※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! とりあえず心療内科行って、いろいろと整理できたグレン×グレンでっす!

 あとちょっと根本的な問題に解決の糸口が見えてきたがします。とりあえずこれでなんとか乗り切る希望は見えてきたか……?

 では本編!


第三話 復活の予兆

《樹下誠二》

 

 

 

 

 

 

 

 

『誠二、そっちはどう?』

 

 事務所に帰宅後、俺は秀華と通信を繋ぐ。

 

 大体の情報は分かっているが、現場の空気というのを直接聞いた方がいい時もあるしな。

 

「アヴィ嬢の方は大丈夫だ。エルターの監視はグレイフィアさんの依頼を受けている宮本が継続。こっちはいつでも動けるぐらいには回復してる」

 

『そっか。こっちは当面は遊撃でサポートを続けるけど、リアスちゃん達がアジュカ様のところに向かうことになったよ』

 

 どういうことだ?

 

 言っては何だが、もの凄く忙しい状況下の魔王様に接触するのはどうなのだろうか。というより、サーゼクス様がセラフォルー様が適任じゃないのか?

 

 アヴィ嬢関連で動くにしても、それならファルビウム様だ。はっきり言って、一番縁遠いだろう人物に向かっている印象がある。

 

 困惑している中、秀華も苦笑いを浮かべていた。

 

『サイラオーグ君と闘戦勝仏殿の話を聞いて、イッセー君が本当に死んでるかどうかを悪魔の駒を調べる形で探りたいんだってさ』

 

 ……そういうことか。

 

「ま、いいんじゃないか?」

 

『だね。ま、万に一つあるかないかぐらいの可能性だけど……あるかどうかを確認するのは踏ん切りもつくよ』

 

 今、グレモリー眷属は機能不全だ。

 

 理由は単純。イッセーが死亡した可能性がほぼ確実であることで、ほぼ全員メンタルが致命的にダメージを受けているということだ。

 

 イッセーの存在が大きすぎた上、親しい人物の戦死を碌に経験してないことがあまりに相性最悪でピンポイントに当たった形となる。

 

 ……イッセーが生存している確率が、一切ないとまではいわない。あいつには常識が通用しない怖さがあるから、何らかの奇跡的な確立を引き当てて生きているかもと言われれば否定できない。

 

 だが、悪魔の駒だけが転移に応じて相手が生存しているという前例は存在しない。更に龍にとって天敵で格上であるヴァーリや完全上位存在であるオーフィスでも一方的に蹂躙するサマエルのオーラが検知された。とどめにこの非常時において、イッセーが黙って見ているなんて真似をするとは思えない。

 

 3アウトだ。明確な根拠もなく、生存していることを踏まえるのはアホのすることだろう。

 

「ちなみに根拠は?」

 

『サイラオーグ君はイッセー君に対する信頼オンリーだから流石にツッコミ入れたけど、闘戦勝仏殿は「検知されたのが毒素の物ではなくオーラだけ」って所に違和感を覚えてたね。あ、闘戦勝仏殿はヴァーリの治療を終えて、こっちの対応に回ってくれてます』

 

 ……ふむ。

 

 人柄では行動理念や選択肢は予想できても、物理的な要素が絡む生存において根拠とするには薄い。

 

 だが、闘戦勝仏殿の場合は転移された物体に残された痕跡という、物質的な根拠がある。

 

 となると、本当にワンチャンあるな。ただでは済んでないだろうが、だからこそ動けない状態だとするなら、今現在においてイッセーからアクションがないことにも納得できる。

 

「で、俺はどうする?」

 

『悪いんだけど、誠二はアジュカ様のところに一旦向かってくれない? こっちはリアスちゃん達の分も対応に回っときたいから』

 

 ま、そうなるわな。

 

「オーライだ。病み上がりのリハビリも兼ねて、サクッと合流してくる。青蘭はどうする?」

 

『病み上がりの体調管理に仙術はドンピシャでしょ? そのまま続行、レッツゴー!』

 

 びしっと親指まで立てて言われるなら、問題はないということだろう。

 

『それに、いざって時に反粒子が使えない状況は……不意打ちだし対応しきれないかもでしょ? もうちょっと意識を慣れさせておいて』

 

「ぐうの音も出ない……っ」

 

 そこも報告は届いてたな。

 

 俺の最終手段である反粒子だが、菊花の攻撃を受けたことで不調となっている。

 

 つながりが切断されたというのが近いのかもしれない。回復できるかどうかについても、そもそも特例というより異常事態に近い以上現状は不明だ。

 

 個人的には一発勝負型なので多用はしてないが、最強最悪の手札なのも事実で、実際何度も使っている。

 

 急に使えなくなった状態で、いざ使うべきタイミングが来ると反射で札を切りかねない。そのあたりは懸念して当然だな。

 

 意識の切り替えには時間をかけておくに越したことはないだろう。どこで曹操とかち合うかも分からない以上は、念を押しておいた方がいいか。

 

「分かった。……それと、皆に伝言頼んでいいか?」

 

『なにかな?』

 

 お互いに笑みが浮かんでいるあたり、内容はまぁ予想通りだろうが、あえて言う。

 

「こっちは可能な限り何とかする。そっちが無理な時も、約束は絶対に守るってな」

 

 これはちゃんと言葉にしないとな。

 

 まぁ弱体化や不調はある。

 

 だが、それであの宣言を保護にする気はない。俺は責任を果たす男でいたいし、それをもって持ち上げた者としての意地もある。

 

 人の力を借りてでも、取りえる手段をすべて使って、ダメなときは俺が終わらせる。

 

 ……ああ、大丈夫。

 

 俺の大事な部分は何一つ終わっていない。

 

 そして、最初にそれを終らせなかったのは―

 

「……いきなりで何だが、感謝もしてるし頼りにしてる。今後も頼むぜ、秀華」

 

『……まったくもう。本当にいきなりだけど、その分こき使うからってことで』

 

 お互いに笑うしかないが、これが俺達ってものだ。

 

 さて、それじゃぁそろそろ動くとするか。

 

 

 

 

 

 

 

 

《空本麗夜》

 

 

 

 

 

 

「「こっちは可能な限り何とかする。そっちが無理な時も、約束は絶対に守る」……以上、誠二から皆への伝言でしたっ!!」

 

「「決め顔で言わなくていいです」」

 

 ノリでポーズをつけて誠二からの伝言を言う所長に、麗奈とアルトリーネのツッコミが飛んできた。

 

 こういう時もユーモアを忘れないのはいいことだとは思うし、空気の和んだけどね。

 

「「「「「……お、おぉ……///」」」」」

 

 あらら、海砂さん達の顔が真っ赤になってるよ。

 

 誠二と通信してた所長から、彼の伝言を伝えてくれたおかげでいい気晴らしになってるみたいだね。

 

 ちょうど全員が休んでいたタイミングだし、はたから見ているこっちもほっこりするよ。

 

「……できる男だとは思ってたが、相当慕われているみたいだな」

 

 真那月さんが感心しているけど、それはそうだ。

 

「事務所のメンバーでもトップクラスにしっかりしてますから。最古参でもありますし」

 

 実際、桃山警護事務所は彼と所長の監視も兼ねた組織だからね。

 

 その過程で海砂や流花、そして俺が派遣。そしてまぁ俺についてくる感じで美子ちゃんが当面はバイトの形で参加した流れだ。

 

 少し前から一気に人が増えたよね。なんというか、一気に動いている?

 

 まぁ世界情勢もどんどん派手に動いているし、これも自然の摂理なんだろう。他が激しくなると勢いに巻き込まれて連鎖反応で激しくんなると。

 

 とはいえだ。

 

「年長者としては、負けてられないところはありますけどね。休んだ後でしっかり周辺警戒を密にしないと」

 

「そうだな。私は特に新入りだし、念を徹底的に入れておかねばなるまい」

 

 気合を入れている真那月さんにも頼りがいを感じるね。

 

 戦闘能力も悪くないし、元々の気質なのか真面目だし仕事もバリバリ動くし、地味な書類整理などもあっさりとこなしていく。

 

 できる人だ。本当の意味でのキャリアウーマンに割と真剣になれるだろうタイプだ。

 

 ……本当に負けてられない。ちょっと真剣に書類仕事について学び直そう。

 

 もっとも、それは全部ここを乗り越えてからだけどね。

 

「はい全員注目ー! 昼食出来たからまずは食べなさい! いい仕事はいい補給と休息あってのものだからねー!」

 

「今回は手早くハンバーガー祭りでーす! 野菜もたっぷり挟んだ栄養バランス万端の物をお姉様が作りましたー!」

 

「周辺偵察のついでに魔獣の撃ち漏らしを潰してきたぞ! 質量攻撃はこういうときに強いなぁ、美子よ!!」

 

「まったくです麗華お姉様! 私達の神器ってこういう時大活躍ですよね!」

 

 と、昼食担当に回っていた麗奈とリーナちゃんが、準備を終らせて呼んでくれ、同時タイミングで偵察に行っていた麗華と美子ちゃんも戻ってきた。

 

 これはタイミングがいいね。

 

 後は他の新規メンバー三名だけど―

 

「……待たせた! 他の魔獣達の行動パターン及び、こっちでの戦闘での追加データを踏まえて精査完了だ!」

 

 ―朝月さんが勢いよく入ってくる。

 

「ご苦労様! で、そこからはできる?」

 

 所長が確認を取ると、朝月さんはすぐに頷いた。

 

「これまでの戦闘で運用された魔法系統パターン及び、神の子を見張る者(グリゴリ)から提供されたこれまでの魔獣創造のデータは記録済みだ。今は対悪魔というコンセプトから想定される対抗能力パターンを78通り組み立て、どれと最も近いかを精査するプログラムを作って精査中だ。当然、そこから既存の基本形とすり合わせる形で相性のいい魔法体系ぐらいは導き出せる」

 

「……つまり、そこをとっかかりにすれば対抗術式の開発速度は増すと」

 

「これまでこちら側が行った迎撃行動とその反応も入力して、別途プログラムで行動ルーチンも調べることは可能だろう。こちらはアスモデウス様に送れば対抗戦術の構築も進むはずだ」

 

 ……所長に対してすらすらと語る朝月博士の存在は、本当に頼もしい。

 

 というより、かなり本気を出しているのがこちらからでも分かる。

 

「やる気満々だね。こっち来てすぐなのに、熱意があふれて助かるよ」

 

「……まぁ、ね。こちらとしても実は個人的に怒る理由ができている」

 

 所長に頷いた朝月博士は、確かに怒りを見せていた。

 

「兵藤一誠。彼の存在と行動と特異な能力は、私に強いインスピレーションを与えてくれた。生まれて二番目に知った本格的な異能が、洋服崩壊や乳語翻訳だったことは人生の喜びと言ってもいい」

 

『『『『『『『『『『………』』』』』』』』』』

 

 なんか想定外の方向に到達していた。

 

「それがいきなり死なれたのだ。個人的に好ましい人物だったことも踏まえて、その元凶といえるシャルバに意趣返しぐらいはしたいとも」

 

 まぁ、確かに。

 

「……同感。少しぐらい、恩返しができたらと思ってたのに……っ」

 

 足音と共に、伊緒さんの声が聞こえてくる。

 

 本当に悔しそうだ。

 

「恥の上塗りかもしれないけど、あの子の力になりたいと思った。この事務所に来たのも、少しでも近くで手伝いたかった、からだったのに……っ」

 

 少し俯いて、拳も握りしめている。

 

 イッセー君は、いい子だったからね。

 

 性欲が強すぎて迷惑なところもあったそうだけれど、誠二が懇切丁寧に問題であることを教えたうえで餌で釣ってからは、色々と苦労したけど我慢したみたいだし。

 

 それに人に寄り添い、真正面からぶつかって行けるのは美点だ。どんな美点も時と場合で欠点になることはあるけれど、好人物であることは変わらない。

 

「同感だ。……あの、深く考えてないと分かるからこそ届いた言葉は救いだった……」

 

 真那月さんも、天を仰いでいる。

 

 そういうことがあるのは当然だ。そういったことに対する覚悟も、比較的出来ているメンバーが大半だ。

 

 だけど、つらくないわけではない。

 

 と、そこで悪魔の翼を広げてナミネさんが向かってくる。

 

「ナミネ・ルミナスただいま戻りました! 海砂先輩、先輩に勘違いされて子供達におやつ貰ったんで差し入れってことで!」

 

「あ、そうだったんですか? ごめんなさい……でいいのかしら? あと、そっちが年上よね……?」

 

 あ、なるほど。

 

 性格と雰囲気も違うから慣れれば簡単だけど、全体的な顔の構造や髪質が似てるからか、ナミネさんは海砂ともの凄く似ている。悪魔の双子とか言われたら多分十中八九信じてしまうだろう。

 

 それで、最近おっぱいドラゴンの新曲を担当した海砂さんと勘違いした子供達が応援してくれたんだろう。

 

 ……イッセー君があんなことになったのはつらいね。

 

 闘戦勝仏殿は「サマエルの毒で死んだのなら、転移した悪魔の駒にオ(・)ー(・)ラ(・)し(・)か(・)残ってないのはおかしい」とは仰られていた。

 

 だけど、可能性が低いのは間違いない。

 

 万が一の可能性が当たってほしいけれど、そうもいかない可能性の方が高いのは事実だ。

 

 そこにも思い当たって気分が少し沈むけれど、ナミネさんは少し首を傾げていた。

 

「それと所長。その子供達なんですが、不特定多数が妙なことを言っていたので……一応報告しておこうかと」

 

 不特定多数の子供達が妙なことを?

 

 まさか超大型魔獣には精神攻撃能力もあるのか? 微弱だけど存在するからこそ、まだまだ未成熟な子供達に真っ先に影響が出たと?

 

 警戒心を浮かべる俺達の前で、ナミネさんは不思議そうだった。

 

「赤龍帝がやっつけてくれるって信じてたんで、色々言うわけにもいかずボカしたんですよ。ただそうしたら、かなりたくさんの子供達が全く不安とか見せずにこんなこと言ってたっす」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「夢の中で、おっぱいドラゴンが僕達を励ましてくれたから大丈夫」って。タイミング的に見そうな気はしますけど、それにしたって多すぎるんで……悪質な嫌がらせ目的で誰かが仕掛けたってのは邪推すぎっすかね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『『『『『『『『『『……………』』』』』』』』』』

 

 慣れてるメンバーが沈黙しまくった。

 

 なんだろう。本気でイッセー君が生きている可能性がありそうだぞ?

 

「……よし。行動プラン変更」

 

 と、所長が意を決して顔を上げた。

 

「朝月は護衛メインで入った真那月と伊緒を連れて、誠二と合流してアジュカ様のところに向かってくれない? なんというか、こっちでもイッセー君の駒を調べ直した方がいいような気がするんだよね」

 

 

 

 

 




 とまぁそんなわけで、イッセー生存フラグを立てて明るい展開にしてみました。

 朝月博士・真那月・伊緒は、登場段階でイッセーヒロイン寄りに設計しておりました。なんというか、世界情勢が変わるからこその上乗せがしたかったというか。

 まぁ朝月博士の惚れる理由がへんてこりんなのはご愛嬌ということで。マッド気味な研究者なので、珍妙極まりない現象にものすごい印パ句を受けたとかそんな感じですね。
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