シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚 作:グレン×グレン
全体的な和数はちょっと短めでしたが、ノリと勢いを重視したお祭りbattleになりましたなぁ。
今現在は長めの間章を書いております。この調子なら今月中にウィザード編も書き切れちゃうかなぁ……なんてね!
では本編!
《アザゼル》
『こちら祓魔省冥界支部! 桃山警護事務所の樹下誠二が曹操とゲオルグを打倒! 重症につき医療班詰め所に緊急搬送しましたが、樹下誠二に命の別状はなし! 曹操とゲオルグは拘束が完了!!』
その通信がオープンチャンネルで鳴り響き、明確に曹操親衛隊は動揺した。
更に超獣鬼も多くが討たれ、趨勢は完璧にこっちに傾いた。
「嘘でしょ……曹操!?」
「んな、ありえねえ!?」
激闘を繰り広げていたジャンヌと、サイラオーグに追い詰められていたヘラクレスが明らかに狼狽している。
そしてそれを逃がすわけもないが―
『全員撤収だ! 後詰に用意しといた洗脳構成員を呼んだからそいつらに任せろ!!』
一手早く、大量に英雄派の構成員が割って入る。
全員洗脳されてる奴か。使い捨てる気満々だな!!
『曹操とゲオルグを助けるには、立て直しにも準備も時間がいる!! 俺達の英雄の為にも……ここは退くんだよ!!』
「楠木君!? ……クッ!」
「そうだったな……畜生が!」
撤退指揮を執っている親衛隊と思われる連中に、ジャンヌ・ダルクとヘラクレスが逃げの体制に入る。
「逃がすと思うか!」
「ここで捕える!」
追撃にゼノヴィアとサイラオーグが動き、俺も光力の槍を放とうとする。
だがそれより早く、数百以上のミサイルが襲い掛かってきやがった。
英雄派の構成員すら巻き込むような乱れ撃ちに、俺達は足を一瞬取られる。
その瞬間、大量の転移魔方陣が展開した。
そして転移してく英雄派の正規構成員共。
その殿に、ミサイルランチャーをこれ見よがしに構えたコハヤがいた。
「んじゃま、とりあえず撤退だね。……結果オーライってことで、よかったね♪」
……チッ。そういうことか。
コハヤ・リバーにとっては
何となく読めてきたわ。あの女、本当に食えねえ奴だよ。
……だがまぁ、
一段落、ついたかねぇ?
《兵藤一誠》
魔獣騒動と言われるこの戦いが終わって、半日ぐらい経った。
「なんで俺達、三人揃って検査してんだろうな」
「決まってるだろ。訳の分からん多重星辰光同時発動なんてしてるからだよ」
俺がぼやくと、樹下がため息をついた。
量が少ないとはいえ、俺の場合は体がボロボロに崩壊したサマエルの毒。それをちょびっとだけとはいえ喰らっておきながら、樹下の奴ぴんぴんしてやがる。
いやまぁ、昏睡状態になったみたいだけど。数時間で快復して検査受けてるとかありかよ。凹むぞ。
ジト目で見るけど、それを見かねた秀華さんが肩をすくめた。
「十歳前から色々と手を加えられて強化されてるところに疑似魔王血族と来てるから、色々反則だよ誠二は? むしろ今のイッセー君の方が反則だから抑えて抑えて」
「同感。お前龍神の肉体ってなんだよ。絶対基本スペックだけなら俺を超えるだろ」
んなこと言われてもなぁ。
なんか曹操にもドンビキされたけど、そんなこと言われてもなあ。
でも、一体何だったんだろ。
「樹下や秀華さんもだったのか? なんだったんだろうな、あの人達」
ほぼ同じタイミングで、俺達に宿った幾つもの星辰光。
なんていうかアドバイスや声援をくれる人の声もしたけれど、あの人達が星辰光を本当に使っている人なんだろうか。
聞いた感じだとみんな良い人っぽいけど、できれば直接会ってお礼を言いたいなぁ。
「マジで誰だったんだろうね? なんか色々融合してるって話で、探る余地がないとか言われてるけど。……というか、私の場合反則過ぎない?」
秀華さんがそういうけど、確かに。
星辰体そのものに干渉することで、結晶化された星辰体である翠星晶鋼にも干渉。
空間そのものに干渉することで、距離を支配するように自由自在に転移。
そして翠星晶鋼を飛ばし、挙句の果てに神祖すら殺せるような機能を持つ兵器をそれで形成させるし力も注がせる。
なんというか、格が違う気がする。
ま、俺の場合も大概だけど。
「俺のも、特に分裂したのがやばかったみたいなんだよ。よく数えてなかったんだけど、シャルバが超獣鬼を利用してセミオートでコントロールしてた魔獣が数十万越えてたのに、砲撃を迎撃しながら全部包囲圧殺したんだぜ? 物量何百万だよ」
あのおっぱいがでかいお姉さんであろう人の星、やばすぎない?
他の二人はオッサンぽかったけど、神祖の不死ごと結晶にして砕くような能力や、俺がグレートレッドと一緒に使ったからって握力で超獣鬼を砕くような怪力。
色々やばすぎだろ。上澄みとかそういうレベルじゃね?
と、樹下も思い返したのかちょっと苦笑いしていた。
「そういう意味だと俺はまだ弱い方か。ま、十分すぎるほど強い星に助けられたから文句は言えないけどな」
そういやそうだな。
色々凄いけど、俺達よりはぶっ飛んでない星が多かった。
ただ、本当に誰だったんだろう?
考えても分からないけど気になるな。
ただ、気になるけど考えても分からない。
それを分かってるからか、秀華さんがパンと手を慣らした。
「ま、その辺は後でゆっくりやるってことで! 一旦検査も終わるけど、アザゼル先生から色々報告があるらしいよ?」
ま、分からないことを分からないままずっと考えても仕方がないか。
頭いい仲間がたくさんいるんだから、考えても分かんないことはそっちに任せるか。
……ほんと、大変なっ戦いだったなぁ~。
《樹下誠二》
「……よ、よろしくお願いします……」
緊張している吉子が、勢いよく頭を下げる。
まぁ、ついさっきまで敵対してたんだしそりゃそうだ。本人が主体的な行動を苦手としているならなおのこと。
「どうも私達は、敵対していた者達すら味方になることが多いものだ」
「そうね。そういう意味だと感慨深いわ」
ゼノヴィアや信子さんが、自分達もイッセー達と敵対してたことを思い返して小さく笑っている。
まぁ確かになぁ。
主体となっているリアス・グレモリー眷属と桃山警護事務所も、本来は味方とも言いづらいところがある微妙な関係だったし。
それが当時敵対していた教会や神の子を見張る者からも人が来て和平が結ばれ、アースガルズのロスヴァイセさんまで。
犯罪組織や禍の団に関係している者もいるわけだ。びっくりするぐらいの混合部隊な気もするな。
そういう意味だと、まぁ問題はないわけだ。
とはいっても気にはなるだろう。というわけで。
「吉子はこっちな」
「うわぁっ!」
ちょっと強引に抱き寄せると、俺はそのまま膝の上に座らせて吉子を撫でる。
「そういうわけで、まぁ面倒は俺がメインで見るけどサポート頼む。一人で二人もは結構大変かもしれないしな」
「え、いや、そんな可愛がらなくてもいいよ!? ほら、青蘭も先輩だし!?」
吉子が混乱してそういうが俺は無視。
ご主人様は俺なので、ちゃっかりしている吉子相手にはこれぐらいでちょうどいいと既に理解している。
まぁわざとムラを作るが。自立しようとすることを良しとする俺としては、やはりそういう方向に少しぐらいは進んで欲しいからなっと。
「色々迷惑をかけた奴だが、よろしく頼む」
青蘭も頭を下げるが、皆そこまでする必要はない相手ではある。
だがまぁ、そういう手順ってのは大事だしな。吉子もその方がまだ落ち着くだろう。
「大丈夫大丈夫。結構そういうのいるしね~」
「「その節はすいませんでした」」
秀華が冗談目まして後ろを向いて、苦笑いを浮かべながらコナユキとコガネさんが謝罪する。
本当にいつものことすぎるからな。いちいち気にするのも馬鹿らしくなる奴はいるだろう。
ま、そこは一旦置いといて。
「先生、それで事後処理はどうなりましたか?」
木場がそれを聞き始めて、話は事態の終結についての話になる。
アザゼル先生も、コーヒーを一口飲んでから頷いた。
「ま、シャルバをぶっ倒して曹操を取っ捕まえたことで、大体落ち着いたな。増援部隊やアイアンローズの介入もあって、人的被害はほぼ怪我人どまり。超巨大魔獣は全滅だ」
となると、ここから派手に動くことはないだろう。禍の団だって、オーフィス二号機の製造とかで忙しいだろうしな。
「あと、そそのかしたハーデスについては正式に抗議声明をアイアンローズ側に送るぐらいしかできねえが、帝釈天は別だ。曹操とゲオルグを捕まえたことで情報を聞き出す余地はあるし、向こうもやばいとみて少しは話す気だ」
帝釈天か。
中国系神話体系の主神。加えて、インド神話におけるインドラ神。どうも曹操のことを黙っていた節があり、和平まですら行われていた「神滅具保有者の情報共有」に引っかかるとみていた。
大王派もサイラオーグさんに獅子王のことを口止めしていたが、テロ組織の立ち上げまでやっている曹操の件は更に重い。
追及は必要だと思っていたが、結果的に俺って大手柄だな。
「ちなみに目的についてははっきり言ってやがった。シヴァをぶっ飛ばす為の戦力探しだとよ。戦いが強者を生み出すって信じ切ってやがる」
言いたいことは分からなくないが、実に迷惑極まりない。
アザゼル先生もため息をついたが、まぁ当然だな。
と、そこで先生は更にため息をついた。
「ちなみにいくつか伝えることがあるから先に一つ伝えるぞ。……ちょっと前の中級昇格試験、全員合格だ」
マジか。
凄いさらりと言ったな。ありがたいがらしくない。
絶対先生は何かしら貯めるかと思ったんだが。
と、思った時だ。
「でもってイッセーと樹下。お前ら来月に上級昇格試験受けてくれ。大王派からも要請された」
……マジか。
「うえぇえええええええ!? 何でですかぁ!? 中級昇格を喜んでる暇もないですよ!?」
イッセーが大絶叫だし、俺も流石に驚いた。
そりゃ戦闘能力に限れば、俺もイッセーも最上級に届くだろう。そういう意味では妥当だ。
だがそれにしても、イッセーが昇格した直後に通達するの早すぎるだろ。
「正気ですか? っていうか、大王派からもって何事ですか?」
流石に気になって確認するが、先生もため息をついていた。
「仕方ねぇだろ。グレイフィア達を瀕死にしてグレートレッドとガチバトルまでしやがったシャルバをぶっ倒した映像が結構広く出回っちまって、今のイッセーは人気爆増すぎる。上級昇格試験と言ったが、最上級悪魔にする為にまず上級に昇格させねえといけないって話だから、戦術試験は大筋の戦術プランを教えたうえで打倒可能戦術を英才教育で詰め込む……ってことになる」
……ああ。
そうだった。シャルバは神祖になったうえ、使徒化の能力を利用して不死身超獣鬼軍団を率いてたんだ。
それでグレートレッドとガチバトルして、巻き添えでグレイフィアさん達が瀕死になった。
そして魔獣騒動の元凶である、そのシャルバを滅ぼしたのがイッセーだ。派手に暴れすぎてもう知られてるんだろう。
ならもう、さっさと上級悪魔にするぐらいしないと手柄に見合った成果がなさ過ぎて下が不穏分子になりかねない。そういう計算が働いたと。
「まぁ、サーゼクス様達は最初から上級悪魔に一足飛び狙いだったとは聞いてますからそこはいいでしょう。で、俺は?」
イッセーほど目立ってはいないはずなんだが。
ただ、先生はため息をついていた。
「お前はお前で、曹操をぶちのめしたうえゲオルグごと捕縛だ。元々桃山警護事務所が内閣の下請けだったことから、日本政府を中心に人間側がお前を思いっきり褒め称え、その栄光に見合った輝きが照らすことを願っているとか、いろんなところのやんごとなき存在から手紙が送られてきやがった」
あのやり手長官め、覚えてろ。
アザゼル先生の説明でなんとなく分かった。
桃山警護事務所初期メンバーである俺が上級悪魔に昇格すれば、事務所の監督役の一部でもある日本政府を経由して人間側の要望を通しやすくなると考えたんだろう。
文句の一つぐらい言わないと気が済まんなこれは。
「色々情報が出回っちまってる以上、大手柄を上げたお前らはさっさと上級にした方がいいって話だよ。グレモリー次期当主のリアスにレヴィアタンの末裔である秀華。その懐刀といえるお前らが、そこまでの手柄を上げたのなら特例一歩手前の昇格が必須って話だ」
言いたいことは分かるが、珍しいほどに急激な昇格だな。
不本意だが、断るのも難しいか。
「とりあえず中間テストを終わらせてからにしてください。イッセーが流石に大変すぎる」
流石にテストが短期間に襲い掛かりすぎだ。
俺はその辺を考慮して釘を刺すが、イッセーがそのタイミングで目を見開いた。
「そういえばそうじゃん!! 俺、テスト勉強足りるかこれ!?」
イッセーが絶叫して、周りが思わず笑ってしまう。
まぁ、それはともかくだな。
ひと段落はついたんだ。結果的にこっちに限ればめでたしめでたしか。
……とりあえず、少しはゆっくりできるといいなぁ。
スーパー銭湯でアイス食べたい。
そう思い、俺は肩を力を抜いて一息入れることにした。
さて、これからも大変だがやれるだけ頑張るか。
やることいっぱい、あるからなぁ。
原作よりもインフレ率が高いことから、イッセーと誠二、上級昇格目前状態で〆ました。
適応障害で長期療養を行い、蓄積されたストレスが減っていることからすごいペースで駆けちゃう駆けちゃうって感じでしたが、まあちょっと今後の課題があった感じですかね。
本当ならここで、イッセーの激やば進化を一つ見せたかったのですがタイミングを間違えてしまいました。
曹操親衛隊もこの章における取り巻き怪人ポジションとして、それぞれが妥当する強敵として描きたかったのですがそれもうまくいかずといったところ。勢い重視の自分はこういう時に弱い。
それはそれとして、幕間を挟んだら次は間章。
今回は結構長めになるよてい。出番を入れ損ねたヴァーリの極覇龍も出したいところですね。イッセーの新能力も何とかねじ込みたい。
そして間章の題名を決定しました。
題して―
シルヴァリオ ディアボロス
間章
臨時休校のエンピレオ
学級閉鎖より語感をよくしつつ、題名にエンピレオを入れることで強引にでもヴァーリの出番を増やすスタンスです! 発言には責任を持ちたい!!