シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚 作:グレン×グレン
まだ最低でも一月近くはかかるので、書き溜めも執筆速度も満載です。お楽しみね!
では本編!
《宮本絶花》
「そう言うわけで、とりあえずサタナキア家は今てんやわんやね。原教団が勝手にあがめて勝手に動いたわけだけれど、禍の団に繋がってるんじゃないかって邪推されまくりで監査役が各勢力から送られてきそうな勢いだわ」
そうなんですか。
様子見に来てくれた雨宮さんから、そんなことを世間話を聞かされたけど驚きだ。
世の中には、変な人たちが多いんですね……あれ? なんか見られてる?
「……まぁいいけど。とにかくそういうコトだから、一応気を付けておきなさい」
雨宮さんはかなり真剣に、警戒しているようだった。
「禍の団の動きがおかしいうえに、あんたに目をつけてるらしい分派は英雄派でもほぼノーダメージみたいだし。勢い余って強引に突っかかってきかねないわ」
「そんなに危険なんですか? その、結局解決したという話ですけど」
少人数でどうにかできたのなら、そこまで脅威ではないと思うけど。
ただ、雨宮さんはむしろ警戒心が強くなっているようだ。
「戦えば勝てるって問題じゃなくて、そう言う戦い方をしてきたことそのものが問題なのよ。禍の団クラスの大組織が、異形社会の暗黙のタブーを侵し始めてる上、すでに国家の後ろ盾を得ている。どんな手段を取ってくるかわかったもんじゃないわ」
そういうコトなのだろうか。
勝てる勝てないではなく、相手の戦い方そのものが問題。そもそもその手段を取られたことが大問題というコトなんだろう。
そのあたりはよくわからないけれど、大変なことなのはわかった。
「大変なことになってますよねぇ。雨宮さんたちも忙しいっすか?」
「今のところは落ち着いてるわね。むしろ私たち桃山警護事務所は、冥界としてはあまり派手に動いてほしくない組織といっていいもの。利権だけ貪って適度な距離にいて欲しいって考えるお偉いさんも沢山いるしね」
シュベルトさんの質問に、雨宮さんはそう言い切った。
なかなか大変なんだなぁ。
でも、それはそれとしていつでも動ける人材を用意してはいるみたいだ。
「大変ですね、皆さん。何かあったらバイトとして頑張ります!」
アヴィ部長がそう胸を張る。
まぁ、何もないのが一番ですけど私もバイトだし、色々助けてもらったからには私も頑張らないと。
雨宮さんはそれを聞いて、小さく笑っていた。
「ええ。必要な時は頼りにするわ。……それと皆」
と、雨宮さんはアヴィ部長に向き直る。
「今度、所長の依頼を受けて兄さんがあんたたちに強化武装を用意する予定よ。アヴィ以外は要望があったら聞いておくけど?」
「……ほぅ? それは期待できますね」
と、驚くことを聞いたけどリルベットがすごい乗り気だった。
え、そんなにすごいことなの?
あっけにとられていると、シュベルトさんがこっそり近づいてくる。
「雨宮先生は元々教会で、技術開発局の局長に選ばれたことで名誉職としての大司教に選ばれてるんですよ。こっちに来たのも妹さんが桃山警護事務所に入ったのと、技術開発局から内通者が出たことよる責任的なのが入ってる感じなんで、今でも天才的な研究者なんです」
そうだったんだ!
「ハイ質問! 私だけ要望聞かないのは何でですか!?」
「アヴィには特注品を用意する予定だからね。あんまりサプライズは好きじゃないけど、今回は詳細は明かさないように言われてるからそこはご免。ま、いいものができることだけは言っとくわ」
おお。そんなことになってるんだ。
ただ、私はどんなものを要望すればいいんだろうか。
いや、ある意味で一つしかない。
「……こ、壊したくないのでとにかく頑丈なものをお願いします!」
「オッケー。予想通りだけどちゃんと伝えとくわ」
ありがとうございます!!
本当に、二天一流の使い手として剣をすぐ壊してしまうのは困っていたので!
《兵藤一誠》
部活もひと段落して、ちょっと一息ついていた。
魔法使いの契約かぁ。俺も、悪魔として一人前になってきたってことでいいんだろうか?
今回、俺たちグレモリー眷属には結構な人数で契約をしたい人たちがいた。
俺は順位的には中間ぐらいだけど、おっぱいドラゴンの名前があれみたいだしな。アザゼル先生や話を持ってきたメフィスト・フェレスさんは呆れ気味だったけど、人間だった時期が長い俺からすると納得だったり。
だからまぁ、ちょっと気晴らしに外を歩いたんだけどね。
「……へぇ。フェニックスの涙が、流通ルートを絶たれたのに流れてる、ねぇ?」
「そうなんですよ。不思議で片づけるわけにもいかないですよね」
アルトリーネさんにそう答えながら、俺はもぐもぐとおごってもらったハンバーガーを食べる。
気晴らしに歩いていたらアルトリーネさんたちに出会って、ハンバーガーをおごってもらった。
「でもよかったんですか? 俺の方がたぶん、おっぱいドラゴンの興行収入で金ありますよ?」
「大丈夫よ。アイアンローズのトップエージェント時代、結構な金をもらってるから」
さらりとすごいこと言ったな。
「それはそれとしてパイセン! この手の横流しなんて、そう簡単に全ルート潰せるほど甘くないと思います! 裏社会のつながりって怖いですぜ?」
と、付いて来ていたナミネさんが挙手しながら言うけど、元気いっぱいだなこの人。
あとトップエージェント時代の金はいいのか。持ち逃げになってないかな、半分ぐらい。
ま、まぁ働いてはいたからいいのかな? いいってことにしとこうかな?
ただ、アルトリーネさんは息を吐いた。
「その可能性は十分あるけど、わざわざあんなタイミングでいうからには相当の量が流れていると考えるべきでしょうね。流通ルートを潰した時に、そのルートからどれだけ流れてたのかも調べてるでしょうから釣り合ってないんでしょう」
そ、そうか。そういうコトか。
つまり、全く新しく大量に用意できるルートができてるってことか。
やっべえじゃん! 普通に横流しされてるよりまずくね!?
フェニックスの涙をきちんとした性能で量産できる方法があるとか、大変じゃん。しかも裏ルートで流されてるってのがやばい。
寒気を覚える事態だよ。フェニックスの涙の回復力はシャレにならないから、そんなのが裏社会に流通するとマジで危険だ。
これはもっと真剣に考えたほうがいいかもしんない。
「……おそらく、どこの国の諜報機関も怪しむでしょうね。そのあたりからの情報も手に入るといいけれど」
「でも、アメリカあたりはちょっと頼れないかもですよねぇ」
と、ナミネさんがコーヒーを啜る前のアルトリーネさんの言葉にため息をついた。
「そうなんですか?」
「そうなんですぜぇ」
と、ナミネさんは俺に答える。
アメリカって超大国だし、日本とは仲がいい印象があったんだけどな。
あ、でも聖書の教えの国だしな。教会や天界が和平を選んだといっても抵抗あるのかもしれない。ロザリオに協調する可能性ってことか。
そう思ったけど、ナミネさんはパパっとスマホを操作して画面を出す。
……アメリカ合衆国の軍事独裁国家化?
「これは一部の過激な奴らの曲解まみれの意見ですがね、赤龍帝。アメリカ合衆国は結構ダメージ喰らってんですよ。ソ連崩壊後における唯一の超大国ってお題目が、戦奏教団との戦いでは負け越しだってんだから、世界的に信用度が下がるっつーか、超大国を傘に着てた時期の恨みが噴出したっていうか」
「受け皿となれるだろうロシアや中国がもっとダメージを喰らってるから一応の盟主にはなっているけれど、お飾りとまではいわないけれどまとめ役としてトップに据えて
と、アルトリーネさんもコーヒーを啜りながらそう言った。
そっか。星辰奏者の存在がいろいろと常識を変えた上に、戦奏教団が相手だと翠星晶鋼のどでかい樹があるから、空軍とかでなんとかできないのか。
「一度あの大樹ができると、航空優勢なんて取れないっすからねぇ。核攻撃してもほとんど効果ないし。日独英で独自開発の戦闘機作ったのだって、あっちが自軍の軍事力に全ぶっぱして手を切ってくる可能性がマジであったって話もありますから」
そういいながら、ナミネさんはぱっぱと画面を切り替えてた。
あ、昔発表された合衆国の新最強戦闘機だ。F-22の……英語なんだったっけ。
「二年ほど前に、F-35より先に正式採用された最新型戦闘機。F-22E ロードラプター。航空優勢さえ取れれば星辰奏者がいても関係ないとばかりに開発された、いわば意地の結晶。……文字通り最強の戦闘機だけれど、コストパフォーマンスが非常に悪いことで有名ね」
「ま、戦時中だからどこも軍事費にリソース割きますし、あっちは戦奏教団が攻めてきたりもしてるから、なおさら金を集めるのは当然ですけどねぇ。今までの栄光が忘れられない世代からは反発が酷いとか」
アルトリーネさんもナミネさんも、ため息をついてるし。
……戦奏教団、か。
あいつら何なんだろうな。神祖といい、大樹といい、
ただ、神祖がほかにも出てきてるってのがあれだよな。
「そういえば、原教団の神祖って何か吐きましたか?」
「それは、日本政府からの連絡待ちね。最悪、非合法手段を取る可能性もあるでしょうけれど」
と、俺の質問にアルトリーネさんは肩をすくめた。
……俺が乳語翻訳を使えば一発な気もするけど、それは別の意味で問題なのかもしれないな。
《樹下誠二》
さて、ここで集合だったな。
「えっと……こ、こでいいんだよね?」
「ああ。でかいカラオケボックスをで予約入れたもんだ」
大人数用のパーティホールがあるカラオケボックスで、俺とコナユキはちょっと感心のため息をついた。
そりゃグレモリーのお城とかに比べるとあれだが、市民用のカラオケボックスとして考えると、今回のメンバー全員を集めるのは大変だろう。それができる規模というのはすごいことだ。
さて、時間的にはまだ余裕があるがそろそろ入っても大丈夫かね。
そう思いながら一緒になって受付まで行くと、ぶんぶんと手を振ってくる美星がいた。
「お、いい感じー! 実はみんな間に合ってるよー! コナユキも久しぶり」
「久、しぶり……。うん、本当に美星だ」
コナユキも美星を見て頬がほころんでいる。
俺も笑いながら受付を済ませ、パーティルームに入ると、だ。
「俺らの偉大なる魔王眷属様にぃ~っ拍手っ!!」
『『『『『『『『『『わ~~~~!!』』』』』』』』』』
総勢30人そこらの、俺たちと同年代の少年少女。
そいつらが元気よく俺たちを迎えてくれるのを見ると、少し感慨深いものがあるな。
……羽柴一族の教育機関で、同期だった150人中保護された80人少しの、そのまた記憶操作をされることを望まなかった者たち。
俺は今日、一種の同窓会に参加している。
正直、顔を合わせようとは思ってなかったし、長官からもやんわり止められてたからな。
思えば、俺と秀華が無理に背負い込みすぎて潰れないようにという気遣いもあったんだろう。資金援助にも限度額を設けたり、事務所という形をとってもメンバーを厳選したりと、かなり気遣われている。
……年末、長官達にはお歳暮をなるべく豪勢な物にしよう。いざとなったら換金できる系統で消え物にするべきだな。年代物のワインとかがいいだろうか。
ま、それはそれとしてだ。
「待たせたな! じゃぁあの糞共の愚痴を肴に盛り上がろうか!!」
思いっきりはしゃぐとするか!!
ここ数話はある意味で閑話というか幕間というか、一時的だけど穏やかな日常より……嫌不穏か。
だが、此処からハイスクールD×Dはいろいろ動きますからねぇ。