※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! 書き溜めが180kb越えてヤバいので、本日二投目!!

 とりあえず、ヒーローズの後半は終わり、後は後日譚というかなんというか。

 これ最悪、今月の半ばぐらいでヒーローズ投稿終るな……。


第十二話 初見殺し乱舞(目的:勝ち逃げ)

《宮本絶花》

 

 

 

 

 

 

 

 

 私達って、もしかして凄いことを聞いているのかな?

 

 困惑していると、何時の間にか隣にいた青蘭さんがポンと肩に手を置いて頷いていた。

 

「ちなみに、ご主人様のこれはイッセーやリアス様のコンボに比べれば大きくマシだ。少なくとも、つい先日のあれに比べればな」

 

 リアス先輩と兵藤さんはどんなことをしたのですか!?

 

「ハイ質問! 本当におっぱいドラゴンとスイッチ姫みたいなことしたんですか!?」

 

「むしろ元ネタと言ってもいい。最近は天聖の機能をイッセー限定で遠隔供給型で行ってリアス様が窮地を脱出した。しかも自動回復でやっている」

 

 アヴィ部長が質問すると、即座に青蘭さんが断言した。

 

 え? あの素敵なおっぱいが、自発的に減らされた……!?

 

 思わず目の前が真っ暗になりかけるけど、そんな事態じゃないので何とか耐える。

 

 信じられなくて振り返るけど、朝月さんが力強く頷いていて、安城さんと霞城が視線を逸らしていた。

 

『馬鹿な……!? あの乳房が、自らの意思で減らされるなど……!?』

 

 今回ばかりは天聖がショックを受けていることを全面的に受け入れてしまう。

 

 もの凄く同感。世界の損失だよ……っ!?

 

「ところでどうするんですか? どうも色々と動いているのか、周囲に不穏な動きが見えてますけど」

 

 と、シュベルトさんが青蘭さんにそう聞いてくる。

 

 何時の間にか色々と探ってくれたらしい。確かに気を静めると、周囲にいくつか潜んでいる気配がする。

 

 禍の団だけというわけでもないのかもしれない。アイアンローズの人達が絡んでいるのだろうか。

 

 ただ同時に、樹下先輩と左豊菊花は睨み合っている。

 

 ……先輩、どう勝つつもりなんだろうか。

 

 はっきり言って、左豊菊花の武人としての力はとても高い。完成度という意味では木曽義仲より上だろう。

 

 見取り稽古や理念の学習ばかりが多く、戦場や試合といった実際の運用経験の比率が釣り合ってないのが原因だろう。武人としての力量なら話は違うだろうけれど。

 

 刀で例えるというのなら、実際の切れ味や強度はとは別の部分。実用という点に対する仕立ての部分が違う。

 

「……たぶん、戦士として一番整ってるのが近いかな……?」

 

「言いたいことはなんとなく分かるぞ、宮本」

 

 と、私の呟きに朝月さんが頷いた。

 

 聞かれていたことにぎょっとするけど、それ以上に理解されていることに驚いた。

 

 他の人達も驚いているし、たぶん私の言っていることを大きく理解しているのはリルベットぐらいだ。

 

 ただ、朝月さんは納得しているようだった。

 

「技術者流に例えるのならば木曽義仲と左豊菊花は、同じ高性能機でも既存機をベースに魔改造したハンドメイド機と、現場の意見をきちんと参考にして一から開発局が設計した正式採用機の違いを思わせる印象があるな」

 

 ……逆に分かりません。

 

 困惑していると、木曽義仲は苦笑していた。

 

「痛いところをつくね。純粋な戦闘能力はともかく、総合的な完成度といった部分が明確に上という意味では、まぁ合っているのかな?」

 

 どうも納得しているようだ。

 

 私もまだまだ未熟です。今度、少し科学や工業についても勉強した方がいいのかもしれない。

 

 だけど、今は考えている余裕がない。

 

 そこかしこから着ぐるみを思わせる大きなぬいぐるみが、機関銃といった重火器を持って現れる。

 

 ……ここからが、本番ですか。

 

「まぁいいわ。テロリストがきちんとした手順で戦うことを許されるわけもなし。……奪えるものなら奪ってみなさい」

 

「ああ。そうさせてもらうさ」

 

 左豊菊花に、樹下先輩が腰を落として身構えながら返答する。

 

 ただ、問題が一つ。

 

 起き上がり始めた災獣鬼が、魔獣達を既に生み出し始めている。

 

 正直、今から戦うとこちらも数が足りないかもしれない。

 

 できれば増援が欲しい。それも、間違いなくて誰といえるレベルの存在が。

 

 そう思った時だった。

 

「……ふむ。どうやら状況は好都合のようだ。それに相手も好ましい」

 

 そんな、値踏みするような声が響いた。

 

 聞こえた方向に人がいたのは分かっている。ただ、声が聞こえた瞬間に質が変わった。

 

 さっきまでは腕に覚えのある人のそれだったのが、明らかに傑物といえるだろうレベルにまで気配が強まっている。木曽義仲や左豊菊花に匹敵する……いや、違う。

 

 戦闘能力はともかく、密度というべきものが……違う。

 

 姿を現したのは、仮面で顔を隠した中年の男性。

 

 年齢は四十代前半といったところだろうか。ただ、動きに一切の隙がない。

 

 磨き上げられた武器を思わせる存在だ。……何かが、決定的に違う。

 

「……朝月博士。技術者としての意見を聞いていいか?」

 

「さっきの例え風に言うならあれだな。習熟した経験値を持つベテラン用に、態々開発した傑作機の近代化改修仕様とでもいうべきか……?」

 

 霞城さんに聞かれて、朝月博士はそう答える。

 

 そして周囲の警戒をよそに、自然体にも見える隙にな動きで男性は近づいた。

 

「アイアンローズトップエージェントナンバー2、シュージ・ツールート。上の命令もあって冥界の援護に駆け付けさせてもらった……と」

 

 放たれたロケット弾を裏拳で吹き飛ばしながら、その人はそう名乗った。

 

「……色々動いているみたいだし人のことは言えないけれど、どの面下げてって言っていいかな?」

 

 木曽義仲がそういう中、悪魔の人達からもシュージ・ツールートに対して鋭い視線が向けられる。

 

 アイアンローズはこの大型魔獣から民間の悪魔を守る為に動ているみたいだけれど、そもそもそこに至るまでに関わっているとのことなので、嫌っている人が多いと聞いている。

 

 そしてツールートは肩をすくめながらうんうんと頷いていた。

 

「まったくもってその通りだ。ハーデス殿は正直不本意だろうから仕方ないとして、そのハーデス殿をいまだに頼りになる同志として見ながら冥界の救援者だと確信して命を懸けれるアイアンローズにドン引きするのは正論だろう」

 

「……自分で言うんだ」

 

 安城さんが呆気に取られていると、ツールートは再び肩をすくめる。

 

「実際、そちらからすればそう言うほかないだろう。ハーデス殿からすれば忌々しい存在に災いが降りかかるように動いたというのに、戦力価値から迎え入れた者達の要望が多すぎる所為で救援しなくてはならない苦労があるだろう。というより、そういう真似を敢行するハーデス殿との間に決定的な相容れない部分を感じず志を同じくする同志といまだに考えているアイアンローズの圧倒的大多数派がどうかしている」

 

 ため息をつきながら、ツールートは首を横に振る。

 

 そしてそのうえで、彼は拳を禍の団に向けて構えた。

 

「だが現実問題、私はアイアンローズに属しているのでな。特権持ちとはいえ組織に属する者として、果たさねばならない責任というものがある。そしてどうせ果たすのなら、自分が納得いく形で果たしたい。……そちらに協力する理由はそういったものだが、返答は?」

 

「隙を見て何かするつもりなら後ろからでも叩き切る。それでいいなら」

 

 樹下先輩はそういうと、視線を麦吉子に戻す。

 

 まずは彼女に一点集中するようだ。

 

 そしてツールートは頷くと、木曽義仲を向いて腰を落とす。

 

「では、特に厄介な奴を一人抑えるとしよう。あとはそちらでなんとかしてくれ」

 

 そういうなり、彼は一瞬で木曽義仲に迫る。

 

 そして同時に、木曽義仲は鎖分銅をカウンターで放っていた。

 

 自然体すぎて私でも反応が危ないほどの動き。だけど、その鎖分銅は溶けるように消える。

 

 迎撃の為に振るわれた、ツールートの腕に触れた瞬間に消えた。

 

 そして次の瞬間、木曽義仲はツールートの飛び蹴りを回避する。

 

 下に伏せるようにしつつ、倒れ込むようにずれることで距離を取りながら回避。更に、着地しようとするツールートに手裏剣を放つ。

 

 それを、ツールートは軽く払う動きの腕でかき消した。

 

「……神器を、無効化している!?」

 

「アイアンローズのトップエージェントナンバー2といっただろう? ただの人間がそれをするには、見合った札が必要だとは思わないか?」

 

 驚愕する木曽義仲に、ツールートは拳を握って接近する。

 

 それに対し、木曽義仲は着流しの懐から抜き放った武装で迎撃。

 

 十手……いや、苦無!!

 

「保険は持っててよかったよ!」

 

「流石にサイドアームの一つは持っているか!」

 

 更に抜き放たれた拳銃の射撃を、ツールートは拳で薙ぎ払う。

 

「……腕に限定されていると考えるべきかな? もっとも、そういう戦い方に慣れてるだろうけど」

 

「分かってくれているようで何よりだ。甘く見られてないなら駆け引きができる」

 

 完璧な睨み合い。

 

 そして、それを観戦しているだけではいられない。

 

「先輩、一人抑えます!」

 

「宮本……いや、助かる!!」

 

 樹下先輩は得物を構えると、左豊菊花と麦吉子に向かって駆け出した。

 

 彼女たちの相手は先輩に任せるべきだ。私がするべきことは別。

 

 別格の難敵……音成光珠。

 

 彼女の相手は、私がしないといけない。そう確信できるだけの力量を彼女は見せつけている。

 

 天聖を引き抜き、即座に構える。

 

 同時に、音成光珠は聖剣を作り出した。

 

 話に聞いている聖剣創造という神器。確かに厄介な神器だろう。

 

 だけど、剣の勝負は私が絶対。

 

『その通り! 悪魔祓い崩れにそうやすやすと後れを取る道理はない!』

 

「吠えてくれるわね、二天一流! 剣道とフェンシングの試合ってフェンシングが勝ち越してるらしいけど!!」

 

 そういうなり、こちらの動きにカウンターを入れるように音成光珠は剣を突き出す。

 

 同時に光り輝き、動きが見るからに早くなる。

 

 これは天閃の聖剣! だけど!

 

「二天一流ではないでしょう!」

 

 それはもう、ゼノヴィア先輩で知っている!

 

 一瞬で速さを読み切って、刺突の軌道からそれながら斬撃を放つ。

 

 その瞬間、彼女の周囲から炎が巻き起こる。

 

 即座の判断で切り払う。ただ同時に、私が纏う闘気がかすめた瞬間に燃えた。

 

 燃え広がる前に振り払う。だけど今の炎、一体何!?

 

『この炎の気配、まさか赤龍帝? ……そういうコトか、気をつけろ絶花!』

 

 天聖が凄く警戒している。それだけの炎。

 

『これはあの龍、赤龍帝ドライグが封印される前に放つことができた炎に近い! 燚焱の炎火と称されし、魂すら焼く炎だ、決して触れるな!!』

 

「あらそう? 私は万象焼却能力って形で認識してたけど、異形の能力を再現するタイプだったとは思わなかった……わ!」

 

 そう答えながら、鋭い斬撃を振るう音成光珠。

 

 吹本先輩が目をつけられていると聞いていたけれど、彼女が対応できるような相手じゃない。

 

 ここで無力化、いや……斬る。その気迫がなければこっちが不覚を取る!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《樹下誠二》

 

 

 

 

 

 

 

 

 向こうもまずいが、正直こっちも余裕がない。

 

 敵はレイドボス左豊菊花。

 

 波柴一族訓練機関において、戦闘技量は俺どころか歴代訓練生全てを超えた最高成績。更に麦吉子の力によって俺と同じように黒刃の狗神を限定的に振るい、俺が失った反粒子の運用能力まで持っている。

 

 ……ほぼほぼ完全上位互換。一対一どころか、青蘭によって獅子王の戦斧を付属させている状態でも勝てる自信が全くない。

 

 正面からの競り合いでは圧倒的に不利。そも戦術戦略の観点から言っても、明確な格上相手に真っ向勝負で勝とうというのがまず間違っている。

 

 結論。複数の隠し玉で勝ち逃げ一択。

 

 堂々と宣言した通り、麦吉子と菊花を同時に物にするつもりは欠片もない。

 

 無理。

 

 死ぬ。

 

 不可能。

 

 難易度理不尽。

 

 なのでまぁ、休憩時間中に手札となる物をしっかり練ってきた。

 

 ただ、どうしても時間的に付け焼刃だ。全部奇策一歩手前が限界であり、決めれた短い間に押し切らなければ負ける。

 

 そのタイミングを見計らう。そして、同時にそれがここだとも分かった。

 

 既に菊花は激昂しており、反粒子を速攻で抜き放っている。

 

 同時に、逃げ場を防ぐように竜巻を発生させて左右から挟む。

 

 上に飛び上がればいいだろうが、間違いなく聖剣を構えているだろう。

 

 ……なので、速攻で俺は札を切る。

 

 瞬間的に投擲する数十本の魔剣。そのすべてが反粒子に直撃。

 

 その瞬間、反粒子の密度が明らかに薄まった。

 

 もはや薄い靄どまり。その向こう側にいる菊花が驚くのすら分かり、そしてそれを待つ気もない。

 

 動揺から回復する前に黒刃を振るい、戦斧との付属で強引に反粒子を粉砕。

 

 瞬間、迎撃として放たれる各種属性の攻撃。叩き込まれた訓練とその後の人生で得た経験による、かつてより鋭い反撃の嵐。

 

 それに対して、俺はあえてそれまで温存していた札を切る。

 

 服の内側に隠していた巻いているベルトのバックルを起動。同時に、俺の全身を強化服が包み込む。

 

 古い日本の鎧は、装甲パーツを細く小さい板状にし、それを縫い付けることで防御力を持ちつつも動きやすい仕様をしていた。また、現代では強化された繊維をもってした戦闘用の服を纏うことが大前提。

 

 それらを参考にして設計された、薄いが非常に頑丈な強化繊維で編まれた戦闘服。更に細長い小さな魔の装甲プレートを主体として、全身に動きを阻害しない形で防御版が装着される。

 

 例えるならば科学技術で構成された、日本の動きやすさ重視の鎧。それをもって、俺は半ば無視する形で強引に攻撃を突破。

 

 そしてその強引な突破を目くらましに、俺は魔法で呼び出した切り札を用意する。

 

 それは腕で握る形で保持する、大型のクローアーム。

 

 そこに最後の札を投入する。

 

「鬼手化(バランス・アジャスト)……!」

 

 その起動コードと共に、装着された鎧のオーラがより制御される。

 

 束ねられた力は、クローアームにまとわりついて、薄い魔のコーティングが施された。

 

 そのオーラは振り払おうとする菊花の力に少しの間耐える。

 

 これがダメだとまずい。俺らしくもない一発勝負。

 

 だが、それぐらいしないと今の俺では菊花に届かない!

 

「脱がせ、縛砕の剛腕(リストレイント・リベレイター)・試作型」

 

 その力は、菊花そのものを狙わない。

 

 菊花の内側から特殊なオーラが発生し、彼女が纏う黒刃―麦吉子―を転移させようとする。

 

 事ここに至り、菊花はすべてを悟った。

 

「反粒子に対抗することを目的とした魔剣に、魔剣創造を拡張する装甲服型と洋服崩壊を亜種再現する二つの人工神器!? あんた最初から一点賭けに!!」

 

「お前相手じゃそれが限界でな、レイドボス!!」

 

 そう。この戦いはそこにすべてをかけていた。

 

 以前から反粒子を使えるからこそ、その対策として作れた魔剣。反粒子をごく僅かだが付属できる投擲用魔剣の滅剣・銀(しろがね)。

 

 それを基にして作り上げた、反粒子の流れを誘導して拡散放出させる形で弱体化させる、誕剣・鐵(くろがね)。

 

 敵を滅ぼす為の力である反粒子を使うのではなく、その逆。生まれ行く命とその人生を守るが為に反粒子に立ち向かう魔剣。ゆえに、滅剣・銀の逆として名付けた誕剣・鐵こそ布石の一つ。

 

 同時に、以前から少し考えていた魔剣創造の拡張型人工神器。そのサンプルを見たうえで、調整してもらいながら用意したのがこの魔創の装甲服(バース・ド・アーマー)。

 

 麗夜さんが使っている魔創の兵装腕(ソード・アームズ)が装備した腕を基点に魔剣創造を拡張して武装を作り上げる物なら、こちらは魔剣創造を拡張して鎧を作り上げる。木場や海砂さんのそれとは違い、本人の強みを重視していないから複数生産も理論上可能。

 

 しかし、こちらは強み以上に問題点があり、保有者全員に支給することも視野に入れている兵装腕とは違い、多くの問題があって追加生産にはゴーサインが出ていなかった。

 

 それはひとえに、多様性に優れるがゆえに強度と出力に劣る創造系全体のネックが大きい。

 

 ただでさえ強度と出力が比較的劣る創造系神器。それも武器という点では同じで、また使い捨て大量生産を前提とした投射型なら物量で押せる、それも大きくて両手持ちサイズにすればいいのが兵装腕。リソース的にも機能的にも問題は薄い。

 

 しかし防御というある意味で逆の発想であり、強度が特に求められる防具であり、全身に装着することが前提のこちらは違う。あえて壊れやすくして衝撃を吸収するクラッシャブルストラクチャという発想もあるが、限度があったのだ。

 

 しかし俺は、俺の持ち味をもってしてこれを克服した。

 

 日本でも戦国時代以前によく使われた、小さい板を組み合わせて動きやすさを重視した鎧の構造。これを更に動きやすくする為に腰で巻いてわきで止める形にした胴巻という鎌倉~室町時代で使用されていた鎧。

 

 そして現代の軍隊でよく使われる、重要部分のみをプロテクターで覆いつつ、破片や衝撃に耐えられるようにそれらを装着できるように設計された強化繊維による戦闘服。

 

 そこに俺の物量による圧殺を目的とした、同型魔剣の大量投入という戦法。

 

 これらを組み合わせることで、各種結界を生成するプレートを大量に組み込んだプロテクターによる多重結界を纏う強化装甲というアプローチに成功。ただでさえ動きやすい構造に結界の一部を動きの補助に設定したことで非常に自在に動け、それ以外も含めて大量のプレートによる複合だから少し壊された程度では弱体化はほぼない。

 

 結果として魔創の装甲服は希望者の要望に合わせてある程度調整する形で追加生産が図られるが、そこはおいておく。

 

 更に、拡張型および増設型の研究が進んだことで得たノウハウの積み重ね。そこに英雄派が流した禁手到達メソッドの流用。これによって、俺は前人未到の人工神器版の完成された禁手、鬼手(カウンター・バランス)に到達した。

 

 アザゼル先生が自分の用に作った、堕天龍の閃光槍は、暴走させることでコア以外を使い捨てにさせる形で発動させていた。これは均衡を崩す為の力の解放を持ち主側の想いで行わせるのが、禁手という力の性質だからだ。

 

 逆に鬼手は本来より安定しにくい人工神器を、持ち主の力で強制的に安定化させることで到達させる強化形態。要は込められた力の解放ではなく、普段はロスされている力を利用した状態と考えている。

 

 人工神器自体が安定性に欠けるからこそできる一種の裏技だが、俺みたいなタイプにはむしろ至りやすい。すぐにでも会得したいので英雄派のメソッドを利用させてもらったが、初の鬼手なので神の子を見張る者からかなりの謝礼をもらったがまぁそこはおいておく。

 

 そして到達したのが、いわば特殊能力そのものをエンチャントするように、手に持った者にコーティングを施して異能を付随させる、魔創の増設装甲(バース・ド・アーマー・コーティング)。

 

 そしてそれをもってして強度を高めた最後の一手。

 

 純然たるオリジナルとして開発研究がされている、完全型人工神器。そしてイッセーが旧魔王派との決戦で成したMVPに着想を得つつ、女性陣からの洋服崩壊に対する不評の一つを前提として成し遂げた逸品。いわば洋服崩壊の改良型を創り出す試験兵装。

 

 すなわち、「お気に入りの服が破かれたらいやだ」という意見から着想を得た、衣服だけを砕くのではなく衣服だけを転移させる異能。

 

 その名を、完全型人工神器、縛砕の剛腕(リストレイント・リベレイター)。

 

 このコンボで、菊花と麦吉子を引きはがす。これが俺の立てた作戦だ。

 

 ぶっちゃけ失敗すると手がないレベルだ。頼む成功しろ!!

 

「な、めるなぁ!」

 

 あ、まずい。オーラが強すぎて強引に防がれている。

 

 これまずい。既に縛砕の剛腕が限界だ。あと一分も持たずに壊れる。

 

 これは、まずいか!?

 

 




 誠二の戦術:初見殺しバーゲンセールからの逃げ切り。

 戦術的勝利を得るための準備は、即興ながらしっかりしてきた男、樹下誠二。しかし結構ヤバイ状況に。

 イッセーと対を成す感じで全身を包む形にできないかと思うときが多いので、最近アニメ二期が終わった逃げ上手を参考に、物量攻撃型魔剣創造使いの誠二向きの人工神器。鬼手の性質から誠二と相性よさそうだったので、即座に禁手に。

 さらに洋服崩壊を参考にした奥の手を用いて、とにかく菊花と吉子を分断して一人ずつ……が誠二のプラン。半分即興ですが、この場にいる存在を輝かせることで乱戦を描きやすかったので、こうなりました。





 そして謎が謎呼ぶ仮面の男。シュージ・ツールート。アイアンローズのトップエージェントでは、多分最も重要度の高い人物となります。名前の意味が分かれば納得されるかと。






 それはそれとして朝月博士の例えがわかりにくいと思ったので、コードギアスで例えます。

 鏡夜:紅蓮聖天八極式

 菊花:ランスロット・アルビオンゼロ

 シュージ:ペンデュラム・リザレクション

 性能バランス的にも大体こんな感じです。
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