シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚 作:グレン×グレン
実家暮らしなうえに金感情にあまりに厳しい親のせいで、ただでさえ安い給料がさらに大きく減る傷病手当だけでやりくりする……のには限度がありすぎるけど、障害者年金がこの期に及んで手元に入ってこない。
かといってさっさと復職するにしても、適応障害の原因から遠ざかっているだけだからすぐに似たようなことになりかねない。正直思いつくような打開策は全部無理があるといわれてるのに、うちの親は「何とか思いつくなり受け流すなりしてくれ」とか言ってくるし。
……それができたら適応障害になるまでストレスたまってないのだけれども!?
まぁプランがないわけではないので、来週に行う予定の本社の方との話をしたりしながら考えていこうかと。幸い休職期間は三か月は取れるので、まだ慌てる時間じゃない。
そんなこんなで、気晴らしもかねて本編どうぞ!!
《アザゼル》
あっちはあっちで面倒なことになってやがるな。
速攻で潰しに行った樹下達が完璧に抑え込まれてやがる。やっぱり簡単にはいかねえな。
っと、こっちに来たな!
「おらよっと!!」
俺は飛んでくるデカい投槍を、光の槍で撃ち落とす。
コナユキの幼馴染を素体にしたとかいう、人造惑星か。えげつないもんを作ってるよ、禍の団も。
想定されるのは投擲軌道の固定化といったところだろう。投擲時に事前に軌道を設定することで、星が維持している間はそれを強制させる。
ただ、投擲した後の軌道の再変更は不可能と見ていいな。あくまで投擲時に軌道を組み込み、それを強制させるだけってところだ。投擲した後の対応力は低い。
ただ、第一宇宙速度*1で変則軌道取りながら突っ込んでくる投槍とか、普通に大災害レベルの脅威だがな。
おそらく収束性・拡散性・付属性に特化した星辰光だ。この速度を出させる辺り、出力も高いと見た方がいいだろう。影響範囲内に設定した軌道を、投擲した物体に強制的に飛ばさせる星辰光だ。速度も設定できるからの第一宇宙速度って考えるべきだな。
そして随伴にもう片方。どうやらデカい投槍を運搬しつつ、非常時はそれでカバーするという念動力の星辰光だろう。
どう考えてもツーマンセル運用に適してるな。おそらく、人造惑星にする際その辺を考慮して調整されているってところか。
そしてそれとは別に、襲い掛かってくる一斉砲撃も回避する。
こっちにたまに一斉砲撃をしてくるが、打ち合っているのはそれぞれ別のロボット兵器だ。
人型ロボットだ。それも、アイアンローズと禍の団がそれぞれ運用してやがる。
……凄まじく戦ましいぞ!? 畜生、後で俺達も作ってやる!!
ってんなことを言ってる場合でもないな。
アイアンローズ側は、以前ロキが引き連れた奴と同型だな。おそらくマイナーチェンジ止まりだろう。
そして禍の団側は、頭部がない独自開発型だ。
ったく。色々とやってくれるもんだ。興味深いがそれだけってわけにもいかねえか。
「おいコナユキ! もうちょっと派手に動いて気を散らせるから、お前行って張り倒すか? 捕虜にする分にはこっちで責任取ってやる!!」
「い……いんです、か?」
コナユキがぎょっとしているが、さっきから気になってるのが丸分かりなんだよ。
「友達だったんだろ! ならケリがつけれるならつけてこい!!」
関わらせないってのも一つの選択肢なんだろうがな。
だが、コイツは向き合えるのなら向き合うことを選んでいる。なら、背中を押してやるのが大人ってもんだろ。
それにまぁ、こっちはこっちで興味深いのが多くてな。
だからしっかり楽しむとして―
『おやおや。堕天使総督ともあろうお方が、戦力の計算ができてないとは残念ですね』
―その瞬間、寒気を感じるほど殺気が向けられてきやがった。
同時に、投擲されていた杭が軌道を乱す。
あっちにも手練れが来たってわけか。
「アザゼ……ル総督……っ!」
コナユキも気づき、振るわれる鎌を回避する。
あの仮面、ハーデス直属の最上級堕天使……プルートか!
『目障りな堕天使や悪魔とは言え、強者は強者。どうやら中級や下級ではあなた方の相手には不測のようなので、上級や星辰奏者、そして私が出ることにしました』
死神側も本腰を入れるってわけか。やってくれるぜ。
『そして、詰めとして切り札も投入させていただきます』
そういうなり、プルートの遥か向こうから巨人が姿を見せる。
……あれは、日本と冥界の都市で暴れた人型兵器か!!
『マシーナリーゴッドの正式採用型です。ニュクス様やエレボス様が持ち出した試験機より一回り強力と思っていただければ』
そうかよ!!
ご丁寧に三機も送り込んできやがって……殺す気満々だな!!
『後詰に更に一機おいており、更に追加される予定です。増援が来るとは思わない方がよろしいですよ?』
此畜生が! 徹底的に殺す気だな……こいつら!!
《空本麗夜》
ああもう! どんどんやばいことに!!
あのデカブツがまた出てきちゃったよ!!
「……チッ! 真っ直ぐにオーフィス狙いのようね。……禍の団を誘導して足留めさせたいところだけど……っ」
麗奈が舌打ちする理由はシンプルだ。
「悪いけど、アンタ達の相手は私達」
「他に視線を向ける余裕、あるの?」
今こっちは、粘着的に禍の団に付け狙われている。
かなり魔獣を引き連れているけれど、それもアイアンローズを寄せ付けない為の壁のようなものだ。
つまり、俺達を狙い撃っている。
「どうするのダーリン!? というか、めっちゃ付け狙われてるんだけど、私達!!」
そう、彼女達は俺達三人を狙っている。
『うぉおおおおおっ!? 数が、数が多すぎるぞぉおおおおおっ!?』
「麗華さん頑張って!! お姉様、その、こっちは何とかやってみます!!」
デカブツの相手は麗華およびサポートに回っているリーナちゃんに任せるしかない。というより、余裕がない。
「よかったじゃねえか。何とかできるんなら安心して死ねるだろ?」
と、美子ちゃんを執拗に狙っている男が挑発的にそういう。
そういうだけのことはあるだろう。なんたって―
「……小笠原一族の出っぽいわね。その神滅具を使えるってことは……っ!」
―
あれはその性質上、保有者が多数存在する。だけどそれは神職達ともいえる小笠原一族限定だ。
……小笠原一族から禍の団に流れた裏切り者が出ちゃったかぁ……っ
「中々戦慄してるみたいね、雨宮さん」
そういうのは、聖剣を構える少女。
麗奈の反応も心なしか、顔見知りのそれだ。
そして、その隣にいる少女も、雰囲気的にその少女と似通っている。妹か?
「相手が格上なんでしょ? あまり得意げにするとまずいわよ、奈木」
親しい相手に対する心配さを見せているその少女に、奈木と呼ばれた聖剣使いは肩をすくめる。
「これぐらいはいいでしょ、姉さん。そっちの方が因縁は深いんだし」
「「「………っ」」」
俺達はぎりぎりでツッコミを抑えられた。
背が小さいというか幼女体形寄りだったので、てっきりあっちが年下かと思っていた。
失礼極まりない。口に出さずに済んだのは僥倖だろう。
「はいはい。お二人さんは仲良くて何よりだぜ。……日巻さんだって、空本麗夜とは会いたかったんだろ?」
と、小笠原一族と思われる少年が言うと、日巻と呼ばれた小柄な少女が頷いた。
「当然ね。というより、生まれて初めて会えたんだもの。もっとまじまじと見つめたいぐらいよ」
……生まれて初めて会えて会いたかった人?
俺が? どういうことだ?
そんな疑問に答えるように、日巻という少女は俺を見て小さく皮肉気に微笑んだ。
「初めまして、空本麗夜。……
「「はぁあああああああああっ!?」」
絶叫は、やけに重なった。
もう一人の方を見た時、それはイッセー君でアザゼル先生の方を向いていた。
「先生ヤバイ、先生ヤバイ!?」
「なんだ! 今俺はやばい相手とガチバトル中……いや、これはまさかタンニーン達が聞いたっていう!?」
今のアザゼル総督との会話で、凄い嫌な予感がしてきた。
「……歴代の赤龍帝達が、リアスのおっぱいを次のフェーズに進めようって言ってるんだ!?」
いつものパターンだぁああああああっ!?
ちょ、今こっちはこっちでとんでもない爆弾情報が出てきて大変なんですがぁ!?
不意打ち登場、麗夜のお姉ちゃん!
麗夜周りには実はとんでもない爆弾が抱えられてます。爆弾が発掘されたときの麗夜の胃は大変なことになります