理由で「寮住まいするタイプの数か月の労働」に手を出したい。ただし心療内科に月一で通っているので、やるなら地元からそんなに離れてないところでやりたいのが難点。いくつか候補は見繕っているけれど、まぁ満点なところはないですね。これは仕方ない。
とりあえず、月曜日中にハローワークに再登録をして第一歩としたいですね。再登録をしているということそのものはメンタル面に一区切りも入れそうですし。
それはそれとして本編!!
《樹下誠二》
レイドボス。左豊菊花には波柴の訓練生時代にそんな異名が名付けられている。
理由は非常に単純だ。あいつは自分以外の訓練生を全員相手にして打倒した実績がある。レイドバトル必須の化け物だからだ。
波柴一族の戦闘訓練課程において、数の暴力を経験させる為の訓練が存在する。つまり指定された人物が、それ以外全員を同時に相手取る敗北させる為の訓練だ。
俺もやったが、まぁ粘ったがやられた。事前準備期間有でゲリラ戦に持ち込めればワンチャンあるが、あれは倒されることが前提だからそんなチャンスなんて与えられるわけがない。
だが、菊花は禁手に至ったことでそれを成し遂げてしまった。
もちろんだが、波柴の訓練施設でも史上初の快挙だ。その後は流石に集団戦術の練習なども行われたので同じパターンで成したことはないが、それでも戦闘成績において歴代一位の成績を不動の物としている。当時において禁手到達者とはそれだけのアドバンテージがあり、それだけでない戦いの才覚にもあふれているからこその快挙だ。
それゆえに、ついたあだ名がレイドボス。訓練生数十人が一斉に掛かってなお負けかねない、圧倒的な実力者こそが左豊菊花という女傑だ。
一対一で勝てる自信はない。反粒子という切り札を新たに手にしている上に至っているとはいえ、あいつも反粒子が使えるという点で状況はそこまで変わっていない。
真っ向勝負では不利。ならどうするかなど、ただ一つ。
……真っ向勝負と見せかけたうえで、一気に不意打ちで押し切る。
悪魔化したことによる性能上昇を踏まえてなお、それをするぐらいの気概でなければ勝てる気がしない。
その為の仕込みを組み込みつつ、俺は菊花と戦闘を繰り広げる。
禁手によって形成される闇之尾羽張を、菊花は振るう聖剣で迎撃する。
木場の聖魔剣とは別の意味で、俺の禁手はこの二振りにリソースが集中された形態。本来、禁手でもない聖剣創造で受け止められるはずもない。
だが、菊花は手に握る聖剣と同時に同型の聖剣を複数創り出し、叩き付けてオーラの奔流で砕け散らせることでこちらの斬撃を迎撃する。
創造系神器という、手数に長けるが戦闘という一点集中の特化型が好まれる環境には不向きな神器。そのアプローチとして、俺の物量戦術と似て異なる「使い捨ての過剰出力化」という選択肢を取っているのだろう。オーラの奔流が打ち払う為、物量戦術の投擲攻撃も通用しない。
そしてそれを基点として放たれる蹴りを、俺は迎撃。
さっきから極低温の冷気と高熱を織り交ぜることで、熱衝撃による脆性破壊を狙っている。
菊花の星辰光は、脚甲の形で煌天雷獄を再現する。基本性能は俺の基本形より上と言ってよく、これも面倒だ。
不幸中の幸いは、俺の再現する
更に今の俺は、青蘭の力を宿すことで遠距離攻撃に対する防御性能を会得している。遠距離戦に限定すればこっちが比較的有利であり、距離を上手く切り替えて翻弄する形で戦いに持ち込めている。
だが、それで決着がつくわけではない。
菊花は菊花で、麦吉子の力を宿している。それも黒刃という代物だ。おかげでこっちも遠距離戦が決定打にするのが困難だ。
総合的な身体能力ではこっちが上回っているとは思うが、それにしたって限度もある。……この調子だとまずいな。
「流石にしぶといわね。……ま、そっちも至ってる上に反粒子もあるし当然でしょうけど」
「まだ至ってないくせによく言う。そこまで警戒してもらえて光栄っていうべきか?」
菊花の禁手は、聖輝の騎士団。聖剣創造の基本的な禁手であり、言い方は悪いが木場の禁手の下位互換に近い。
俺の発言も半分は挑発だ。面制圧特化の投擲攻撃を主体とする俺は数の暴力に比較的有利。さらに青蘭によって獅子王の戦斧を付属させている上に禁手もあって、有象無象ならほぼ無視もできる。
だから必要性が薄いという点はある。だが、それであっても加減している状態にしている意味がない。
……何かある。そう考えるべきだろう。
そして、菊花はため息をついた。
「油断を誘うつもりだけど、どうやら勘づいているみたいね。……良いわ、見せてあげる……
しびれを切らしたか。
さて、どうなる?
一旦攻撃を止め、何が起きても対応できるように身構える。
……何もさせずに一発勝負で押し切れるなら、反粒子持ちの俺にとっても都合のいい勝負。だが相手だって警戒しているのだからそれは無理。
つまり、ジリ貧覚悟で粘りながら隙をつくしかない。
だからこそ、手の内を把握することが大前提。だからこそ待ち構えた。
そして、具現化される八体の騎士を見て舌打ちをするしかない。
「質が違う……木場と似た、騎士団に特殊性のあるタイプか……っ」
後天的に禁手を亜種にする。そういうことができるってことか。
そして、目に見えて菊花達の聖剣の性能が底上げされたことで内実を把握する。
おそらくは菊花のスタンスの延長線上。ただの聖剣を振るう騎士ではなく、聖剣と共鳴して聖剣を強化するリソースを割いたことで、創造物の性能を向上させる機能を持っている。
即座に菊花は俺の後ろに回り込もうとし、騎士団は牽制の攻撃を放ちながら半包囲を狙う。
……数で囲んで袋で叩く戦術。シンプルで厄介な戦術だ……が!
「悪いけれど、もうこっちも準備は済んでいるの」
数の勝負なら頼れる仲間がいるんだよ。
舞い降りた海砂さんの連れ出す魔剣の人形が、一気に聖剣の騎士団を迎撃する。
更にその全てが聖魔剣。圧倒的な猛威の前に、剣の本質と物量で劣る騎士団は薙ぎ払われる。
「増援頼り!?」
「当然だろうレイドボス! レイドボスってのは数で優位性取らないといけないからレイドボスって言われるんだよ!!」
菊花には舌打ちされるが、俺は菊花にタイマンで勝てると思うほど粋がってない。二人羽織もお互い様なら大差がない。
だからこそ、乱戦の最中に味方が援護態勢に入るこの瞬間こそを待っていた。
正直殺すのも忍びないしな。尚更優位性は獲得しないとまずい。
趨勢が緩んだ瞬間を狙い、俺は魔力の砲撃と光力の槍を牽制に一気に切りかかり―
「なら、お互い様ってことでいいわね?」
―その瞬間、菊花を庇う様に強烈な炎が巻き起こる。
咄嗟に闇之尾羽張を使ったのは妥当な選択肢だった。オリジナルである天之尾羽張は日の神すら切り殺した神霊剣。その要素があってか、見事にぶった切れた。
だが、人形達が瞬く間に燃やされる。
海砂さんは咄嗟に禁手を切り替えたことで難を逃れるが、そこに更なる追撃が振るわれる。
「ぬるい禁手でありがたいわね!!」
突貫してくるのは、音成光珠。
聖剣を共鳴させて性能を高めた疑似的な天閃の聖剣。その斬撃を、俺と海砂さんは迎撃。
だが、海砂さんが弾かれた。
「禁手を切り替えると言えば聞こえはいいけれど、慣れれば全部本来の使い手の劣化再現!! 見た感じ、消耗も激しいんじゃないかしら?」
「ぐ……っ」
そう吐き捨てる音成光珠は、銃を引き抜くと牽制の攻撃を海砂さんに放ちつつ、炎をまき散らす。
オーラすら燃える炎を迎撃する為、海砂さんは闇之尾羽張に禁手を固定せざるを得なくなる。そしてそんな海砂さんを翻弄しながら、音成光珠は俺にも攻撃を入れる。
そして問題は、奴が既に手の内を見切り始めている点。
海砂さんの禁手は同型の神器が至った禁手を再現するわけだが、当然だがそんな無茶が簡単にできるわけがない。
変幻自在のリソースと引き換えに、強度・出力・持続時間の点で大きなディスアドバンテージを背負っている。しかも厄介なことに、海砂さん以外の魔剣創造保有者の禁手が揃いも揃ってプラスアルファあっての代物なので、短期決戦はともかく長期戦にはまったくもって向いてない。
「初見殺しじみた一発屋ならいくらでもやれる。もうちょっと援護はした方がいい?」
「いいえ。こっちはこっちで何とかする……わ!!」
そして態勢を整え直した菊花が、そう答えながら襲い掛かる。
これはまずいな。押し切られるか……っ!!
《木場祐斗》
戦闘は高水準で激しくなってきている。
既に樹下君達が戦っているけれど、追い込まれ気味と言ってもいい。
「……まずいですね。援護が必要と見るべきでしょうか」
「そうですね。ただ、こっちにもあまり余裕がないところが厳しいです」
コガネさんと言葉を交わすが、そこに僕らを囲むようにして舞い降りたのはジークフリートだ。
「ふふ。俺達を忘れてもらっては困るよ」
「がら空きだ、異常者どぉっもっ!?」
後ろから仕掛けてきたアイアンローズを一刀両断しつつ、ジークフリートは楽しそうにしている。
「しかし、ゼノヴィアと天使イリナが見えないのが残念だね。今ここには教会関係者が結構いるんだけどさ?」
そう面白そうに笑うジークフリートの周囲には、彼の部下と思われる英雄派が散開している。
……彼と同じ教会からの出奔者か。それなりにいるだろうとは思っていたけれど、こうも集まっているとはね。類は友を呼ぶのかもしれない。
そんなどうでもいい同窓会に興味はない。
だけど、結果的には更に盛り上がりそうだ。
「なら私達でも構うまい?」
「っと!」
振るわれる斬撃を回避したジークフリートを飛び越え、こちらに向かって飛び出したのは霞城さん。
空中で反転して銃撃をする彼女に警戒していたジークフリートは、しかし素早く魔剣の一本を振るう。
それに噛み付いたのは、聖なる光の獅子。
だが、その下から同じく聖なる光で作られた狗が飛び掛かる。
ジークフリートは更に魔剣を使って迎撃するが、そのわき腹を縫うように更に駆け出す者がいる。
「追加登場!!」
「っち!」
安生さんの斬撃を、ジークフリートは飛び退って回避。他の戦士達が反応するが、それを僕は龍騎士を出して牽制させる。
ジークフリートはすぐに対応するが、直後グラムを上に振り上げる。
「……まぁ、これで倒れるわけもありませんか」
絶霧を再現しての奇襲を敢行したコガネさんは、迎撃されたにも関わらず驚かない。
そのまま翼を広げてこちらに戻ると同時、斧を創り出して投擲。
突き立ったそれからは炎が巻き起こり、ジークフリートは氷の魔剣で迎撃。
ジークフリートについた戦士達が銃や神器でこちらを襲うが、それはコガネさんが絶霧でカバーした。
「……やはり厄介ですね。あれは虎の子なのですが」
「……なるほど、そういうことか」
苦々しい顔つきになるコガネさんに、ジークフリートが連れてきた戦士の一人が納得した。
彼はこっちに対して凄く嬉しそうな表情を浮かべている。
「事前に創造した武器に他の異能で属性を込め、それを儀式の贄にすることで、異能を持つ武器をストックさせる……ということか。創造系神器にこんな伏せ札があったとは」
「……見抜かれますか。こちらの手の内を分かっている相手を狙った切り札なのですが」
コガネさんがそう言いながら舌打ちするが、彼女の奥の手が見抜かれたということか。
「準備が大変なんですよ? 自力では連発できないような術を込め、それを複数本奉納して漸く実用的な一本分のストックができるというのに」
「だろうね。連続発動ができない大技じゃないと、ストックする意義が薄いがそれゆえにストックは溜めづらいわけだ」
そうぼやきに答える英雄派の男は、ニコリと微笑みながら弓を具現化し同じく具現化した矢を握り締める。
「偉大なる曹操の物語を彩るだけのことはある……!」
更に鎧に包まれ、同じく具現化された馬へと飛び乗った。
「私は曹操親衛隊の一人、ミッシェル!! さぁ、教会関係者同士楽しもうじゃないか!!」
楽しそうに挑んでくるね。
ただ、その程度で負けてやる気はない!!
かなり早い段階で設計していた菊花の最強設定。戦闘限定で誠二すら超える訓練生として設定しました。
原作でも禁手到達者は英雄派が人体実験したことで初めて大量発生していますし、誠二はつい最近至ったばかりなところもあるので。そういう意味ではいまだにアドバンテージは菊花にあります。正面からの一対一だと基本的に不利です。
そして海砂の禁手の弱点も。さらにやばいのは「周りの魔剣創造持ちが全員別の要素前提の禁手に至っている」点もあるので、さらに弱点が強調される形になっている設定です。多用途性においてはずば抜けてますが、長期戦にはめっぽう弱い感じです。
そして登場、曹操親衛隊。イメージ的には週刊バトル漫画とかに出てくる、ボスの取り巻き的なポジションとして暴れさせたいところです。