シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚 作:グレン×グレン
冷静に考えるとちょっと相性が割るのではないかとも思いますが、何とか頑張っていきたいと思っておりまっす!
「創生せよ、天に描いた星辰を———我らは煌く流れ星」
その言葉を、俺はその光景とともに忘れない。
「
つらかった。苦しかった。頑張っていたと断言できる。
「悪意、邪気、怨念、玩弄。善になりえぬ数多の願いも、世界という海原は包み込む」
だけど、希望の光も好機も見えず、限界を悟っていたその時だ。
「醜悪宿す大海は、されどそれにも留まらず。善と限らぬ道理はあれど、善が皆無な無体も無し」
だからこその博打。せめて腐り果てないことだけを願ったその行動を、彼女は微笑みとともに肯定してくれた。
「善意、清廉、慈悲、高潔。悪になりえぬ数多の祈りも、包むが故に森羅万象。大陰大陽の縮図が如く、全てがゆえに夢幻が如く。海原が如き世界は麗しい」
その笑顔を忘れない。
その優しさも忘れない。
「故にこそ我が選択はどうあるべきか。絢爛なりし煌く海を、蛇龍が流離う理由は何だ?」
星の煌きによって作り替えられる俺自身を、俺は心から肯定した。
「その答え、我が星の煌きで示すのみ。見届けることを望むなら、汝も我が身の一部なり」
彼女と俺の決意のために。そしてかつての光に恥じないために。
「殻を脱ぎ捨て輪廻せよ。転生の時は今来たれり」
俺は、邪悪の敵であり続ける。
「
家族が愛するに値する存在だと、自他ともに確信できるのは幸運だ。
俺は父親の顔を知らず、母親とも早くに死に別れた。それも通り魔に惨殺されるという、割とシャレにならない死に方だ。
今にして思っても、茫然となってただただ涙を流していたと思うし、一度失神したこともある。介抱してくれた警察の方が「見ているこっちがつらくなったけど、正直少し怖かった」というレベルだったそうだ。ちょっと謝りたい。
ま、そこから先は大変だったけど。具体的には遠縁の親戚がもうクソの権化。
洗脳教育じみた……というか、そのものの虐待生活を送ってきていたからな。やらされた訓練もえげつないし、そのせいで今でも堅気とは言いづらい。
ただ、そんな生活を送っても心が死にも腐らずもしなかったのは、母との思い出だ。
母さんはもう死んだ。だけど、死後の世界があるならきっと天国とかそういった側にいるはずだ。
そんな彼女に恥じるようなことはできない。俺は、正道を歩めなくても正道を踏みにじるような人生は送りたくない。
過去は変わらない。腐臭がしそうな生活を送ってきた事実は消えない。
だからこそ、母さんとの思い出も消えない。あの輝かしい想い出は決してなくならない。
だから耐えることができた。とはいっても人間には限界がある。
……だからこそ、もう一つの輝きを俺は忘れない。
「なら、私と一緒に正義の味方になってよ」
あの言葉と表情を、俺は何一つ間違えることなく覚えている。
だから俺は此処にいる。そこに恥などかけらもない。
だからこそ―
「「「おっぱ……し、り……ふ…もも……ぉぁ~っ!?」」」
「来てくれたか、樹下!? 三人が久しぶりに暴走したんだ!」
「手間かけてすいません先生。すぐ鎮圧します!」
俺、
……いやマジで。
《兵藤一誠》
おっす、俺は兵藤一誠!
ハーレムが作りたい。その一念で頑張って偏差値を上げて、女子高から共学化したのでまだ女子比率の多い駒王学園高等部に入学した、スケベ根性が取り柄の高校二年生だ!
でもモテなかった。信じられないぐらいモテなかった。
女子は多いけど俺たちには集まってこない。女子たちは同学園の金髪イケメンにばっかり集まっちまう。
俺はモテない同志の松田や元浜とともに、エロ本を読んだりして慰める毎日。
そんなある日、女子の着替えを見れるスポットを見つけて覗きを敢行したはいいがあっさりばれて追いかけまわされた日のことだ。
とっ捕まった俺たちは集団で箒で叩かれていたけど、その箒の一つを男がつかんでこう言ったんだ。
「……それ、普通に犯罪だから捕まるぞ?」
……それから流れで事情を聴いて、そいつは女子にも俺たちにも説教してきた。
「日本で犯罪者相手に許されるのは正当防衛と現行犯逮捕ぐらいだ。すでに囲まれて抵抗してない相手に集団でボコったらそっちのが重罪になりかねないし。そもそも囲んで棒で叩けば子供でも大人を殺せるからな?」
女子にはこう言って、そんなに嫌なら速攻で訴訟か通報しろと説教した。
そして切り返すように俺たちにも説教した。
「男と女の感性は違うからな? 真剣に殺されても裁判で減刑通りかねないことしてるからな?」
そんな信じられないことを言ったそいつは、次の日にいろんなネットで集めた統計データとか論文を持ってきて、俺たちに懇切丁寧に説明してくれた。
「男と女じゃ裸や下着姿を見られる不快感が段違いなんだ」
「この表のとおり、男と女は貞操観念が全然違うんだ」
「こんなネットスラングができるぐらい、男女間では恋愛観すら違うんだぞ?」
懇切丁寧に俺たちの今の行動がモテないことを理路整然と突き付けてきやがった。死にたくなった。
目の前にあんなにたくさんの女の子がいて、近くで着替えている。
それを我慢しなくてはいけないなんて……真剣に死ねる!
崩れ落ちて嗚咽すら漏らした俺たちに、クラスの連中が男女関わらず引いていたのは今でも思い出せる。俺たちはそこまで異常者なのか!?
だが、そいつは俺たちに希望の光を見せてくれた。
「……ちなみに、俺の知り合いに恒常的にエロいことできる男が何人も欲しいエロい女が何人かいるんだが」
……瞬時に俺たちは忠誠を誓ったよ。紹介料と思えば安いもんだ。
ただ覗きの常習犯だったのがネックだったみたいで、「高校卒業まで頑張れたら」になった。
頑張ってるよ。とっても頑張ってるよ。時々発作を起こすぐらい我慢してるよ!?
とりあえず二年生に入ったからあと二年! あと二年で……俺は童貞が卒業できるんだぁああああああああっ!!」
「うるさいぞ~」
悪かったな!?
俺は我に返ると、隣で呆れてるそいつに振り返った。
「勘弁してくれよ、樹下。俺たちはかなり苦しい思いしてるんだぞ?」
「さすがに性欲強すぎだろ。一度病院行ったほうがいいんじゃないか?」
めっちゃあきれ顔になってるのは、樹下誠二。
俺たちを説教して誘導した同級生だ。いつの間にか「変態の飼い主」なんて呼ばれてる。
そして変態は俺たちだよ。俺たちは変態なのか……へこむぜ。
「いくら俺たちの年頃が性欲溢れてるからって、人様に迷惑をかけない程度の自制でバグるか? 真剣に医者に行ったほうがいいと思うぞ?」
「うるせえよ!? いまだ童貞どころか彼女すらいない男の気持ちがお前に分かるか!?」
なんだかんだで女子からの評判もいいくせに。俺たちはいまだに普通に挨拶するのも難儀なんだぞ。
いや、自業自得みたいだけど。っていうか樹下の評判って、俺たちの面倒を見ていることに由来するけど。
それはそれとして、まだ二年近くの時を我慢しないといけない。そうしないと、俺は童貞を卒業できない。
くっ。崩れ落ちそうなぐらい大変な旅路だ!
「……ん?」
と、樹下は急に足を止めた。
何かあったのかと思っていると、俺たちの前に恥ずかしそうにしている女の子がいる。
なんだろうと思っていると、その子は顔を赤くしながら俺たちのほうに来た。
制服が違うから別の高校だろう。……まさか、樹下に告白したいってのか!?
「……俺、外したほうがいいか?」
「……今にも死にそうな顔するなよ」
だって、だって絶望が加速するんだもん。
樹下は呆れてるけど、俺は本気で絶望だ。
目の前で、ダチに彼女ができるかもしれない。いや考えすぎな気もするけど、もしそうだったら耐えられない自信がある。
そんなこと思っていると、その女の子は……俺のほうを見た?
「ひょ、兵藤一誠君ですよね? 付き合ってください!!」
「「……え?」」
思わず面食らったよ。
《樹下誠二》
さて、面倒なことになった。
本当に面倒なことになった。
あの後席を外したが、イッセーに告白した女は十中八九堕天使だ。
神、悪魔、天使に堕天使、妖怪妖精獣人吸血鬼。そういった神話や伝承に連なる存在は多くが実在する。
最も、伝承と全く同じというわけでもない。例えば聖書では同一視されている堕天使と悪魔は全く別の種族だし、ソロモン七十二柱に代表される有名な悪魔の名は、家名であり分家含めて複数名存在したり、すでに断絶している家も多い。聖剣や魔剣も伝承ではわからない能力を持っていたり、龍と同一視されるだけで神として伝わっているティアマトは正真正銘の龍だったりする。
そして、大半の異形勢力は全方位で冷戦状態といってもいい。異形や異能にかかわる組織は、そのほとんどが保守的な体制を長らく続けている。
そんな中、堕天使だけは例外的にほとんどの勢力は国連承認国家から容認されている国際活動がある。
俺たちが住んでいる駒王町は、異形勢力の管轄的には悪魔側の縄張り。ついで影響力があるとするなら、話が通っている日本神話側に位置するだろう。堕天使が侵入している以上、九割以上の確率でそれだ。
そしてその仕事としてイッセーに接触した場合、最悪……イッセーは死ぬ。
何がいら立つかっていうと、俺たちはこれを止めることが不可能に近い点だ。
日本側の異形や異能は、神道である日本神話体系が異形で五大宗家という異能者の集団が異能側だ。ほかにも妖怪たちが住んでいる縄張りもあるが、基本的にはそうなる。
そして堕天使の活動は彼らも容認している。なんなら日本政府も容認している。結論として、
その事実にげんなりしながら、俺は下から聞こえるピチャピチャという音を強引に無視して窓の外を見る。
……すでに夜一歩手前の空には、三つの大きな光が浮かんでいる。
地平線の彼方に沈もうとしている、太陽。
太陽の光を受けてすでに見えている、月。
二十年ほど前に突如として発生したとされる、次元に穿たれた穴。特移点と形容されたそれは、いつしか
そこから漏れ出していると思われる物質は
さらに、神器保有者の一部から、神器とは全く異なる異能を会得する存在が発覚。加えて神代晃星が広まるにつれて、それをあがめる新興宗教が同時多発的に発生。なぜかまったく別々の箇所で同じ教義を掲げ、すぐに連携をとるようになった
そのころにはいつの間にか
日本もターゲットにされた経験があり、日本政府も国防面においていくつもの対応を試みざるを得なくなっている。とはいえ、戦奏教団の活動範囲は日本から離れているため、まだ日本は平和なほうだ。
そんな、世界が少しすつ確実に歪んでいるこの現状。そんなところで、日常に影が差すのはいい気分じゃない。
そして……だ。
「おい、ボス。いつまでフェラしてんだ? 気分じゃないって言ってんだろ」
沈んでいる気分で勃ったりしない俺のチンポ、かがみこんでペロペロフェラしている同居人の一人にジト目を向ける。
銀髪という日本人としてはあり得ない髪色の、年上の女が顔を上げて首を傾げた。
「……ふぇ? なんか沈んでるから、ちょっと元気にしてあげよっかなってのが五割かな?」
「残り五割は?」
「勃起しないままチンポ舐めるって、なかなかない経験だよね?」
とりあえずチョップを叩き込んでから、俺は盛大にため息をついた。
このボスは、自覚的にボケ倒してくるから軽く困る。
どう返したらいいかを考えていると、ボスは立ち上がりながら、俺の額に指をあてる。
「私たちの立場だと、下手な妨害はできない。それはわかってるよね?」
……急に真面目に言ってくると困るな。
ただ、まったくもってその通りだ。
堕天使の活動は、世界各国各勢力が堕天使に押し付けている汚れ仕事ともいえる。それを、俺たちが身内が巻き込まれからって文句をつける道理など存在しない。
ただそのうえで、彼女は少し表情を鋭くする。
「でも、それはあくまで必要悪を担っているから。……それができてるかちょっと怪しいから……ね?」
……なるほどな。
確かに、そこは懸念点だ。
あの女が堕天使で、目的が仕事だとするのなら、イッセーに対する接触の仕方が明らかにおかしい。
……そこは、調べるべきか。
「オーケー秀華。その一線は調べとかないとな」
「そ~ゆ~こと。秀華お姉さんはなんだかんだで抜け目ないのだ~♪」
にかっと笑うのは、
俺の上司であり、相棒であり、そしておそらく最初の同志。
……胸を張って人生を生き切ることを望む、そのために生きると決めた者たちだ。
《Other》
それは本来、この世界に存在する物でもなければこの時代に生まれいずる者でもない。
かつて
その残滓、きわめて偶発的な
歪みによってたどり着く果ては、果たしてどこに向かうのか。
ここに、ありえざる
さぁ、
この調子で書いていきたいと思っております!
これからもよろしくね♪