※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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はいどうもー! なんか昨日はとっても眠ってしまったグレン×グレンでっす!

最近は結構寝れてるはずなんですがね。まだまだ疲れが残っていたのだろうか……?

では本編!


第八話 吸血鬼の居場所へ

《兵藤一誠》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……今夜、吸血鬼が来るのかぁ。

 

 そわそわしながら放課後を迎えてると、コガネさんを見つけた。

 

「あれ、コガネさん?」

 

「イッセー君ですか。すいません、念の為に学園を見て回ってました」

 

 コガネさん、警戒心が強い感じだな。

 

 それだけ吸血鬼ってのはあれなのか。俺も気を引き締めた方がいいだろうか。

 

 ギャスパーぐらいしか吸血鬼を知らないからな。ただ、ハーフなうえに神器もあって迫害されたっていうしな。大王バアル家とか旧魔王派とかと同じぐらいヤバイとは思った方がいい気がするけど。

 

「……あいつらが騙し討ちをしてくる可能性ってあるんですか?」

 

 これぐらい警戒するってことは、それぐらい警戒した方がいいんだろうか。

 

 そう思って聞くけど、コガネさんは首を横に振った。

 

「いえ、どちらかというと交渉をしているつもりで無自覚にこちらの神経を逆なでした結果、変な拗れ方をして戦闘になる……という懸念ですね。最初から罠に嵌めるつもりで乗り込む気はないかと」

 

 すっごいこと言ってきたな。

 

 あ、でもシャルバとかが俺達と交渉するってなったらそうなるかもしんない。

 

 ……シャルバと同レベルっていうんじゃないだろうな、オイ。

 

「一応聞きますけど、シャルバとどっちがマシですかね?」

 

「え……………と………………………………」

 

 凄い考え込んでる。

 

 そんなレベルかよ。シャルバと比較して悩むぐらいのレベルかよ。

 

 俺が呆気に取られていると、コガネさんは考え方を切り替えたらしい。

 

「純血の吸血鬼こそを至高とし、それ以外の全てを軽んじるレベルの差別思考の人物を何人も見たことがあります。それを考えると何か契約をしても異能による制約なしでは軽んじる可能性は考えられますね」

 

「最初っから守る気がないんじゃなくて、うっかり破っても所詮他種族だしって感じで軽く考えるってことですか」

 

 ……やばい。ちょっとなんでそう思うのか分かっちゃった。

 

 俺が覗きを辞めてなかった時、別にちょっと裸見られるぐらいで集団でボコることないだろうって思っていたのと同じ感覚だろうか。

 

 あ、胃が痛い。

 

「……どうしました?」

 

「あ、すいません。告解に興味が湧いてきました」

 

 なんていうか、人に白状したくなる気持ちが分かったかも。

 

 ……さて、こっから別の意味で忙しそうだな。

 

 アザゼル先生が言っていた情報も気になる。

 

 ヴァーリ達が、滅びた伝説のドラゴンにまつわる土地で何度も禍の団や協力者を見かけたって話。

 

 まだまだきな臭いんだよなぁ、禍の団。

 

「お互い、今夜は気合入れましょうか」

 

「そうですね。色々と気疲れする夜になるでしょう」

 

 そこまで言うほどってのが大変だな、うん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《空本麗夜》

 

 

 

 

 

 

 

 シャワーを浴び終えた麗奈に、俺はコーヒーを渡しながら質問する。

 

「相手はどう出ると思う? 対吸血鬼の経験もあるだろうから、意見を聞きたいね」

 

「100%イライラするわよ。あとで胃薬でも貰っとくことね」

 

 面倒なことだよ。

 

 五大宗家の老害や大王派の重鎮などを、更に悪い形で煮詰めたぐらいでちょうどいい。そういう風には聞いている。

 

 秀華所長の護衛担当として選ばれた側は、俺達も含めて胃が痛くなるだろうね。

 

「でも四人も連れて行くなんて、所長も警戒しているのかな?」

 

「どっちかっていうと身内対策じゃない? ゼノヴィアとかイッセーとか、我慢の限界を迎える可能性が今でもないわけじゃないし」

 

 そこまでか。

 

 初期のイッセー君はド素人なこともあって、結構考えなしなところはあった。ゼノヴィアちゃんも、信徒という正義を執行する立場の意識があったから、直情的に切れ味が鋭いところがあった。

 

 オカ研として過ごして働く中でだいぶ納まったと思うけど、それでも警戒するべき対応か。

 

「吸血鬼側との相性が悪いのよ。ゼノヴィアは今でも聖職者の上役相手以外はさばさばしているし、イッセーは基本的にそういうところがドラゴンよりでしょ? こんなお仕事に派遣される吸血鬼ともなれば、あいつらの思想から考えてそれなりの家だろうからね」

 

 麗奈はそう言うと、ため息をついた。

 

 ああ、そういうコトか。

 

 イッセー君は確かに、気に入らない相手に対しては目上であってもいまだに雑だし、ゼノヴィアちゃんも教義的な上役以外に関しては口調がフラットだ。

 

 そのあたりでかみ合わず、諍いになる可能性があると。

 

「まぁ念の為以上の意図はないでしょ。追加があるなら年長者を比較的多めにしたいってところね」

 

 ……そういえば。大半が学生なんだよね。今回参加するの。

 

 吸血鬼側の使者と接触するのは、リアス・グレモリー眷属を除くと秀華省庁が率いる俺達以外は、ソーナ嬢とアザゼル殿ぐらいだ。

 

 年長者の割合を多くすることで、ある意味でバランスを取ろうってところもあるのだろう。

 

 ただ、俺と麗奈にコガネさんは時間までフリーになっている辺り、かなりあれなんだろうな。

 

 美子ちゃんは青蘭さんと一緒に祓魔省に派遣されて、その辺りの詰めをしているし。思った以上に色々ありそうだと思ったけど、考えるだけで憂鬱になるよ。

 

「誘ってきたのってあれ? ストレスが溜まりまくるから今溜まってるストレスを抜こうとか?」

 

「あんたをヌイてこっちも抜けるなら一挙両得だもの。終わってから第二回戦ぐらいでちょうどいいわよ」

 

 そこまで言いますか。

 

 これはあれだね。先が思いやられるよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《木場祐斗》

 

 

 

 

 

 

 

 さて、もうそろそろ時間になるね。

 

「さて。事情が事情とは言えいきなり悪魔という思い切りの良さについては、後程説教に移しましょうか」

 

「……まだ後があるのか……っ」

 

 天を仰ぐほどにゼノヴィアを参った状態にしたシスター……いや、転生天使がこちらに振り返る。

 

 それを見て、雨宮先生がため息をついた。

 

「そもそも後にしてほしかったのですがね、天使グリゼルダ。どうせここから胃が痛いのですから」

 

「失礼しました、雨宮司教。今までろくに挨拶もしてこなかったので、つい我慢ができませんでした」

 

 苦笑交じりのお二人。

 

 人間側の代表として駒王町に回っている、名誉大司教の雨宮先生。彼と対を成す教会側の代表となっているのが、目の前のガブリエルさまのQ(クイーン)、グリゼルダ・クァルタさんだ。

 

 今回、吸血鬼側の使者との対談はいろいろと荒れる可能性が想定されている。それが予想されるほどに、吸血鬼という存在は癖が強い種族だ。

 

 それが態々和平に関わる行動を取っている。懸念する者が多いのも当然だろう。

 

「で、部長。ギャスパーを参加させていいんですか?」

 

 樹下君が部長にそう尋ねると、部長は頷いた。

 

「ギャスパーの件を無視するわけにもいかないからね。それに、相手もギャスパーに何か伝えたいことがあるみたい」

 

「ろくなことにならない気がするわね」

 

 雨宮さんが天を仰ぐけど、本当に問題が多そうだ。

 

 相手が吸血鬼だというのなら、それだけの難点だということだろう。

 

 さて、ここからどうなるのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《樹下誠二》

 

 

 

 

 

 

 

 

 実に有意義かつ不快な時間帯だった。

 

「紅茶、入りました。大人組はやけ酒代わりにブランデーでも入れましょうか?」

 

「ああ頼む。相も変わらずアイツらは……」

 

 麗奈さんが気を使うと、アザゼル先生が即座に乗っかった。

 

 まぁ実際、色々と精神的に苛立つというか。夏休みに起きた会合での上役連中が慈善家に見える。

 

 世界には純血の吸血鬼とそれ以外しかいない。挑発でもなくただの本音だろうってのが酷い話だ。

 

 だが同時に、無視できない情報も豊富だった。

 

 吸血鬼の二大派閥。女系主義のカーミラと対を成す、ギャスパーの生まれたヴラディ家が属する男系主義のツェペシュ。

 

 そのツェペシュ家の女性、ハーフヴァンパイアのヴァレリー・ツェペシュ。彼女が神滅具である幽世の聖杯(セフィロト・グラール)を保有しているという情報が出てきたのだ。

 

 カーミラが接触してきたのもその対応。ギャスパーを引き込むことで対策にしようというのが本命の目論見らしい。

 

 これは無視できないだろう。いや、本当にあらゆる意味で。

 

「どうする秀華? 正直な話、最悪のケースは勝手に吸血鬼共が争ってヴァレリー嬢が討たれることだろ」

 

 俺はあえて、ギャスパーに気遣わずに必要な懸念を聞いておく。

 

 それがこっちにとっても誰にとっても最悪のケースだろう。

 

 ギャスパーは大きく傷つくだろうし、今の状態で幽世の聖杯が失われるのはまずい。

 

「いや、最悪のケースはもっと上にあるよ」

 

 秀華は、意外にもそう言った。

 

 そしてため息をついて肩を落とす。

 

「ツェペシュが禍の団と手を組むことだよ。そうなった場合、ヴァレリーって人がどうなるかがもう予想もつかない」

 

 ギャスパーの前で言うことではないだろうが、あえて俺達はギャスパーの前で会話する。

 

 これは意識しないといけないことだ。今後を考えるのなら、尚更だ。

 

 カーミラがこちらに接触して和平をもってギャスパーを力にしようとしている。そしてはたから見れば、カーミラが和平を結ぶことで各勢力を力に変えようとしている。ツェペシュからすればそう見える可能性が捨てきれない。

 

 そうなると、ツェペシュが禍の団という対抗馬を利用して対抗することを考える可能性はあるな。

 

 ……今の禍の団に、神滅具保有者が近づくのはろくなことにならないだろう。

 

 ヴァレリー嬢の身が危険だ。ギャスパーをあえて逃がすような選択肢を取る吸血鬼となると、禍の団に自ら協力する可能性は低い。

 

 そして、ブランデー入りの紅茶を飲みほしたアザゼル先生が、雨宮先生と共にため息をついた。

 

「ヴァレリー本人の今の状態も気になるな。ツェペシュの女となれば男どもが酷使することに躊躇もないだろう」

 

「聖杯はリスキーな神滅具ですからね。運用に慎重が求められますが、男系主義のツェペシュが王族とは言え女性にそんな気づかいをするとは思えません」

 

 ……そういう方面からの警戒もいるのか。

 

 となると、どう動くかだな。

 

「……ぼ、僕は!」

 

 と、ギャスパーが意を決した表情を浮かべて声を上げる。

 

「ヴァレリーを助けたいです!!」

 

 ま、そう言うことは分かっていた。

 

 なら、それがどうすればいいのかを考える時か。

 

「ならまずは具体的にどう動くか……というか、動けるかだな。部長、どうするつもりですか?」

 

 ギャスパーから部長に視線を向けると、リアス部長も頷いていた。

 

「行くわ。今度こそヴラディ家とテーブルを囲む。……ただ、ギャスパーを連れて行くのは私が直接行って状況を確認してからね」

 

「なら俺も行くぜ、リアス!」

 

 イッセーが気合を入れるが、リアス部長は首を横に振る。

 

「いいえ、人数は絞るわ。……ただ、秀華には来てもらいたいけれどね」

 

「そうだよねー。あんまり大勢で来ると、余計な疑いを抱いてくるにきまってるし。ここは量より質で権威パワー一択!」

 

 秀華が部長に頷きながら、すとんと椅子から降りる。

 

「そしてあえて護衛を少なくすることで誠意もアピールしないと。後で麗華にヘルプを入れるとして、護衛は各一人ずつぐらいがちょうどいいよね」

 

「そうね。こっちに何かが起きないとも限らないし、皆を呼ぶにしても何かあってからにしておいた方が余計な諍いを生まないわ」

 

 色々考えているな。ま、相手の信条に配慮して立ち回るなら当然か。

 

 カーミラ側なら多少多くても和平を提案した手前引くだろうが、ツェペシュはそうじゃないんだ。ヴラディ家を狙い撃って話を聞くのが限度である以上、人数は絞らないといけない。

 

 となると質だ。それも武力ではなく、権威を基点とすることで精神的に仕掛けるのがプライドの高い権威主義者には効果的でもある。

 

 まとめて人質に取られるリスクはあるが、だからこそ護衛も選抜する必要があるな。

 

「私は祐斗を連れて行くわ。麗華がどうするかが気になるけれど」

 

「個人的には麗奈とコガネがいいね。麗華にはあとで話しとくよ」

 

 必要な能力を持つメンバーを選んでいるな。

 

「まぁ、秘書検定二級持ちとしては補佐はお任せくださいとだけ」

 

「護衛の仕事なら喜んで」

 

 麗奈さんもコガネさんもすぐに了承してくれている。

 

 いろいろ手が回るから便利すぎる麗奈さんに、暗殺慣れしすぎて対暗殺に長けているコガネさん。

 

 二人がついていくのは非常に頼りになるな。

 

「俺はどうする、相棒」

 

「誠二はいざって時の本領ってことで。……あと、これは私も竜胆達に話しとくけど―」

 

 と、秀華はかなりのマジ顔だ。

 

「追加増員がメインになると、六震脚が多いとマジで助かるから話しを通しておいてくれると助かるかな」

 

 ……だな。

 

 もし増員が必要な事態になれば。それはかなりまずい状態だろう。

 

 正面戦闘以外に潜入工作だってできるメンバーが多ければ多いほどいい状況だ。できるだけの能力はあるメンバーがいるのなら、声をかけておいた方がいいだろう。

 

 さて、問題はだ。

 

「カーミラが妙な動きをしないかが気になりますね。そちらはどうします?」

 

 麗奈さんがそれを聞くと、アザゼル先生が頷いた。

 

「そっちは俺が向かうさ。色々確認しときたいことはあるし、聖杯が絡んでいる以上専門家の知識は向こうも欲しいから交渉できるだろう」

 

 確かにな。

 

 幽世の聖杯という神滅具がカーミラを動かした理由だ。専門家との意見交換ができる機会は無視できないだろう。

 

「じゃ、念の為に先生にも護衛付ける方針で。ご希望は?」

 

「自力でやるから安心しろ。……雨宮先生やシスター・グリゼルダにはミカエルに伝えておいてくれ。いくら何でもキナ臭すぎる」

 

 吸血鬼に聖杯とか、色々と化学反応が起きそうだしな。

 

 シスター・グリゼルダも頷いている。

 

「分かりました。ミカエル様からはジョーカーを切ると伝えられておりますし、最悪の結果だけは避けませんと」

 

 お、デュリオも動くのか。

 

「ぽんぽんぽんぽん、天界の切り札を動かしすぎじゃねえか? まぁ正直頼れるんだが」

 

「あの子は暇さえあると美味しい物巡りで連絡がつかなくなりますので、動かしておいた方が気が楽なんです。……ゼノヴィア以上に困った子でして」

 

 ため息ついてるな、グリゼルダさん。

 

 っていうか美味い物を探して消息不明って。それはそれでどうなんだジョーカー。もうちょっと責任感持って仕事してくれ。連絡手段はちゃんと持って遠出しなさい。

 

 ただ、吸血鬼か。

 

 特に鎖国思想が強く、そもそも他の種族を対等に見ない存在。

 

 そんな存在すら、利用目的を隠さないとはいえ和平に話を振ってくるとはな。

 

 ……まだまだ世界は荒れるぞコレは。頭が痛い話だ。

 




 まだまだ毎日投稿は可能っぽい感じなので、ひと月ぐらいはお楽しみくださいませ!
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