シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚 作:グレン×グレン
あと復職までの所で認識に齟齬があったので、予約投稿してますが今日は忙しいかも。
まぁそれはそれとして本編!
《樹下誠二》
秀華達がルーマニアに旅立ってから少し経つ。
大きな変化は起きてないが、まぁそういう意味では平和な日々だ。
もっとも、人間世界でも色々あるしそういう意味ではあれなんだが。
しかしそういうことばかりを考えていたら気が滅入る。適度にリフレッシュしながらじゃないと生きていけないだろう。
そう思いながら、着替えて体育の為に校庭に向かう前。トイレに行って一息を入れた。
体育は加減が中々に難しい。悪魔と化した上に星辰奏者で過酷な訓練も積んでいるから、俺の身体能力は超人的だ。
ただ、こういうのも悪くない。色々荒事にもまれている身としては、平穏な日常は心地いい。
さて、そろそろ移動しないとな。
俺は基本的に保健委員をクラスで務めている。イッセーが一年生の頃から同級生なので、覗きの我慢に慣れず悶絶したり自傷したり痙攣したりするイッセーをカバーする為、続投している形だ。
応急手当の類も叩き込まれているし、傷の方は合わせ程度の外科医療や、脳卒中などを察することができる程度の診断技術も叩き込まれた。そういう意味では凄く向いている。
イッセーもそういったことはなくなったが、まぁ奴の覗きを止めた責任はあるからな。高校在学中は保健委員について補佐できるように立ち回ろう。
そう思いながらトイレを出て、ふと前を出る。
……おい、冗談だろ。
自分自身に疑念を抱きながら、一瞬で戦闘に意識を切り替える。
雰囲気が大きく変わったことで、周囲の生徒達がぎょっとするが、気にしている余裕はない。
視線の先にいる男。高校でありながら同年代に見えるのに、制服を着ていない。というか、明らかに日本で一般的に見る服装じゃない。
何より気配が異形のそれ。そして、そいつはにやりと笑うと一瞬で全身が毛皮に包まれる。
変化するタイプの獣人……しかもこの気配、敵対組織か!?
「お駄賃代わりに、若い肉でも食べるかねぇ!!」
「させるか……クソ野郎が!!」
《宮本絶花》
……なに? この気配……っ!
殺気に近いものを感じて、私は高等部の方を振り返った。
「絶花。周囲を警戒していきます……これは、高等部に敵襲です」
リルベットもすぐに悟って、周囲を見に走っていく。
何が起きたのかが分からないけど、高等部に何かあったのは間違いない。
「なんか高等部、騒がしくない?」
「急にうるさくなったねー」
武闘派が多いというだけあって、クラスメイトも何人か気づいているようだ。
だけど危機感が足りない。ただそれは、一般人だから当然だ。
「……絶花です。先輩、大丈夫ですか?」
携帯で桃山警護事務所用の通信を繋ぐ。
返信は、打撃音と共に来た。
『宮本、臨戦態勢で警戒してくれ。……高等部は異形の敵襲を受けている』
やっぱり。
でも敵襲? こんなところで?
「一般生徒も怪しんでいる子達がいます。結界はどうなっているんですか?」
普通、異形は結界を使って表に知られないようにすると聞いたことがあるんだけど。
ただ樹下先輩も、困惑している雰囲気がある。
『少なくとも、脱出に関しては妨害を試みている節まである。……出方が読めないが、中等部に来る可能性は捨てきれない』
先輩も相当切羽詰まっている。それだけの非常事態なんだ。
『こっちも戦闘中だから一旦切る。……そっちを頼むぞ』
「……はい。ご武運を」
通信が切れるけど、私は高等部の方から視線がそらせない。
今までにない事態なのが、先輩の雰囲気から分かる。
リアス先輩がいないというけど、ゼノヴィア先輩達は大丈夫だろうか。
……いや、信じよう。
あの人達は、簡単にやられるような人じゃない!
《兵藤一誠》
こいつら……っ!
いきなり襲撃してきた挙句、堂々と魔法まで使ってきやがった。
「おいおい、全然反撃してこねえぞ?」
「曹操倒したってのはどうなんだよ? あいつら大したことなかっただけかぁ?」
堂々とローブを着ている連中は、俺達に魔法で攻撃を仕掛けてくる。
それも直撃は避けている。慌てる俺達を見てあざ笑っている辺り、不良のいじめだ。
……そう。
こいつら、見境なく駒王学園の生徒達に攻撃を加えてきてる。
「なんだ、なんだこいつ!?」
「え、星辰光……星辰奏者!?」
クラスメイトが困惑するけど、それを聞いた魔法使いの一人が苛立ちを見せてきた。
「あんなぽっと出の連中と一緒にすんじゃねえ! 仕事が終わってから殺し解禁だが……一人ぐらいいいよなぁ!」
まずい。なんか狙ってる!?
俺は割って入って、放ってきた魔法を弾き飛ばす。
生身で殴ると痛いけど、これでも中級悪魔だ。なめんじゃねえ。
ただ、それた魔法は近くの木に当たって、そのまま幹を吹っ飛ばして木を倒した。
「う、うわぁああああっ!?」
「な、なんだコイツ……ぎゃっ!?」
本気でやばいって気づいて逃げようとするクラスメイトもいるけれど、それが急に何もない所のぶつかって倒れる。
いや、これは結界だ!
「逃げんじゃねえよ! 仕事が終わったら狩りの大会って話でなぁ! 五人以上殺さないとポイント計算もされねえんだ!」
「十人で来てるからギリギリなんだよ! 俺達のグループだけ失格扱いってのはなぁ!!」
殺しの大会!?
ふざけやがって、許せねえ。
こうなったら、意を決して俺も鎧を纏うしか。
そう思った時だ。
「じゃ、全員不参加で落選したら?」
結界をぶち破って現れた女の子が、流れるように二人の魔法使いに蹴りを叩き込んだ。
首を正確に狙った蹴りをくらって魔法使い二人はあっさり殺される。
一見すると気絶している風に見える塩梅だ。殺し慣れてないと無理だろこんなの。
ただ、小さい頃からそういうことを実践練習してきたんだから当然か。
「美星さん!!」
「だいじょぶ、イッセー君? こっちは任せて」
素早く着地した美星さんは、とんとんとステップを踏みながら離れた方向を指差す。
「あっちで私のお仲間が仮設避難所作ってまーす! 死にたくなければわき目も降らずに全力疾走! イッセー君、避難誘導やって!!」
「させるわけねえだろうがぁ!!」
魔法使い達が速攻で潰そうと、美星さんに向かって魔法の一斉攻撃を放つ。
それを、美星さんはなんてことのないように振り返って向き合った。
「悪いけどもう、
その魔法を、美星さんは蹴り一発で吹き飛ばした。
蹴りから放たれている光の波動が、中級クラスはある魔法の一斉砲撃をあっさり蹴り砕いた。
これが、樹下が言っていた「同期最高の星辰光持ち」って力か!!
「今だ皆! あの人めっちゃ強いから、任せて逃げるぞ!!」
俺は皆を誘導して、避難場所に向かう。
「そいつらは任せます!」
「すぐ終わらせてカバーするから安心してね! あと味方も結構来てるから!!」
めっちゃ頼れるお言葉が!
《空本麗夜》
「何だってんだもう!」
事務所で俺達はてんやわんやだった。
今俺達は、とんでもない情報を聞かされた。
禍の団と思われる集団が、異形人間の区別なく隠れもしないで駒王学園高等部を襲撃している。
……タブーを破るにもほどがある!!
「麗奈がいないって時に……美子ちゃん、誠二……星斗さんっ」
慌てて向かいたいが、戦力の逐次投入は愚策だ。
相当の人数が襲撃しているらしい。十や二十では効かない数が襲い掛かっている。
ただ、不幸中の幸いが一つ。
「雷銅君達が今戦っている……そうなんだね、霧島さん!」
「はい、先輩。十人ぐらいで集まって、冷やかしに行ったとかなんとか」
霧島さんにそれを聞いて、希望を見出した。
雷銅君達が十人ぐらいで冷やかしに。それはつまり、戦闘訓練を受けた人達が誠二のところに行っていたことを意味する。
なら、ある程度は凌げているはず。
となれば戦力に逐次投入という愚策の必要もない。急いで準備をしたうえで、人数を集めてカバーに回る。それが効果的だ。
頼むよ、皆!
とりあえず、この駒王学園でのテロで六震脚について少しずつ明かしていく感じになります!
強いぜ、全員!!