シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚 作:グレン×グレン
エンピレオ編もクライマックス! なんとかヴァーリの極覇龍はねじこめたぜぃ!!
では本編!
《兵藤一誠 8:10》
この女、強い……っ!?
俺は真女王状態で打ち合うけど、お互いに攻撃を繰り広げてる。
こいつ、強い!!
こんな強い女は初めてだ。
なんで、なんで……!
「洋服崩壊も乳語翻訳も、通じないなんて……!」
「ふふふ。そう簡単に一方的な蹂躙などされんよ。
俺の乳技を、堂々と無効化している……!
「おっぱいドラゴンしっかりするんだ! 普通の攻撃なら戦えている!」
木場がそう励ましてくれるけれど、インパクト強いよこれは。
俺の乳技が通用しない。そんなことが、あり得るのか!?
「驚くほどのことではない。攻略法はあるのだから」
いじめるシファーとかいう奴は、そう言い切った。
「どこまで行こうと魔力を用い、それに流し込んだ対象に対して作用するのが君の乳技だ。裏を返せば魔力を流れ込まぬようシャットアウトさえすれば防げるのは道理」
た、確かに!
だけどどうやって?
そう思った時、いじめるシファーは微笑みながら光っていく。
その光は纏うというより、にじみ出るように放出している。
ま、まさか今までずっと、魔力をそうやってきたというのか!?
「自身の体に魔力を充満させ、滲め出てくるそれを全方位に放出させる。今の私に私以外の魔力を通すにはこれを突破しなくては話にならん。あの狭量な甥の厄介な異能に対抗する手段だが、中々だろう?」
そ、その手があったか!
洋服崩壊は、俺の煩悩が籠った魔力を相手に流して衣服を破壊する技。
乳語翻訳も、俺の煩悩が籠った魔力を広げた夢空間によるもの。
自分の体を自分の魔力で見たし、更に少しずつだけど放出させる彼女には、影響を与えることができないのか!
なんて奴だ、この女、強い!!
だけど、ちょっとイラってきたな。
「ヴァーリのこと嫌いなのか?」
シャルバもそうだけど、どうも俺の知っている旧魔王血族はヴァーリを馬鹿にしてくるな。
あんまりいい気分はしないけど、いじめるシファーは首を横に振った。
「少なくとも、君の宿敵としては心根が不釣り合いと断言できる。おそらく
……俺のことは評価するのに、ヴァーリのことは酷評ってか?
樹下も結構そんなだけど、あいつの場合は価値観というか信念があまりに合わないから好んでないって感じだ。
この女の場合は何だ? 強さとか血筋じゃなくて心根で俺の宿敵に向いてないって、どういう判断なんだ?
そう思った時だ。
なんかホテルの窓ガラスが粉砕された!?
「おぉっとおっぱいドラゴン見っけ!!」
着地した女の子が俺を見てそう言ってから、襲ってくる攻撃を見ないで回避する。
その攻撃を放った男は、こっちを見て興味深そうに見てきた。
「お! おっぱいドラゴンもやられてねえのか、やるじゃねえか!」
「そりゃそうだろう……な!」
そして樹下が魔剣の連続投擲で牽制入れてきた!
それを回避しながら、男の方が俺達に接近する。
俺と木場はお互いに示し合わせて挟撃を仕掛ける。
それを男は、腕で受けながらも打点をずらして捌いた!!
「おっけおっけ! いい力だな、参考にするぜ……っとぉ!!」
今度は真上から切りかかってきた麗夜さんの攻撃を回避して、そいつは距離を取る。
迎撃しようとしたけれど、更に三方向から男達が蹴りかかって牽制。
「……やっぱり強いな。そっちはどうだった?」
「おう! めっちゃ強いぜ!!」
と、真羅景虎の隣に、男が一人着地する。
「……危ないなぁ。赤龍帝と合流しちゃったよ」
と、一人めっちゃ距離を取る背の高いお姉さんが空からこっちを見下ろしてる。
あっちは乳技通用しそうだな。だから警戒されてんのか。
と、そこで更に打撃音が響き渡る。
「ぐ……素晴らしい容赦のなさ! これぞ男様のあるべき姿です!」
もうセリフだけで、サタナキア原教団ってのが分かるよ!!
だが、いい感じの距離にいる!
「こっちは聞くぜおっぱいの声、乳語翻訳! 何する気だ!!」
間に合え乳語翻訳―
『女如きの立場で男様方の尊厳を奪う者達に恐怖を刻む為、貰った核兵器を半端に起爆させてこの街を放射能汚染いたしますわ、偉大なる男様!!』
―あれぇ!?
《樹下誠二 8:15》
なんかイッセーの様子がおかしいな。
乳語翻訳を発動させた瞬間にびっくりしているイッセーが気になるが、そうも言ってられないか。
そう言うわけで反撃の体制に入った時だ。
「樹下ヤバイ! この街に核爆弾が!!」
イッセーがそんなことを言った。
か、核爆弾だと!?
乳語翻訳か。となると確度は高い!!
ろくでもないこともの用意していたんだな、こいつらは!!
「ちなみに、提供したのはディバイン・デストロイヤーな?」
ギョウ・アシカガがそんなことを言っているが、それも禍の団か!
「ヴァーリ説明!」
「神器保有者の集団だな。そういう意味では英雄派と似ているが、あそこは混血や先祖返りも参加していて、裏ルートで入手した悪魔の駒を使っている者も多かったよ」
つまり人間であることには拘ってない連中と。拘りのある英雄派とは合わなかったってことでいいだろう。
なりふり構わない怖さってのがあるがそこは置いておこう。
だがなんで核兵器!? 異形や異能が絡んでいるなら、もっとクリーンで大火力を用意するなんて簡単だ。シャルバだって蛇込みならツァーリ・ボンバ並みの被害出すことぐらい個人でできるだろうに。
わざわざ核兵器なんて技術が必要な物を何で用意してやがる。裏ルートでたまたま手に入ったのでプレゼントか?
だがしかし、このままだと!!
「何が目的だ!!」
「もちろん。偉大なる男様を女風情の身で蔑み足引く存在への恫喝です。私達はお前のような存在を殺す為に核攻撃もいとわないと見せつけることですわ、男様」
神祖が凄いこと言った。俺の誰にともなくいった怒声に凄いこと言った!?
もうヤダこういう狂信的思想の集団。社会との折り合いをつける気が皆無!!
「もう寝てろ!!」
「やられて、あげられません!! すべての男様が女を支配できる世界が為に!! 私達は、命を懸けているのです!!」
黒刃で切り刻むが、向こうも迎撃している所為で一手を叩き込み切れない。
更に復帰した連中が追いかけてきて乱戦の流れだ。
ああもう! 核兵器とかどうしろと!
「イッセー確認しろ! どうやってぶっ放すつもりだ!?」
「どうやってですかぁ!!」
イッセーが俺に指示されて質問し、そして天を仰いだ。
「起爆五秒前に打ち上げ花火の要領で打ち上げるって!」
「ソ連がらみのポケット核爆弾か!!」
舌打ちするしかない。
あまりド派手な手段を取ると、異形の存在が知られかねないから最終手段だ。
だが、どうする?
「……ふむ。なるべく異形の存在が知られないような手段で核兵器を無力化しろというコトかな?」
と、ヴァーリがそう聞いてきた。
「そうだがどうしろと? 転移対策ぐらいはしていると考えるべきだぞ?」
最低限の対策があれば十分だ。
大火力で吹き飛ばすのも一手だが、それは最終手段だ。そもそも放射能汚染のことを考えると、異形の存在を明かすぐらいの覚悟がいる超絶大火力で消滅させるぐらいのことをしないといけない。
だがヴァーリは、不敵な笑みを浮かべてきた。
「では、俺はそちらに集中しよう」
そういうなり、ヴァーリは鎧を纏って飛び上がる。
「兵藤一誠。起爆時間はどれぐらいか確認してくれ」
「起爆時間は? ……あと二分切ってる!」
思った以上に短い!?
正直心臓に悪いが、ヴァーリは嬉しそうにほほ笑んでいた。
「素晴らしい。なら今からで問題ないな……!」
こいつはいったい何を企んでる!?
《木場祐斗 8:20分直前》
「我、目覚めるは―」
ヴァーリが覇龍の詠唱を唱え始めて、僕達は戦慄した。
人間界に対する情報方面の配慮を両立して、核兵器をどうにかする手段がない。そういう話だったからだ。
覇龍ほどの奔流があれば、核兵器如きはどうにかなるだろうがそういう問題ではない。
その戦慄を前に、ヴァーリは安心させるかのように両手を広げる。
「-律の絶対を闇に堕とす白龍皇なり」
その詠唱は、覇龍のそれではなかった。
『天龍の高み』
『白龍皇の極み…』
『白銀の覇道をここに!』
『無限を制して夢幻を喰らう……っ!!』
残留思念の声も届くが、明らかにその様子がおかしい。
イッセー君と同調しているわけでもない。これは、意識すら掌握されているというのか。
「無限の破滅と黎明の夢を穿ちて覇道を往く」
胸を張り、得意げに、ヴァーリはイッセー君の前でその詠唱を告げる。
どこかイッセー君の真女王を思わせる、対をなす詠唱。
「我、無垢なる龍の皇帝となりて―」
そして、核兵器が射出された。
この制圧作戦そのものが囮だったのか、距離はもっと町に近い。
500メートルほど離れたところ撃ち上がるそれを見据えながら、ヴァーリ・ルシファーは宣言する。
「汝を白銀の幻想と魔道の極致へと従えよう―――ッ!!」
『Juggernaut Over Drive!!』
その瞬間、白銀の光がそこに降臨する。
覇龍のようでいて、全くかけ離れた姿。
イッセー君の真女王と、姿までもが対をなす白龍皇。
「兵藤一誠は覇の業を克服した。そして俺は、覇の力を掌握する。これが俺の新たな領域……|白銀の極覇龍《エンピレオ・ジャガーノート・オーバードライブ!》」
そして次の瞬間、ヴァーリは核兵器に手を伸ばす。
「人類よ、天の頂を垣間見ろ。いずれその高みを目指す為に」
『Compression Divider!!』
次の瞬間、炸裂した核兵器の爆発と光が半減された。
一秒と経たずにそれは繰り返され、核爆発はごく僅かな光すら見えないほどに小さくなり―
「小型とはいえこの程度か。人類が手にした禁断の力などと笑わせる」
-そうため息をつくヴァーリの失望と共に、破壊の光は完全に消滅した。
「……長官! さっき核爆発が起きてヴァーリが無力化したんですが、放射能汚染は!?」
我に返った樹下君が即座に小笠原長官に連絡を入れる。
司令部は混乱したようだが、小笠原長官の胆力は伊達ではないのか少しだけため息が聞こえただけだ。
『ガイガーカウンターに反応はありません。位置取りから考えて、爆発したのなら不完全であったとしても相当汚染してしかるべきですね。本当に核兵器だったので?』
「イッセーが乳語翻訳で原教団の神祖に確認したので間違いないです。さっき射出されたのをヴァーリが対応しましたが、正直常識離れなので説明が難しいですね」
会話を続けているが、これだけの領域になるとはね。
ヴァーリ・ルシファー。イッセー君とは異なる、別の進化を遂げた二天龍。
プルートを打倒できるわけだ。末恐ろしいよ。
「ひゅ~っ♪ やるじゃんやるじゃん……でもさぁ!!」
その時、声をを上げながらこちらに走ってくるの男が一人。
「何をする気だい、ギョウ・アシカガ!」
ヴァーリも気づいて攻撃を放つが、彼は拳でそれを粉砕する。
「やっぱし燃費悪いな! 安定性と引き換えに一発勝負になってるぜ?」
「伸びしろがあると言ってほしいね……っ」
舌打ちをするヴァーリを流し、飛び掛かってきた彼は再び僕達と攻防を交わす。
攻撃を打撃で流す一撃離脱。何を考えている?
と、更に彼は声を張り上げる。
「教祖ちゃ~ん! 俺らを一旦使徒にしてくんね? こいつらとやりあうならそれやりゃ勝ちだぜ!」
「本来、使徒は全て男様にしたかったのですが……このままではやむを得ませんか……っ!」
サタナキア原教団の長が、その加勢に入る。
まずいな。彼らクラスが不死になれば、樹下君でも削り切れるかどうか。このままだと押し切られかねない!
その時だった。神祖の後ろに人影が見えた。
「やらせないって!」
放つ打撃。
確か、スティラというメンバーの一人だ。
小猫ちゃん張りによく食べることと、比較的自分達を客観視した発言をすることが多い。そして、優れた体術の使い手だということぐらいしか知らない。
だが、その拳を喰らった神祖は動きが明らかにおかしい。
「……再生、が……!?」
なんだ? 不死が乱れているのか?
あの打撃にそれだけの効果があったと?
その時、陰から飛び出す人がいた。
「はーい! テストのチャーンス!!」
「がっ!?」
すれ違いざまに斬撃を神祖に叩き込んだのは、綺羅星雄。
何時の間にここまで来ていたのか、抜け目がない!
更に驚くことに、切り裂かれた神祖は動きが明らかに鈍く、傷も結晶化しない。
「よっし! 武器の対神祖性能実証完了! どこまで効果があるかは、ちぃっと判断しかねるがな……」
なんか凄いこと言ったな。
ロザリオ聖教国も対神祖を可能にしているのか。アイアンローズもそれができたからこそ戦奏教団から領土奪取を可能としているし、無視できないな。
ただ、最後に気になることを言いながら視線をちらりとスティラに向けているのが気になる。
「ん? なに?」
スティラが首を傾げている中、そのまま全力疾走で綺羅星雄は走っていく。
「悪いが兄弟、俺は捕まりたくないので帰る!! 弟妹達をよ~ろし~くな~!」
「おま、ちょ……! いいとこ取って帰っていく普通!?」
流れるような動きに、空本さんも反応が遅れた。
そしてそっちに気を取られている間に、禍の団の者達がすぐさま離れていく。
「どうやら形勢は決まったようだ。残念だがここで帰らせてもらう!」
いじめるシファーとかいうふざけた名を名乗ったルシファーが殿を務めているが、そこに対してヴァーリが魔力を放つ。
「逃すと思うか、へーデル!!」
へーデルが本名か。
だが、攻撃が届く前に彼女達を後ろから霧が飛んできて包み込む。
バカな、あの霧は!?
「「「「「
あまりの光景に、僕達は一瞬呆気にとられる。
そしてその瞬間、置き土産にか大出力の砲撃が放たれる。
まずい、あの射線ではホテルに―
「ってうわっぶなぁ!?」
-と思ったら、飛び出してきたリーナちゃんが蹴り飛ばした。
「ありがとうリーナちゃん! ある意味準MVPだよ!!」
「え、ありがとうございます! って何が起きました?」
空本さんがお礼を言うけれど、危ないところだった。
しかしここまでの事態になるとはね。……本当に、危なかった……っ
《アザゼル PM8:30》
「……状況は落ち着いたか」
『ええ。禍の団は撤退したようでして、神祖も瀕死で捕縛に成功。これは大きいですねぇ』
小笠原長官も一安心しているな。
ま、当然だ。色々あったが、こんな短期間でこの規模の人質立てこもり事件を解決なんて普通はねえ。
日本犯罪史上、類を見ない人質事件だろう。それが発生から数時間でほぼ解決なんて普通はねえ。
ただ、問題も多いな。
「禍の団が小遣い稼ぎで、堂々とこんな事件に便乗? 統率がとれてなさすぎるにもほどがある」
『しかも、ただの小物とかならまだしも相当の実力者らしいですしねぇ。ヴァーリ・ルシファーが離脱前に情報を送ってくれて精査中ですが、かつてのヴァーリチーム同様の精鋭を擁する中小派閥のようです』
「つまり、残存勢力では禍の団全体で幹部になりえるような連中ってわけか。怖いな」
そんな連中が、ここまであほなことをする。
嫌な予感が止まらねえ。
人間社会そのものに対する異能を用いた犯罪行為に、聖書の神の死まで教える。
異形社会における一種のタブーをここまで堂々と破ってくるとか、正気の沙汰じゃねえ。
『……アザゼル前総督。更にまずい事態です』
「あ? なんだよ?」
急に顔色まで変わってんだが、何があった?
小笠原長官は、大きく深呼吸をしてからモニターに情報を映す。
そこにいたのは、コハヤ・リバー―波柴藤花だった。
『CIA、それも異能に関与してない部門からの情報提供です。中華人民共和国から独立を果たした国家の一つである、満漢王国で政府のVIPとして呼ばれている写真が撮られました。波柴一族案件の顔認証に引っかかった形です』
正気の沙汰じゃねえ。
国賓待遇で国家にいるのは当然だが、異能を使える英雄は最高幹部である奴が、異能に関与してない連中から送られるような写真データに引っかかる?
ばれても構わねえって言ってるようなもんだろうが……!
「アメリカは?」
『当然接触を試みていますが、あそこだけでなく日本とも犯罪者引き渡し条約を結んでいないので、それを盾にしていますね。また露骨な形で長射程ミサイルを日本を射程に収められる位置に配備してますので、遠回しに警告もしてきていますね』
つくづく正気じゃねえ。
戦奏教団のごたごたや戦略をきっかけに、中華人民共和国では独立運動があまりに盛ん。その中でも大きいのが満漢王国。
……こいつは、本気で段階的な異形の公表を進めた方がいいかもしれんな。
反対意見も多いし俺も乗り気じゃないが、そうも言ってられないかもしれねえ。むしろ既に後手に回っている気までしてきやがった。
「あの国に中国の核はいくつ流れている?」
『少なく見積もっても数十発は流出してますねぇ』
ああもう最悪だよ。
こりゃ、まだまだ忙しくなりそうだぜ。ったく!
エンピレオ編もこれでクライマックスは終わりエピローグ。
……イッセーの新技を出す隙見間をねじ開けれなかったのは残念です。設定はできてるんだけどどうしたものか……!