シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚 作:グレン×グレン
もう少し詳細とかがわかってから、職場復帰を目指していくつもりです。それまでは執筆量もめっちゃ増えて、連投は続くと思います。
では本編!!
《空本麗夜》
超獣鬼の攻撃は激しいうえに、それ以外の敵も多数いる。
はっきり言って乱戦だ。シャルバのおかげで禍の団との戦いから、シャルバ対英雄派対俺達……という形になったのは、都合がいいのか悪いのか。
超獣鬼から生み出される魔獣達は、俺達も英雄派もお構いなしに襲ってくる。もう本当に全部滅ぼすつもりらしい。
それを利用し、英雄派を各個撃破。これが今の俺達の戦闘方法だ。
『シャルバが引っ付いてる超獣鬼を見つけました! こいつは俺が徹底的に抑えるんで、まずそれ以外から何とかしてください!!』
イッセー君が語気強めでそういうけど、シャルバに何かがあるんだろうか?
いや、神祖になったことでシャルバがおかしなことになっている可能性は大きい。もし星辰光まで会得しているのなら、その性質がやばい可能性は十分にある。
とはいえ、それ以外も厄介だろうけれど!!
『撃ちぃ方ぁ始めぇ!!』
「おおっとお!」
とりあえず、上から放たれる砲撃を撃ち落とす。
全長180mぐらいの空を飛ぶ軍艦。
そこからミサイルやら砲弾やらが襲い掛かってきて、非常に厄介だ。
数百人の親衛隊も舞い降りてきて、非常に戦いは激しくなっている。
とりあえず、あの上からの砲撃を黙らせる人がいた方がいいだろう。
「船を狙う! 援護をよろしく!!」
「そういうコトなら援護するわ!」
近くにいた信子さんの援護を受けながら、俺は砲撃を掻い潜って空を飛ぶ。
そして上に上がった時、艦橋の上に立つ威風堂々とした少女が一人。
艦長らしく服装のその子は、俺達を仁王立ちで見据えながら胸を張った。
「よくここまで来た、桃山警護事務所!! 曹操親衛隊副長、フランチェスカ・ドレイク!! そして我が船、フライフィッシュがお相手しよう!!」
その宣言と共に、流れるようにこちらと距離を保ちながらの攻撃が放たれる。
更に甲板にわらわらと親衛隊が集まり、こっちに向かって攻撃を放つ。
こちらも砲撃で反撃するが、判断と連携が非常に早く攻めあぐねているのが現状だ。
というより、船の動きが機敏なくせして、乗っている側がそれに振り回されてなさすぎないか?
いや、そんなことを言っている場合じゃない。
ただ厄介だ。これはもっと戦力を集中するべきだったかもしれない。
「ふははははははは! その程度で、我々を……曹操の歩む道を壊せると思うなぁ!!」
そう哄笑するフランチェスカが、まるで一人で思ったように動かしていると思えるほど、生物的な動きでフライフィッシュはこちらを責め立てる。
まったく。流石に親衛隊レベルとなると厄介だよ!!
《木場祐斗》
放たれる矢を素早く躱し、龍騎士を送り込んで反撃。
それを馬を駆けさせて距離をとりつつ、素早い矢を放つ敵を僕は睨む。
英雄派の曹操親衛隊。確か、オーフィスを巡る戦いで関わってきたミッシェルか。
おそらくあの弓は創造系神器。聖なる矢を形成して撃ち放つ代物だろう。
乗っている聖なる馬や、身に付けている装備は禁手によるものと考えればいい。弓を主体とする騎兵として必要なものを創造する能力か。
「見事だ、聖魔剣の木場祐斗! 聖剣計画の被験者にしてイレギュラーなだけある!!」
ミッシェルは、僕のことを聖剣計画の被験者として呼んできた。
意図は分からない。だが、挑発のような響きを感じない。
「教会に詳しいみたいだけど、悪趣味って言われないかい?」
「何がだね? 素晴らしき教会の成果ではないか!」
本気で言っているのかと、そう言いたくなることをミッシェルは言い切った。
「そしてそんな男が日ノ本の武士を師としたのが実によい! 私は日本人では豊臣秀吉が大好きなのだが、君はやはり師が所属した新撰組だろうか!!」
世間話みたいなことを聞きながらも、ミッシェルの攻撃は緩まない。
ただ、内容にツッコミを入れた方がいいだろうか?
「豊臣秀吉は聖書の教えを弾圧してなかったかな!?」
聖書の教えの弾圧は江戸幕府が有名だけど、実際の所は豊臣秀吉の頃から行われている。
だから詳しい信徒はむしろ嫌うと思うのだけれど、ミッシェルは少しきょとんとしていた。
知らなかったのかと思ったが、そうではなかった。
「何を言う? 平民上がりから国家統一を成し遂げ、海外にまで手を伸ばしたのがかの男。それはすなわち、ローマに迫害されながらもローマが滅びてなお世界最大宗教としてなお馳せる聖書の教えの生き写しが如き人生ではないか!」
……あ、これ危険人物だ。
なんというか、信仰に問題があって追放されるタイプだ。たぶん元から警戒されてたんだろう。
「そして曹操もまた生き写しが如き男! 農村出身から英雄派を束ねる長になったその煌めく蒼天の旅路こそ!! 聖書の教えの至宝たる聖槍を振るうに値する傑物である!!」
曹操の親衛隊になった理由もそこか!!
こ、これはいろんな意味で面倒な手合いに目をつけられたよ!?
《兵藤一誠》
俺は今、シャルバを見つけてどつき倒してる。
厄介だというか発想の勝利というか。
あいつ、今超獣鬼に取り込まれる形で一体化してやがる。
それ以外の超獣鬼も鬱陶しいししぶといし、正直雲川さんと美子ちゃんがいなかったら、俺負けてたんじゃないか?
いやいや弱気になるな! 撤退命令無視してまで頑張ってんだ。ちゃんとやらねえとな!!
『この羽根つきトカゲの汚らわしい人間上がりなまがい物の分際でぇえええええええ! 我が裁きの邪魔をするかぁっっっ!!!!!』
そしてシャルバがうるさい。
もう完全に俺に対して敵意をむき出しにしてんな。俺も大っ嫌いだからお互いさまな気はするけど!!
ただ、ある意味でラッキーか。
なんたって―
『ならば今すぐ、我が星で殺してくれるわぁあああああ!!!』
―こいつの星がかなりやばいからなぁ!!
『天争せよ、我が守護星―――鋼の
神祖になったシャルバの奴は、間違いなく強くなった。なっちまった。
『仰ぎ見るべき絢爛たる威光。地に伏せ栄誉を感じて仰ぎ見るべき誉れは、神すら超える尊き魔王』
もう呆れるぐらいの自尊心だらけの詠唱。だけど同時に、悪意がやばいぐらいに満ち溢れている。
『それを軽んじ捨て去り偽るうえ、神仏如きとなれ合う罪業。そこまで神威が良いのなら、神罰をもって種を根絶する。神となれ合う下賎な屑よ、合わせてやったぞ感涙せよ』
俺も喰らった時はやばかった。サマエルの毒ほどじゃないけど苦しくて、動くのも結構一苦労。
グレートレッドも効き始めてるけど、結構堪えてるみたいだしな。
『苦悶に苦しめ。痘痕を浮かべろ。絶望と絶命こそ、貴様たちが選んだ道なのだ。従僕の使命を忘れたものに、手ずから裁く手間をかけるのだ。身に余る光栄に感謝せよ』
殺意なんてもんじゃねえ。なるべく早く、そのくせ苦しんで死ねっていうどこまでこっちを裁きたいっていう、めちゃくちゃな怨念が籠ってやがる。
『この尊き褒章の対価は絶滅である。隷属の身と君臨の身が並び立つことを望むのならば、もろともともに滅ぶがいい』
これが、シャルバ・ベルゼブブが到達しちまった星辰光。
『差別なく区別なく大別も無く。病のように滅びで包もう。それこそが、冥界にもたらされる唯一の平等である』
多分、グレイフィアさん達がさっさとやられたのもあれが原因。それぐらいヤバイ切り札だ。
『
こればっかりは、たぶん俺じゃないとやられちまう。
『
シャルバ・ベルゼブブ
基準値:A
発動値:AAA
収束性:D
拡散性:B
操縦性:C
付属性:E
維持性:D
干渉性:B
ったく。本当に面倒くさいよ、お前!!
《リリス外縁部》
「……まだだっ!!」
反射的に、波柴秀華は覚醒した。
発生した症状に対して、ほぼ反射的な覚醒。
だが、同時に体感でその危険性を痛感する。
「全員、あの超獣鬼から距離取って!! 重病の症状が発生してる、動けなくなるよ!!」
強い声で指示を出すが、それだけの意味がある。
今自分に襲い掛かる症状が重すぎる。これは、大半の者たちが動けなくなる。
必然として、自分のようなもの及びイッセーのような手合いでなければ戦闘をするような状態ではなくなる。
「……しといてよかった眷属化! 美子ちゃん!!」
『ちょっとホントにお願いします……~~~っ』
既に影響を受けているが、時間としては十分余裕。
結論。今回の覚醒対象は小笠原美子。
「気合を入れるよー」
『「―そう、まだだ!!」』
覚醒を流し込み、戦闘態勢を継続。
同時に、振るわれる猛攻を巨人が迎撃。それに合わせるように、秀華も駆ける。
位置取りは間違えない。都市部の破壊は可能な限り避けるためには、覚醒を続ける以上背に都市をおく必要がある。
この位置取りなら、攻撃を全て迎撃してはじく前提なら問題ない。回避を前提から放棄するだけでいくらでも覚醒ができる。
準神滅具は全力。魔力も全開放。気合は当然、入れ続ける。
あの影響範囲がどこまで来るかは分からない。だが、おそらく拡散性は優秀より。超獣鬼などが距離を離さないあたり、その更に外側が影響範囲内。
結論は、すぐに出た。
「全員! 超獣鬼から私より遠くにいて!! 出ないと戦闘不能になる!!」
既に近くにいた英雄派が、苦しんで倒れていく。
おそらくは病状の再現。シャルバの星辰光と思われる。
ただでさえ神祖になっているうえ、生き物にとって最大級の敵たる重病。まともに戦えば確実に負ける。
「最悪だよ、本当に……っ!!」
状況は、更に不利になる。
《アザゼル》
「天然痘関係? それがシャルバの目覚めた星辰光だってのか?」
ドライグからの情報提供に、俺は面食らった。
天然痘。この世において唯一人類によって完全駆除されたウイルス性の病。
だがそれは同時に、天然痘がそれほどまでの脅威でもあったことを意味する。
打倒する余地があり、それだけの必要があった。だからこそ、それをすることができた。
『断言はできん。だが、かつて宿主だった奴が天然痘にかかったことはある。だからそれに関係する星辰光なのは間違いない。実際、今相棒とグレートレッドが影響を受けている』
ドライグが通信してくるが、なんつー代物だよ。
歴上でもかなりやばいレベルの病気を再現する星辰光。それもグレートレッドに影響が出ている以上は種族関係お構いなし。
「アザゼル総督、確認取れました!! グレイフィア様達を治療している衛生班の報告によると、過去天然痘罹患者を診察したことのあるものが類似の症状が出ていたと断言しました!!」
追加報告も来た以上、こりゃ間違いねえな。
世界的に見てもトップクラスの病にいきなり感染しちまったんだ。いきなりそんなデバフを食らったところに超獣鬼三体追加とか、グレイフィア達でも荷が重すぎる。
むしろ初手で喰らってよくしぶとく戦えたな、イッセーの奴。そういうところは本当にずば抜けてやがる。
だが問題は、そこまでしか分かってないってことだ。
『分かっていると思うが、今がこちらにとって幸運である可能性がある』
「まったくだ。最悪のパターンは奴の星辰光の性質が、どこまでカバーしてるかってところだな」
天然痘の再現ならまだいい。実際、ウイルス反応はグレイフィア達から発見されてないみたいだからな。その可能性はあるだろう。
だが、これが星辰光の片鱗どまりだとするとやばい。具体的には天然痘に関する様々な能力を発現させるとかだとまずい。最悪は天然痘ウイルスに干渉できた場合だ。
龍神クラスにも通用する天然痘現象を出せるポテンシャルを、天然痘ウイルスそのものに対しても行えるとしたら、だ。
……上位の異形や核兵器によって強引に滅菌することもできないような、超絶強化された天然痘を自在に操って暴れられる可能性がある。
それが神祖? おいおい、悪魔どころか世界中の生命体を滅ぼせるぞ……っ!!
《樹下誠二》
間違いなく曹操は難敵だ。いやというほど痛感している。
間違いなく強敵だ。最高レベルの実力者。最強クラスの人間だろう。
分かっていた。おそらく、人間としての戦闘能力は菊花すら超えうるだろう傑物だと。
だからこそは当然の結果だ。
「……本当に、君は滾らせてくれるよ……」
「そ……りゃ、どうも……っ!」
俺は今、曹操に追い詰められている。
本来は区切り重視で二話だったのですが、短すぎたのでちょっと順番を入れ替えたりして一話にまとめました。
そういうわけで、シャルバ・ベルゼブブの星辰光を説明します!
シャルバ・ベルゼブブ
基準値:A
発動値:AAA
収束性:D
拡散性:B
操縦性:C
付属性:E
維持性:D
干渉性:B
神祖と化したシャルバ・ベルゼブブの星辰光。
振るう星の権能は、疱瘡干渉・感染現象再現。接触を行うことで、生物に対して天然痘に近い症状を疑似的に発症させ、同時に天然痘ウイルスそのものを強化操作する星辰光。
天然痘とは世界で唯一根絶されたウイルス性の病気であるとともに、世界でも有数の大病。それをあらゆる存在に対して疑似的にも実体的にも感染させることができるこの星辰光は、生者を苦しめるという一点において最高峰の星辰光。
疑似的な発動でも、重篤な天然痘発病状態を再現させることができるため、その苦しみで他者を無力化する程度のことは容易。天然痘そのものが非常に重い病気であることを考えれば、大半の存在は瞬く間に無力化できる。
出力以外の各性質がほぼほぼ並ではあるが、その性質故に出力のごり押しで圧倒できるほどにまで弱体化させることが可能。だがそのもっとも凶悪な性質は別にある。
それは天然痘そのものに上乗せする場合。症状や感染において大雑把ながらも明確な捜査を可能とするこの星は、相乗効果で安全性すら保障された生物兵器が誕生する。
天然痘ウイルスを手にすることができれば、ワクチンの大量製造も人込みでのピンポイントの感染も可能。もちろん感染者の治療から病状悪化まで容易く行うことが可能。それこそワクチンを無視した強制発病すら可能とするそれは、疱瘡神の君臨とでもいうべき悪夢を顕現させる。
使い手がそれを意識して立ち回れば、それこそ単独で種族を滅ぼしうる凶悪な星辰光として顕現しており、それを意識するまで習熟と経験を積んだ場合、彼の対生物における危険性は神仏すら超えうる。
ゆえに、そこにたどり着かぬこの時こそが好機。冥府魔道に平穏を齎す、分水嶺そのもの。
名と血こそを絶対とし、その尊厳のみをもって従属の義務を要請する
★詠唱
天争せよ、我が守護星―――鋼の
仰ぎ見るべき絢爛たる威光。地に伏せ栄誉を感じて仰ぎ見るべき誉れは、神すら超える尊き魔王。
それを軽んじ捨て去り偽るうえ、神仏如きとなれ合う罪業。そこまで神威が良いのなら、神罰をもって種を根絶する。神となれ合う下賎な屑よ、合わせてやったぞ感涙せよ。
苦悶に苦しめ。痘痕を浮かべろ。絶望と絶命こそ、貴様たちが選んだ道なのだ。従僕の使命を忘れたものに、手ずから裁く手間をかけるのだ。身に余る光栄に感謝せよ。
この尊き褒章の対価は絶滅である。隷属の身と君臨の身が並び立つことを望むのならば、もろとも共に滅ぶがいい。
差別なく区別なく大別も無く。病のように滅びで包もう。それこそが、冥界にもたらされる唯一の平等である。
▽Beelzebub vorat omnia, quae corruptionis sunt.
「ベルゼブブは、腐敗した全てのものを貪り食う」という意味を持つ、悪魔学におけるベルゼブブの性質と名前の由来を象徴的に表した文。
といった感じです。
コンセプトは「いかに性能は控えめにしつつ凶悪にするか」といったところですね。
元L×Lでは放射能汚染という核に舵を切りましたが、今回は生物兵器といった方向性にしました。神祖化において神系統で組み込めることを探した際、疱瘡神という概念を生かせばいいと思い至った次第です。また別系統でやるなら今度は化学兵器でやってみたい。
シャルバは全く気づいていませんが、性質上天然痘の現物を手に入れると化けます。ワクチンが一切意味をなさない上に、アルコールなどの消毒も難しい超タフネス天然痘をばらまく余地があるからです。下手をすると単独で世界を滅ぼしかねないヤバイ聖侵攻となっております。