※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! たまには調子が悪い時もあるグレン×グレンでっす!

 少しずつですが読者も増えてきており、この調子で頑張っていきたい所!

 では、本編!


第二話 プール開きで大波乱!

《木場祐斗》

 

 

 

 

「プール! それも、学校! しかもぉ……初使用だぁ~!」

 

 そう、スクール水着で飛び跳ねる秀華先輩の首根っこを、樹下君がつかんだ。

 

「おこぼれで使えてはしゃぐのはいいが、プールサイドでそれやるとこけるぞ?」

 

「ぶぅ~、いけずぅ~!」

 

 樹下君は文句を言う秀華先輩をスルーすると、振り返ってリアス部長のほうに首を傾げた。

 

「とはいえいいんですか? 手伝いはしましたけど、そもそも手伝わせていいのか的な」

 

「かまわないわ。ソーナもこの程度のことでとやかくいう子じゃないし、手伝ってくれたのなら使ってもいいでしょう」

 

 リアス部長はそういうと、その水着をためらうことなく胸を張って見せつける。

 

 事の発端は数日前。生徒会長であるソーナ先輩が、リアス部長に依頼をしたことに始まる。

 

 簡潔にまとめると、屋外プールの清掃をする代わりに、清掃したプールの最初の使用権を与えるというものだ。

 

 で、俺と秀華にも手伝いを頼んできたというわけだ。

 

「しかし、レヴィアタンってこういうことできるのか。プールの水を操って掃除なんてすっげぇ」

 

「それはもう! 悪魔の王族ですから♪」

 

 感心しているイッセーに、秀華がふふんと胸を張る。

 

「龍と水をつかさどる掉尾の海蛇龍。海で戦えばもっとすごいことできるよん♪」

 

 話には聞いていたけれど、これが初代魔王レヴィアタンが持っていた特性か。それを先祖返りの人間が持っているなんて、なかなか皮肉が効いているかもしれない。

 

 とはいえ、おかげでコカビエルとの戦いは助かった。あれがなければグレイフィアさんたちが来る前に犠牲者が出ていただろう。イッセー君の体もどれだけ龍にささげることになっていたことか。

 

 そしてその特性ゆえに、プール掃除はだいぶ手間を省けた。おかげでかなりの時間をプールに費やせそうだ。

 

 その勢いでプールを堪能する中、秀華先輩は大きめのフロートを転移させる。

 

 そこに椅子を用意し、ジュースを飲みながら優雅に日向ぼっこをし始めた。

 

「う~ん。こういうタイミングでもないとできない優雅なプライベートタ~イム♪ お水がおいしいの~♪」

 

 ふふ、なかなかに楽しい時間を過ごせているようでよかったよ。

 

 イッセー君も、泳げない小猫ちゃんたちに教えたりといった感じだ。

 

 僕もひと泳ぎしつつ、気分転換を楽しんでいる。

 

 そしてある程度愉しんだ後、ちょうど顔を上げたときに秀華先輩と目が合った。

 

 ……ちょうどいいね。少し聞いておくべきか。

 

「先輩、少しよろしいでしょうか?」

 

「どしたの?」

 

 秀華先輩は気楽な様子だが、実際のところそうではないだろう。

 

「日本政府や現政権(こちら側)から、何かしらの圧力はかかってないのですか?」

 

 あの戦いで、秀華先輩は秘中の秘であろうレヴィアタンの性質を開放、さらにおきて破りの星辰光すら解放したのだ。

 

 レヴィアタンの先祖返り。この時点でこちら側の政権が無視できるわけがない。相互監視という形になっていることからリアス部長や懐刀の朱乃さんは知っていただろうけど、僕たちには伝えられてない点から相当の事情なのは簡単に予想ができる。

 

 旧四大魔王が死亡した後、悪魔は二つに分かれた。

 

 戦争継続を望み、下級中級はおろか上級悪魔の血族すら勝てばいくら死んでもいいと思っている節のある、旧魔王血族

 

 逆に程度の差はあれ種の存続を重視し、戦争から可能な限り手を引くことを望んでいる、現政権側。

 

 大規模な内乱の末、魔王血族の多くが死亡し現魔王政権が樹立。魔王という存在に対して崇拝に近い感情を持つ純血悪魔の大衆をなだめることも兼ね、当時エースとして活躍した若き四人の上級悪魔が新たな魔王としてその名を襲名。それがリアス部長の兄君でもある、サーゼクス様達現四大魔王だ。

 

 生き残った旧魔王血族は追放され、辺境に追いやられている。というより、決着がついた段階でさらに皆殺しにすることは悪魔社会の思想や文化的に難しいことにも由来するだろう。

 

 信徒にとっての聖書の神に等しいのが、悪魔にとっての旧魔王。内乱を起こして血族に歯向かうだけならともかく、自らの手で血脈を断ち切るのはさすがに無理があったということなんだろうね。

 

 だが同時に、そういうタイプは純血にもこだわるだろう。

 

 ただ悪魔の先祖返りだとしても嫌悪感を見せる手合いは数多い。転生悪魔に対しても露骨に見下すものも多数いる。そんな中、人間の犯罪者一族から魔王血族の先祖返りが出るなんて、知られていいことではない。

 

 まして彼女は日本政府、防衛省直轄機関である祓魔庁の下部部隊が実態だ。大王派はおろか魔王派の中にすら、日本政府による彼女を利用した内政干渉を邪推する者はいるだろう。実際問題、内政干渉を考える政権が出てこないとも限らない。

 

 朱乃さんの監視という表向きの理由で来た彼女たちは、同時にリアス部長による相互監視が実態だということだ。それをもって、万が一知られた場合の危険な思想を起こしにくくする狙いもある。

 

 とはいえ限度もある。今後、彼女に対して何か危険が起こる可能性は否定できない。

 

 どこまで行ってもまだまだ若輩者の現四大魔王に対し、軽く見ている大王派は数多いだろうからね。抑えきれる可能性は決して高くないだろう。

 

 それを気になって聞いてみたけど、秀華先輩は肩をすくめた。

 

「そこに関してはまぁなるようになるって感じかな? そもそも、日本政府だって国家転覆すら狙えた犯罪一族の本家出身を危険視しないわけもないしね」

 

 そういう彼女は、達観した意見だと思うが冷静なのだろう。

 

 実際問題、波柴一族は彼女の告発がなければさらに根を張り巡らせていただろう。

 

 いくつもの野党に根回しを行い、海外の危険因子を数多く日本に手引きした存在。もし彼女がいなければ、日本が本当に波柴一族によって掌握されていた可能性は捨てきれない。

 

 そんな一族出身である以上、どうしても危険視は避けられない。それは間違いない事実だ。

 

「……ただまぁ、そこまで悪いことにはならないと思うよ? そうだとするなら、こんなに眷属を作らせたりしないだろうからさ?」

 

 ウインクを返すほどの余裕を見せる秀華先輩に、僕はリアス部長とは異なる形の君主の資質を見た。

 

 ふふ。この資質が悪に染まらなかったのは僕らにとっても幸運だね。

 

 そう思った時、爆発が起きた。

 

「朱乃のオタンコナス! 私とアーシアのイッセーに手を出すなんて!!」

 

「リアスのトンチンカン! 私にだってかわいがる権利はあるはずよ!!」

 

 ……リアス部長と朱乃さんが、なんか喧嘩を始めている。

 

 問題は、割と本気なことだ。異形パワーが見えてきている。

 

「……止めるの、手伝ってもらえません?」

 

「おっけおっけ。誠二ー、アーシアちゃんとイッセー君の保護お願いねー?」

 

 秀華先輩が僕の願いにこたえてくれて、その上で樹下君に指示を出していた。

 

「はいはい了解……あれ、イッセーどこだ?」

 

 と、樹下君が首をかしげているけど……本当にどこかな?

 

 というより、ゼノヴィアもいないんだけど?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《兵藤一誠》

 

 

 

 俺は今、水着の女子にガチ目の誘惑をされている。

 

「どうだいイッセー。私と子供を作らないか?」

 

 水着姿のゼノヴィアは、そのまま上を外した状態で俺に迫っている。

 

 え、これどういう状況!?

 

 俺には部長とアーシアがいるけど、ハーレム王として増員は大歓迎。

 

 大歓迎だけどいきなりなんで!?

 

「そ、そもそも何度俺なんだ!?」

 

 なんでも、悪魔になってからどうしたらいいのかリアス部長に相談したらしい。で「悪魔や欲望に従ってこそだから好きに生きなさい」的に言われたらしい。

 

 で、子供作りたいと思ったらしい。つまりSEXの必要があり、当然相手が必要になる。

 

 で、その結果が俺にモーション!? マジで!?

 

「え、俺でいいのか!?」

 

「少なくとも候補ではある。どうせなら強い子が欲しいし、赤龍帝の子供なら強い子が生まれそうだろう?」

 

 そう言いながらゼノヴィアはゆっくりと迫る。

 

「まぁ星辰光として神滅具を持つ樹下のほうが堅実だろうが、成功した時の大きさなら君だ」

 

 き、樹下も候補の内か。

 

 あいつも大概だからなぁ。神器と違って星辰光の資質は体そのものにあるようなものだし、堅実に成果を上げるならそっちのほうが可能性高いのはわかる。

 

 わかるけどそれはそれでジェラシーを感じるぅううううう! あいつ最近、助けた二人から好感度爆上がりだしぃいいいいいいい!!

 

「安心してくれ。子供ができたら時々でいいから愛してやってほしいが、子育ては私が責任をもってするから」

 

 待って待って待って。そんなヤリ捨てみたいな……いや、子供を愛するなら違うのか。

 

 ああもうなんか考えがまとまらな……あ。

 

「それに悪魔なら出生率が低いから時間もかかる。ならば今からしても十分余裕は―」

 

「―それは油断だ馬鹿」

 

 後ろの樹下が、ゼノヴィアに半目を向けてた。

 

 見事に呆れてるな。

 

「そういう「一発だけなら大丈夫」が望まぬ妊娠の元だ。あとシングルマザーとかにこの世界は厳しいからな? 子どもの未来を考えるなら、そういうことをきちんと考えろ考え無し」

 

 あ、こいつシングルマザーに育てられてる上、母親と死別してるからその辺厳しいか。

 

 母親のことを愛するに値する人って感じで尊敬もしているけど、それはそれとしてシングルマザーは避けたほうがいいって感じだなこれ。

 

「ふむ。この国には「案ずるより産むがやすし」という言葉があると聞くが」

 

「あらゆる格言には「ただし時と場合による」って但し書きをつけろ。考え無しの妊娠は多方面に悪影響だ」

 

 樹下はゼノヴィアの文句を切って捨てると、その上で外のほうを顎でしゃくった。

 

「あとこの流れでやるとリアス先輩がキレるぞ? 物事は段取りを作って守っておいたほうが基本的には得なんだよ。非常時以外は順序だてろ」

 

 樹下はそういってから、ゼノヴィアが投げ捨てた水着の上を投げつける。

 

「さっさと着替えて一旦流せ。今リアス先輩は別件でお冠だから、下手に刺激するとややこしいことになるぞ」

 

「え、マジで!? 怖い!?」

 

 何があったんだぁああああっ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《樹下誠二》

 

 

 

 

 まったく。何が何やら。

 

「あそこまで考え無しの暴走超特急だったとはな。もう少し理知的に対応できる奴だと思ってたんだが」

 

 思わずぼやきながらため息をつくと、イッセーもちょっと疲れた顔になっている。

 

「俺は大歓迎だけど、リアス部長やアーシアが怒りそうだからなぁ。ぜひともなんだけど我慢したほうがいいかも」

 

 イッセーはものすごく残念そうだが、同時に疲れた顔になるほどには困っている。

 

 まぁ、リアス先輩もアーシアも意外と嫉妬深いところがあるしな。

 

 男は支配欲、女は独占欲。恋愛において男女の違いを現すこの言葉は、一体どこで聞いたのやら。

 

 まぁ、ハーレム目指して頑張っているイッセー相手にそれが難しいのはわかってるだろう。二人ともお互いのことが大好きだし、秀華が手をまわしてその辺はある程度収まっているだろうし。

 

 ……いや、収まってないところがあったな。

 

「そういえばイッセー。あの後はできてるのか?」

 

 なんかよく揉めるって聞いたけど。

 

 俺が聞いてみると、イッセーはうつむいていた。

 

「全然できなくて、俺ごと秀華先輩が説教してきた」

 

 なるほど。これは前途多難だ。

 

「ハーレムを問題なく回すには、男の側に財力とか体力とか魅力が必須だ。集団において頂点か中心に立てるよう頑張っとかないとだめだぞ?」

 

 そのあたりは指導を受けたことがある。

 

 何かしらの比重の重い要点を担っておかないと、ハーレムといった者は形成できないと。

 

 さらにみんな仲良くなんて考えるのなら、うまくとりなせるようにならないとだめだろう。

 

「今後も増やすつもりなんだろ? なら、そのあたりはいろいろと頑張っとけ。俺もちょっとぐらいは気が向いたら助けてやる」

 

 ため息交じりに約束すると、イッセーが両手に手を合わせて拝んできた。

 

「恩に着る! 俺が上級悪魔になったら利権とかちょっと回すから……あれ?」

 

 ん?

 

 イッセーがなんか視線を動かすと、校門に誰かいるな。

 

 銀髪のイケメンだな。ただ、部外者の可能性が大きい。

 

 というよりだ。あの重心の取り方は戦闘慣れしているそれだ。

 

 ……危険度があると判断し、俺はイッセーをかばえる位置に立つ。

 

「悪いが、来校許可は取っているんだろうか?」

 

 戦意と敵意は感じない。だが、どうも嫌な感覚だ。

 

 腹に一物ある。もしくは、後々に何か仕掛けようと思っている手合いの雰囲気。訓練課程で護衛も行えるように叩き込まれた直感が告げている。

 

 こいつ、何か嫌な予感がする。

 

「……改めて自己紹介をしよう。赤龍帝に後天的なレヴィアタン」

 

 その言葉が、こいつが異形側であることを示している。

 

「俺はヴァーリ。神の子を見張る者を宿にしている、今代の白龍皇だ」

 

 なるほど。こいつがあの時のか。

 

 鎧越しでは顔がわからなかったが、このレベルのイケメンとはな。天は二物を与えてるといっていいだろう。

 

 そしてヴァーリを名乗った男は、俺の後ろにいるイッセーを見ていた。

 

「今回はまぁ、なにをしに来たわけでもない。……が、こうも隙だらけだと術の一つでも―」

 

 そう、イッセーを見ながら言った時だ。

 

「……そこまでにしろ。人間の町で堕天使の飼い犬があまり遊ぶなよ?」

 

 その時、ヴァーリの首元にナイフが突きつけられた。

 

 そこにいたのはうちの学生。

 

 だが、この白髪どこまで見た覚えがあるな。

 

「へぇ。なかなかいい動き方だ。名前を聞いてもいいだろうか?」

 

 毛ほどに動揺を見せないヴァーリに、その白髪は嫌悪感をありありと見せながら眉をしかめる。

 

 だが同時に、殺気をあえて出しながらそいつは胸を張って宣言する。

 

「アイアンローズのトップエージェント、ナンバー7。兵野勝正だ」

 

 ……なんか、面倒なのが来たなぁオイ。

 

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