※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! ちょっと調子が悪いこともあり、一時的に投稿機関を長めにすることで対応するグレン×グレンです!

 健康診断の結果も微妙だし、ちょっと体調崩れ気味だな。……あと花粉症も来てるし、そろそろ耳鼻科にもいかないとだめか……っ!


第三話 公開授業は大混乱!?

《兵藤一誠》

 

 

 

 な、なんかさっぱり訳の分からないことになってる。

 

 なんか見知らぬ奴が来たと思ったら白龍皇で、俺に妙なことをしようとか言ってみたらアイアンローズだったウチの生徒が後ろからナイフを突きつけてきた。

 

 馬鹿で新人の俺にはさっぱり分かんねぇ。というか、状況が分かってないし頭が追いついてない。

 

 ただ、樹下がまだ警戒している辺り、安心できる状態じゃないなコレ。

 

「堕天使如きの飼い犬に成り下がった人の恥さらしが。神器とは脳をダメにする毒でも仕込まれてるのか?」

 

「おいおい、あまり馬鹿にしたものではないぞ? こと神滅具ほど強大な力、人は早々宿せないんだけどね」

 

 お互いに呆れてる感じだけど、それ以外は正反対だ。

 

 兵野とかいったアイアンローズは嫌悪感が丸出しだけど、ヴァーリとかいう白龍皇は興味津々でたしなめてる感じだ。

 

 なんつーか、空気がかみ合ってないって感じだな。多分相性悪いんじゃないか、あいつら。

 

 そう思ってると、樹下がため息をついた。

 

「もめごとがしたいのなら他所でやってくれ。特にヴァーリとやら。お前堕天使側なら今の時期に余計なちょっかいをかけるな。総督(トップ)同様にトラブルメーカーすぎるぞ」

 

 相当呆れながらもイラついてるな。ま、いろいろあって大変だから当然だけど。

 

 そう思っていると、ヴァーリは肩をすくめながら俺のほうを見た。

 

「運命の宿敵を見に来る程度は許してくれよ。白き龍を宿すものとして、赤き龍との戦いは楽しみにしていることの一つなんだ」

 

 え、俺って戦わないといけないの?

 

 アイアンローズには言わないほうがいいだろうけど、三大勢力は和平を結ぶ方向なんだろ?

 

 上級悪魔になるのに手柄は欲しいけど、皆や俺の命がまずくなりそうな戦いは勘弁なんだけど。

 

 平和にエッチな毎日が欲しい。争いごとは勘弁です!

 

 俺がそう思っていると、アイアンローズの兵野はものすごく嫌そうな顔をヴァーリに向けている。

 

「さすがにそこの変態に同情するぞ。望んでもらったわけでもない、機械的に押し付けられたもののせいで殺しあう意味が分からない。……お前、狂ってるよ」

 

 ヴァーリに対してすっごいことを言うけど、ヴァーリはヴァーリで肩をすくめている。

 

「神滅具を宿すなんて奇跡としか言いようがない。確かに二天龍を宿すものはろくな人生を送っていないが、宿命のライバルを生まれつき持っているなんてたぎらないかい?」

 

 あ、ヴァーリの奴は多分戦闘狂って奴だ。

 

 コカビエルもそんなところがあった気がするけど、協力しなかったのは方向性の違いって奴なんだろう。

 

 うっそだろ。ドライグから二天龍の宿主は二天龍の喧嘩を引き継いで毎度毎度殺しあってるっていうけど、こいつもか。

 

「……大義も何もない喧嘩をしたろくでなしの意思を引き継ぎ、日々を懸命に生きる民草を巻き込んで暴れるのが楽しいとはな。……三大勢力の会合に参加する予定がないなら、ここで始末しておきたいぐらいだ」

 

 兵野の奴はめちゃくちゃさげすんでる。こいつも容赦ないな。

 

 あ、ヴァーリは詰まらなさそうな顔をしてため息をついた。

 

「君も相当できる猛者だろうに。そんな風に自分を縛り付けて、楽しいかい?」

 

「己の楽しみのままに、何の理由もなく与えられた力を振るう屑か。やはりそういう奴ほど喜ぶ力なんて、ろくでもない呪いだな」

 

 兵野の奴、そんなに神器を嫌ってるのか。

 

 ま、俺もその所為で殺されたことはあるしな。アーシアも人生を振り回されてるし。死んでないなら聖書の神様にはちょっとぐらい文句を言っていいだろう。

 

 ただ、樹下は少し呆れてる雰囲気だけど。

 

「西洋圏の人間ならそこまで不快感は抱かないだろう。あそこでは才能を「神から与えられた」と考えギフトと呼ぶこともあるし、日本でも「天は二物を与えず」といった感じで人類外の影響を考えるものだがな」

 

 あ、なるほど。そっちに言いたいことがあったのか。

 

 確かに兵野の言い分、神様に対して敵意満載だしな。俺も聖書の神様に思うところはあるけど、他の神話体系の神様とかをいきなりあしざまに言うのはあれだしな。

 

 ただ、兵野の奴は嫌そうな顔をしているけど。

 

「そうやって一部の狂信者ばかりもてはやすから、その他大勢が苦しむんだろうに。……まぁいい。今それを言っても意味がないか」

 

 兵野はため息をつくと、ナイフをしまって踵を返す。

 

「ナンバー10のアルトリーネが世話になったな。会談には俺とアルトリーネが参加するので、その時に大事なことを教えるとするさ」

 

 な、なんか上から目線な言い方だな。

 

 ちょっとイラってきたけど、兵野はこっちを見ずにさっさと帰っていく。

 

 それと同じタイミングで、足音が後ろから響いた。

 

「白龍皇ヴァーリ、どういうつもりかしら?」

 

 あ、リアス部長。

 

 そしてめっちゃピリピリしてる。あ、俺が絡まれてるからか!

 

「この色々とピーキーな時期に、アザゼル総督にしろ遊びが過ぎるわ。もう少し緊張感を持ってくれるかしら?」

 

「それはすまない。なにぶん退屈は嫌いなものでね。宿命のライバルと顔を合わせておきたかっただけさ」

 

 ヴァーリはそう言うと、あっさりと帰る雰囲気になった。

 

「この世界は強者が多数いる。最強の魔王であるサーゼクス・ルシファーですら、上位百人には届かないと言われるほどにね。不動の頂点である龍神に、果たして俺や君はどこまで近づけるか……楽しみだと思わないかい?」

 

 なんかすっごいこと言ってるけど、俺の答えってなるとなぁ。

 

「いや、そんな奴に絡まれたくないけどなぁ」

 

 流石に、上級悪魔になるだけでそこまでの奴と戦う必要はないだろうしなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《空本麗夜》

 

 

 

 あの後、麗奈や麗華とLINEを繋げることにしてはいた。

 

 色々あったし三大勢力が和平を結ぶとはいえ、俺達はそれぞれが別勢力。それに、過去の色々はどうしても残るからね。

 

 まずはラインで簡単な近況報告をする程度で留めている。まぁ、組織として守秘義務とかがあるからそこは気を付けるけど。

 

 で、ラインを確認したら麗華からなんか妙なコメントが。

 

—すまぬ。そちらに白龍皇の宿主が向かっておらぬか?—麗華

 

 なんか、もの凄く不穏なラインなんだけど。

 

—何事?—麗夜

 

—ヴァーリというのだが、奴はかなりの戦闘狂でな? 赤龍帝との対決を心待ちにしておったのだ—麗華

 

 もの凄く不安だ。

 

—大丈夫? 和平を結ぶって話でしょ?—麗奈

 

 あ、麗奈が入ってきた。

 

—流石にその程度の聞き分けはあるぞ?—麗華

 

—個人としては気のいいやつだからまだ大丈夫だとは思うぞ?—麗華

 

 麗華がそう言うなら、その点では安心かもしれない。

 

—なるほど。まぁ堕天使総督がイッセー君にちょっかいをかけたばかりだし、この情勢下で追加はないと思いたいね—麗夜

 

—いや、あの方は多分またやりかねぬ—麗華

 

 俺のラインに、もの凄く嫌な予感がする返信がついた。

 

 え、怖くなってきたんだけど。

 

—しかも総督が育ての親故、ヴァーリもその点はあまり考慮せぬのだ—麗華

 

—不安すぎるんだけど!?—麗奈

 

—不安すぎるんだけど!?—麗夜

 

 俺と麗奈の返信がほぼ同時に掲載される。

 

 あ、これちょっと不安かもしれない。

 

 ああいうタイプって自分の中で大丈夫だとどこまでもやるし。

 

 流石に喧嘩ってことにはならないだろうけど、余計なトラブルはなるべく避けたい。

 

 俺は咄嗟に事務所の電話に飛びつき、素早く所長に連絡を取る。

 

 これなんかまずそうなんだけど大丈夫だろうか。

 

『はいはい所長だよー。何事?』

 

「所長。どうも神の子を見張る者からまたちょっかいを駆けに来た奴がいるみたいでして」

 

 俺がそう伝えると、電話の向こうでため息が出た。

 

 あ、手遅れか。でもまぁ、この反応ならそこまで酷いことにはなってないのか。

 

『白い龍ならもう帰ったよ? ただ、ちょっと別口でお悩みができそうだから事務所の正社員集めといてー……はぁ』

 

 なんか大変なことになっている予感がするぞ!?

 

—ヴァーリは解決したけど、なんか別件で困りごとが起きたみたいだよ?—麗夜

 

—それなんだけど、今めっちゃ面倒なことが伝えられたわ—麗奈

 

—むぅ? 何事だ?—麗華

 

—流石に守秘義務あるわよ。ま、そっちにもちゃんと連絡行くでしょ—麗奈

 

 何か面倒なことにならなければいいんだけどなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《樹下誠二》

 

 

 

 事務所に社員全員が集まり、俺達は会議を開くことになった。

 

「じゃ、まずは問題点を挙げることにするよ」

 

 と、所長が立ち上がって俺達を見渡す。

 

「この会合、日本政府からは異能方面の荒事リスクから、祓魔庁長官の小笠原長官が来ることになったよ。で、当事者兼内部の喧嘩抑え担当として、私達桃山警護事務所も何人か用意ってことで」

 

 まぁ納得できる展開だな。

 

 国内で起こる異形や異能の大ごとは、祓魔庁が担当する。それが今現在の流れだ。

 

 五大宗家からうるさい連中が来るかもしれないが、あまりに老害化している老人連中に辟易して誕生したのが祓魔庁だ。星辰奏者という存在ありきとはいえ、国際的影響を鑑みた活動においてはこちらが発言権を持っている。

 

 それに五大宗家の老人達は、堕天使のことが大嫌いだからな。若手や話の分かる者がトップに立っているとはいえ、悪魔にとっての大王派レベルの発言力はまだあるだろうし警戒必須だ。

 

「んでもって、協力してくれた富士野アルトリーネからの対応に回った人達への直接嘆願、及び日本政府に来たアイアンローズの使者から、三大勢力の会合に数人参加させてほしいって連絡が来たよ。アルトリーネは情報交換もあって参加確定だって」

 

 そう。そこが問題だ。

 

 天使や教会、堕天使の依頼はおろか接触すら受け付けないアイアンローズが、三大勢力の会合に参加する。この時点で何かがおかしい。

 

 というよりだ。国際的に活動するばかりか異能の世界にも足を踏み入れているとはいえ、アイアンローズは所詮PMCだ。国家間運営に口出しするような権利を本来持っている側ではない。

 

 今回においては対コカビエルでの前衛や、駒王町外部での敵勢力掃討に多大な貢献を果たしているから特例だ。特に神の子を見張る者や教会側からすれば、優れた力量を持つ傭兵部隊が一切接触をしてこないというのは色々不安だろうし、この機会は逃せない。悪魔側も、結構な家が何かしらで接触を受けているみたいだしな。

 

「アイアンローズね。たかがPMCが、わざわざ国政規模の会談に直接関与しようってどういう考えかしら?」

 

 海砂さんが俺も思っていた懸念を口にする。

 

 アイアンローズはPMC。つまり民間が軍事力を貸し出して利益を得る企業だ。

 

 国連加盟国側の星辰体関連技術はその殆どがアイアンローズが特許を取っており、その影響力は確かに国政にも干渉する余地があるだろう。特許というのは使う許可を得ないと得られないわけだしな。

 

 だが、それにしたって本格的に国政レベルに介入するのは最終手段だろう。異能側にも手を伸ばしている以上、一切の関与すら立っている神の子を見張る者や教会に対して干渉するのは問題視される。

 

 流石に代替技術で切り替えることも不可能ではないんだ。世界の命運を左右しかねない三大勢力の会合に積極的に関与するのは、リスクが勝ると思うんだがな

 

「その辺は懸念点だね。……ただ、局長達は何かしらの情報を開示されてるみたい。極秘で私達に指示を出してきたよ」

 

 そう言いながら、秀華はその指示が書かれた指令書を見せる。

 

 その指令に、俺は一瞬目を疑った。

 

「これ、本当ですか所長?」

 

「本物だろうけど、ちょっとびっくりですよね~」

 

 流花さんと美子が驚いているが、俺も大概驚いている。

 

 おいおい正気か局長。事の流れ次第じゃ、三大勢力が敵に回るぞ。

 

 不安を覚えて秀華を見ると、秀華もちょっと苦笑していた。

 

「ま、細かい情報は国家戦略級ってことで、私だけが知っとくようにって言われてるから。国家機関は情報統制が大事だよって話」

 

 なるほどな。

 

 つまるところ、状況に応じて臨機応変になる。だが同時に、それらは国家戦略を考慮できる立場でないと伝えられないか。

 

 ならば納得だ。

 

「……イッセー達とやりあうことにはなりたくないけど、仕方ないか」

 

「多分大丈夫だと思うけどねー。ま、命のやり取りは覚悟した方がいいけど」

 

 控えめに意って勘弁してほしいぜ、これは。

 

 そう思っていると、秀華はまたため息をついた。

 

「あとね? ちょっと個人的な相談があるんだよねー」

 

 なんだ?

 

 個人的と言っているが、一体何を―

 

「今度の公開授業、誰か参観してくれない?」

 

 ―ああ、なるほど。

 

 俺はすぐに納得した。

 

 公開授業。この時期に駒王学園で行われるイベントの一つだ。

 

 授業参観というのは高校でもある場合がいくつかあるが、駒王学園の場合は誰でも小隊さえあればこれる。

 

「……特に私、親類が誰一人来てないことで心配されちゃってて。悪いんだけど、近くに住んでる親戚って体裁で誰か来てくれない?」

 

 なるほどなぁ。

 

 確かにそれは問題だ。

 

 秀華は学園でも結構人気にある部類だからな。適当に誤魔化すにしても限度があるし、余計な心配もかけさせるべきではないだろう。

 

 確かにこれは問題だ。妙な心配をされると、最悪の場合は記憶操作とかもしないといけない。

 

 過去を尊ぶ俺としては、あまり他人の過去を奪うような真似は避けたいしな。

 

「……と言っても、俺達全員若いですよ? 美子ちゃんとコナユキも年齢的に厳しいし」

 

 麗夜さんが言うようにそこは問題だ。

 

 この事務所、基本的に十代後半から二十代前半だしな。

 

 いくら公開授業とはいえ、あまり参加するメンツとは言い難い。特にコナユキや美子ちゃんの場合は「学校は?」になるし。海砂さんや流花さん、麗夜さんにしたって秀華の星の影響もあり、大学生レベルだしな。

 

 と、そこでコホンと咳払いが聞こえる。

 

「なら私が行きます、所長。かろうじて二十四なので、有休消費を兼ねた親戚の見学で通るでしょうし」

 

「え、いいのか信子さん」

 

 俺がちょっと驚いていると、信子さんは小さく笑いながら胸に手を当てる。

 

「ええ。それにあなたの参観もあるに越したことはないでしょう?」

 

 いや、俺は別に大丈夫だと思うが。

 

 そんな俺の意見を口にするより先に、信子さんは寂しげな顔を浮かべた。

 

「小母さんがあんなことになって八年。お母さんっ子で授業参観を凄く楽しみしてたでしょ? 小母さんの代わりになんてなれる気はないけど、人の口から報告できるに越したことはないじゃない」

 

 ……。

 

 まぁ、確かに。

 

 元々母さんも、シングルマザーで忙しいからたまにしかいけなかったしな。

 

 正直本当にその時は寂しかったし、だからこそ来れた時は涙が出そうなぐらい嬉しかった。

 

 ……そっか。俺、公開授業に誰も来ないのは寂しくないといけないよな。

 

 あ~これはあれだ。波柴一族に拾われた後の環境が酷過ぎて、感覚がマヒしてたかもしれない。

 

 完全に戻るとは言えないが、寄り添えるような生き方はしたいしな。これはある程度は治したほうが必要か。

 

 よし、こうなったらあれだ。

 

「じゃ、秀華の方が終わったら頼むよ信子さん。……本当にありがとうな」

 

 ああ、やっぱり信子さんは信子さんだ。

 

 このらしさが少し戻ってきたのは良いことだ。これから一杯取り戻そうな?

 

「ええ。それぐらいはさせて頂戴?」

 

 そう言ってはにかむ信子さんは、頬が少し赤い。

 

 ……コレ、責任取った方がいいよな。

 

「色々と酷いですよね、誠二君」

 

「まぁ確かに。あの殺し文句は私達には効くよねぇ、本当」

 

「自覚がないのが酷いわね。まぁ日本だときついけど」

 

 コナユキと流花さんと海砂さんのこそこそ話が聞こえてくるのはつらいけど。

 

 俺、どれだけ責任取らないといけないんだろう。日本人で本質的に公務員だから、結婚相手は一人に絞らないといけないんだが。

 

 あれ、マジでどうしようか…‥?

 

「どうするんですか所長? ダーリン込みで対処できます?」

 

「そこはまぁ、局長の方に考えがあるみたいでね?」

 

「いや、俺達全員結構ギリギリなところありますよね? そっち優先にしませんか?」

 

 秀華達は秀華達でこそこそ話さないでほしいんだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなことがあって数日。俺は、あの時礼を言ったのを後悔しそうだ。

 

 何故かというと、信子さんに問題があるわけでは断じてない。

 

「今日の夜のお供にさせて頂戴! 五千円出すわ!」

 

「ふざけんな、夜のおかずは男に必須だ! 六千円!!」

 

「リアス先輩を汚さないでよ男子! 八千で!」

 

「いや、女子も汚してる奴いただろ! あ、俺は一万円出す!」

 

「バイト代とお年玉はこの為にあったんだ! 俺は三万円出すぞ!」

 

「ローン! ローンでいいなら五万までなら出す!!」

 

「誰にもやらねえよ!? 国家予算貰ってもやらねえよ、俺の部長だぞ!?」

 

 今俺達の教室では、イッセーが作り上げたリアス先輩の裸婦像を巡ってオークションが勝手に開かれている。

 

 そもそもイッセーが売るなんて言ってないんだが。ノリが、ノリが異形でも通用するぞ駒王学園。

 

「先生どうしてくれるんですか!? 紙粘土で英語表現とか意味不明なことから更に外れてますよ!?」

 

 流石に糾弾していいだろうと思い、紙粘土細工を英語の授業に持ち込んだ馬鹿教師を面と向かって非難する。

 

 だが、阿保教師は感動の涙を流していた。

 

「いえ、これもまた英語です。……うん。生徒の新たなる才能を発掘するとは、感動です」

 

 生徒会と教員会議と教育委員会にこの教師の罷免を要望しよう。

 

 俺は心の底から決意して、文面を考えながら振り返る。

 

「…………え、と……?」

 

 ああもう! 信子さん困惑してるよ!?

 

 社会復帰の一環として、保護者代理としての公開授業参加。それがこれか。

 

 後でフォローを、後でフォローをしないとダメだろ、これ。

 

 俺は思わず天を見上げて、心の底からため息をついた。

 

 この学園、退屈しないなぁ……。

 




 変人が多いと大変である。ただし当人も一点特化型で変人になるのでお相子である。
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