シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚 作:グレン×グレン
スマホ切り替えたり童貞卒業したり、常連さんを待っていると元L×Lの更新が進まなかったり、エロを書きたい衝動もあったので書いてました!
最近はどうも「自分の作品だから敬遠されているのではないだろうか?」などという邪推をしてしまっており、実験のためにこんなこともやってみた結果がこれです。それ以前の問題っぽいので凹むぜ!!
とりあえず本編!
《樹下誠二》
「これはどういうことだ、リアス・グレモリー」
「言いたいことは分かるわ。貴女達の接触の後で接触されて、しかも今回の件に関わっているとしか思えないの」
鋭い目で睨むのは、凛々しいというか荒々しいというか、女性的なんだけどそういう雰囲気がある女悪魔祓いだ。
そんな悪魔祓いにリアス先輩はため息をつく。
そして、そんな彼女のフォローをするのは俺達ではない。
「まぁそれはいいんじゃないかしら。というより、ある意味都合がいいし」
そうため息をついたのは白髪の女性。雨宮麗奈。
もの凄く居心地悪そうにしている彼女は、もの凄く居心地悪そうにしている麗夜さんと一緒に、もの凄く居心地悪そうにしているこの空気の原因に視線を向ける。
「「麗華、とりあえず説明」」
「……はい」
最後のもの凄く居心地悪そうにしているのは、銀髪に赤毛が入った特徴的な髪の眼帯をつけた女性。雲川麗華。
この三人は実は幼馴染なのだが、それがどうして三大勢力に分散しているかは俺もよく分からない。麗夜さんの事情しか分からないから、そこから先がちょっとちんぷんかんぷんなわけだ。
で、雲川麗華はこの場にいる者達を見渡すと、勢い良く頭を下げた。
「この度は!
全力の土下座だった。ここまで見事だとなんというかほれぼれするな。
というか、コカビエルって聖書にも名を遺した堕天使の最高幹部だ。まさかそんな奴が問題を起こしているとはな。
で、そこから先の説明が必須だな。
「君にこういうことを言う資格が俺にはないだろうけど、それは一旦おいておこう。……具体的に何をしでかしたのかを教えてくれ」
「うむ。とりあえずその件だが、総督よりこれを使うようにと命を受けておる」
麗夜さんに促されて雲川麗華は、大型の立体映像装置を取り出した。
なんだこれ? 異形用の通信会談とかで使われるものだろうが。
よく見ると、同時に四つぐらい映像が映し出される仕組みになっているな。
「なにこれ? やけに大掛かりだけど大丈夫なの?」
「大丈夫だ、麗奈。というより、話し合いが始まる三十分前に前もって操作しておくように言われておるのだ」
雨宮麗奈にそう答える雲川麗華は、そのまま更に装置を操作する。
「総督! 雲川麗華、予定通り会談を始めております!」
『……え、もうやってんの? ちょっと待ってろ』
と、中々行けている雰囲気の男の声が響いた。
変声機を通していても雰囲気がイケメンだ。こういうのってたまにいるよな。
と思っていると、更に通信機から声が聞こえてくる。
『仕方ありません。では、先日のラーメン代についてはまた後日。……横領とか賄賂扱いされかねないので、早く返してください』
『分かったよ長官。ったく、人間社会はそういうところが堅っ苦しいのが困ったもんだぜ』
『こちらからすれば、異形側は硬さと緩さのバランスが滅茶苦茶な気もしますがねぇ』
なんか呑気な会話が聞こえてくるけど、ちょっと待て。
「……長官!? どういうことですか!?」
秀華が真っ先に驚くけど、この声は俺達の上に立つ人物だ。
え、ちょっと待とうか!?
『まぁ落ち着き給え。と言っても、これからが更に慌てることになりそうだがね』
『仕方ないでしょう。まぁ、こちらにとっても寝耳に水ではありますが』
などと、更に声が聞こえてくるがそのたびに周りがびっくりしている。
え、これ何?
そう思っていると、立体映像が映った。
一人だけ、なんかフードと仮面をつけているんだがどういうことだろうか?
『初めまして諸君。俺は堕天使の総督をやっているアザゼルだ。この仮面、カッコいいだろ?』
……どこからツッコんだらいいんだろうか。
「素晴らしいですな総督! ぜひとも私仕様を!!」
「「ちょっと黙ってようか麗華」」
本当にどこから突っ込んだらいいんだろうか。
麗夜さんと雨宮麗奈にはちょっと同情する。ある程度の事情は知っているけど、雲川麗華ってこんなキャラだったっけ?
ま、それはともかく。
仮面とフードで正体を隠しているアザゼル総督は置いておこう。
で、問題はだ。
映っている残り三人は顔が分かっている。赤い髪の人は多分リアス先輩のお兄さんでもあるルシファー襲名者にしてグレモリー本家嫡男のサーゼクス・ルシファー殿。金髪で明らかに天使と思われる光輪と翼を生やしているのは、情報データに描かれていた天使のトップであるミカエル殿だな。
そして最後の一人。胡散臭い笑顔を浮かべている仕立てのいいスーツを着た中年男性。彼がある意味で問題だ。
「……失礼ながら長官。なんで長官まで映っているんですか?」
秀華がそういうのも当然だろう。
まぁ、事情が分かってない面子が若干困惑しているが。
それを悟っているのだろう。長官が張り付けた笑顔を浮かべながら軽く会釈をする。
『まずは、初めましての方々に自己紹介を。日本内閣防衛省直轄組織「祓魔庁」の長官を務めている、
祓魔庁。日本政府主導で異能や異形に対応する為の機関として、星辰奏者を中核に据える形で結成された政府機関だ。
日本政府の異能関係のゴタゴタは、本来五大宗家という術師の一族が対応していた。だが保守的と鎖国的が一周回って腐敗を招いた結果、理不尽な冷遇を受けた連中の多くが集まって国際問題になるレベルの大問題を引き起こされた。
豪華客船を丸ごと沈没させるは、そうまでして誘拐したかった連中は見事にニアミスするは、仕方ないので別口の研究用に修学旅行中の生徒全員誘拐して実験体にするは、調整の為に追加でその家族まで誘拐するわとやりたい放題。しかも神の子を見張る者から研究のブレーキを取っ払う為に脱走した奴が協力するわ、そいつが本来処分するはずの危険な神器保有者を囲って連れて行って更に騒ぎになるわ、神滅具を保有している魔法使い組織まで絡むわと本当に酷い。
この件で、日本政府は当時の五大宗家に対する信頼を一気に捨てることになった。これまでの実績と経験値や能力も含めてまだ発言力はあるが、それに頼り切らずむしろいざという時に対抗馬になる組織を求めることになる。神器保有者の増大化に星辰奏者技術の獲得もあって手段が獲得できたのも大きい。
結果として、防衛省の下部組織として結成されたのが祓魔庁。星辰奏者という手段を会得したことによって結成され、保守的過ぎて星辰奏者を敬遠している五大宗家と住み分けができている組織でもある。
さて、問題はだ。
「小笠原長官。お久しぶりですけど、ここで出てきていいんですか?」
「……あ、やっぱり相互監視体制にしてたんですね長官」
『そうなんですねぇ。ただ状況が変わったので、もう全方位でばらしていこうかと』
リアス先輩と秀華が口々に言うと、長官はあっさり肯定した。
そして俺達を見渡して、代表するように口を開く。
『簡潔にまとめますと、グレモリー眷属の無視できない星辰奏者と祓魔庁に配属したとはいえ警戒をしないわけにもいかない秀華君達を同時に監視のポーズをつける為、双方に依頼という名目でお互いの監視を頼んだんですよ。まぁ、うるさい
さらりと事情を明かしやがった。
大体そういうことだと分かっているけど、三大勢力が揃っている段階でそれを言うか。
まぁ、日本政府はさっき言った一件もあって堕天使と繋ぎを作っている。そのうえで悪魔側の契約活動を利用してそっちにも繋ぎを作っている。加えて言うと、教会は人間社会で活動している最大宗教だから、外交官を堂々と送ってもある程度は誤魔化せるから繋ぎも作りようはある。
できないことはないだろう。むしろそれぞれと繋ぎがあるだけの別組織だから、中継役として活動できるかもしれない。
まぁそれはそれとしても、割とえげつない政治的綱渡りを、現場の実働に明かしすぎだろうとは思わないでもないが。大胆すぎないかコレ。
ま、それはともかくだ。
『その件で多少は三大勢力全体に繋ぎがあったのですが、前回レイナーレという堕天使が全方位で迷惑をかけた一件を建前に、面倒なことの中継役を頼まれたんですよ。……代金としてがっぽり恩恵は受け取りますがね?』
抜け目のないことで。
「なるほど。それで、そちらにおられるのはミカエル様だと思われますが……悪魔や堕天使どもを、人間の国家如きを中継にして何を話しておられるのですか?」
と、半目で青髪の悪魔祓いが胡散臭そうと全身で見せている。
さらりととげのある言い方だが、まぁ当然だろう。
事実上の冷戦状態であり、小競り合いの殺し合いは頻発しているからな。現場の戦闘員であるゼノヴィアからすれば、悪魔や堕天使にいい感情は浮かべないだろう。
「ダメよゼノヴィア。いくら相手が悪魔や堕天使にたかが異教徒の国家だからって、主の補佐官といえるミカエル様が態々対話を選んだもの。仲良くできるなら仲良くするのもありだと思うわ」
茶髪ツインテールの悪魔祓いが、ゼノヴィアという青髪の悪魔祓いをたしなめる。
ただ、内容が無自覚に煽っているんだが。
『……突然の事態に困惑しているのは理解しますが、二人とも……少し口を開くのを控えていただけませんか? いえ、悪意がないのは分かっていますが、この辺りは繊細な交渉の機微を弁えている者が動くべき事案ですので』
ミカエル殿、めっちゃ言葉を選んで困り顔だ。
真剣にお疲れ様です。俺はこっそり頭を下げて同情を示しておいた。
で、実際どうなんだろうか?
そんなことを思っていると、サーゼクス殿がゴホンと咳払いをした。
『さて。それで単刀直入に言おう。……我々三大勢力の代表は、日本政府を経由する形で和平を試みようとしている』
「お~和平。……平和になるのは良いことっすね」
イッセーが思わず素直な感想を言ったが、慣れてないとそういう意見になるだろう。
いやいやいやいや、ちょっと待て。
イッセー以外は完全に面食らっているっていうか―
「「「「「「「「「「「「「「……えっ!?」」」」」」」」」」」」」」」
―もれなく驚愕が追いついたよ。
《兵藤一誠》
あれ? なんか全員面食らってるな。
「いや、戦争しなくていいってのは良いことなんじゃないか? 俺は上級悪魔になる為に手柄は欲しいけど、死にたいわけじゃないし」
そう思うんだけど、え、そんなに?
俺が逆に困惑してると、樹下がため息をついてこっち向いた。
「……あのなイッセー? ことはそう簡単に収まることじゃないんだよ」
え? そうなの?
「こと悪魔や堕天使は、教会……というより聖書の神が悪という概念の権化と示し、それと相対するように自分達を正義としている。つまるところ三大勢力の和平とは、手の平返しにもほどがあるんだ。暴動の一つや二つは起きかねないぞ?」
そ、そうなのか!?
え~。そんなに平和が嫌なのか。よく分かんないな。
あ、でも俺自身やアーシアを殺されかけたわけだし、レイナーレが生きてたとしても仲良くしたいとは思わないな。
そういう人達がたくさんいて、お互いに思っているってことなのかもしれないな。
「魔王様、よろしいのですか? 個人的には、正直余計な争いは少ない方がいいとは思いますが」
『これは私だけでなく、他の四大魔王や対立派閥の大王派を含めての意見だ。……我々は種の存続を阻害する戦争を継続したいとは思っていない。そして、継続を求めた初代魔王の血族達を追放した以上は一番スムーズに和平に移行できるともいえる』
『現場の戦士であるゼノヴィアやイリナには、受け入れがたい話かもしれません。ですがこれはセラフ及びバチカンの双方で話し合って決定したことです。……主の反対意見は発生しないことも断言しましょう』
サーゼクス様やミカエルさんもそう言うけど、なんか妙だな。
というか、肝心の聖書の神様が出てこないのはどういうことなんだ?
正直、俺は堕天使よりも聖書の神様に色々思うところがあるからな。できることならアーシアの件で文句を言いたいし、殴れるものなら殴りたい。
そして堕天使総督であるアザゼルも頷いていた。
『こっちもそういうこった。つーか、
『日本政府といたしましても、三大勢力の戦争が激化するのは困りますからな。むしろ和平に協力して、欧州との交渉において有利になるような恩恵に預かりたいというところです』
そして長官さんはえげつないことをもうちょっと隠してほしいんだけど!?
俺が呆れていると、アザゼルの方はなんかため息をつく。
『ただ、トップ陣で唯一コカビエルだけが戦争継続派でな。上手く宥めようとしたんだが、其れより先に動き出しやがった』
「……なるほど。そちらの管轄責任こそあるが、組織の意思としてこちらと敵対しているわけではないということか」
と、ゼノヴィアが納得していた。
そういえば、本当はそっちの話だったよな。
と、イリナがうんうんと頷きながら、俺達の方を見た。
「実はねイッセー君。そのコカビエルがエクスカリバーの殆どを奪ってこの町に逃げ込んだのよ」
へ~。
……いや待って?
エクスカリバーってのは知ってる。俺でも名前を聞いたことはある聖剣だって。
あと木場はかなり恨んでいる。なんでも、昔その使い手を作る為の研究で実験体にされたうえ、毒ガスで同志達ごと殺されかけたらしい。
かろうじて逃げたけど毒で死ぬところを、通りがかったリアス部長が助けたんだそうだ。
正直、そっちに関しても思うところあるんだよなぁ。
で、なんでエクスカリバーの殆ど?
俺が首を傾げていると、長官さんがポリポリと頬を書いた。
『そちらの新米悪魔くんは、まだそこまで学んでなくてもおかしくないですね。伝承ではエクスカリバーは湖の聖霊に返却されたことになってますが、実際のところは悪魔と堕天使が別種族であるように、教会の武装として運用されてました。ただ、一度砕けて七本に作り直されたうえ、一本が行方不明なんですよ』
「えー。そうだったんですか!」
あ、この人結構いい人かも!
「ただ、最近は研究が進んでいてね。いっそのこと統合しようかという話になって、一本ずつ集めていたのさ。……だが、最後の一本を回収しようという段階でコカビエルに奪取されたんだよ」
「ちなみにこれが最後の一本!
ゼノヴィアの説明に乗っかるように、イリナが腕に巻いていた紐を刀っぽい聖剣にした。
なんか凄いことになってるな。あと、木場がかなり剣呑な雰囲気になってるけど抑えてくれ。
『……正直、その話が届いた時は私達含めて各勢力が耳を疑いました。更に、教会では情報があまりに早く拡散し、堕天使と悪魔が手を組んだと早合点する者まで出てきています』
『こちらも、数少ない現政権のタカ派が騒いでいてね。どうやら人間界経由で情報が漏れたようだが、その駒王町近辺の血の気の多い上級悪魔達にばかり情報が届いているのだ。』
え、どういうこった?
なんつーか大ごとなのは分かるけど、肝心のリアス部長には届いてないのに周囲の血の気の多い悪魔達には知られてるっておかしくないか?
と、小笠原長官さんがため息をついた。
『そこでこちらが調べていたのですが、どうやら人間界の半グレが情報拡散していたようなのですよ。しかも追跡調査の結果、色々な意味で厄介な奴が絡んでおりましてねぇ』
そう言って、小笠原長官は映像を映し出した。
……なんつーか、ちょっと見るとカッコいい男っぽい奴だな。
ただ、何となくレイナーレを思い出す。それも、俺に告白してきた夕麻ちゃんの時を思い出す。
もしかしてかなり悪い奴かと思っていたら、なんか空本さんの雰囲気が微妙だ。
あと、雨宮さんに雲川さんも妙なことになっているな。
『空本君達三人はご存じの通り、彼の名は
ヤバイ、か。
そういえば、樹下がめっちゃ露骨に匂わせていたけどかなり色々やってたらしいな。
エロには寛容な俺でも腹が立つような真似を色々していた。多分それだって、ほんのちょっぴり出てきただけなんだろうってことは分かる。
そして空本さん達三人が複雑そうな顔をしてるってことは、三人はあいつに酷いことをされたってことか。
『知らない人もいるでしょうから改めて説明しますが、波柴一族は今となっては証明困難ですが、この国の歴史で天下人の一人と呼ばれる、豊臣秀吉の隠し子が祖だと信じている一族です。彼らは将来的に自分達が日本の覇権を握る為活動しており、しかし国内外の犯罪組織を利用しているのが大半でしてねぇ。麻薬密売から外患誘致、人身売買に殺人代行など本当に色々やっていたんですよ。……そちらの秀華さんがタレこまなければ、国内で大規模テロの十や二十は起きていたというか、一斉検挙でやけくそになって小規模なテロが結構起きましたが』
そこまで行って、長官さんはため息をついた。
『で、彼なんですが一斉摘発を偶然が重なって逃れておりましてね? どうやら関東県内で半グレを束ねつつ、他の残党達と繋がっていたようです。で、海外に逃げていた残党達と協力して、三大勢力の過激派にそうと気づかせず情報交換をさせていたようですねぇ』
えっと、つまり?
「……元凶はその馬鹿ですか?」
秀華の口が悪い。まあ、当然なんだが。
『いや、コカビエルは奴がいなくてもことを起こすつもりだったみたいだな。ただあいつ、星辰奏者や聖剣使いに一杯食わされててな。その手の連中と繋ぎを作っていたのが更に状況を悪化させたみたいだ』
アザゼルがそう言ったうえで、俺達を見渡していた。
『単刀直入に言おう。お前達には連携して、コカビエルが大規模な動きをしないように抑え込んでいてほしい。もちろんこっちからも人材を送るが、羽芝一族残党の所為でちょっとばかし時間が掛かる』
そ、そういうことか。
つまり、俺達は三大勢力で協力して、コカビエルをとっちめるってことか!
『悪魔側からは最上級悪魔を十数人、眷属を含めて送る予定だ。ミカエル達もそうだろう?』
『ええ。穏健派に位置する悪魔祓い達を集めており、彼らを送って面を対応する予定です。そして本命のコカビエルは―』
サーゼクス様とミカエルさんの説明に、アザゼルが改めてい頷いた。
『うちのところから
えっと、白き龍っていうと、ドライグと一緒に三大勢力の戦争を懸架に巻き込んでやられたっていうあれか。
なんか因縁のライバルらしいけど、正直困ったもんだよなぁ。
俺の平和でエッチなハーレムライフは何時になったら来るんだろうか。
「できれば平和に話したいなぁ。殺し合いよりエッチな話をしたいもんだぜ?」
『……難しいな。コカビエルと毛色は違うがアイツも戦闘狂だし、あいつエロにさっぱり興味を示さねえんだよ』
え、マジかアザゼル!?
最悪だ。そんな奴に目を付けられるのかよ!?
ちょ、マジでなんとかしてくんない!?
「勘弁してくれよ。もっと平和でエッチな毎日を送ってハーレム作りたいのに!? まだハーレムなんて夢のまた夢なのに!?」
『……まぁ頑張れ』
酷い!? 堕天使総督のアザゼルが酷い!?
そんななげやりに言うなよ、アンタの部下だろ。
止めろよな!? いざとなったら絶対に止めろよな!?
俺がちょっとびくびくしていると、ミカエルさんがアザゼルの方を向いた。
『それとアザゼル。バルパー・ガリレイのことですが』
『分かってる。どうせ和平を結べれば、危険な連中を態々野放しにする理由もねえ。奴なその筆頭格だから好きにしていいさ……そこの
と、アザゼルの奴が木場の方を向いた。
っていうか、バルパーとかいうおっさんの話でそれた。どういうこった?
「……どういうことだろうか? 僕とそのバルパーに何の関係が?」
木場が突拍子の無い話を振られて、さっきまでの殺意を消して困惑している。
と、ゼノヴィア達の方が不満げになっていたね。
「バルパー・ガリレイ。皆殺しの大司教か……っ」
「人工聖剣使いの完成に大きな貢献をしたけれど、被験者を皆殺しにしたとんでもない人よ! 追放されたとは聞いていたけど、まさかコカビエルについていたなんて!」
ゼノヴィアとイリナがかなり不愉快そうに言うけど、そんな奴だったのか。
っていうか、木場達を殺したのはそいつの独断なのかよ。教会でも嫌われてたのは当然だな!
実際、木場は木場でかなり殺意を浮かべているし。
「……そいつが、同志達の仇か……っ!」
『祐斗君にはあとで情報を渡すが、今回の事態においてコカビエル以外は最悪討伐してかまわないと決定された。……私情に振り回されすぎないでほしいが、今回の事件を引き起こしたうえそれまでの狼藉も踏まえれば容赦をすることはしなくていい。……遠慮なく戦うといい』
サーゼクス様がそう言ってくれるけど、木場のことを気遣ってそう言ってくれたのかもしれない。
そっか。そいつが原因か。
俺も話を聞いててかなり苛ってきたからな。遠慮なくいくぜ。
「やっちまおうぜ、木場! 俺もダチの仇なら遠慮なくやってやるぜ!!」
「……微力ながら手伝います。やっちまいましょう」
小猫ちゃんも俺と同じように拳を鳴らしてくれるぜ。
「ふむ。まぁ、それぐらいなら特に不満はありません。こちらとしても教会の威光に泥を塗ったやつを庇う理由はありません」
「頑張っていいわよ! というか、私も天罰を下したいぐらいだもの!!」
「……というか、こんな大ごとに関わっている辺り懲りてないわね。もうすっぱりやっといた方があとくされわね」
教会側はゼノヴィアやイリナに雨宮さんも全員納得してた。
それに雲川さんもうんうん頷いている。
「まったく許せん。だが三大勢力が共に並び立って三大勢力の危機に立ち向かうのは素晴らしい。そういう意味では胸が躍る……っ!!」
なんか雲川さん、すっごい楽しそうだな。
「事情は分かりました、魔王様。……魔王様のご指示、命に代えても果たさせてもらいます」
『命は代えなくていい。兄としても魔王としても、生きて果たしてくれることを願っているよ』
リアス部長も、サーゼクス様に頷いて戦意を燃やしている。
ああ、何か知らないけどまた俺達は三大勢力で共闘するのか。燃えてくるな。
……あ、そういえば。
「そういや、レイナーレの時はアイアンローズってのが参加しましたけど、あっちはどうなるんです?」
ま、無理か。
なんでも堕天使や教会とは一切関わらないみたいだしな。
と思ったら、なんかサーゼクス様達が微妙な表情になっている。
あれ、もしかして来てくれるんだろうか。
そう思っていると、長官さんが苦笑いを浮かべていた。
『それが、波柴矢城が関与していた密輸業関連でなんでも感づいていたみたいでしてねぇ? 異能業界で賞金を懸けていたこともあり「関与したいので人材を送る。無償でこき使ってほしい」との連絡が日本政府と現魔王政府に通達されたんですよ』
『堕天使側や教会と連携をとることは匂わせたが、どうやらそれでもかまわないとのことだ。……彼らの仕事ぶりは信用できるが、一PMCに過度な信頼を置くわけにはいかないので悩みどころだけどね』
な、なんかヤバイことになっているのかも!?
「……ただでさえ厄介なんだが、面倒ごとにならなければいいんだけどなぁ」
小さな声で樹下が呟くけど、俺もすっごい不安!!
《Other》
一方その頃、駒王町の外側で一人の女性が空を見上げていた。
「こうしてみると平和だけれど、そうでもないのよね」
濃い茶色の目と髪を持つ女性は、独り言のつもりで行ったのだろう。
だが、それに応える者はいた。
「仕方ないだろう。異形や異能、それも堕天使や教会が厄介ごとを持ち込んだんだからな」
忌々し気にそう吐き捨てるのは、高校生程度の男。
白髪のその少年を視界に入れて、女性は努めて表情をフラットにしながら肩をすくめる。
「それで、貴方は伏せ札でいいのね?」
「ああ、いい機会だ。貴女は奴らの醜悪さを身を持って体験するべきだろうからな」
そう小さく会話をし、女性は再び空を見上げる。
「……知ってるかしら? 空の色は、空気の粒に反射する太陽光の影響だって」
「理科の授業だったろうか。まぁ、そんなことはこの心を和ませる事実に比べれば大したことはないさ」
さらりと答える少年に、女性は内心でため息をつく。
—やはり、そういう人達ばかりなのね—
「……分かったわ。とりあえず、私としては今回の任務では仲良くやりたい所ね」
「油断するな。マッドサイエンティストと狂信者の群れなんかより、契約にのっとる現魔王政権を重視するべきだぞ?」
その答えを軽く流しながら、女性は視線を遠くに向ける。
星辰奏者の強化された五感でも霞んで見える程度なのは、駒王学園高等部。
そこにいる者達を見据え、今後の判断を選ぶべく彼女は一歩を踏み出した。
元々豊臣秀吉の流れをくむキャラクターは前から何度も挑戦しておりましたが、それを一族単位にしたのが波柴一族です。
秀華や誠二、日本政府の頑張りで壊滅していますが、いろいろな意味で規模がでかいので残党も豊富。そのため厄介なことになっていたり。