※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! 今回長く歩きまくった結果、眠気眼で予約投稿しているグレン×グレンでっす!

 なので即座に本編!


第十一話 ルーマニアの裏で

《空本麗夜》

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば青蘭専務。コガネさんを所長達に付けて良かったんですか?」

 

 俺は色々あって失念してたことを、資料整理のついでに確認する。

 

 英国からコガネさんと接触を求めている人達がいるということは聞いていた。

 

 ただ、今は所長について言ってルーマニアにあるとされる吸血鬼の里だ。当分時間は取れないだろう。

 

 先方から既に話が合ったことを踏まえれば不義理に近い。流石に抗議ぐらい出てきてもおかしくないだろう。

 

 ただ、青蘭専務は問題なさそうだった。

 

「その辺りについては問題ない。先方にも了承は得ている」

 

 そうなのか。ならいいけど。

 

「どうも、英国でも色々と面倒ごとが起きているみたいでな。英国教会側だけでなく、王室やペンドラゴン家でも色々とごたごたが起きており、その一環として断罪の聖女も関わっている……という程度だったようだ」

 

 物騒だね。

 

 麗奈の代わりに資料整理を手伝いながら、俺はもう少し深く聞くことにする。

 

 ペンドラゴン家も関わってるとなると、ヴァーリチームから連絡要員としてルフェイちゃんを置いている駒王町も無視できないだろうしね。

 

 青蘭専務はそれを聞いて、息を吐いた。

 

「まぁ英国教会はシンプルだ。当代の「断罪の聖女」がロザリオ聖教国に亡命した。初手で動くタイミングを任務で逃していたようで、教会側も警戒をしていると踏んで、大きく事が動いて隙ができるのを待っていたのだろう」

 

 ……なるほどね。

 

 そもそも聖書の神とは、それ以外の神を否定する唯一神の教えだ。厳密には自分達の神を唯一のものとして、それ以外の神々を信仰に値しないとする在り方を取ってきていた。

 

 いわば信仰の画一化を図っていた集団だ。信仰の自由が西欧社会のスタンダートになったとはいえ、内心でそこまで深く意識してなかった者がいたのだろう。それを和平で意識するしかなくなったことで、抑えが効かなくなったと。

 

 ただ、となるとペンドラゴン家と英国王室はどうなるのか。

 

「残り二つは大体同じだ。遠縁の者を中心に、星辰奏者技術の流布と戦奏教団という敵がいることから、積極的に表の人間社会に知られる形で、星辰奏者としてだけでなく異能も振るって参戦しようという層が出てきている」

 

「それはまた……」

 

 微妙に面倒な。

 

 星辰奏者という存在が世界に広まったことで、戦争はより白兵戦が文字通りの意味で重要視されるようになった。

 

 ちょっとした手榴弾や銃弾程度なら喰らっても耐えられる、時速100kmで走ることができる超人たち。そんな存在が出てくれば、戦場は兵士一人一人の存在が大きく影響を受けることになる。

 

 それはつまり、名を上げたい個人にとっては夢みたいな話でもある。

 

 そういう手合いの中に、ペンドラゴン家や英国王室に由来する者が出てきて、更に宿った異能すら使おうとしていると。

 

「英国王室もペンドラゴン家も、最低でも五世代前から分かたれた側だがな。そういう意味では日本も無視できまい。還俗済みとはいえ皇族が、傭兵として戦争に参加でもしたらぞっとしない」

 

 あ~確かに。

 

 それ絶対ややこしいことになる。すっぱ抜かれたらややこしいことになる。

 

 あっちはあっちで大変だなぁ。日本と同じで島国だから、比較的戦奏教団による悪影響は受けてないんだけど。

 

 最も、危機意識は高まっているのか軍に志願する人は多いらしいけどね。国民の意識が大きく変わった日本に次ぐレベルで増員がされているそうだ。

 

 まったく。まだまだ世の中は大変だよ。

 

 戦奏教団か。

 

「……一体何なんだろうか、あいつらは」

 

 思わずぼやくけど、そんな気持ちにもなる。

 

 なんというか、得体が知れない怖さがある。

 

 国際的に活動し、国家すら侵略している。それだけの規模で動いているなら、異形が実在することもいい加減気付いているだろうに。

 

 恐ろしいほどに異形側に対しての接触がない。意図的に関係を断っていると邪推したくもなる。

 

 ……妙なところで暴れられても困るんだけどね。

 

 はぁ。頭が痛いよ。

 

 気分を変えよう。なんか別の話をして、意識を切り替えないと。

 

「そういえば専務。吉子さんは?」

 

 所員同士であることも考えて、あえて名前を使って話を振る。

 

 彼女もいい加減、だいぶ慣れたと思うけれど。

 

 と、青蘭さんは小さく微笑んだ。

 

「今夜はあいつだけのご主人様でな。たまには完全に譲ってやらんと」

 

 ああ、なるほど。

 

「誠二はマメでいいね」

 

 そういうの、結構大事なんだよねぇ。俺は失敗した口だから、素直に羨ましい。

 

 ……まぁ、どっちも波柴一族が絡んでいるからね。直接言うのは流石に気後れするけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《樹下誠二》

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、と。

 

 うちの医療方面……事実上の専属医。それが吉子の立場だ。

 

 正直、そう言う人物がいるというのはかなり頼れる。特にうちにおいて専門的な見識を持つ者がいるのはな。

 

 なにせ怪我は流花さん、病気は青蘭がいるからな。医学的見識からそれを補佐する立場がいれば、傷病の回復は凄まじいことになるだろう。

 

 そして、経緯はどうあれ俺は吉子のご主人様だ。彼女をしっかりと導く責任がある。

 

 というわけで、だ。

 

「待たせたな、吉子」

 

「……待ってました……♪」

 

【挿絵表示】

 

 意を決して浴室に入ると、言われたとおりに待機していた吉子が本当に嬉しそうになっていた。

 

 青蘭とはちょっと異なるが、やはり方向性はこれでいいか。

 

 妙なところで類似性あるな、この親友達……!

 

 俺は気合を入れ直す。

 

 吉子はあれだ。依存対象が必要なタイプ。言い方は悪いが俺とは違う。

 

 なので、青蘭を参考にした躾などを入れる必要があるわけだ。

 

 ただし、青蘭は青蘭で特殊。なので当面はその辺りを探る形式で行動してたが……試してみたら凄いな。

 

 とりあえず三十分間お預けの状態で待機させてみたが、むしろ嬉しそうに待機し続けてきた。

 

 うん。方向性はなんとなく見えてきた。

 

 青蘭はド真剣に従う忠犬タイプで、吉子は甘えてくる飼い猫タイプだな。

 

 ……躾はしっかりしておこう。意外としたたかなところもあるしな。

 

 ただまぁ、頑張った分は褒めないとな。

 

「三十分間よく待ってたな。さて、それじゃあ思う存分楽しませてもらうからな?」

 

「うん。思いっきり楽しんで……♥」

 

 こういうところは可愛いが、ここで俺が油断してはいけない。

 

 この先において、一歩を自分の足で進んで欲しい。

 

 だから、それができるように手伝うのが俺の理念だ。

 

 まぁそれはそれとして、美人に好かれて悪い気はしない程度には俺も男の子。

 

 今日はしっかり楽しむさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《アザゼル》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ルーマニアで移動中に、通信で情報交換をするのが面倒くさい。

 

「俺、総督辞めてるはずなんだがなぁ」

 

『どちらにしてもご意見番でしょう? 仕事はしてください』

 

 ミカエルの奴がんなことを言ってくるが、それ以外にもため息をついていた。

 

「そっちはそっちで大変らしいな。ロザリオに流れる奴ら、まだいるんだって?」

 

 ロザリオ聖教国が和平に反対する信徒達の受け皿になって数か月。まだ少しずつだが流出しているとは報告を受けている。

 

 純潔十字連盟の存在が、信徒でありつつも和平には賛同できない奴にとって都合が良すぎるのが悪いな。既に大量に抱え込んでいるから、「我慢できなくなったらロザリオに行けばいい」になっている節がある。

 

 教会の連中にも和平に不満はあるが我慢していた層があったわけだが、そのはけ口として敵対中だった吸血鬼が存在していた。

 

 それが、吸血鬼側が和平に手を出してきたことで一気にフラストレーションが溜まっているのだ。

 

『昨今、ロザリオ側の諜報員が活発的に動いているようです。英雄派に大打撃が入ったタイミングで、急に動いていますね』

 

「聖書の教えに関わる英雄の末裔さんでもスカウトしたのかねぇ?」

 

 まぁ実際問題、問答無用で皆殺しって方針ではないのはこっちもだ。

 

 裁きは受けてもらうし償いはしてもらう。だが、神器の所為でまともに生きられなかった若者達を積極的に殺すのはな。避けられるなら避けた方がいいだろう。

 

 神の子を見張る者でも、神器保有者の殺害は世界の安定を保つ為だ。それにかこつけて悪趣味なことをする連中もいたが、和平を結んでからは野放してまで人材を残しておく意義も薄くなったんで、綱紀粛正は進めている。

 

 だが、ロザリオの動きは妙だな。

 

「動きの様子は?」

 

『探りながら……という雰囲気ではありません。おそらくですが、既にある程度話が通っているグループがいたのでしょう』

 

 足抜けのタイミングを計っていた禍の団の派閥と接触しており、大派閥が大打撃で大混乱の大尽くしを狙ってその為に動いていると考えるべきか。

 

 問題は、どんな連中を相手にしているのかって感じだな。

 

 まぁ、それは此処で話し合っても仕方ないな。

 

「そっちは諜報班待ちだな。……帝釈天はどうだ?」

 

 曹操とゲオルグをとっ捕まえたことで、裏で繋がっていた帝釈天に対してそれなりにけじめを要請できる状態だ。

 

 曹操曰く、生まれて初めて神器に目覚めた後に闘戦勝仏と出会い、そこで自分が英雄の末裔と知ったらしい。帝釈天はその情報を俺達に隠していた。

 

 和平前とは言え大問題で、和平後でも隠していたのは非常に問題だ。

 

 奴の目的は奴自身が言うには「シヴァにリベンジマッチする為の戦力確保」。戦乱が強者を育てると本気で信じてやがる。

 

 須弥山レベルを丸ごと敵に回すのは避けたいが、各勢力全体で問題視しているから相応に締め付けることはできる。

 

 向こうもシヴァに俺達全員が協力して袋叩きは避けたいだろうから、出方を探り合いながら落としどころを考えている最中だ。

 

『責任追及においては須弥山からの賠償を引き出せています。例の計画について話を振ったことで、そちらに舵を切る動きも見せてますね』

 

「後は後ろ盾にでかいのを置きたいところだな」

 

 レーティングゲームの国際大会化。これを以前から進めていてよかったぜ。

 

 レーティングゲームという模擬戦闘の性質も持つ競技試合を、悪魔だけでなく各勢力が参加できるようにする試み。これを代理戦争とすることで各勢力のガス抜きを行いつつ、強者の育成もできる妙案だ。

 

 国際大会としての優勝賞品として、参加してくれる各勢力の重鎮達によって「世界に混乱をもたらさない範囲」で「願いを叶える権利」を与えることを考えている。シヴァに協力を取り付ければ、ゲームのルールに則る形でシヴァと戦うことも出来るだろう。

 

 これを飴とした飴と鞭で、帝釈天を上手くいなしたいところだ。あとはあの破壊神シヴァをどう組み込むかだが、インド側の連中は和平に好意的な重鎮達だからやりようはある。

 

 ただ、禍の団は何とかできるに越したことはないんだがな。

 

「……そっちは気を付けてくれ。あとあいつに例の話は?」

 

 俺が確認すると、ミカエルは首を横に振った。

 

『まだですね。曹操達にまず通したうえで行う予定ですが……これも中々の辣腕ですね。樹下君の提案でしたか』

 

 聞いた時はビビったぜ。

 

「あいつが言うには「TPO込みで考えれば曹操よりはマシですよ」ってこった。ま、考えように寄っちゃアイツにとっても都合がいいだろ」

 

 あいつも大概やばいよなぁ。

 

 ま、動機はなんとなく分かるがな。

 

 ケツ持ちぐらいはしてやるが、あいつにも色々頑張ってもらわねえとな。




 そろそろガチ目に突入するぜぇ?
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