※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! 最近花粉症が再発しているグレン×グレンでっす!

 長年治療している腎臓で、薬はいったん取りやめて様子見時期なのがきつい。あの薬、免疫反応にも作用するから花粉症にも効果あるんだよなぁ。

 ではそこまで重要じゃない情報量が多いかい、始まり始まり~♪


第三話 情報量が多かった

《木場祐斗 PM5:00》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……漸く見つけ出せた。

 

 痕跡は見つけられたけれど、上手く隠せていたから気付くのが大変だった。

 

 ただ、相手もそういう警戒はしていたということだ。

 

「……なるほど。君達は相応の実力者みたいだね」

 

 肩をすくめた女性は、僕が追跡してきたことに気づいて振り返る。

 

 そしてその雰囲気を悟り、お互いに警戒心を見せる。

 

「貴女の洞察力は見事でした。異能を使ったわけでもなさそうですね」

 

「知識はあればあるほどいい。少なくとも、無駄にはなっても損失にはならない。僕の前職だと尚更ね」

 

 僕が警戒した理由の一端を悟っているのだろう。

 

 あの時、彼女は素早く劇薬を見抜いていた。

 

 それそのものは知識があったからのようだが、分かることがおかしいだろう。

 

 劇薬だというのなら、医師もしくは危険物の取扱を必要とする立場。だがそこから混乱が生まれているうちに去っていったことに違和感を覚えた。

 

 仮説として、テロリストなどの危険人物の可能性だ。そしてそれは、痕跡を器用に異能を併用して隠匿していたことで確信に近い状態になっている。

 

 おびえている年下の女性を庇いつつ、その女性はため息をついた。

 

「前職は探偵でね。異能について知らなかった所為で、悪党どもにいいようにされたことをきっかけに退職したんだ」

 

「そうでしたか。……それで、今のご職業は? 異能関係ならいいんですけどね」

 

 最も、堅気ではないだろう。

 

 異能側だとしても、それなりに話しを通すことはできる。

 

 にも関わらず痕跡を隠してまで離れた理由。それは表にとっても明かせないような立場だという可能性だ。

 

「……裏社会側のセーフティネットみたいなものさ。グレーゾーンの黒側で、白側に入れる者達が一線を踏み越えないように見張りつつ、仁義も減ったくれもない黒側の害獣を狩って食いつないでいる半端者さ。……反グレや密輸業者を潰したりもしているけれど、資格なしにやっているからなるべく治安維持組織と関わりたくないのさ」

 

 肩をすくめる彼女は、庇う女性を背において告げる。

 

「できれば迂闊に踏み込まないで欲しい。探偵時代から痛感しているが、掃き溜めというものがなくなると堂々と汚物が街道に蔓延するんだ。虐殺を禁じるこの民主主義社会に、掃き溜めと共存する術は住み分けだけだよ」

 

 はっきりと言い捨てる彼女は、そのまま歩み去ろうとする。

 

 だがその前に、立ち塞がる者がいた。

 

「そこで終われる者達じゃないさ。だろう、聖魔剣の木場祐斗」

 

「……誰かな? 治安維持機関でも諜報組織でもないようだけれど」

 

 怪訝な表情の彼女だけれど、何故彼がここにいるのか。

 

「君達がこんなところにいるなんてね、白龍皇ヴァーリ。何故ここに?」

 

 あの戦いの後、脱出して治療を受けてからは直接顔を見せに来たことはなかった。死神達相手に大暴れして、プルートを討ち取ったとは聞いているけどね。

 

 と、ヴァーリは微笑みながら自慢げに、手に持っていた袋からあるものを取り出す。

 

 ……………女性達の目が点になっているのが、見えなくても分かる。

 

「この温泉街が宣伝の為に、ここを故郷としていた食品会社の重役に話をつけて作られた、この地の素材を使って作られるご当地カップラーメンだ。現地の食材を使うことにまで拘ったカップラーメン。ぜひ買いたくてね」

 

 本気で言っているのが分かってしまう。

 

 あの、僕達がどう対応するかはともかく、君たちはいまだ世論的にはテロリストなんだけれど?

 

 サリアローズ様達に知られたら殺されるよ? カップラーメン買いにきて討ち取られるとか、流石に嫌じゃないかい?

 

「……薬が切れたか? いや、こんな症状が出るわけがないんだが……」

 

「そんな!? 今、二人ともいないのに!?」

 

 女性達二人がそう話し合っているけれど、やはり無視できないな?

 

「麻薬か何かかい? やはりそういうのは見過ごせるわけがないんだけどね」

 

「え!? ち、違う違う! 普通に市販でも買える精神安定剤!! あれがないと、私達……っ」

 

 背の小さい方の女性がそう訂正するけど、どうも事情が読み切れない。

 

 とりあえず、幻覚云々はヴァーリがラーメンを買いに来たという点だろう。初見でこれは困惑するから仕方ない。

 

 と、その時だ。

 

 同時に、僕と彼女達の携帯が鳴った。

 

 互いに目配せをしてから、お互いにかまわないという意思を受け取って電話に出る。

 

 というか樹下君だね。

 

「どうしたんだい?」

 

『悪い。イッセーと麗夜さんが出ないから念の為にお前にだけは伝えておこうと思ってな』

 

 二人と連絡が取れてないのか? どうしたんだ?

 

 そう思っていると、樹下君は話を進めてきた。

 

『……波柴一族の訓練機関時代での同期生に同時多発的に再会した』

 

 …?

 

『足を洗う方向で話を進める形になるから、イッセー達が帰ってきた時にいなかったら事前に話を通しといてくれないか?』

 

 ……ん?

 

『麗夜さんの方は、一人が匿ってくれている人達がもれなく関係者みたいなんで、そっち経由でも話が通るかもしれないがイッセーがなぁ』

 

 ………はい?

 

 きょとんとしていると、なにやら樹下君の方が何か言われたらしい。

 

『すまん木場。最大音量でスピーカーモード&テレビ電話モードにしてくれないか?』

 

 よく分からないけどそれを操作した時だ。

 

 画面に、何故か目の前の女性達が映っているスマホの画面がちらりと見えた。

 

『あ~……奇跡的ブッキングだな。あとヴァーリは何でそんなところにいるのか。まぁいい、優先順位は馬鹿より同期だ』

 

『なんか面白いことになってんのな? 栗須(くりす)と来鹿(らいか)はそっち合流しとけ。……思ったより楽に足抜けできそうだぜ?』

 

 と、樹下君と一緒に映っている、二人が映ったスマホを持った人がこっち側の画面越しに女性達に指示を出していた。

 

 と、更に画面に小柄で中性的な少年が姿を見せる。

 

『他のメンバーにはこっちで説明しておくよ~』

 

「「え、ちょっと!? 右谷(みぎや)、テイカー!?」」

 

 同時に女性陣が驚いた時、そのままスマホが切れた。

 

 …………。

 

 僕は、ちらりとヴァーリの方を見た。

 

「実はお湯が欲しかったんだ。貰えるなら、用心棒のバイト感覚で付いていこう」

 

 ………。

 

 まぁ、色々ありそうな気がしてきたから戦力はいるかな?

 

 

 

 

 

 

 

《空本麗夜 PM5:00》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え、マジで? 千也、足抜けできそうなん? ……あ、なるほどなるほど。おっけ、じゃぁこっちはこっちで動いとくわ!」

 

 と、雷銅さんがなんか電話をしてから切った。

 

「千也から連絡! 今から足抜けできるかもって!!」

 

「「「「おぉ~よかった!」」」」

 

 風巻部長達が喜んでいるけど、さてどうしたものかね。

 

「……とりあえず、確認の為に整理させてくれるかな?」

 

「無論でござるぞ。ささ、紙とペンはいりますかな?」

 

 と、一人が気遣ってくれる。

 

 なので、色々と書きながら対応する。

 

「事の発端は四年ちょっと前。俺が自首した後、波柴一族の一斉摘発で一族が壊滅して一月辺り。雷銅さんが一族から逃げてきたという、来島千也という少年を拾った」

 

「うん! 遠縁だったのがよかったんだね。家の関係から隠れ家向けっぽいところが分かるんで、たまに探るのが趣味なの」

 

 ふんふん。

 

 色々ツッコミたいけど置いておこう。

 

 で、次に移ろう。

 

「そして波柴一族案件の情報を知り、そこを経由する形で調べたところ芋づる式に矢城の正体にも辿り着いた。しかし千也は警察に保護されることを拒否して、流れで集まっていた部長達は匿うことを決める」

 

「まぁな。話聞いたら、とても人生やり直して真っ当な社会で生きれるとは思えなかったしな」

 

 部長はそう言うけど、まぁ分からなくもない。

 

 誠二や所長から少しは話を聞いている。波柴一族の教育課程は、あまりにも血なまぐさくおぞましい。

 

 ……言いたくないけど、俺はともかく海砂や流花がやり直すという選択肢を取れた理由の一つはそれだ。もっともっと下の下の下に位置する所長や誠二が、真っ当な幸せを掴むことを大前提にしているんだ。心理的なクッションとして非常に大きいだろう。

 

 だけど、そんなことを考えて足抜けしてそれを実現するようなことを目論む二人のような人達ばかりな訳がないだろう。

 

 偶発的に足抜けした者達は、真っ当な生活に寄り添えるとも思わないだろう。波柴一族の規模とやり方的に、一斉摘発で逃げた者は持っといてもおかしくないけど、真っ当な生活を選択肢に入れられるものはそういった者の中では少数派なのは間違いない。

 

 見方によっては、自分達がしてきたことに背を向けるようなものだ。あまりに重すぎてできない者がいてもおかしくない。

 

 ただまぁ、それがどうしてこうなったのか。

 

「でも部長? だからって異能方面のトラブルバスターまでやってたんですか……なんでまた」

 

 正直呆れるんだけど、何故か呆れた目を向けられた。

 

 え、これ俺が悪いの?

 

「まさか、お前気づいてないのか? わが社の社名の意味」

 

 嵐野先輩にまで言われるけど、何事?

 

 Beautiful Bonds。直訳すると「美しい絆」になる。

 

 仲の良さを大切にしたい社名だと思ったけど、それに何の意味が。

 

「あ、そういうこと!」

 

 あれ、リーナちゃんが気づいた。

 

「え、どういうこと?」

 

「麗夜さん、社名をなんて訳してます?」

 

 ん?

 

「日本語訳だと、英語を訳すと色々幅ができますよね? 美しいって意味の単語が色々ありますから」

 

 ……ふむふむ。

 

 少し考える。

 

 美しい、綺麗……あ。

 

「え、これもしかして……重すぎること考えちゃっていいですかって話!?」

 

 麗(・)。つまり、俺達のかつての関係にあやかってたの、か……?

 

 つまりその、それが台無しになった裏の存在に対して一発かましてやろうと!?

 

 え、うそでしょ!?

 

「麗夜君、意外に鈍感だと思う人、挙手!」

 

 雷銅さん!?

 

 って、俺以外の全員が手を挙げちゃったよ!?

 

「これはちょっと……」

 

 リーナちゃんまで!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《兵藤一誠 PM5:00》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……おっけ、美星ちゃん! 今ちょっとこっちが取り込み中だからゆっくりしといて! 帰ったらお説教されそうだから!」

 

 と、服を着た竜胆さんが電話を切ってから、正座で俺に向き直った。

 

「この度はお騒がせしましたぁ!!」

 

「いや、そんなことよりエロいことができなくなったのを謝ってほしいですよ!?」

 

 めっちゃ楽しみにしてたのに!?

 

 結局、今回はお流れになっちゃった。

 

 政府機関の人が介入しちゃった手前、やりたくてもできない。相手の立場的に今回はやめとかないと体裁が取れない。

 

 で、今俺達は別荘の一室に集まってるんだけどね?

 

「……また、愉快なことになってますねぇ?」

 

 すいませんです。小笠原長官!

 

 苦笑いを浮かべている小笠原長官に、俺はどこから聞いた方がいいのかとは思ってる。

 

 ええい! どうせ馬鹿なんだから難しいこと考えても無理だ! 若いうちにバカやっとこう!!

 

「で、この竜胆さんは波柴なのに捕まってないんですか?」

 

 波柴一族の一斉摘発。大体殆どとっ捕まったか死んだって聞いてる。

 

 行方不明なのはもう五人もいないとのことだ。隠し子とかいたらまた別だとは思うけど。

 

 ただ、長官さんは落ち着いてはいた。

 

「彼女は別枠ですね。一応、最低限の位置は把握できるように呪術などで縛ってはいますが、既に刑罰を終えている立場です」

 

 ふんふん。そういや少年刑務所でてから一週間って言ってたな。

 

 ま、中には秀華さん程じゃないけどマシな人もいたってことでいいのか。

 

 超法規的措置って奴なんだろう。

 

「元々当時未成年だったことや、ターゲットとして極悪人を相手にして逆に行っている悪事が小規模化されるなどの消極的な対応に終始していたこともありましてね。一斉摘発を察知して、これ幸いと知りえる情報や証拠をもって自ら出頭したこともあり、少年刑務所に四年間服役してもらいましたがそれで済んだ形です。まぁ、念の為にそれとなく遠くから探れるようにしていたらこのザマでしたが」

 

 苦笑いのまま長官はちらりと竜胆さんを見るけど、竜胆さんは心外って感じの顔だ。

 

「そんな!? エロこそ世界の幸福っすよ!?」

 

 真顔でそう反論している。

 

 気持ちは分かる。とっても分かる。

 

 でもたぶん、そういうことじゃない。

 

 この人秀華さんと方向性近いな。あと師匠とか言ってなかったっけか?

 

「そういや、秀華さんと竜胆さんって関係あるんですか? 一族は同じっすけど」

 

 親しい感じというか、師匠ってなんだよっていうか。

 

「元々竜胆さんは本家に近い波柴一族でして。一族としては有能だったこともあって秀華さんの直臣や郎党に近い立ち位置にできるよう、小さい頃からそこそこ接触させていたようです」

 

「師匠の教えには救われました。上に仰ぐべきは年齢や血筋ではないとも悟れましたし、悪事をしなくては行けなくてもやり方を考えるべきだという指標を教わりましたよ」

 

 長官の話を受け継ぐように、竜胆さんは本当に幸せそうに過去を振り返っている。

 

 で、それはともかく。

 

「なんであんなエロエロな人達ばっかり集まってたんですか? 秀華さんみたいにエロエロに誘導したんですか?」

 

 冷静に考えると、エロい人達集まりすぎだろ。

 

 つい最近出所した奴が結成できる組織じゃないって。

 

 と、竜胆さんはきょとんとしてた。

 

「皆は色々あって道を踏み外しかけてましたから、気持ちいことでリフレッシュできるようになればいいなぁって思って。調教の試験の裏側で個人的な友情と一緒に導いてあげたっす」

 

 誇らしげな真顔だった。

 

 俺と長官は、視線を合わせる。

 

―審議タイムですかね―

 

―忘れておきましょう―

 

 すぐに意見がまとまった。

 

 とりあえず流そう。深入りするとヤバイ。

 

 長官も咳払いをした。

 

「それが巡り巡って、あのヴェルギリウスの躍進ですか。美星さんが保護観察終了直後に入社してから警戒してましたが、ご友人達頑張りすぎでは?」

 

 長官のその言葉を聞いて、俺は一瞬で悟った。

 

 ヴェルギリウス。俺達スケベな日本人にとって、それはとっても有名だ。

 

「僅か三年で同人エロゲ界を席巻した、あのヴェルギリウス!?」

 

 なんでも、大昔にいた賢者の名前らしい。

 

 聖書の教えにおける煉獄などを描いた作品で、煉獄に住まう存在として描かれているとかなんとか。

 

 そこからつけられたその同人ゲームメーカーは、僅か三年強で大躍進を遂げた。具体的には、出来立て同人ゲームメーカーでありながら年商数億をたたき出し、アニメ含めたAVやボイスドラマにも精力的に活動。きちんと審査を通したエロゲもヒットさせ、今年はソーシャルゲームも発表された。

 

 基本コンセプトは「エッチなことをいいことに」。そのコンセプトの通り、貞操観念の緩い人達が勧善懲悪を基本にしてエッチなことが彼女達と共に広まっていく作品主体のダブルミーニング。メイン作品は性欲と性癖を力に変える異能を武器に、淫乱な女の人達が異能を持った性犯罪者を打倒してエロを明るいものへと変えていくバトル作品「淫蕩聖女アークメイザー」シリーズで、棒ロボットアニメで言うオルタナティヴシリーズみたいな形のルートを作っての大人気作品で発表されたソーシャルゲームもこの系譜。

 

 ……エロゲ業界に大旋風を引き起こした緩い貞操観念型の筆頭企業。それが、竜胆さんの教えを受けた者達が作ったと!?

 

「あの人達全員ヴェルギリウスの社員何ですか!?」

 

 思わず大絶叫したよ。

 

「そうっす! 出所した後の僕の居場所を作りながら、エッチをもっとメジャーにしようと頑張ってくれた成果ですよ!」

 

 とんでもない答えが返ってきた。

 

 俺が呆気に取られていると、小笠原長官は遠い目をしていた。

 

「そのコンセプトを現実世界でも広めるべく、日夜努力してますからねぇ。世界的な特許やギネス記録をもってして、ブランドの知名度を世界規模に広げんとしています。……年齢指定の基準を大幅に緩めるべく政界進出も行っているのは勘弁願いたいですが」

 

 あれってマジだったのかぁああああああああ!?

 

「……あ、ちなみに竜胆さんが電話していた美星さんは、誠二君やコナユキさんの同期です。素直に全て白状していたので、先ほどもちょっとふれたとおり少年院及び数年の保護観察で済みましたね」

 

「今は警備部で就職してます! 社員としては先輩っす!!」

 

 情報量ぅううううううううっ!?

 




 基本的にはこの三グループは、ちょい役よりです。本編を進める過程で比較的ヒューチャーされる回が一つずつはあるでしょうが、匙以外のシトリー眷属レベルのポジションですね。

 ただ、ストーリーの深堀は幅を広める過程で入れているので、頭の片隅に残っているとアイワイ深くなると思います!
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