シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚 作:グレン×グレン
ぶっちゃけ誠二って、めちゃくちゃ優秀ですけどそれが自慢に思えなくて当然なぐらいには汚染物質でもまれているところがあります。負け組思想なのはある意味当然というか、優秀だからこそ「それであの始末」という方向になっているというか。
あの思考回路や基本思想で界奏経由で滅奏とつながれる。つまりは、ある意味においては徹底的に負け犬の側です。どれだけ能力が高くても、それが自己肯定に繋がらなければ何の意味もない。そして到底自己肯定に繋がらないぐらい、波柴一族の訓練機関は邪悪の温床だった。
その点が前提にあるからこその誠二のスタンスではあるのですが、そこを明かしておかないと、脳内だけではずれが起きてしまう。ただ明らかにえげつなさすぎるので、ワンクッション置いてのお話を用意しました。
どう例えればいいかとかいろいろ考えましたが「木原一族級学園都市暗部案件相当」「割れた子供たちも悲惨さで超えるのはガムテレベル」とか言えそうな案件でして、さすがにあまり堂々とオープンにできないというか。
なのでめっちゃクッション置いておきます。なるべく直接的比喩や表現は省いた形にしましたが、気分を悪くしかねないので。
はっきり言って、本編の間の幕間に近いような話なので飛ばして全く問題ないです。そこも予防線張っておきます。
覚悟はいいな? ではどうぞ。
《冥界 禍の団の秘密拠点》
「……調整は終わりました。もっとも、貴女の人造惑星処置は悪影響があまりないので、特に問題はありませんが」
「ありがとう、美奈さん。吉子の方は?」
「彼女もですよ。ただ、彼女には医療方面の補佐をお願いしているので
「……相当の無茶をしているの?」
「厳密にいえば彼女達は、技術試験型ですからね。本当ならきちんと起動するはずもなかったわけですから」
「ああ、死体の処理のついでとして、まず間違いなく作っても失敗する段階の技術研究に使ったって感じね。……波柴らしい」
「……ええ。本当に、業が深い」
「正直な話、波柴・秀華・レヴィアタンは波柴の所業を明かせば大打撃を受けるんじゃない? いくら異形が人間界と比べて大きく緩いにしても、あのレベルの所業をしている一族の末裔と知ったら……反感を持つものは多いと思うけど」
「同時に、その一族を滅ぼした英雄であることを忘れてはいけません。一族に生まれ当主として称えられながらも滅ぼすことを選んだのです。時代が時代なら人間界でも大英雄ですよ、あの人は」
「それもそうね。所業が所業だからこそ、それを滅ぼした功績が圧倒的に大きいと。確かにあの一族の育成機関は本当に最悪すぎるもの」
「「……………………………………………ぉぇ……っ」」
「ごめん。自分から言ってなんだけど、久々に鮮明に思い出せた所為で吐き気が……っ」
「いえ、私も何度も見てきたはずなんですが、気が緩んでました……っ」
「もう本当に嫌だわあの糞組織。十歳にもなってない子供に、目の前で殺された奴らでミンチ作らせる……!? いや、真っ先に心をへし折ることで言われたとおりの成長を促させるのには有効だろうけど……ホント滅びろ滅びてた……っ!」
「お気持ちはとても分かります。私も、人造惑星研究機関であの子達の素体になる
「大変よね。ま、セックス講習とか性奴隷訓練や調教補佐訓練とかもやってる私の方が酷いような気もするけど」
「確か徹底的に発情させられてから、発散において死体を使う時もありましたよね………。まぁこちらも会食の見世物で敵対者の処刑ショーを見ながらローストビーフを血を使ったソース掛けで食べることにもなりますが。その為に調教した雑種犬達に食いちぎられている映像を見ながら、笑ってわざと食いちぎるように肉を食べるのがナイスジョークになるとか……」
「蟲毒用の虫の講習で、死体のミンチの餌やりやられた時は流石に吐いたわ……。あと死姦は本当にやったわ。練習の時に何度か剥製にした奴使われたし。当時まぁ訓練生同士でつるんでたのをいいことに、グループだけ呼び出されて練習用にこれを使いなさいとか優し気な笑顔で言うのよ? 正気?」
「それ、本当に気遣いのつもりかもしれません。結局一族も関係者も英才教育を受けるので、訓練生たちに仲良しグループができたから共通のおもちゃを上げれば喜ぶし連帯感もできるだろうとか思ったんじゃないでしょうか。一族や代々一族の部下を務めている者達にもいましたよ、練習用の剥製の使い回しをするグループが」
「……よくもまぁ、そのレベルのアレさなにも関わらず日本で潜伏できてたわね?」
「逆です。潜伏を可能にしていたからこそ、そのズレが優越感や連帯意識を生むのでしょう。子供の誕生日プレゼントに人殺しの機会を与えることだってある一族ですから」
「調教にも使うけどね。珍しくみんなでスイッチを押すとおもちゃが動く的なレクリエーションがあったと思ったら、適当なタイミングでズタボロの死体が出てきて「みんなの握るスイッチの中から、一回一回ランダムでこれを壊す道具が動くんだぁ」って子供あやす感覚で言われたことあったし」
「日本の死刑制度において、ランダムでどれかが選ばれる三つのスイッチを三人同時に押して死刑を執行することでストレスを軽減する試みがあるそうですが、それを参考にしたとか。何度もしてから教えることで精神を戻れないようにする手法みたいですね。ろくでもないにもほどがある」
「ホントよね。そんなこと考えるのなら……正気なんて残すんじゃ、ないわよ」
「……そうですね。心身ともに、貴女方は歴代最高の豊作世代と言われてましたが、それが仇にしかなってませんよね」
「特にハイエンドがあいつらにとって最悪よね。総合力歴代頂点争いレベルで年齢近いからって次期当主様の郎党用に送ってみたら、二人して一族潰す気満々だった所為で見事に滅ぼされてるし。……おかげでこっちは……いい迷惑ね」
「素直に殺されてやる気もありませんが、生き残ったからって……結局、下劣畜生のような所業をやってきたことに変わりはありませんしね。大半の訓練生は、記憶操作をした上で監視下に置くしかないでしょうし。一部の産物については……心を鬼にして処分するしかないでしょうから、あの後の日本政府も心身ともに揉まれたことでしょう」
「それは確かに。心療内科、特に重篤なPTSDのサンプルがたくさん出てくるでしょうねぇ。……そして、滅ぼした大英雄コンビ様は、いつの間にか冥界の象徴君主とその懐刀……か」
「……日本政府側についたとして、よくて超法規的措置で飼い殺しと思ってましたので、流石にあの流れは驚きました」
「よくもまぁ、テレビの前で堂々としていられるっていうか……いや、堂々として出るぐらいのことができる胆力がなければ、あの一族や訓練生が一族を滅ぼす為に、世界各国の政府の協力を得て公権力による一斉摘発なんて手段取れるわけもない、か」
「流石はお嬢様、そしてお嬢様が見出した黒い刃。あの二人が出会ってしまった以上、光吉の介入がなくても波柴一族は決定的な敗北を遂げたことでしょう」
「裏で色々動いてたやつもいたみたいだしねぇ。……振り回されるこっちは正直いい迷惑ってきもするけど」
「……あの機関の教育は、根本的に
「巻き込まれるこっちの身にもなって欲しいわ。……ま、コナユキも就職してる辺り、なんとかできるやつも多そうね」
「彼女は別の意味で特例です。心を殺し封じ込めることを本能的に行えたからこそ、その後の加工も届かなかった。ただそれだけです」
「そうね。できないのが普通で、できる奴が凄いだけ。……凄い奴とか迷惑だわ……」
《空本麗夜》
「ごめ……ん。抱いてください」
「この非常時にいきなり何事?」
いきなりコナユキからそんなことを言われて、流石に突っ込んだ。
今流石にそんなことしてる余裕ないんだけど。いや、体力温存したい。
コナユキとセックスすることに否はない。正直何度もしてるし、特務女子社員は全員俺でも誠二でも全員竿姉妹だし。その辺りの貞操観念ぶっ飛んでるからこその特務社員だし。
ただね? こっちは今非常時で荒事の真っ最中でね?
今は休憩時間をもらっているけど、交代で仮眠とかやってる最中でね?
なにごと!?
「まだ仮眠中だってのに、いきなりだね」
まぁ、逆に理由がなんとなく分かる気はするけど。
仮眠中で急に素っ頓狂なことを言い出した。
そんなもの、寝ぼけているのでは無ければ理由は一つだ。
「酷い夢……だったんだね?」
夢見があまりに悪すぎた。それぐらいだろう。
こと桃山警護事務所の所員なんて、基本的に飛び起きかねないような悪夢を見てもおかしくないし。
重篤なまでに、過去の闇が深すぎる。
こういうのは自身がどう思うかもあるからね。きつい時はきついだろう。
本当は誠二がやるべき事なんだろうけど、今は席を外しているし仕方がない。
ぽんぽんと背中を軽く叩いて宥めていると、コナユキは少し俯いた。
「……私はま……だ、マシなのに、ごめん」
「いやいや普通にアウトよりでしょうに。たぶん所員全員で比べてもかなり低い側だよ本当に」
あの一族のガチ案件とか、冗談抜きで知られた場合の実行者の刑罰的に、特務社員の中でもトップ争いすると思う。
大真面目に言ったわけだけど、コナユキは首を横に振る。
「ごめ……ん、違うの。私達訓練生の話」
その言葉に、俺はなんとなく悟ってしまった。
誠二とコナユキ。敵対者も含めれば左豊菊花。
波柴一族が孤児を中心に集め、子飼いの配下とするべく育て上げる教育機関。そこにいた者達。
落ちこぼれ寄りだったコナユキですら、普通に手練れの戦力だ。人工的な聖剣使いになり、運良く逃げれた矢城の情婦兼戦力として、裏社会で異能を持っている反グレ水準では十分以上の戦力として機能していた。
そしてツートップクラスの実力者である、誠二と左豊菊花。二人の実力はもう本当にトップクラス。ずば抜けた戦力といえる真女王状態のイッセー君相手に、単独で勝負になるほどだろう。間違いなく、反粒子抜きでも最上級悪魔クラスの戦力だ。
となれば当然、その中間レベルは数十人はいただろう。波柴一族は無駄死にはなるべく避けて使いどころを見出すような育て方をするらしいから、途中でリタイアして死んだ者のはいても沢山の可能性は薄い。
彼らもまた、まともな人生を送れてないのは当然だ。
既に染まり切って、摘発作戦において抵抗した結果殺害された者もいると聞く。そうならなかった者達も、多くは記憶操作を受けてある程度の監視下にあると聞いている。言いたくないが、あまりの乱戦でMIAもいたらしいし、もしかしたら裏社会に逃れた者達もいるだろう。
相当酷い生活だった。小さい頃から人間の殺し方や心の壊し方を学び、その実践も含めた犯罪行為の練習を実際にやらされてもいる。性遍歴も酷いもので、同期は殆どお互いが穴兄弟や竿姉妹なでもあるらしい。
こういう言い方はあれだけど、重篤なトラウマで当然だ。誠二だって時々闇を垣間見せている。コナユキも別件のPTSDがまだ完治とは言い難いうえ、形を変えて大絶賛襲ってきている。
色々大変な時だからこそ、突発的に見た時に余裕がないんだろう。
「……一発だけだよ? 時間内から事務的にイかせるから」
「うん。時間もないし……ね?」
気晴らしはできるからか、コナユキは少し気が楽になったようだ。
ま、こういう時は色々と吐き出せるとそれだけで楽だしね。
さて、こっちも休憩時間が押してるから……悪いけど手早く終わらせるかな?
どうも、脳内プロットでいろいろと作っている波柴一族の闇深案件、ある程度は明かしたほうがいいと判断して、昨夜即興で作りました。