※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! 本格的に復職について進み始めようとしているグレン×グレンでっす!

 復職準備期間中、日中活動に制限が付きそうなので、もしかすると執筆速度が低下して投稿頻度が低下するかもです。その際はご了承をお願いします。

 それはそれとして本編!


第六話 幾重もの疑念

《宮本絶花》

 

 

 

 

 

 

 

 一通りの模擬戦やトレーニングに付き合わせてもらってから、私はその……囲まれてた。

 

「で、医学見地からの意見はどんな感じ、吉子」

 

 秀華先輩が尋ねているのは、魔獣騒動で桃山警護事務所預かりになった麦吉子さん。

 

 詳しくは知らないけど、東華民国の大学で医学部を優秀な成績で卒業していたらしい。あと所属していた三成星では医学見地に基づいて人造惑星の調整を手伝っていたとか。

 

 それで私の検査を頼まれたんだけど、なんていうか……戦慄。

 

「なんといえばいいんでしょうか。……基幹技術力が違いすぎる印象です、所長」

 

 私を見てなんというか、信じられない者を見てくるのは正直ちょっと気になるけど、気持ちは分かる。

 

 リルベットを助けに来たら、いきなり勝手に現れて試練とか言ってきたあの存在。倒したら倒したで、試練の報酬とか言って私の体を改造していった。

 

 人造惑星に片足を突っ込んでるという形だけれど、正直星辰奏者でもなかったから、その辺りはピンときていない。ただ星辰光は地味に便利で、正直凄いとは思っている。

 

 ただ、そう言う観点でもなさそうだった。

 

「どう例えればいいんでしょうか。星辰体運用兵器という観点では、間違いなくザルチェールとタルウィーラ……あ、超遠距離攻撃をしてきている子達です。その二人の方が上だと断言できます。ただ、運用面や全体的な、それを施す技術的な観点が私が知っているそれを圧倒しているとでもいうべき感じですね」

 

「……めっちゃ分かり難い。兄さん、何か分かる?」

 

 と、情報の書き出しなどを担当していた雨宮さんが、お兄さんに尋ねた。

 

「ふむ。現代兵器で例えよう」

 

 即答で説明できるんですか!?

 

「二十世紀末期で作られた特殊部隊用のアサルトライフルが例の二人に対して、宮本は現第二十一世紀の最新技術で一からAK-47と同じコンセプトのアサルトライフルを作ったようなもの……といったところだろう」

 

 なんとなく分かった気がする。

 

「質問ですけど、そんなのを態々送り込んで宮本さんを強化する意味があるんですか?」

 

 シュベルトさんが当然の質問をするけど、そこは秀華先輩が首を横に振った。

 

「多分だけど、私達が思ってるような理由で動いてないんだろうね」

 

「なるほど。勝利の前提条件が違う……どころか、そもそも勝利することが目的じゃない可能性すらあると」

 

 雨宮さんがそう納得すると、お兄さんも頷いていた。

 

「目的が達成するのなら負けようが死のうが構わない。もしくは、私達の常識的な勝利や成功とは別の部分を重視しているというコトか。英雄派にも通じる点があるな」

 

 私達が興味を惹かれると、お兄さんはため息をついていた。

 

「曹操とゲオルグの取り調べは進んでいるが、彼らの目的意識は「上位種族である異形」を対象とした「挑戦」と「探究」だ。曹操に至っては「正面から戦争をしても大打撃は与えられても勝つのは絶対にそちら」とまで言っていたよ」

 

 勝ちに拘らない、というコトだろうか?

 

「この技術を用いた者達がそういう手合いだとするのなら、うかつな戦闘は避けるべきだろう。手の内というより思想がどういう物かを把握してからでなければ、どんな迷走をする羽目になるか分かったものではない」

 

 ……。

 

 私達も、少し沈黙した。

 

 考え方が全く違う。そういうコトなんだろうか。

 

 私は強くなっても友達が出来ないどころか人が避けていったから、そこは本当に参っている。

 

 だけど、強くなれるのなら友達がいなくてもいい。そういう人はいるんだろう。以前リルベットが言っていた、強さは孤高という考えを良しとする人もいるんだろう。

 

 ……考え違いのまま挑めば、どんなことになるのか分からない。

 

 薄ら寒いものを感じる。こちらが一生懸命頑張って掴み取ろうとしているものが、争っていた者からすれば別に無くても構わないというものだったりすることがある。そういうコトなんだろう。

 

 考え込みそうになっていると、秀華先輩がパンパンと手を鳴らした。

 

「ま、そう言うのを考えるのは専門組織があるからそっち主体でいかないとね! 今回の話は議事録を一応送るってことでよろしく! 手間かけさせたくないから要点だけに出来る、麗奈?」

 

 麗奈さんはそう言われて、小さく微笑みながら頷いた。

 

「もちろんですよ所長。その手の業務は得意分野です」

 

 頼りになる人だ。

 

 多分、大丈夫。

 

 この人達は、そう簡単に負けるような人達じゃ……ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《空本麗夜》

 

 

 

 

 

 

 

 

 一通りのトレーニングを終え、今日は事務所に戻る時間帯だ。

 

「はーいお疲れー。何か報告ある人は今のうちに言ってねー」

 

 所長が元気よく手を鳴らしながら号令をかける。

 

「いいデータが多数取れたので、来週は神の子を見張る者の施設で技術屋との合議だな。運が良ければ新武装を用意できるかもしれんぞ?」

 

「それはありがたい。私もそろそろ顔を出しておこうと思っていたところだ。あっちでも色々と新兵器が完成しそうでな。……私が提案した内容の集大成なんだ!」

 

 朝月博士と麗華はノリノリだった。

 

 なんだろう。色々ととんでもないのが出てきそうだぞ?

 

 と、コガネさんが手を上げる。

 

「実は英国側から、私に接触を求めている人がいるのです。来週に時間を取りたいとのことなので、外泊許可が欲しいのですが」

 

 英国側からか。

 

 まぁ、英国はアーサー・ペンドラゴンのこともあって色々と思うところはあるだろう。あの一族、衰退してないといいんだけど。

 

 名目上の付き添いがいれば問題ないだろうけど、所長は少し考えこんでいた。

 

「名目的には保護観察状態だから、付き添い担当がいるね。誠二にしてあげたいけど、吸血鬼側が接触してくるのもその辺りになりそうなんだよね」

 

 そういえば、そろそろらしいね。

 

 あ、びしっと美子ちゃんが手を挙げた。

 

「吸血鬼って、相当あれな連中だって聞いてます! どんぐらいヤバイですか!」

 

 確かにいい質問かも。

 

「大王派とか旧魔王派にいそうなろくでなし貴族をイメージすると言い。……その斜め上ぐらいを想定しておいた方がいいぞ」

 

 速攻で霞城さんが言い切った。

 

 話には聞いていたけど、もっとやばいのかぁ。

 

「本当にそれぐらいだから気を付けてね? その、吸血鬼の貴族を相手にしてると大王派とかにいる人は、まだマシって思えるから」

 

「天然痘ウイルスと比較することでインフルエンザがまだマシだと思うような錯覚だけどね」

 

 リーナちゃんが補足し、麗奈が止めを刺した。

 

 そっかぁ……大変だなオイ。

 

 秀華所長も分かっているのか、ちょっとゲンナリ気味だ。

 

 と、コガネさんが少し悩んでいる。

 

「タイミングが悪いですね。所長も会談に参加するとはいえ、大人数にしすぎないようにする点を考えると私も参加すると思っていたのですが」

 

「護衛って考えると誠二以上に適役だからねぇ。まぁリアスちゃん達の眷属は全員来るみたいだから問題ないと思うけど、日程を調整できないか確認しとかないと。……青蘭、英国側に時期調整が可能かどうか確認するから、調整できそうな日程と時間帯を確認してくれる?」

 

「承知しました、所長」

 

 青蘭専務が動くなら、その辺りはある程度融通が利きそうだね。

 

 ただ、吸血鬼か。

 

「……経験に基づいて意見を言いますが、あいつらが和平に参加するのは時期尚早ではないかと」

 

 アルトリーネがそう口にする。

 

「いくら和平を謳っているとはいえ、その為にリスクが大きすぎる存在に譲歩するのは危険では? 断るのは無理だとしても、言い訳を作って時期を伸ばすことは可能なのでは?」

 

 それだけ懸念のある存在ということだろう。

 

 確かに、和平そのものを謳っている手前断るのは難しいとは思うけど、ある程度の時間稼ぎは十分可能ではないだろうか?

 

 ただ、所長は首を横に振る。

 

「それをやると、和平側の各勢力で余計な疑念を持たれるんだよ。具体的には「渋々してるだけで一物ある管理職」が「掌返してくるんじゃないか」って邪推する」

 

 ……なるほど。

 

 和平そのものは、人類や自分達の存続の為にとても有効だ。

 

 だけど、理性的に有効だと分かっても感情的に不本意な者たちは多数いるだろう。異形達の寿命から考えれば、年季やポテンシャルがそこそこ高い準幹部レベルに相当数いてもおかしくない。

 

 教会でも枢機卿から和平反対による離反者が出ている。実際に争いの怨恨を経験している層に、そういうタイプがいることは十分あり得る。

 

「こっちまで滅びたくないから和平するしかないけど、人間以外のよその神話が自分たちだけになってくれたほうがいい。そう考えているそこそこの木っ端神々はいるだろうね。今でもいくらか、アイアンローズに流れているって話もあるよ」

 

 多神教の神々はかなりたくさんいる。ギリシャとかだと数十どころじゃないぐらいの神々もいるし、小さな地方でのみ信仰されているようなマイナー神話もあるだろう。

 

 そういう勢力からすれば、こっちと人類が滅びると困る以外に和平に賛同する理由がないこともある。

 

 受け皿としてアイアンローズが機能している点を考えると、尚更か。

 

 ……さて、何とか上手く解決してほしいものだけど、どうなることやら。

 

 気晴らしに美子ちゃんの頭をなでながら、俺はちょっとため息をついた。

 

「だ、ダーリンがついに無意識一歩手前レベルで私を可愛がって……///」

 

「あ、美子ちゃんずるい!」

 

 うっとりする美子ちゃんにリーナちゃんが羨ましがり、麗華と麗奈が反目を向けてくる。

 

「「戻ってこーい」」

 

 あ、すいませんでした!

 




 波柴製魔星と星天使によって進化した絶花の違いですが、適切なたとえをするために必要な知識が自分になくてこんな感じに。

 そして吸血鬼は吸血鬼で面倒ごとが多い案件に突入。さてどうしたものかって感じですね。

 まぁそれはそれとして、次回もお楽しみに!!
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